捧げ物
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デイダラと私が恋人関係になって半年経つ。しかし、未だ私達に体の関係はない。初めてである私の気持ちを汲んでデイダラが待ってくれている状態だ。デイダラに対して申し訳ない気持ちは十分にある。本当はしたいって思っているのだって分かっている。でも、どうしても怖くて一歩を踏み出せない。その事を小南に相談したら二人でじっくり関係を築いていけばいいのよ、体だけが全てではないと気遣ってくれた。一方で飛段はヤラせない彼女より、ヤラせてくれるセフレがいいと言う。いくら彼女が大事でも一人で抜き続けるのは苦痛だ、やれる状況ならみんな食いつくと男の気持ちを代弁した。
デイダラは違うと反論したけど、気持ちの奥底では私に対してお堅いとかヤラセないからつまらないとか思っているのではないかと不安が募る。その内、飽きて捨てられるのではないかとどんどん後ろめたい事ばかり考えてしまう。デイダラはそんな最低な人じゃないと思う時もあれば、いつか振られてしまうかもしれないと気持ちが押しつぶされる事もある。
デイダラに捨てられたくない――。その一心で己を奮い立たせ、体の関係に進もうと決意した。
デイダラとセックスすると決めたはいいが、事前準備とかどうすればいいんだろう。上下セットの勝負下着をつける、ムダ毛の処理は念入りに。……コンドームはデイダラが用意してくれるだろうか。
セックスに対して知識がないなりに考えるが、脳内は疑問ばかり浮かぶ。そもそもどうやってセックスに持っていけばいいんだろう。ここに来て私からセックスに誘うのがムリなんじゃないかと脳裏を過る。世間のカップルはどうやって持ち込んでいるのか。面と向かって頭を下げてお見合いみたいに始めるとかはないだろうし、かといって自分からデイダラの体をまさぐるなんて出来る筈がない。頭を抱えて色んな事を考えたが、最良な答えは出なかった。
その日の夜、任務から帰ってきたデイダラの腕を引っ張って部屋に向かう。後ろからどうしたんだと疑問を投げかけてくるが、今此処で答えるつもりはない。
「部屋に着いたら話すから」
「……分かった」
この後の展開を想像して、どんどんと脈をあげる心臓に落ち着けと内心言葉を送る。この後もっと凄い事を口にする予定なのに、今悲鳴をあげていてどうするんだと。黙っているデイダラは何を考えているのだろうか。私の決意を察しているのか、それとも私の思考について考えているのかもしれない。どのみち私がセックスをしたいと口にしたらデイダラは驚くだろう。今まで一度もそんな素振りを見せた事はなし、口にした事もない。むしろ暗黙の了解だった。今日、私から口にする事で全てが変わる。絶対に良い方とは言いきれないと思うが、悪い方にも向かない筈だ。
自室の部屋の扉が見えるとドアノブを回してデイダラを招き入れる。先に入るように促してからドアを閉めれば困惑を浮かべた彼が頬をかいていた。
「急にどうしたんだ? うん」
「……」
「何か悩み事でもあるのか?」
ならさっさと口にしちまった方が楽だぞ、うんと話す。いざデイダラを前にしたらより緊張が増して、手のひらは手汗まみれだし、心臓だってさっきよりもずっとドクドク脈を早めている。なんて切り出せばいいのか口をもごもごとしていれば、デイダラからなぁと声があがった。
「……別れ話じゃないよな?」
「……はっ?!」
予想だにしない発言に素っ頓狂な声が出る。目の前のデイダラが眉を下げて違うよなと自信なさげに呟く。対して慌てて違うと口にすれば、胸に手を当ててほっと息を吐き出す姿が視界に入った。
