別れと出会い(仮)
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毎日ではないが、少しずつドラコは睡眠時間が増えて日中にウトウトすることも減ってシリウスもクリーチャーも安堵した。
(これが普通なんだけど。
普通、なんだよな)
毎日ではなくても一緒に眠っていたので寂しい。
「ドラコ…?
まだ起きてるか?」
「はい、起きてますが」
シリウスから夜に訪ねて来ることは珍しいのでドラコは不思議に思いながらもドアを開ける。
緊急時以外ではシリウスは基本的にノックをしてくれるようになり、それはドラコが嫌がったから。
あのルシウスでさえもドラコの自室は勝手に入らず、きちんとノックをしていた。
「今日は冷えるから。
毛布を掛けて寝ろよ」
「ふふっ、ありがとうございます」
「どういたしまして。
ハーブティーで良かったか?」
「はい。
父様がくれるのならば、ハーブティーでも蜂蜜たっぷりのホットミルクでもココアでも。
何でも嬉しいですよ」
ふわりと微笑んでマグカップを受け取るドラコにシリウスは微かに笑う。
「…そうか。
具合悪くなったら言えよ」
「うん、今は大丈夫。
あれだけ体調崩していたのが嘘みたいだ」
「環境に慣れてなかったんだろうな。
ブラック家の屋敷は独特な雰囲気がある。
空気が重いんだ」
「それは魔力が…?」
「まぁ、それもあるのだろう。
以前よりもこれでも良くなったんだが」
(そう考えると父上はそういう面も僕に配慮してくれてたのかな)
名家の屋敷ならこういうのは不思議ではない。
「ずっと暮らしてなくて護りの魔法が安定してないのも理由のひとつだろう。
君が次の休暇で帰って来る時には落ち着けるはずだ」
「時間が経過するのはあっという間ですね」
「明日は新学期の買い物に一緒に行こう。
欲しいものがあれば、買ってあげよう。
クィディッチ関連でもいいぞ。
今度の休暇には試合に観に行こうか」
「ほんと…?」
ルシウスは滅多にクィディッチの試合には連れて行ってはくれなかった。
それは安全面を配慮していると理解はしていたが。
「あぁ、約束だ」
「…一緒なの?」
「ハリーは友達と観に行かせるよ」
「約束ですからね」
嬉しいようで珍しく、ドラコが自分から抱きついた。
数秒後にはハッとして離れて行ってシリウスは苦笑いする。
「ドラコ。
今日は冷えるから。
一緒に寝るか?」
「どんな理由ですか。
父様が寂しくなったの?」
「おいで、ドラコ」
「分かったから抱えないで」
ひょいっとシリウスに抱えられてドラコは微かに頬を赤らめた。
(父上とは全然違うのに。
僕を大切にしてくれてるのは、やり方は違うけど。
同じように思えてしまうから不思議だ。
嘘のない言葉も優しさも。
ちゃんと叱ってくれる。
実は叱ると父上よりも怖かったりする。
冷酷じゃないけど、そういう当主も良いと思う)
以前の自分ならそれも拒絶していたかもしれない。
「ドラコ。
経験は大切にしなさい。
どんな経験も決して無駄にはならない。
嬉しさも悔しさも、どんな感情も人には必要なことだ」
「はい、父様」
「血の繋がりはそこまで濃くはないけど。
君は私の大切な息子だよ」
「そんな風に大切に、甘やかされたら僕はダメになっちゃう。
甘ったれな頼りない人にはなりたくない」
「そんな人に君はならないよ。
私は君を引き取る時に甘やかすと決めたんだ」
「ふふっ、くすぐったい」
シリウスにぎゅうっと抱き締められてドラコは微笑む。
「父様は僕に真っ直ぐな言葉をくれる。
優しさもぬくもりも、安心するんだ。
甘やかされるのは最初はくすぐったくて。
今はそれさえも落ち着く」
「…ドラコ」
「両親と同じくらいに今は信頼してるし、頼りたいと思う。
前は頼ることが出来なくて、ごめんなさい。
頼っていいか分からなくて。
見捨てられるのが怖くて。
呆れられたらどうしょうって」
「謝らなくていい。
それは私の配慮が足らなかったんだ。
傷つくことになって。
謝るのは私の方なんだよ」
ドラコはフルフルと頭を振り、ぎゅっとシリウスに抱きつく。
(これが普通なんだけど。
普通、なんだよな)
毎日ではなくても一緒に眠っていたので寂しい。
「ドラコ…?
