別れと出会い(仮)
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うっすらと目を開け、見知らぬ天井に瞬きする。
(…そうだった。
ブラック家に来たんだった。
ここが僕の部屋だ。
あれ、どうして…っ)
記憶が曖昧でガンガンと痛む頭にドラコは微かに唸る。
「ドラコ。
目が覚めたのか。
どこか痛むか!?」
「い…っ、頭が…痛い」
「すまない。
高熱を出して倒れたんだ。
覚えてるか?」
「わかんな…っ」
「具合は悪くないか?」
「多分、大丈夫です」
「それなら魔法薬を飲んで。
色々なことがあって疲れが出る頃だからな」
「それを把握して?」
「真面目なドラコのことだ。
ルシウスからのアドバイス。
独りにさせるなとも」
(何を言ってくれてるんだ。
それに喜ぶ僕もおかしいけど)
「それだけで傍に居た訳じゃないからな。
心配だったのもあるけど、私が君の傍に居てあげたかった」
「ありがとうございます」
「大丈夫だから。
魔法薬を飲んだら寝なさい。
傍にいるから」
「…ん。
傍に居てくれるんですか?」
「こういう時は人恋しくなるし、良くない夢を見る」
傍に誰かの気配を感じながら寝るのは幼少期以来だなと思う。
「よく飲めたな。
よし、偉い偉い」
「子供扱いが過ぎます。
人前ではやめてくださいね」
「いいじゃないか。
私からしたら、君はまだ小さな子供だよ」
(21歳差だもんな。
だからって14歳にもなって子供扱いが過ぎる)
不満そうなドラコにシリウスはクスクスと笑い、優しく頭を撫でた。
「ん…っ、とう…さま?」
「目覚めたか?」
「…どこに」
「シャワー浴びてたんだ。
寂しかったか?」
「そうじゃ…っ」
「よしよし、落ち着け。
揶揄って悪かった」
咳き込むドラコの背をシリウスは優しく撫でた。
「喉、少し腫れてるな。
まずはハーブティーを飲もう。
食欲はどうだ?」
「…アッサリしたものなら」
「普段もガッツリしたものは食べないだろう。
野菜スープにするか?」
「リゾットがいい」
「分かった。
用意させるから」
甘える時だけドラコの口調が砕けることにシリウスは嬉しそうに微笑む。
ブラック家の屋敷妖精はシリウスに対して拒絶反応を見せていて、互いに相性が良くなかった。
シリウスが当主になり、服装や口調を変えたこともあって内心は分からなくとも嫌味もなく従うようになった。
ハーマイオニーからも屋敷妖精に強く当たらないようにと苦言を受けたのも理由のひとつで丁寧に接することを心掛けた。
自分だけならどうでもいいが、ドラコもハリーも暮らすことになると話は変わってくる。
「そういう口調の方が愛らしいな」
「もう…っ」
今ならアルファードの気持ちが少し分かる気がするなとシリウスは微笑む。
「ドラコお坊ちゃま、ご加減は如何ですか?」
「ありがとう。
少しは良くなったよ」
「あとで果物もお持ち致しますね」
「…うん」
どっちに仕えているんだとシリウスとドラコは顔を見合わせて苦笑いしてしまう。
純血でスリザリン寮生のドラコのことはクリーチャーは最初から気に入っていて、ドラコはシリウスの母の肖像画を穏やかに出来る唯一の人物でもあった。
「熱は微熱に下がったが、無理はするなよ。
今日はどうしても魔法省に行かないといけない用事がある」
「分かってます」
「何かあれば、すぐに連絡してくれ。
帰りは夜中になるかもしれないから先に寝てなさい」
(…僕は何歳なんだろうか)
「クリーチャー。
ドラコを頼んだからな」
「承知しました」
苦笑いしながらドラコはシリウスを見送った。
(…静かだな。
たった1人、叔父様が居ないだけなのに。
実家でも1人で寝てたのに)
静寂が不気味で怖くて寝付けなかった。
「ドラコ…?