「何で別れ話になるの?」
「青子が意味深な言い方するからだろ……」
「……ごめん」
「何か嫌われる事したんじゃないかって、オイラ不安だったんだからな」
しゃがみ込んで良かったと安堵するデイダラ。確かにただ部屋に着いてから話すだけじゃ勘違いされても仕方ないか……。再びごめんと謝れば、二度とこんな紛らわしい事すんなよと釘を刺される。本当にごめんね、デイダラ。
「で、改まって何が言いたいんだ?」
「……その、ね」
「うん?」
「……」
「言いづらい事か?」
「あの、……えっちしよう」
勇気を出してポツリと呟けばシンと静まり返る部屋。目を見開いて固まるデイダラに、恥ずかしさで顔から火が飛び出しそうな私。お願いだから早く何か言ってくれないだろうか。デイダラが驚くのは分かりきっていた事だけど、やっとの思いで口にしたんだから何か反応をして欲しい。恥ずかしさの頂点に達して、目の前のデイダラから目を反らして俯き、手汗まみれの手で洋服をギュッと握った。そして、同時にデイダラの声がまた聞こえた。
「一緒に風呂へ入るぞ」
「……え?!」
「さっさと準備して先に入ってろよ」
それだけ残すと、背を向けて部屋から出て行ってしまう。……え、一緒にお風呂ってどういう事? これは了解したっていう返事でいいの? 頭に浮かぶ疑問符をそのままに、言われた通りお風呂に入る準備を始めた。
洋服全てを脱いで浴室へと足を進める。事前に張った湯船に浸かる前に体を洗わなければと思い、ボディーソープとスポンジへ手を伸ばした。スポンジをくしゅくしゅと泡立ててもこもこの泡を作って体に広げていく。泡で遊ぶのが好きだ。触り心地が良いし、飽きないし、童心を思い出す。手の上に乗せた泡にふっと息をかければ小さなシャボン玉が浴室に舞った。
「入るぞ」
「ちょっと待って!」
シャボン玉に夢中になっていたらガチャリと後ろから音が聞こえ、とっさにダメだと制すが聞く耳持たずにずんずんと入ってきたデイダラ。まだ体を洗っている最中でどうしようと慌てていれば体を洗っている途中だったのかと返ってくる。
「そう、だからまだ……」
「オイラが洗ってやる」
「え?! 自分で洗えるからっ」
「遠慮すんな」
手に持ったスポンジを浚われると特有の柔らかさが背中に当たった。背中、腕、首と後ろを中心に洗われていく。当たるスポンジの感触にすぐ後ろにはデイダラがいるのだと実感する。早く終わらないかと恥ずかしさに耐えているとデイダラがこっちを向けと無茶な事を言い出した。
「ななっ何で?!」
「今度は前を洗うからに決まってんだろ」
「前は自分で洗えるからっ、もう本当に気持ちだけで十分だから!!」
「いいから早く向けよ、うん」
なんでデイダラはそんなに体を洗いたいんですか!! ……口に出せるなら口に出したい。けど、今にも恥ずかしさで爆発しそうな私は疑問を口にする事が出来ないでいる。早くと後ろから急かしてくるデイダラの言う事を大人しく聞くしかなかった。
胸と下半身に手を当てながら振り返れば、デイダラの眉間に皺が寄っていた。何故そんな不服そうな表情を浮かべているのか分からず、小さくデイダラを呼べば邪魔と低い声が浴室内に響く。
「腕が邪魔だ」
「これは……そのっ」
「早く退かせ」
「……はい」
語気を強めたデイダラに渋々腕を外せば、熱い視線を感じる。視線に耐えかねて下のタイルを見ていればスッと頭上に影が差す。そして、膝に熱い手のひらが当てられたかと思えば外側に向かって思いっきり広げられた。
「~~~っ!!」
「オイラが綺麗にしてやるよ」
左手に泡立つスポンジと、右手にはいつの間にかT字の剃刀が握られていた。
