短編集
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その日、ゼツはペインに一つお使いを頼まれていた。特別難しいものではない、暁に所属するとあるツーマンセルの様子を見てきて欲しいとの事だった。ペインの頼み事を聞いてゼツは疑問をぶつけた。わざわざ見に行かなくても、いつも通り幻灯身の術を使えばいいんじゃない? 伝達事項はそれで対応しているじゃないか、と。ゼツの言い分は最もだと思いながらも、ペインは首を左右に振り彼の主張を否定した。
「デイダラが連絡に応答しない。サソリに聞いても知らんと突っぱねている」
だから、直接見に行って欲しいと再度ペインが言うと、ゼツは仕方ないと肩をすくめてその身を地面と同化させた。
「サソリ」
「……何だ?」
サソリのチャクラを感知したゼツは、強く感じる方角へ身を進め、地面から顔を覗かせながらお目当ての人物へと話しかけた。一方、呼ばれたサソリは特段驚きもせず、いつも通り抑揚のない声色で返答すれば、地面から全身を生やしたゼツがデイダラは? と間髪入れずに返してきた。
「知らねぇよ」
「最近連絡がつかないってペインが困っていたよ」
「……だろうな」
「何か知ってるの?」
ぶっきらぼうに返事をしたサソリ。彼の物言いに何か事情を知っているように感じて、深く探りを入れれば大きくため息をついてから一言目覚めたと溢した。
「目覚めた?」
「あぁ、とんでもねぇ悪趣味にな」
* * *
此処数日のデイダラといえば、女遊びに明け暮れていた。女っ気のない暁では己の性欲を持て余す羽目になり、自己処理を施そうにも、近くに相方がいるせいで中々実行に移せず苛立っていた。しかも相方は人間を捨てた事で、三大欲求を克服した身。若さも合って、悶々とする毎日を送るデイダラの気持ちを察するような気遣いは一切なかった。任務の合間に花街に行っては、金の力で好みの娼婦を好きなだけ抱くも段々と飽きを感じ、到頭花街通いをぴたりと止めてしまった。しかし、欲は己の意に反して溜まっていく一方。だが思うままに女を抱いても、はち切れんばかりの男根が静まる日は一夜もなかった。
そんな息苦しい毎日を送っていたデイダラであったが、ある日たまたま脳裏に思い浮かんだ下らない案を実行してみたところ、退屈に感じていた情事がとてつもなく楽しいものへと変化した。それどころか以前よりも興奮を覚え、女を見つけては手当たり次第に口説き落としていた。情事中はひたすら抱く事に集中し、終わるとひどい満足感へ浸り、翌日になるとあの心地よさを思い返しながら次の女を探す日々。性欲処理を優先する彼は、暁の任務を忘れて女の柔肌に唇を寄せては、口元に緩い笑みを浮かべて、また熱い一夜を過ごしていた。
欲に溺れるデイダラの様子を変に思ったサソリは、まず彼に最近は何をしているのだと正直に問いかけた。しかし、デイダラは表情を歪めて口を濁し、真実を話そうにもない。サソリの問いかけに何だっていいだろうと一方的に話をぶった切るとデイダラは背を向け、また女を求めて街へと繰り出して行ってしまった。揺れる背中へ依然視線を向けるサソリは、何かあると結論付けるとその重たい腰を上げ、任務を投げ出す程にハマっている『何か』を探ろうと、街へ急ぐデイダラの後を追いかけた。
