記憶の隙間(仮)
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泣いたことの気恥ずかしさからシリウスは枕に顔を埋めて悶絶。
両親はやっと頼って甘えてくれたシリウスに安堵していた。
「泣くことは恥ずかしいことじゃないわ。
貴方は小さな頃からしっかりしていたけれど。
だからこそ、心配だったのよ」
「…母上」
シリウスは顔を上げてヴァルブルガを見つめた。
「成人になったからと言って今すぐにすべて背負うことなどないのよ。
貴方の人生も楽しんで。
嫡男で次期当主だけれど。
私もオリオンもまだ若いのだから遊んだっていいのよ。
社会勉強に外に出たっていい。
必ず帰って来なさい」
穏やかなヴァルブルガに戸惑いながらもシリウスは肩の力が少し抜けた。
「…どうしていいのか分からないんだ。
当主になりたくない訳でも逃げ出したい訳でも、何かしたいことがある訳でもなくて。
ルシウスのように今すぐに当主になる訳じゃないから。
僕には目指すものがない」
「ルシウスの場合は特例だ。
それに、ルシウスだって沢山の支えがあるんだよ」
以前だったら、やりたいこともしてあげたいことも沢山あったが、今は分からない。
慰めるように両親に左右から肩を抱かれた。
ルシウスの父は病死でもなくて隠居だ。
元々は純血主義で度々過激な発言も多かったが、当主として問題があるとシリウスに被害が起きる前にオリオンを筆頭にルシウスが6年生の時に当主交代。
隠居という名の森の中の屋敷にブラック家の親族が監視させられている。
ブラック家が動けば、ルシウスは従うしかないが、先に動いたのはルシウスでナルシッサを通してオリオンに面会したのだった。
(あの年齢で当主をしているのだからルシウスに適うはずがない。
ピーターは何故かハッフルパフだし、ヴォルデモートがいなくても闇の魔法使いはゼロではない。
それはピーターには幸せなのかもしれないな。
ある意味、ジェームズは変わってなかったのは安心したけど)
周りに沢山の人はいたけれど、シリウスは学生時代に特定の友人は作らなかった。
それでも友人が居なかった訳ではなかった。
楽しいことも思い出も沢山あったけれど。
以前と違うのは傍にジェームズがいないからシリウスは真面目な生徒と認識されていたこと。
あのグリフィンドール贔屓のマクゴナガル教授でさえもシリウスのことは褒めて一目置いてた。
(偉大な魔法使いと言われていたはずのダンブルドアが居ないのは不思議だな。
いや、校長として居ないだけで存在はしているけど。
偉大なる魔法使いでもないが。
僕がグリフィンドールに行ったのもマインドコントロールをされていたのか?)
そう思えば、点と点が繋がってしまってシリウスは青ざめて震えてしまう。
「寒い?」
「身体が冷えてしまったかしら」
信じていた存在のハッキリのしない裏切りに吐き気さえもする。
「ゴホッ…ゲホン…っ」
「よしよし。
無理しなくていいからな」
「全部出しちゃえば、楽になるはずよ」
嘔吐している最中も優しく背を擦られていた。
「落ち着いたかい?」
「ぬるま湯よ。
口の中がスッキリするわ。
うがいしましょうね」
「…ん」
やっと安堵の息をつき、シリウス
はベットに横になる。
(騙されたんだろうな。
それは僕だけではないけど。
やったことは間違ったことだけれど。
本当の黒幕はヴォルデモートだったのだろうか。
大きなキッカケがあったのではないだろうか)
あの時代は全員が他人を疑っていて、誰もが加害者で被害者だったのかもしれない。
だからと言って許されないことが沢山あったけれど。
(私はハリーの名付け親だ。
私が無理だからと何故、マグルの親戚に?