「デイダラ……っ」
「動くなよ」
白い泡に包まれた下半身に銀色の刃が当てられる。真剣な眼差しで丁寧にジョリジョリと音を立てながら刈られていく毛に羞恥心が高まる。徐々に露になる肌にドクリと心臓が鳴いた。
「止めようよぉ……」
「こんな中途半端なまんまなんてオイラの気がすまねぇ」
じっと剃刀を見つめたまま話すデイダラ。その吐息が当たると下半身にじんわりと熱が広がっていく。何より今まで誰にも見せた事のない場所をこんなにも明るいところでずっと見られているなんて恥ずかしい事この上ない。止めてと言っても聞き入れてくれない。このまま全てが剃られたら……と最悪な想像が頭に浮かぶ。動くにも動けなくて身を震わせていればデイダラの口角がニヤリと持ちあがった。
「何濡らしてんだい? うん」
「なんの、事……?」
「オイラは真剣に剃ってるってのに……こんなにしちまって」
デイダラの親指と人差し指の間にねっとりした透明な糸が張っていた。くつくつと笑いながら秘部に指を伸ばせば愛液と泡が混じりあったものがべっとりとデイダラの手に貼りつく。唇を包む愛液を舌がベロリと舐めあげれば下半身がきゅんと鳴いた。
「オイラに見られて感じてるなんて、可愛いじゃねぇか」
「ちっ、ちがっ……」
羞恥を煽る言い方にカッと顔に熱が広がり、自分の意志ではないと言葉を紡ぐ。しかし、デイダラは素直に認めればいいのにと言って再び剃刀を動かす。残り僅かになった部分に刃を当てて落とせば、生まれた時と変わらない姿に成り果てた。
「さて、真剣なオイラと違って悪い子の青子をちょっとばかり懲らしめてやらねぇとな」
「デイダラ!」
止めてと言おうとした瞬間、ゾクリと走る衝動に声を失う。秘部に目を向ければ鼻息を荒くして見つめるデイダラと、舐め回す長く真っ赤な舌。イヤだと声を出したくても、甘く痺れる感覚が邪魔して飛び出るのはかろうじて聞き取れる単語のみ。
「あっ、だ、だめ、し、した、やめっ、あ、あぁ!」
「えっちしたいって言ったのは青子だろ?」
グリグリと絶妙な力加減で虐めてくる舌に情けない声が勝手にあがり、浴室中に反響する。自分のあられもない声と下から聞こえてくるじゅるじゅるという卑猥な音が耳を犯した。
「はっ、はなし……!」
「誰が離すかよ、これから此処にたくさん気持ち良いって教えなきゃなんねぇのに」
抵抗しようにも足の間にデイダラがいるし、がっちりと左脚は掴まれている。相変わらず視線は秘部に向けられたままで、舌もどんどんと激しい動きになってきている。与えられる快楽に声を押さえる事を忘れ、されるがまま悲鳴が飛び出す。
「ぁあっ! や、やめ……! ダメ、だからぁっ!!」
腰はビクついて、秘部もヒクヒクと勝手に動く。ダメだと言いながら感じている自分がとても恥ずかしい。えっちをしたいと言ったが、こんな恥ずかしさを煽りながらやられるなんて聞いてない。恥ずかしいところを見られて、これでもかってくらい弄られて、がっつり舐められて……頭がおかしくなっちゃう。
段々と込み上げる何かにもしかしてこれが絶頂というヤツではないのかと感じる。ふるふると体を小刻みに振るわせながら、刺激に耐えているとピタリと動きが止んだ。
「はぁっ……え……」
「止めて欲しかったんだろ?」
後もう少しで迎える筈だった絶頂の波が途端に止むと物足りなさを感じる。きゅんきゅんする秘部をどうすればいいのかと戸惑いを浮かべていれば、デイダラが腰を上げてささっと体を洗う。そして、背を向けて出入り口の扉へと手をかける。こんな状態の体をほったらかしにするなんてと内心悪態をつきながらデイダラの名前を呼べば、あくどい笑みを浮かべていた。
