両親の愛情(仮)
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真っ白な空間に浮かび、自分の肉体と魂は分かれたんだと微睡みながらぼんやりと実感する。
悲しみも怒り、憎しみも消え失せて不思議な感覚だった。
天国でも地獄でもない所で時間は沢山あり、いろんなことを思い出す。
楽しい思い出よりも悲しいことや辛いことが多かった。
(どうして両親は愛情表現をしてくれなかったんだろう。
最初は反抗なんてしてなかったし、自分で言うのもだけど。
優秀な子息だったし)
一度教えれば、テーブルマナーも作法も勉強だって躓くこともなくすぐに出来た。
純粋な疑問が浮かぶとグルリと視界が歪んだ。
(なん、だ…?)
亡くなっているのに眠たくなるのも不思議な感覚だ。
「……っ…」
ふと目が覚めると見覚えある部屋で瞬きする。
(幼少期に過ごしていた私の部屋だ。
生家に何故…っ)
自分の手が視界に入り、とても小さな手に気づいた。
ドテンッと幼い身体はベットから落ちてしまい、自分の意思とは無関係に涙が溢れる。
「シリウス!」
「落ちたのですか!?
大変だわ。
怪我してませんか!?」
慌てたような両親が部屋に勢いよく入って来て、幼いシリウスはパチクリと瞬きしてしまう。
「痛かったでしょう?
離れていて、ごめんね」
「う…っ」
「怪我はなさそうだね。
あぁ、よかった」
抱えられたことも心配した様子も驚きが隠せない。
言葉もうまく発せなくて苛立ってしまうが、どうにも出来なかった。
「シリウス…?
ふふっ、母様にキスしてくれるのですか。
可愛いわね」
「シリウス。
父様にも」
「強請ってどうするんですか」
「可愛すぎて仕事したくなくなるよ、シリウス」
(…誰がこの人達を冷酷なんて言ったのだろう。
ジェームズにも勝てそうなこの溺愛っぷりから、あんな感じになるのだろうか)
今にも蕩けそうな両親の緩んだ顔に顔が引きつりそうになった。
「父様、母様。
僕のこと…愛してますか?」
「勿論だとも」
「どうしてそんなことを聞くのですか?」
「ちゃんと言葉にしてください!」
「愛してるよ、シリウス」
「シリウス。
愛しているわ」
宥めるように両親は屈んで背をさすってくれる。
「ベラ…姉さまが。
父様と母様が、僕より…レグが可愛いんだって。
大人びていても、つまんないって。
賢すぎて可愛くないって。
えっ、ぐ…ッ」
「そんな訳無いだろう!
大人びていることは性格だし、賢いのはとても凄いことで褒めることはあっても貶すことなんてあってはならないよ」
「そうよ、シリウス。
私達は貴方が大好きなの。
可愛くて仕方がないわ」
「ほんと…?」
当然ながらベラトリックスには言われてないが、前世の仕返しも多少はある。
「ベラトリックスの方が何歳も年上なのに落ち着きもなくて。
貴方に正論で注意されるから面白くなくてからかったのよ。
だからってこんなに幼い年下を泣かせるまで傷つけるのはよくないことだわ」
「安心しなさい、シリウス。
父様も母様も君が本当に大好きなのだから」
にっこりと笑う笑顔が恐ろしい両親に思わず、硬直してしまう。
本家の当主であるオリオンに抗議の手紙が送られ、分家の当主である父であるシグナス・ブラック3世は青ざめてベラトリックスを引きずって土下座の勢いで謝りに来たのだった。
弱冠3歳のシリウスに半泣きで土下座して謝罪するシグナスにシリウスは啞然とする。
「本当に娘が申し訳ありませんでした。
確かに気の強い娘ですが、このような愚かなことをしているとはなんてお詫びして良いやら…」
おやつを食べている最中に突入して来るとは思わなかった。
それは両親も同様だったようで頭を抱えた。
悲しみも怒り、憎しみも消え失せて不思議な感覚だった。
天国でも地獄でもない所で時間は沢山あり、いろんなことを思い出す。
楽しい思い出よりも悲しいことや辛いことが多かった。
(どうして両親は愛情表現をしてくれなかったんだろう。
最初は反抗なんてしてなかったし、自分で言うのもだけど。
優秀な子息だったし)
一度教えれば、テーブルマナーも作法も勉強だって躓くこともなくすぐに出来た。
純粋な疑問が浮かぶとグルリと視界が歪んだ。
(なん、だ…?)
亡くなっているのに眠たくなるのも不思議な感覚だ。
「……っ…」
ふと目が覚めると見覚えある部屋で瞬きする。
(幼少期に過ごしていた私の部屋だ。
生家に何故…っ)
自分の手が視界に入り、とても小さな手に気づいた。
ドテンッと幼い身体はベットから落ちてしまい、自分の意思とは無関係に涙が溢れる。
「シリウス!」
「落ちたのですか!?
大変だわ。
怪我してませんか!?」
慌てたような両親が部屋に勢いよく入って来て、幼いシリウスはパチクリと瞬きしてしまう。
「痛かったでしょう?
離れていて、ごめんね」
「う…っ」
「怪我はなさそうだね。
あぁ、よかった」
抱えられたことも心配した様子も驚きが隠せない。
言葉もうまく発せなくて苛立ってしまうが、どうにも出来なかった。
「シリウス…?
ふふっ、母様にキスしてくれるのですか。
可愛いわね」
「シリウス。
父様にも」
「強請ってどうするんですか」
「可愛すぎて仕事したくなくなるよ、シリウス」
(…誰がこの人達を冷酷なんて言ったのだろう。
ジェームズにも勝てそうなこの溺愛っぷりから、あんな感じになるのだろうか)
今にも蕩けそうな両親の緩んだ顔に顔が引きつりそうになった。
「父様、母様。
僕のこと…愛してますか?」
「勿論だとも」
「どうしてそんなことを聞くのですか?」
「ちゃんと言葉にしてください!」
「愛してるよ、シリウス」
「シリウス。
愛しているわ」
宥めるように両親は屈んで背をさすってくれる。
「ベラ…姉さまが。
父様と母様が、僕より…レグが可愛いんだって。
大人びていても、つまんないって。
賢すぎて可愛くないって。
えっ、ぐ…ッ」
「そんな訳無いだろう!
大人びていることは性格だし、賢いのはとても凄いことで褒めることはあっても貶すことなんてあってはならないよ」
「そうよ、シリウス。
私達は貴方が大好きなの。
可愛くて仕方がないわ」
「ほんと…?」
当然ながらベラトリックスには言われてないが、前世の仕返しも多少はある。
「ベラトリックスの方が何歳も年上なのに落ち着きもなくて。
貴方に正論で注意されるから面白くなくてからかったのよ。
だからってこんなに幼い年下を泣かせるまで傷つけるのはよくないことだわ」
「安心しなさい、シリウス。
父様も母様も君が本当に大好きなのだから」
にっこりと笑う笑顔が恐ろしい両親に思わず、硬直してしまう。
本家の当主であるオリオンに抗議の手紙が送られ、分家の当主である父であるシグナス・ブラック3世は青ざめてベラトリックスを引きずって土下座の勢いで謝りに来たのだった。
弱冠3歳のシリウスに半泣きで土下座して謝罪するシグナスにシリウスは啞然とする。
「本当に娘が申し訳ありませんでした。
確かに気の強い娘ですが、このような愚かなことをしているとはなんてお詫びして良いやら…」
おやつを食べている最中に突入して来るとは思わなかった。
それは両親も同様だったようで頭を抱えた。