お化け屋敷だ!!②

  • 天使と悪魔ご一行は、引き続き遊園地に来ています。

  • マツリカ

    それで、その本の著者はどうなってしまったんですか?

  • 悪魔さん

    それがな。禁忌に触れただかで失踪して、そのままなのさ。

  • マツリカ

    まあ。
    ダイアナのお兄様のお話、とても興味深いものばかりですね。

  • 悪魔さん

    嬢ちゃんもその年にしちゃあ、よく本を知ってるじゃないか。
    俺の話を理解できる人間なんてあんまりいないぜ。

  • 悪魔さん

    ……しかしダイアナと天使サマ、遅いな。
    お化け屋敷に入って、もう30分は経つが。

  • マツリカ

    あ、噂をすれば。
    二人とも戻ってきましたよ。

  • ダイアナ

    お兄様! マツリカ!
    お待たせ!

  • 悪魔さん

    お化け屋敷に30分もかけるとは思わなかったぞ。
    まさか怖くて泣いてたのか?

  • ダイアナ

    いいえ、全然怖くなかったの!
    ね、天使様。

  • 天使サマ

    うん!

  • 天使サマ

    とっても楽しかったよ!

  • 悪魔さん

    ……なるほど、なんとなく事情が分かった。

  • 悪魔さん

    天使サマが全ての仕掛けやお化けに興味津々で、怖がるどころじゃなかったってとこか。

  • ダイアナ

    さすがお兄様ね!
    その通りよ!

  • ダイアナ

    天使様ったら……

  • ダイアナ

    『この仕掛けはどんな効果を狙っているのだろう?』

  • ダイアナ

    『すみません、人を怖がらせるために心がけていることは何ですか?』

  • ダイアナ

    なんて言って、全然進まないの!
    私、面白くて面白くて。

  • 悪魔さん

    セリフの再現度が高いな……。

  • 天使サマ

    いやあ、どうしても気になってしまってね。スタッフの方々には悪いことをしたと思ってるよ。

  • 天使サマ

    でもその甲斐あって、人の恐怖心というものの一端に触れることができた気がするんだ!

  • 悪魔さん

    そうか。それはよかった。

  • 悪魔さん

    じゃあ今度は何にも立ち止まらず、お化け屋敷を楽しむ気はないか?

  • 天使サマ

    !!
    お前とかい?

  • 天使サマ

    それは素敵なアイディアだ!

  • ダイアナ

    あら、それなら私も、マツリカともう一度入って来ようかしら。

  • マツリカ

    え、今戻ってきたばかりなのに、いいの?

  • ダイアナ

    ええ!
    一度体験済みだから、マツリカが怖くなっても大丈夫よ!

  • マツリカ

    ふふ、頼もしい。

  • 天使サマ

    よーし、それじゃあ、また列に並んでこようか!

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