まだ寝てなかったのか。
具合悪いか?」
「叔父様。
あ…っ、お帰りなさい。
夜更かし…してたんじゃなくて」
「分かってるよ。
眠れなかったんだろう?」
「…はい」
「具合悪くはないか?」
「少しだけ、寒くて」
「熱はなさそうだが」
ドラコのベッドの傍にシリウスは座り、傍に居てくれることに安堵する。
(…そうだった。
ブラック家に来たんだった。
ここが僕の部屋だ。
あれ、どうして…っ)
記憶が曖昧でガンガンと痛む頭にドラコは微かに唸る。
「ドラコ。
目が覚めたのか。
どこか痛むか!?」
「い…っ、頭が…痛い」
「すまない。
高熱を出して倒れたんだ。
覚えてるか?」
「わかんな…っ」
「具合は悪くないか?」
「多分、大丈夫です」
「それなら魔法薬を飲んで。
色々なことがあって疲れが出る頃だからな」
「それを把握して?」
「真面目なドラコのことだ。
ルシウスからのアドバイス。
独りにさせるなとも」
(何を言ってくれてるんだ。
それに喜ぶ僕もおかしいけど)
「それだけで傍に居た訳じゃないからな。
心配だったのもあるけど、私が君の傍に居てあげたかった」
「ありがとうございます」
「大丈夫だから。
魔法薬を飲んだら寝なさい。
傍にいるから」
「…ん。
傍に居てくれるんですか?」
「こういう時は人恋しくなるし、良くない夢を見る」
傍に誰かの気配を感じながら寝るのは幼少期以来だなと思う。
「よく飲めたな。
よし、偉い偉い」
「子供扱いが過ぎます。
人前ではやめてくださいね」
「いいじゃないか。
私からしたら、君はまだ小さな子供だよ」
(21歳差だもんな。
だからって14歳にもなって子供扱いが過ぎる)
不満そうなドラコにシリウスはクスクスと笑い、優しく頭を撫でた。
「ん…っ、とう…さま?」
「目覚めたか?」
「…どこに」
「シャワー浴びてたんだ。
寂しかったか?」
「そうじゃ…っ」
「よしよし、落ち着け。
揶揄って悪かった」
咳き込むドラコの背をシリウスは優しく撫でた。
「喉、少し腫れてるな。
まずはハーブティーを飲もう。
食欲はどうだ?」
「…アッサリしたものなら」
「普段もガッツリしたものは食べないだろう。
野菜スープにするか?」
「リゾットがいい」
「分かった。
用意させるから」
甘える時だけドラコの口調が砕けることにシリウスは嬉しそうに微笑む。
ブラック家の屋敷妖精はシリウスに対して拒絶反応を見せていて、互いに相性が良くなかった。
シリウスが当主になり、服装や口調を変えたこともあって内心は分からなくとも嫌味もなく従うようになった。
ハーマイオニーからも屋敷妖精に強く当たらないようにと苦言を受けたのも理由のひとつで丁寧に接することを心掛けた。
自分だけならどうでもいいが、ドラコもハリーも暮らすことになると話は変わってくる。
「そういう口調の方が愛らしいな」
「もう…っ」
今ならアルファードの気持ちが少し分かる気がするなとシリウスは微笑む。
「ドラコお坊ちゃま、ご加減は如何ですか?」
「ありがとう。
少しは良くなったよ」
「あとで果物もお持ち致しますね」
「…うん」
どっちに仕えているんだとシリウスとドラコは顔を見合わせて苦笑いしてしまう。
純血でスリザリン寮生のドラコのことはクリーチャーは最初から気に入っていて、ドラコはシリウスの母の肖像画を穏やかに出来る唯一の人物でもあった。
「熱は微熱に下がったが、無理はするなよ。
今日はどうしても魔法省に行かないといけない用事がある」
「分かってます」
「何かあれば、すぐに連絡してくれ。
帰りは夜中になるかもしれないから先に寝てなさい」
(…僕は何歳なんだろうか)
「クリーチャー。
ドラコを頼んだからな」
「承知しました」
苦笑いしながらドラコはシリウスを見送った。
(…静かだな。
たった1人、叔父様が居ないだけなのに。
実家でも1人で寝てたのに)
静寂が不気味で怖くて寝付けなかった。
「ドラコ…?
まだ寝てなかったのか。
具合悪いか?」
「叔父様。
あ…っ、お帰りなさい。
夜更かし…してたんじゃなくて」
「分かってるよ。
眠れなかったんだろう?」
「…はい」
「具合悪くはないか?」
「少しだけ、寒くて」
「熱はなさそうだが」
ドラコのベッドの傍にシリウスは座り、傍に居てくれることに安堵する。