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天使と悪魔ご一行は、引き続き遊園地に来ています。
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マツリカ
それで、その本の著者はどうなってしまったんですか?
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悪魔さん
それがな。禁忌に触れただかで失踪して、そのままなのさ。
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マツリカ
まあ。
ダイアナのお兄様のお話、とても興味深いものばかりですね。 -
悪魔さん
嬢ちゃんもその年にしちゃあ、よく本を知ってるじゃないか。
俺の話を理解できる人間なんてあんまりいないぜ。 -
悪魔さん
……しかしダイアナと天使サマ、遅いな。
お化け屋敷に入って、もう30分は経つが。 -
マツリカ
あ、噂をすれば。
二人とも戻ってきましたよ。 -
ダイアナ
お兄様! マツリカ!
お待たせ! -
悪魔さん
お化け屋敷に30分もかけるとは思わなかったぞ。
まさか怖くて泣いてたのか? -
ダイアナ
いいえ、全然怖くなかったの!
ね、天使様。 -
天使サマ
うん!
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天使サマ
とっても楽しかったよ!
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悪魔さん
……なるほど、なんとなく事情が分かった。
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悪魔さん
天使サマが全ての仕掛けやお化けに興味津々で、怖がるどころじゃなかったってとこか。
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ダイアナ
さすがお兄様ね!
その通りよ! -
ダイアナ
天使様ったら……
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ダイアナ
『この仕掛けはどんな効果を狙っているのだろう?』
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ダイアナ
『すみません、人を怖がらせるために心がけていることは何ですか?』
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ダイアナ
なんて言って、全然進まないの!
私、面白くて面白くて。 -
悪魔さん
セリフの再現度が高いな……。
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天使サマ
いやあ、どうしても気になってしまってね。スタッフの方々には悪いことをしたと思ってるよ。
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天使サマ
でもその甲斐あって、人の恐怖心というものの一端に触れることができた気がするんだ!
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悪魔さん
そうか。それはよかった。
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悪魔さん
じゃあ今度は何にも立ち止まらず、お化け屋敷を楽しむ気はないか?
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天使サマ
!!
お前とかい? -
天使サマ
それは素敵なアイディアだ!
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ダイアナ
あら、それなら私も、マツリカともう一度入って来ようかしら。
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マツリカ
え、今戻ってきたばかりなのに、いいの?
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ダイアナ
ええ!
一度体験済みだから、マツリカが怖くなっても大丈夫よ! -
マツリカ
ふふ、頼もしい。
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天使サマ
よーし、それじゃあ、また列に並んでこようか!
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