「この続きがしたければベッドの上で可愛くおねだりするんだな、うん!」
そう残して出て行ってしまった。この火照った体が冷める前に私はデイダラにとっておきの口説き文句を考えなきゃならないらしい。なんて言って彼を誘おうか。疼く体を抱きしめてデイダラに送る愛の言葉を必死に考えるのであった。
デイダラは違うと反論したけど、気持ちの奥底では私に対してお堅いとかヤラセないからつまらないとか思っているのではないかと不安が募る。その内、飽きて捨てられるのではないかとどんどん後ろめたい事ばかり考えてしまう。デイダラはそんな最低な人じゃないと思う時もあれば、いつか振られてしまうかもしれないと気持ちが押しつぶされる事もある。
デイダラに捨てられたくない――。その一心で己を奮い立たせ、体の関係に進もうと決意した。
デイダラとセックスすると決めたはいいが、事前準備とかどうすればいいんだろう。上下セットの勝負下着をつける、ムダ毛の処理は念入りに。……コンドームはデイダラが用意してくれるだろうか。
セックスに対して知識がないなりに考えるが、脳内は疑問ばかり浮かぶ。そもそもどうやってセックスに持っていけばいいんだろう。ここに来て私からセックスに誘うのがムリなんじゃないかと脳裏を過る。世間のカップルはどうやって持ち込んでいるのか。面と向かって頭を下げてお見合いみたいに始めるとかはないだろうし、かといって自分からデイダラの体をまさぐるなんて出来る筈がない。頭を抱えて色んな事を考えたが、最良な答えは出なかった。
その日の夜、任務から帰ってきたデイダラの腕を引っ張って部屋に向かう。後ろからどうしたんだと疑問を投げかけてくるが、今此処で答えるつもりはない。
「部屋に着いたら話すから」
「……分かった」
この後の展開を想像して、どんどんと脈をあげる心臓に落ち着けと内心言葉を送る。この後もっと凄い事を口にする予定なのに、今悲鳴をあげていてどうするんだと。黙っているデイダラは何を考えているのだろうか。私の決意を察しているのか、それとも私の思考について考えているのかもしれない。どのみち私がセックスをしたいと口にしたらデイダラは驚くだろう。今まで一度もそんな素振りを見せた事はなし、口にした事もない。むしろ暗黙の了解だった。今日、私から口にする事で全てが変わる。絶対に良い方とは言いきれないと思うが、悪い方にも向かない筈だ。
自室の部屋の扉が見えるとドアノブを回してデイダラを招き入れる。先に入るように促してからドアを閉めれば困惑を浮かべた彼が頬をかいていた。
「急にどうしたんだ? うん」
「……」
「何か悩み事でもあるのか?」
ならさっさと口にしちまった方が楽だぞ、うんと話す。いざデイダラを前にしたらより緊張が増して、手のひらは手汗まみれだし、心臓だってさっきよりもずっとドクドク脈を早めている。なんて切り出せばいいのか口をもごもごとしていれば、デイダラからなぁと声があがった。
「……別れ話じゃないよな?」
「……はっ?!」
予想だにしない発言に素っ頓狂な声が出る。目の前のデイダラが眉を下げて違うよなと自信なさげに呟く。対して慌てて違うと口にすれば、胸に手を当ててほっと息を吐き出す姿が視界に入った。
「何で別れ話になるの?」
「青子が意味深な言い方するからだろ……」
「……ごめん」
「何か嫌われる事したんじゃないかって、オイラ不安だったんだからな」
しゃがみ込んで良かったと安堵するデイダラ。確かにただ部屋に着いてから話すだけじゃ勘違いされても仕方ないか……。再びごめんと謝れば、二度とこんな紛らわしい事すんなよと釘を刺される。本当にごめんね、デイダラ。
