もう1度、家族として(仮)
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暗闇の中で微睡む中で“もう一度、家族に会いたい”と願った。
親友でもハリーでもなくて心の奥底にあったのは家族だった。
(どういうことだ。
何で生家に…っ)
目が覚めると何故か生家の自室にいて、グリフィンドールのものがない以外は当時と変わらない。
ふと自分の手が異様に小さいことに気づき、叫び声を上げてしまったのは仕方ないだろう。
「シリウス!」
「どうしたのですか!」
自室に飛び込んで来た両親も若くてシリウスは目を見開く。
「記憶を取り戻したんだね」
「え…?」
「隠さなくていいわ。
私達にも記憶があるの」
「今まで、すまなかった」
「貴方の最期まで。
私達は上で見ていたのよ。
また貴方に生きて会えるとは思っていなかったわ。
許さなくて構わないから。
再会の抱擁くらい、許してね」
謝罪されたことも抱擁されたこともシリウスは驚く。
今までとは異なる両親に半信半疑だった。
「兄様は?
まだ部屋に?」
「仕方ないわ。
今は落ち着くのを待つしかないから」
「…変わり過ぎかと。
そりゃ、兄様は向こうで再会していませんし。
僕のように免疫もないですからね」
レギュラスの苦言に両親は苦笑いしてしまう。
3日経過してもシリウスは部屋に閉じ籠もったままで食事は運ぶと食べていると報告され、安堵した。
最初は両親が運ぼうとしたのだが、レギュラスにもクリーチャーにも刺激を与え過ぎると止められた。
「…シリウス」
「父上、母上…。
今は…なんて言えば」
「気にしなくていいさ。
君の好きなように生きていい」
「えっ?」
「ブラック家の当主になるのも
家を出るのも。
君の自由だ」
「…分かった」
一瞬だけシリウスは目を見開き、オリオンを見つめた。
(私はこの世界でどうしたいんだろうな。
家族と過ごしたかったはずなのにそれさえも分からない。
次期当主と願われると思っていたはずなのに)
まるで拒絶されたような感覚に陥り、シリウスはまた拒絶されるのが怖くなってしまう。
レギュラスは両親と交流しているようだが、シリウスは言葉を交わすことは少なくて自室か書斎に籠もっている。
食事は一緒にしているが、シリウスから言葉を発することはほとんどなかった。
あれだけ賑やかなはずのシリウスが無表情に近く、何を考えているのか分からなかった。
「シリウス。
食事が終わったら話をしないか?」
「…分かりました」
食事が済んで席を立とうとしたシリウスにオリオンが声を掛け、シリウスは頷いた。
「紅茶はダージリンで良かったかしら」
「…ん」
好みを覚えていたんだなと思いながらもシリウスは言葉にしなかった。
「…シリウス。
私達の傍にいるのは辛いか?」
「それは…っ」
「いいんだ。
それ程のことを君にして来た」
「貴方にばかり酷な道を歩ませて助けてあげることも出来なかった。
けれど、貴方を愛してなかったことなんて一度もなかったわ」
「嘘だ…っ」
「君を助けたくても、私達は助けれなかったんだ」
「貴方は私達の最期を知らなかったから」
「…記憶を見るかい?」
半信半疑でシリウスは両親を見つめ、頷いた。
(…嘘だろ。
予想以上だった)
フラついたシリウスをソファに深く座らせた。
(もう亡くなっていたのか。
レギュラスが裏切ったと激怒した奴によって。
ブラック家の本家の者を拷問するとは。
それでも両親は…、僕の居場所を喋らなかった。
絶対に知っていたはずなのに。
僕はずっと両親に守られて生きていたのか)
何の涙が分からないままにシリウスは嗚咽が溢れ、号泣する。
「ごめっ、なさ…ッ」
「君のせいじゃないさ」
「過酷なものを見せてしまったわね。
泣かないで、シリウス」
「う…っ、えぐ…ッ」
オリオンに抱擁されながらヴァルブルガに頬の流れる涙を指で拭われた。
「……っ…」
今更ながら恥ずかしくなって縮こまっているシリウスに両親は苦笑いする。
親友でもハリーでもなくて心の奥底にあったのは家族だった。
(どういうことだ。
何で生家に…っ)
目が覚めると何故か生家の自室にいて、グリフィンドールのものがない以外は当時と変わらない。
ふと自分の手が異様に小さいことに気づき、叫び声を上げてしまったのは仕方ないだろう。
「シリウス!」
「どうしたのですか!」
自室に飛び込んで来た両親も若くてシリウスは目を見開く。
「記憶を取り戻したんだね」
「え…?」
「隠さなくていいわ。
私達にも記憶があるの」
「今まで、すまなかった」
「貴方の最期まで。
私達は上で見ていたのよ。
また貴方に生きて会えるとは思っていなかったわ。
許さなくて構わないから。
再会の抱擁くらい、許してね」
謝罪されたことも抱擁されたこともシリウスは驚く。
今までとは異なる両親に半信半疑だった。
「兄様は?
