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サソリ
オレは待つのも待たすのも嫌いだと何度言わせる気だ、青子!
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青子
はひぃっ?!すみませんっ!!
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鬼上司ことサソリさんの元で成り行きで部下になって早数年。
今日も私はサソリさんに怒られてます。
私は元は砂隠れの忍で毒薬・薬草の調合が好きで医薬部では薬草オタクとして通っていた。 -
ある日任務で里を離れたついでに里では手に入らない薬草を取りに行ったのが運の尽き、私は上司サソリと相方のデイダラとばったりと出くわしてしまったのだ、森の中で。
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青子
あぁ、ここは楽園か?!楽園だな!貴重な薬草がこんなに群生してるなんて!!
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ここにあるの全種持ち帰って医薬部で栽培したい。
そしたら研究がかなり捗る、どんな配合にしよう?遅効性?即効性?動物毒と混ぜて出血毒にするのは可能かな?なんて考えてるだけでワクワクが止まらない。 -
鼻歌混じりで薬草をブチブチ抜いて、種類別に採取バックへと仕舞っていく。
この場所だけで5種類も手に入るなんて私ついてるなぁ。なんて呑気にしていたら…。 -
デイダラ
あ?旦那先客がいるぞ、うん
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サソリ
先客だと?
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草を踏みしめる音と話し声に振り向くと、黒地に赤い雲の服を来た2人組がいた。
1人は金の髪で、もう1人は怖い見た目の人だ。
この人達も薬草摘みに来たんだなぁ。 -
青子
私もう終わったんで、退きますね
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十分な量の入ったバックを肩にかけて2人に会釈をしてその場を去ろうとした時、風を切る音と目の前に白い何かが掠めた。
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サソリ
おい、それが何かわかってんのか小娘
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恐る恐る振り返ると怖い見た目の人から尻尾が生えていて私の目の前の地面に突き刺さってる。
しかも、これが何かと問いかけてきてるではないか。 -
青子
わかってますよ!これは稀少薬草ですよね、これを栽培して毒薬と解毒薬作るんですよ
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これ血に作用するタイプだから即効性の出血毒、遅効性の凝固系も悪くないと思うんです。
液体タイプのが効き目が強めですけど使いやすさを考慮すると霧状のが良いですね!クナイに塗るも良し、そのまま投げつけるも良し!ってなりますし。
霧状なら対複数でも対応出来ますね、ただ成分的に霧状にするのは難しそうですけどそこは腕がなります! -
なんて1人べらべらと話していると金髪の人は引き攣った表情をしている。
まぁそんな顔をされるのは慣れっこだし今更何とも思わない。
怖い人は身動きせずにいたと思ったらくつくつと笑い始めた。…こんな反応されたの初めてだ。 -
サソリ
随分詳しいじゃねぇか
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青子
まぁとある所で薬草オタクと呼ばれてますし
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これくらいは朝飯前ですよ!と胸を張って返す。
金髪の人は更に引き攣った表情になった。 -
サソリ
……小娘、お前は今日からオレの部下だ…光栄に思えよ
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デイダラ
はぁ?旦那何寝ぼけた事言ってんだよ!!こんな気持ち悪い女の何が良いんだ、うん!
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青子
えっいやいや?!何でそうなったんですか!
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初対面の人から突然の部下発言。金髪くんは私に向かって気持ち悪いとか言ってるし!
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サソリ
気に入った
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デイダラ
冗談だろっ!!
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こんな毒に詳しいヤツなかなか居ないからなぁ。毒なら旦那自分で調合出来るだろ!うん!とか2人組から聞こえてくる。
部下?部下だって?! -
青子
私貴方の事知らないんで、ムリです
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デイダラ
お前もズレた反応してんじゃねぇよ!
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ムリと返すと言い合ってた金髪くんが即座に言い返してくる。やっぱ知らない人のところはイヤだし。
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サソリ
小娘の意見なんてどうでもいい、大人しく着いて来い
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