「で、改まって何が言いたいんだ?」
「……その、ね」
「うん?」
「……」
「言いづらい事か?」
「あの、……えっちしよう」
勇気を出してポツリと呟けばシンと静まり返る部屋。目を見開いて固まるデイダラに、恥ずかしさで顔から火が飛び出しそうな私。お願いだから早く何か言ってくれないだろうか。デイダラが驚くのは分かりきっていた事だけど、やっとの思いで口にしたんだから何か反応をして欲しい。恥ずかしさの頂点に達して、目の前のデイダラから目を反らして俯き、手汗まみれの手で洋服をギュッと握った。そして、同時にデイダラの声がまた聞こえた。
「一緒に風呂へ入るぞ」
「……え?!」
「さっさと準備して先に入ってろよ」
それだけ残すと、背を向けて部屋から出て行ってしまう。……え、一緒にお風呂ってどういう事? これは了解したっていう返事でいいの? 頭に浮かぶ疑問符をそのままに、言われた通りお風呂に入る準備を始めた。
* * *
洋服全てを脱いで浴室へと足を進める。事前に張った湯船に浸かる前に体を洗わなければと思い、ボディーソープとスポンジへ手を伸ばした。スポンジをくしゅくしゅと泡立ててもこもこの泡を作って体に広げていく。泡で遊ぶのが好きだ。触り心地が良いし、飽きないし、童心を思い出す。手の上に乗せた泡にふっと息をかければ小さなシャボン玉が浴室に舞った。
「入るぞ」
「ちょっと待って!」
シャボン玉に夢中になっていたらガチャリと後ろから音が聞こえ、とっさにダメだと制すが聞く耳持たずにずんずんと入ってきたデイダラ。まだ体を洗っている最中でどうしようと慌てていれば体を洗っている途中だったのかと返ってくる。
「そう、だからまだ……」
「オイラが洗ってやる」
「え?! 自分で洗えるからっ」
「遠慮すんな」
手に持ったスポンジを浚われると特有の柔らかさが背中に当たった。背中、腕、首と後ろを中心に洗われていく。当たるスポンジの感触にすぐ後ろにはデイダラがいるのだと実感する。早く終わらないかと恥ずかしさに耐えているとデイダラがこっちを向けと無茶な事を言い出した。
「ななっ何で?!」
「今度は前を洗うからに決まってんだろ」
「前は自分で洗えるからっ、もう本当に気持ちだけで十分だから!!」
「いいから早く向けよ、うん」
なんでデイダラはそんなに体を洗いたいんですか!! ……口に出せるなら口に出したい。けど、今にも恥ずかしさで爆発しそうな私は疑問を口にする事が出来ないでいる。早くと後ろから急かしてくるデイダラの言う事を大人しく聞くしかなかった。
胸と下半身に手を当てながら振り返れば、デイダラの眉間に皺が寄っていた。何故そんな不服そうな表情を浮かべているのか分からず、小さくデイダラを呼べば邪魔と低い声が浴室内に響く。
「腕が邪魔だ」
「これは……そのっ」
「早く退かせ」
「……はい」
語気を強めたデイダラに渋々腕を外せば、熱い視線を感じる。視線に耐えかねて下のタイルを見ていればスッと頭上に影が差す。そして、膝に熱い手のひらが当てられたかと思えば外側に向かって思いっきり広げられた。
「~~~っ!!」
「オイラが綺麗にしてやるよ」
左手に泡立つスポンジと、右手にはいつの間にかT字の剃刀が握られていた。
「デイダラ……っ」
「動くなよ」
白い泡に包まれた下半身に銀色の刃が当てられる。真剣な眼差しで丁寧にジョリジョリと音を立てながら刈られていく毛に羞恥心が高まる。徐々に露になる肌にドクリと心臓が鳴いた。
「止めようよぉ……」
「こんな中途半端なまんまなんてオイラの気がすまねぇ」