まだ起きてるか?」
「はい、起きてますが」
シリウスから夜に訪ねて来ることは珍しいのでドラコは不思議に思いながらもドアを開ける。
緊急時以外ではシリウスは基本的にノックをしてくれるようになり、それはドラコが嫌がったから。
あのルシウスでさえもドラコの自室は勝手に入らず、きちんとノックをしていた。
「今日は冷えるから。
毛布を掛けて寝ろよ」
「ふふっ、ありがとうございます」
「どういたしまして。
ハーブティーで良かったか?」
「はい。
父様がくれるのならば、ハーブティーでも蜂蜜たっぷりのホットミルクでもココアでも。
何でも嬉しいですよ」
ふわりと微笑んでマグカップを受け取るドラコにシリウスは微かに笑う。
「…そうか。
具合悪くなったら言えよ」
「うん、今は大丈夫。
あれだけ体調崩していたのが嘘みたいだ」
「環境に慣れてなかったんだろうな。
ブラック家の屋敷は独特な雰囲気がある。
空気が重いんだ」
「それは魔力が…?」
「まぁ、それもあるのだろう。
以前よりもこれでも良くなったんだが」
(そう考えると父上はそういう面も僕に配慮してくれてたのかな)
名家の屋敷ならこういうのは不思議ではない。
「ずっと暮らしてなくて護りの魔法が安定してないのも理由のひとつだろう。
君が次の休暇で帰って来る時には落ち着けるはずだ」
「時間が経過するのはあっという間ですね」
「明日は新学期の買い物に一緒に行こう。
欲しいものがあれば、買ってあげよう。
クィディッチ関連でもいいぞ。
今度の休暇には試合に観に行こうか」
「ほんと…?」
ルシウスは滅多にクィディッチの試合には連れて行ってはくれなかった。
それは安全面を配慮していると理解はしていたが。
「あぁ、約束だ」
「…一緒なの?」
「ハリーは友達と観に行かせるよ」
「約束ですからね」
嬉しいようで珍しく、ドラコが自分から抱きついた。
数秒後にはハッとして離れて行ってシリウスは苦笑いする。
「ドラコ。
今日は冷えるから。
一緒に寝るか?」
「どんな理由ですか。
父様が寂しくなったの?」
「おいで、ドラコ」
「分かったから抱えないで」
ひょいっとシリウスに抱えられてドラコは微かに頬を赤らめた。
(父上とは全然違うのに。
僕を大切にしてくれてるのは、やり方は違うけど。
同じように思えてしまうから不思議だ。
嘘のない言葉も優しさも。
ちゃんと叱ってくれる。
実は叱ると父上よりも怖かったりする。
冷酷じゃないけど、そういう当主も良いと思う)
以前の自分ならそれも拒絶していたかもしれない。
「ドラコ。
経験は大切にしなさい。
どんな経験も決して無駄にはならない。
嬉しさも悔しさも、どんな感情も人には必要なことだ」
「はい、父様」
「血の繋がりはそこまで濃くはないけど。
君は私の大切な息子だよ」
「そんな風に大切に、甘やかされたら僕はダメになっちゃう。
甘ったれな頼りない人にはなりたくない」
「そんな人に君はならないよ。
私は君を引き取る時に甘やかすと決めたんだ」
「ふふっ、くすぐったい」
シリウスにぎゅうっと抱き締められてドラコは微笑む。
「父様は僕に真っ直ぐな言葉をくれる。
優しさもぬくもりも、安心するんだ。
甘やかされるのは最初はくすぐったくて。
今はそれさえも落ち着く」
「…ドラコ」
「両親と同じくらいに今は信頼してるし、頼りたいと思う。
前は頼ることが出来なくて、ごめんなさい。
頼っていいか分からなくて。
見捨てられるのが怖くて。
呆れられたらどうしょうって」
「謝らなくていい。
それは私の配慮が足らなかったんだ。
傷つくことになって。
謝るのは私の方なんだよ」
ドラコはフルフルと頭を振り、ぎゅっとシリウスに抱きつく。