余程『何か』はデイダラの気分を高揚させるらしい。急ぎ足で何処かに向かうデイダラの背中が楽しげに揺れているし、此方の尾行に未だ気付く素振りはない。背後へ気にかけないのは忍としていかがなものかと、頭を抱えるサソリの目に今度は若い女の姿が入る。肩に寄りかかる女と振り解きもしないデイダラ。これから何が行われるか察したサソリは馬鹿馬鹿しいと呆れ返った。自分はとうの昔に生身を捨てた時、そういったモノを一切必要としなくなった。だからか、女を見ても欲情するような事もない。ごく稀に傀儡として保存しておいたら、さぞかし美しいだろうと思わせる美人がいるくらいだ。しかしデイダラは生身であるし、年頃的に最も性欲を持て余しているのだろう。口を濁さなくても、素直に女と会って来ると言えばいいものを。ガキのくせしてプライドの高さだけは一流のつもりかと、内心悪態をつき踵を返そうとした時であった。騒がしくなった背後に慌てて視線を向ければ、そこにはサソリの想像を遥かに超える光景が広がっていた。
「やだっ、まっ、てぇ!」
「あ? 青子は此処が好きなんだろ? うんっ」
その日もいつもと変わらず街で見つけた女を言い値で買ったデイダラは、近くの宿屋へ彼女を連れていくと早々に押し倒し、身を包む洋服を豪快に剥ぎ取っていく。がっついた手つきに、青子は笑いながら逃げないよと返すも、デイダラは早く抱きてぇんだよと鼻息を荒くして答える。雄を滲ませるデイダラに少々怯んだ彼女は、小さく優しくしてねと呟く事しか出来なかった。
服を脱がし終えると柔肌に舌を這わせ、首筋や耳をねっとりと行き来する。絶妙な力加減で撫でられる微弱な感覚に、自然と身体が震える。この後訪れるだろう大きな快感を予想すると、期待がどんどんと膨らんでいくのだ。既に舌の動きだけで身体は目覚めようとしている、これは期待出来るだけの技量の持ち主であるに違いない。男も経験豊富な人と、そうでない人には技量に天地の差がある。わざわざ口にする事もないが、下手くそな部類に当たると気持ち良いどころか終始痛いだけで、不快感しか残らない。いくら金を払ってもらっているとはいえ、好き好んで痛さを受け入れるような趣向を自分は持ち合わせていない。だからこそ、舌の使い方で上手いと感じる男性に当たった時は、気持ち良くなれるのではないかと胸が躍る。折角身体を合わせるのだから、互いに快楽に溺れたいと思ってしまうのは至極当然ではないだろうか。
胸、腹、秘部を撫でるイヤらしい手つきに、身体中が嬉しい悲鳴をあげる。徐々に加熱していく感覚に酔いしれながら、応える為に身体を震わせながら捩れば新たな快楽を与えられる。デイダラの熱い吐息と激しい腰使い、青子の甘い喘ぎと収縮を繰り返す下腹部。二人の生み出す快楽が如何に熱く燃えるものか、部屋を覆おう熱気が全てを物語っていた。
「デイ、ダラっ」
「何だよ!」
「もっとぉ、もっとちょうだい、足りないのぉっ!」
何度も何度も中を抉るように擦られ、快楽を与えられ続けると体が限界だと軋み始めた。未だ汗を滴らせながら腰を打ちつけるデイダラへ、絶頂が欲しいのだと伝えればニヒルな笑みを浮かべて腰の動きを止めてしまった。疼く腰と秘部に顔を顰めながら強請れば、デイダラは手のひらを差し出してきた。
「何これ?」
「即効性の媚薬。もっと気持ち良くなりてぇんだろ?」
「……うん」
手のひらに乗る白い少し大きめの錠剤。顎で飲むように促すデイダラの視線に耐えられず口に入れれば、良く出来ましたと掠れた声と共に甘酸っぱい濃厚なキスが落とされた。それからデイダラにされるがまま堕とされた青子は、甲高い声を上げながら与えられる衝撃を一身に受けていた。即効性の媚薬を飲んだからか、先程と比べ物にならないくらい身体も脳みそも気持ちがいい。このまま天国へ行けるのではないかと勘違いしてしまいそうだ。
「も、もうイクッ!!」
「つっ!!」
一段と強い打ちつけと震える腰にデイダラがイッたのだと感じ、ぐったりと覆いかぶさる体に腕を回して余韻に浸る。やはり技量のある男に抱かれると気持ちが良い、それにデイダラは金払いも良いからまた抱かれたい。ガクガクと震える下半身と、朦朧とする視界でデイダラを追っていると秘部から男根を引きずり出して、身綺麗にしているところだった。
