残された仁美は早々とユニットバスへ向かう。
仙道が帰って来ないうちに上がらないといけないからだ。
ユニットバスは初めてで、勝手が、分からなかったけど何とかシャワーを済ます事は出来た。

ユニットバスで身体を拭き、急いで持ってきた部屋着に着替える。
髪を乾かすのにドライヤーを借りたかったが、何処にあるのか分からなかった。
とりあえず、持ってきたバスタオルで髪の毛を拭いていた。

もういつ仙道が帰って来ても大丈夫だ。
仁美はLINEで仙道に終わった事を伝えた。
すぐ既読になり、戻ってくる様だった。

仁美は先程と同じ位置に座り、ため息を吐いた。
この部屋に入ってからずっと緊張しっぱなしだ。

だけど仙道が凄く気を遣ってくれているのが分かり、仁美は嬉しかった。
さっきは緊張でちゃんと見れなかったが、仁美はゆっくり部屋の中を見渡してみた。

無駄なものは無く、キチンと整頓されている本棚には学校の教科書が並んでいた。
壁には制服や鞄が掛けてある。
仙道がここで生活しているのが想像できた。
ベッドは大きい仙道の為、シングルではなくセミダブルはあった。

ベッドを見て今日はここに寝るのかと考えたら、一晩中寝れなくて起きているじゃ無いかと思える。
恥ずかしくて、上手く伝えられないが、一晩一緒に居れる事は凄く嬉しいと思っている。
だけど今はどうしても緊張してしまい、思うように気持ちを表せない。
仙道に変な誤解をさせているのでは無いかと心配になった。