じっと剃刀を見つめたまま話すデイダラ。その吐息が当たると下半身にじんわりと熱が広がっていく。何より今まで誰にも見せた事のない場所をこんなにも明るいところでずっと見られているなんて恥ずかしい事この上ない。止めてと言っても聞き入れてくれない。このまま全てが剃られたら……と最悪な想像が頭に浮かぶ。動くにも動けなくて身を震わせていればデイダラの口角がニヤリと持ちあがった。
「何濡らしてんだい? うん」
「なんの、事……?」
「オイラは真剣に剃ってるってのに……こんなにしちまって」
デイダラの親指と人差し指の間にねっとりした透明な糸が張っていた。くつくつと笑いながら秘部に指を伸ばせば愛液と泡が混じりあったものがべっとりとデイダラの手に貼りつく。唇を包む愛液を舌がベロリと舐めあげれば下半身がきゅんと鳴いた。
「オイラに見られて感じてるなんて、可愛いじゃねぇか」
「ちっ、ちがっ……」
羞恥を煽る言い方にカッと顔に熱が広がり、自分の意志ではないと言葉を紡ぐ。しかし、デイダラは素直に認めればいいのにと言って再び剃刀を動かす。残り僅かになった部分に刃を当てて落とせば、生まれた時と変わらない姿に成り果てた。
「さて、真剣なオイラと違って悪い子の青子をちょっとばかり懲らしめてやらねぇとな」
「デイダラ!」
止めてと言おうとした瞬間、ゾクリと走る衝動に声を失う。秘部に目を向ければ鼻息を荒くして見つめるデイダラと、舐め回す長く真っ赤な舌。イヤだと声を出したくても、甘く痺れる感覚が邪魔して飛び出るのはかろうじて聞き取れる単語のみ。
「あっ、だ、だめ、し、した、やめっ、あ、あぁ!」
「えっちしたいって言ったのは青子だろ?」
グリグリと絶妙な力加減で虐めてくる舌に情けない声が勝手にあがり、浴室中に反響する。自分のあられもない声と下から聞こえてくるじゅるじゅるという卑猥な音が耳を犯した。
「はっ、はなし……!」
「誰が離すかよ、これから此処にたくさん気持ち良いって教えなきゃなんねぇのに」
抵抗しようにも足の間にデイダラがいるし、がっちりと左脚は掴まれている。相変わらず視線は秘部に向けられたままで、舌もどんどんと激しい動きになってきている。与えられる快楽に声を押さえる事を忘れ、されるがまま悲鳴が飛び出す。
「ぁあっ! や、やめ……! ダメ、だからぁっ!!」
腰はビクついて、秘部もヒクヒクと勝手に動く。ダメだと言いながら感じている自分がとても恥ずかしい。えっちをしたいと言ったが、こんな恥ずかしさを煽りながらやられるなんて聞いてない。恥ずかしいところを見られて、これでもかってくらい弄られて、がっつり舐められて……頭がおかしくなっちゃう。
段々と込み上げる何かにもしかしてこれが絶頂というヤツではないのかと感じる。ふるふると体を小刻みに振るわせながら、刺激に耐えているとピタリと動きが止んだ。
「はぁっ……え……」
「止めて欲しかったんだろ?」
後もう少しで迎える筈だった絶頂の波が途端に止むと物足りなさを感じる。きゅんきゅんする秘部をどうすればいいのかと戸惑いを浮かべていれば、デイダラが腰を上げてささっと体を洗う。そして、背を向けて出入り口の扉へと手をかける。こんな状態の体をほったらかしにするなんてと内心悪態をつきながらデイダラの名前を呼べば、あくどい笑みを浮かべていた。
「この続きがしたければベッドの上で可愛くおねだりするんだな、うん!」
そう残して出て行ってしまった。この火照った体が冷める前に私はデイダラにとっておきの口説き文句を考えなきゃならないらしい。なんて言って彼を誘おうか。疼く体を抱きしめてデイダラに送る愛の言葉を必死に考えるのであった。