別れと出会い(仮)
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好奇な視線に晒されて噂話をされるが、ドラコは気にせずにシリウスに連れられて買い物する。
そういう視線は以前からあったので慣れていて、相手にするだけ無駄だとも理解していた。
「教科書と魔法薬の材料はクリーチャーに買って来てもらうし。
先に制服を新しく作ろう。
また背が伸びたからな」
「分かりました」
「ついでに洋服も新しく買おうか。
正装は屋敷に代々のデザイナーを呼ぶことになってるし、洋服もその時に造らせよう」
(…本当に一度でも家を出た人なんだろうか)
慣れた様子のシリウスにドラコは苦笑いしてしまう。
「必要なものは揃ったし、ほかにはないか?」
「…寄りたい店が」
「クィディッチだろう?」
「う…っ、見るだけ」
「構わないよ」
新しい箒の発売に楽しみにしていたのはドラコだけではない。
「…すごい。
どんな風に飛ぶんだろう」
「買うか?」
「えっ?」
「欲しいんだろう?」
「それは、そうですけど」
本心では欲しいが、ドラコは見るだけのつもりだった。
「私は君が欲しいものを買いたいだけだよ、ドラコ」
「こんな高価なものを」
「これくらいなら問題ない。
マルフォイ家だってそうだろう?」
「それは…、このくらいでは傾いたりはしませんが」
「君が私の“息子”になった記念にな」
「…それでは断れないじゃないですか。
ありがとうございます」
穏やかな微笑みでドラコはシリウスを見つめる。
スリザリン生でさえもこんなに自然体なドラコの微笑みは見たことないだろう。
ザワつき、女の子達が頬を赤らめたのは気の所為ではない。
「これで勝ったなら、祝福してくれますか?」
「勿論だとも。
どちらも私の息子だ。
正々堂々と戦ったのならば、私は祝福するよ。
仮に戦いに負けても正々堂々と戦ったのならば、私は否定するつもりはない。
勝負だから勝ち負けは仕方ないが、私はハリーもドラコも応援してるよ」
「…僕は“正々堂々”と挑みます」
「それでいい。
周りに惑わされるな。
止めるのはそう簡単なことではないからな。
それで君が独りになり、傷つく方が私は心配になるよ」
「子供扱いが過ぎませんか?」
「愛しい息子を可愛がって何が悪い?」
(…違う意味で目立つ)
ドラコはシリウスに肩を抱かれ、微かに笑う。
「応援しているよ」
「ありがとうございます。
たまには試合を観に来てくださいね」
「勿論だとも。
ホグワーツの理事の権限で」
「ふは…っ、そこはブラック家は使わないんですね」
「拒否されたならば、最終手段だな」
クスクスと笑いながらドラコは箒を受け取る。
荷物と共にクリーチャーが一足先に屋敷に戻った。
「アクセサリー類はそこまで持ってなかっただろう。
パーティーならデザイナーに依頼してもいいが。
普段使いなら、この店でも十分だろう」
「…意外ときちんとした店なんですね」
「ここにもそういう店はあるんだよ。
一点ものだし、ほかの奴等と被る必要はない。
好きなものを選ぶといい」
(いつもは選んでもらったものを着けていただけだし。
それが嫌だった訳ではないけど)
自由に選べることも嬉しくて、ドラコは見ていた。
「君は派手なものよりもシンプルなデザインが好きなんだな」
「そうかもしれません」
「家柄など気にせずに、自分好みを選べばいい。
パーティーとなるとそうはいかないけどな」
「ピアスも?」
「着けてもいいさ。
反対されてたか?」
「いい顔はしてなかった」
「君がしたいならば、私は反対しない」
「ピアスは選んでください」
「分かった」
再会した時に両親は顔を歪めるかもしれないが、それも思い出になるだろう。
そういう自由があってもいいだろうとシリウスは教えてくれた。
自分で選ぶ好きなこと、それは不思議な感覚で楽しかった。
そういう視線は以前からあったので慣れていて、相手にするだけ無駄だとも理解していた。
「教科書と魔法薬の材料はクリーチャーに買って来てもらうし。
先に制服を新しく作ろう。
また背が伸びたからな」
「分かりました」
「ついでに洋服も新しく買おうか。
正装は屋敷に代々のデザイナーを呼ぶことになってるし、洋服もその時に造らせよう」
(…本当に一度でも家を出た人なんだろうか)
慣れた様子のシリウスにドラコは苦笑いしてしまう。
「必要なものは揃ったし、ほかにはないか?」
「…寄りたい店が」
「クィディッチだろう?」
「う…っ、見るだけ」
「構わないよ」
新しい箒の発売に楽しみにしていたのはドラコだけではない。
「…すごい。
どんな風に飛ぶんだろう」
「買うか?」
「えっ?」
「欲しいんだろう?」
「それは、そうですけど」
本心では欲しいが、ドラコは見るだけのつもりだった。
「私は君が欲しいものを買いたいだけだよ、ドラコ」
「こんな高価なものを」
「これくらいなら問題ない。
マルフォイ家だってそうだろう?」
「それは…、このくらいでは傾いたりはしませんが」
「君が私の“息子”になった記念にな」
「…それでは断れないじゃないですか。
ありがとうございます」
穏やかな微笑みでドラコはシリウスを見つめる。
スリザリン生でさえもこんなに自然体なドラコの微笑みは見たことないだろう。
ザワつき、女の子達が頬を赤らめたのは気の所為ではない。
「これで勝ったなら、祝福してくれますか?」
「勿論だとも。
どちらも私の息子だ。
正々堂々と戦ったのならば、私は祝福するよ。
仮に戦いに負けても正々堂々と戦ったのならば、私は否定するつもりはない。
勝負だから勝ち負けは仕方ないが、私はハリーもドラコも応援してるよ」
「…僕は“正々堂々”と挑みます」
「それでいい。
周りに惑わされるな。
止めるのはそう簡単なことではないからな。
それで君が独りになり、傷つく方が私は心配になるよ」
「子供扱いが過ぎませんか?」
「愛しい息子を可愛がって何が悪い?」
(…違う意味で目立つ)
ドラコはシリウスに肩を抱かれ、微かに笑う。
「応援しているよ」
「ありがとうございます。
たまには試合を観に来てくださいね」
「勿論だとも。
ホグワーツの理事の権限で」
「ふは…っ、そこはブラック家は使わないんですね」
「拒否されたならば、最終手段だな」
クスクスと笑いながらドラコは箒を受け取る。
荷物と共にクリーチャーが一足先に屋敷に戻った。
「アクセサリー類はそこまで持ってなかっただろう。
パーティーならデザイナーに依頼してもいいが。
普段使いなら、この店でも十分だろう」
「…意外ときちんとした店なんですね」
「ここにもそういう店はあるんだよ。
一点ものだし、ほかの奴等と被る必要はない。
好きなものを選ぶといい」
(いつもは選んでもらったものを着けていただけだし。
それが嫌だった訳ではないけど)
自由に選べることも嬉しくて、ドラコは見ていた。
「君は派手なものよりもシンプルなデザインが好きなんだな」
「そうかもしれません」
「家柄など気にせずに、自分好みを選べばいい。
パーティーとなるとそうはいかないけどな」
「ピアスも?」
「着けてもいいさ。
反対されてたか?」
「いい顔はしてなかった」
「君がしたいならば、私は反対しない」
「ピアスは選んでください」
「分かった」
再会した時に両親は顔を歪めるかもしれないが、それも思い出になるだろう。
そういう自由があってもいいだろうとシリウスは教えてくれた。
自分で選ぶ好きなこと、それは不思議な感覚で楽しかった。