まだ部屋に?」
「仕方ないわ。
今は落ち着くのを待つしかないから」
「…変わり過ぎかと。
そりゃ、兄様は向こうで再会していませんし。
僕のように免疫もないですからね」
レギュラスの苦言に両親は苦笑いしてしまう。
3日経過してもシリウスは部屋に閉じ籠もったままで食事は運ぶと食べていると報告され、安堵した。
最初は両親が運ぼうとしたのだが、レギュラスにもクリーチャーにも刺激を与え過ぎると止められた。
「…シリウス」
「父上、母上…。
今は…なんて言えば」
「気にしなくていいさ。
君の好きなように生きていい」
「えっ?」
「ブラック家の当主になるのも
家を出るのも。
君の自由だ」
「…分かった」
一瞬だけシリウスは目を見開き、オリオンを見つめた。
(私はこの世界でどうしたいんだろうな。
家族と過ごしたかったはずなのにそれさえも分からない。
次期当主と願われると思っていたはずなのに)
まるで拒絶されたような感覚に陥り、シリウスはまた拒絶されるのが怖くなってしまう。
レギュラスは両親と交流しているようだが、シリウスは言葉を交わすことは少なくて自室か書斎に籠もっている。
食事は一緒にしているが、シリウスから言葉を発することはほとんどなかった。
あれだけ賑やかなはずのシリウスが無表情に近く、何を考えているのか分からなかった。
「シリウス。
食事が終わったら話をしないか?」
「…分かりました」
食事が済んで席を立とうとしたシリウスにオリオンが声を掛け、シリウスは頷いた。
「紅茶はダージリンで良かったかしら」
「…ん」
好みを覚えていたんだなと思いながらもシリウスは言葉にしなかった。
「…シリウス。
私達の傍にいるのは辛いか?」
「それは…っ」
「いいんだ。
それ程のことを君にして来た」
「貴方にばかり酷な道を歩ませて助けてあげることも出来なかった。
けれど、貴方を愛してなかったことなんて一度もなかったわ」
「嘘だ…っ」
「君を助けたくても、私達は助けれなかったんだ」
「貴方は私達の最期を知らなかったから」
「…記憶を見るかい?」
半信半疑でシリウスは両親を見つめ、頷いた。
(…嘘だろ。
予想以上だった)
フラついたシリウスをソファに深く座らせた。
(もう亡くなっていたのか。
レギュラスが裏切ったと激怒した奴によって。
ブラック家の本家の者を拷問するとは。
それでも両親は…、僕の居場所を喋らなかった。
絶対に知っていたはずなのに。
僕はずっと両親に守られて生きていたのか)
何の涙が分からないままにシリウスは嗚咽が溢れ、号泣する。
「ごめっ、なさ…ッ」
「君のせいじゃないさ」
「過酷なものを見せてしまったわね。
泣かないで、シリウス」
「う…っ、えぐ…ッ」
オリオンに抱擁されながらヴァルブルガに頬の流れる涙を指で拭われた。
「……っ…」
今更ながら恥ずかしくなって縮こまっているシリウスに両親は苦笑いする。