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ダイアナ
お兄様! 天使様!
おめでとう! -
天使サマ
ありがとう!
……って、何のお祝いかな? -
悪魔さん
はは。
天使様のジョークなんて珍しい。いいものを見た。 -
悪魔さん
……ジョークだよな?
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天使サマ
ふふ。
もちろん冗談だよ。 -
天使サマ
今日はお前と数世紀前に初めて出会った、記念日じゃないか。
忘れるわけがないよ。 -
悪魔さん
ほっ……。
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悪魔さん
ダイアナ、祝ってくれてありがとう。
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ダイアナ
どういたしまして!
二人が出会った日なら、私にとっても大切な日なのだから、お祝いするのは当然のことよ。 -
天使サマ
確かに、私とラブが出会っていなければ……
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悪魔さん
俺とダイアナが関わることもなかったろうな。
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コウモリの使い魔
キキッ
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コウモリの使い魔
(私も、ご主人様が心から幸せそうにしているのを見られるようになって幸せです。)
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コウモリの使い魔
(相手が天使というのは少しばかり複雑ではありますが……)
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悪魔さん
ははっ。確かにお前達にとっては複雑だろうな。
ありがとう。 -
天使サマ
私も、ラブと出会わなければダイアナちゃんや可愛い使い魔のみんなと出会うこともなかったと思うと……
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天使サマ
改めて、ありがたい巡り合わせだったのだなと思うな。
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悪魔さん
天使サマ……。
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大天使
私からも君たちには常に祝福を贈っているよ。
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悪魔さん
げっ。
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コウモリの使い魔
!?
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天使サマ
あ、ひとことだけ言っていなくなったね。
彼は忙しいから……。 -
悪魔さん
まったく、肝が冷えるぜ。
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コウモリの使い魔
キィ〜……
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獏(バク)
やあ、お祝い会場はここで合ってるかな。
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天使サマ
獏君まで来てくれたのかい?
今日はなんだか賑やかだね。 -
悪魔さん
ダイアナが手当たり次第呼んだに違いない。
まあ、祝ってもらえるのはありがたいことだな。 -
ダイアナ
でしょう?
お祝いは大勢でやるものよ! -
獏(バク)
天使の兄ちゃんと悪い兄ちゃんが出会わなければ、僕だってここにはいなかっただろうからさ。
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獏(バク)
縁というものは実際、面白いもんだ。
兄ちゃんたちに会えたことに感謝して、お祝いの言葉に替えさせてもらうよ。 -
天使サマ
ありがとう、獏君。
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悪魔さん
ありがとう。
お前にはいつも働いてもらってるし、俺も感謝してるぜ。 -
ダイアナ
バクが?
働いてるの? いつ? -
獏(バク)
ダイアナには秘密だよ。
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ダイアナ
あら。
まあいいわ。 -
マイケル
お邪魔します!!
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悪魔さん
!?
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天使サマ
わわわわ
マイケル!? -
天使サマ
獏君……はいいとして、コウモリ君は念の為に隠れた方がいいね。
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コウモリの使い魔
キッ……!!
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マイケル
ここが師匠(せんせい)の家ですか!
初めてお邪魔しました! -
マイケル
どこもかしこも黒ばかりですね!
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悪魔さん
お前を呼んだ覚えは
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ダイアナ
神父様!
ようこそ、私とお兄様のお家へ! -
悪魔さん
ああ?
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マイケル
お招きいただき光栄です!
なんでも今日は記念日のお祝いだとか。何の記念日かは存じ上げませんが……。 -
マイケル
おめでとうございます!!
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悪魔さん
あー……
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悪魔さん
ありがとう……。
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悪魔さん
ダイアナのやつ、本当に手当たり次第だな……。
まさかこいつを家に上げる日がくるとは。 -
天使サマ
ありがとう……。
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マツリカ
お邪魔します。
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悪魔さん
おいおい。
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悪魔さん
まさかマツリカ嬢まで呼ぶとは。
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ダイアナ
せっかくですもの!
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ダイアナ
お祝いは大勢でやった方がいいって言ったでしょう?
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悪魔さん
ああ……。
言ってたな……。 -
マツリカ
私、場違いじゃないですか?
でしたら席を外しますけれど……。 -
天使サマ
ああ、ううん、そんなことはないんだ。
気を遣わせてしまってごめんね、マツリカちゃん。 -
マツリカ
それならよかったです。
何の記念日かはわからないですが、おめでとうございます。 -
悪魔さん
ありがとう。
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天使サマ
ありがとう。
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天使サマ
……ふふっ。
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ダイアナ
どうしたの、天……神父様?
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天使サマ
いや……
獏君の言った通りだなと思ってね。 -
天使サマ
縁というのは、不思議なものだね。
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悪魔さん
……本当に、そうだな。
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悪魔さん
俺が天使サマに出会わなければ、ダイアナを助けることもなかっただろう。
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悪魔さん
ダイアナを助けなければ、マツリカ嬢とも関わらなかっただろうし、獏に声をかけることもなかった。
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悪魔さん
大天使だって、俺のような一悪魔にわざわざ関わってはこなかっただろう。
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悪魔さん
マイケルも……
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悪魔さん
ん?
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悪魔さん
マイケルだけは別か……?
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マイケル
はい!!
僕が何ですか!! -
悪魔さん
……何でもない。
声がでかい。 -
天使サマ
ふふ。
ラブが何を考えていたか、私にはわかるよ。 -
天使サマ
せっかく結ばれた縁だ。これからも大事にしていこうね。
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悪魔さん
そうだな。
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悪魔さん
本当に、賑やかになったもんだ。
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天使と悪魔の二人を巡るシリーズは、今後も作者が思いつく限り続きます。
いつも一緒に楽しんでくださる方に多大なる感謝を!
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