魔法族にもウィーズリーやマルフォイ、親戚がいたんだ。
マグルなら魔力暴走や魔力覚醒の時に何度も困ったことが起きたのだろう)
虐待はよくないことだが、その環境を配慮する必要性もあったのだろう。
それでも預けるのならば、魔法族のサポートも必要だった。
疑問が浮かぶ度に憤りと共に冷静に自分が動けば、防ぐことが出来た後悔に苛まれる。
「はっ、ぁ…ッ」
息苦しさに胸を抑え、シリウスの美しい顔が歪む。
「シリウス。
大丈夫だ。
考えすぎてはいけないよ」
「かは…ッ」
「過呼吸が起きたんだ」
いつの間にか現れたオリオンに身体を支えられ、魔力を感じた。
両親はやっと頼って甘えてくれたシリウスに安堵していた。
「泣くことは恥ずかしいことじゃないわ。
貴方は小さな頃からしっかりしていたけれど。
だからこそ、心配だったのよ」
「…母上」
シリウスは顔を上げてヴァルブルガを見つめた。
「成人になったからと言って今すぐにすべて背負うことなどないのよ。
貴方の人生も楽しんで。
嫡男で次期当主だけれど。
私もオリオンもまだ若いのだから遊んだっていいのよ。
社会勉強に外に出たっていい。
必ず帰って来なさい」
穏やかなヴァルブルガに戸惑いながらもシリウスは肩の力が少し抜けた。
「…どうしていいのか分からないんだ。
当主になりたくない訳でも逃げ出したい訳でも、何かしたいことがある訳でもなくて。
ルシウスのように今すぐに当主になる訳じゃないから。
僕には目指すものがない」
「ルシウスの場合は特例だ。
それに、ルシウスだって沢山の支えがあるんだよ」
以前だったら、やりたいこともしてあげたいことも沢山あったが、今は分からない。
慰めるように両親に左右から肩を抱かれた。
ルシウスの父は病死でもなくて隠居だ。
元々は純血主義で度々過激な発言も多かったが、当主として問題があるとシリウスに被害が起きる前にオリオンを筆頭にルシウスが6年生の時に当主交代。
隠居という名の森の中の屋敷にブラック家の親族が監視させられている。
ブラック家が動けば、ルシウスは従うしかないが、先に動いたのはルシウスでナルシッサを通してオリオンに面会したのだった。
(あの年齢で当主をしているのだからルシウスに適うはずがない。
ピーターは何故かハッフルパフだし、ヴォルデモートがいなくても闇の魔法使いはゼロではない。
それはピーターには幸せなのかもしれないな。
ある意味、ジェームズは変わってなかったのは安心したけど)
周りに沢山の人はいたけれど、シリウスは学生時代に特定の友人は作らなかった。
それでも友人が居なかった訳ではなかった。
楽しいことも思い出も沢山あったけれど。
以前と違うのは傍にジェームズがいないからシリウスは真面目な生徒と認識されていたこと。
あのグリフィンドール贔屓のマクゴナガル教授でさえもシリウスのことは褒めて一目置いてた。
(偉大な魔法使いと言われていたはずのダンブルドアが居ないのは不思議だな。
いや、校長として居ないだけで存在はしているけど。
偉大なる魔法使いでもないが。
僕がグリフィンドールに行ったのもマインドコントロールをされていたのか?)
そう思えば、点と点が繋がってしまってシリウスは青ざめて震えてしまう。
「寒い?」
「身体が冷えてしまったかしら」
信じていた存在のハッキリのしない裏切りに吐き気さえもする。
「ゴホッ…ゲホン…っ」
「よしよし。
無理しなくていいからな」
「全部出しちゃえば、楽になるはずよ」
嘔吐している最中も優しく背を擦られていた。
「落ち着いたかい?」
「ぬるま湯よ。
口の中がスッキリするわ。
うがいしましょうね」
「…ん」
やっと安堵の息をつき、シリウス
はベットに横になる。
(騙されたんだろうな。
それは僕だけではないけど。
やったことは間違ったことだけれど。
本当の黒幕はヴォルデモートだったのだろうか。
大きなキッカケがあったのではないだろうか)
あの時代は全員が他人を疑っていて、誰もが加害者で被害者だったのかもしれない。
だからと言って許されないことが沢山あったけれど。
(私はハリーの名付け親だ。
私が無理だからと何故、マグルの親戚に?
魔法族にもウィーズリーやマルフォイ、親戚がいたんだ。
マグルなら魔力暴走や魔力覚醒の時に何度も困ったことが起きたのだろう)
虐待はよくないことだが、その環境を配慮する必要性もあったのだろう。
それでも預けるのならば、魔法族のサポートも必要だった。
疑問が浮かぶ度に憤りと共に冷静に自分が動けば、防ぐことが出来た後悔に苛まれる。
「はっ、ぁ…ッ」
息苦しさに胸を抑え、シリウスの美しい顔が歪む。
「シリウス。
大丈夫だ。
考えすぎてはいけないよ」
「かは…ッ」
「過呼吸が起きたんだ」
いつの間にか現れたオリオンに身体を支えられ、魔力を感じた。