ふと目を覚ますと、なんだかとても長い夢を見ているような感覚だった。


「シリウス、起きたのですか。
おはようございます。
よく眠っていたわね」
「おはよう、シリウス。
可愛い私達のシリウス」


両親が部屋に来たことも驚きだが、オリオンに抱えられて両親に頬にキスされて硬直。


「どうかしましたか？」
「まだ寝ぼけてるのかい？」
「…いえ。
あの、おはようございます」


以前の両親との違いに幼いシリウスは言葉を失いそうになり、挨拶するので精一杯。


「可愛い我が子よ。
いつものお返しは？」
「え…？」
「父様と母様に朝のご挨拶があるでしょう？」
「しないと、だめ…？」
「嫌なのかい？」
「は、恥ずかしい…」
「あらあら。
うちの子は照れ屋さんだったのね」
「君もそういう年頃になってしまったか」


幼いシリウスは恥ずかしくてオリオンの首に抱きつき、赤い顔を隠した。