「もう、行くの……?」
「あぁ、オイラも色々あるからな」
「次はいつ会える?」
「またすぐにでも」
そう残したデイダラに、絶対だと返せば肯定が降って来る。良い客になりそうだと微笑みを浮かべていれば、コートを羽織ったデイダラが背を向けた。次はいつになるだろうと心を躍らせていると、疲れからか目蓋がゆっくりと閉じていく。支払いは彼が済ませてくれたから、少し休んでから帰ろうと意識を手放した。それと同時に体の中心部から熱量を感じた気がした。
「喝」
* * *
「悪趣味?」
「あぁ。あんな酷いやつは早々お目にかかれるもんじゃねぇぜ」
淡々と告げたサソリの言葉を不可思議そうに復唱すれば、強く頷きながら意見を述べる。サソリは暁で一二を争う残忍さを持ち合わせている。その彼が悪趣味と言いきるのだから、相当なものであるに間違いないだろう。しかし、『悪趣味』と一口に言われても一体どんなものか想像がつかない。唸り声をあげるゼツを横目で見た後、気になるか? と面白おかしそうに問いかけた。
「うん、気になる」
「オレも始めは我が目を疑った、幻術の類かとな。デイダラのヤツ、起爆粘土を抱いた女に仕込んで爆発させてやがった」
「後始末でしょ?」
「違ぇ、肉片にした女の残骸を見て興奮してたんだよ。しかも抱いてる時以上に興奮してやがる……とんでもねぇ悪趣味だろ?」
くつくつと背中を震わせて笑うサソリは、その時を思い出しているのか中々に衝撃的だったなと呟いている。加えてガキだと思っていたが、とんでもない大物になるかもなと評した。
「異様な光景だぜ? 真っ赤に染まった肉の塊相手に慰めて射精するんだからな」
「……」
「ああいうのを異常性癖っていうんだろうな。オレには分からねぇ感覚だが」
リーダーにはオレから進言しといてやる。それだけ言ってサソリはゼツに帰るように促す。全貌を聞いたゼツは心の内にもやもやを抱えながら、行きと同様にゆっくりと地面と同化し、その場から姿を消した。ゼツの居なくなった広い空間は、傀儡の軋む音だけが響いていた。
「デイダラが連絡に応答しない。サソリに聞いても知らんと突っぱねている」
だから、直接見に行って欲しいと再度ペインが言うと、ゼツは仕方ないと肩をすくめてその身を地面と同化させた。
「サソリ」
「……何だ?」
サソリのチャクラを感知したゼツは、強く感じる方角へ身を進め、地面から顔を覗かせながらお目当ての人物へと話しかけた。一方、呼ばれたサソリは特段驚きもせず、いつも通り抑揚のない声色で返答すれば、地面から全身を生やしたゼツがデイダラは? と間髪入れずに返してきた。
「知らねぇよ」
「最近連絡がつかないってペインが困っていたよ」
「……だろうな」
「何か知ってるの?」
ぶっきらぼうに返事をしたサソリ。彼の物言いに何か事情を知っているように感じて、深く探りを入れれば大きくため息をついてから一言目覚めたと溢した。
「目覚めた?」
「あぁ、とんでもねぇ悪趣味にな」
此処数日のデイダラといえば、女遊びに明け暮れていた。女っ気のない暁では己の性欲を持て余す羽目になり、自己処理を施そうにも、近くに相方がいるせいで中々実行に移せず苛立っていた。しかも相方は人間を捨てた事で、三大欲求を克服した身。若さも合って、悶々とする毎日を送るデイダラの気持ちを察するような気遣いは一切なかった。任務の合間に花街に行っては、金の力で好みの娼婦を好きなだけ抱くも段々と飽きを感じ、到頭花街通いをぴたりと止めてしまった。しかし、欲は己の意に反して溜まっていく一方。だが思うままに女を抱いても、はち切れんばかりの男根が静まる日は一夜もなかった。
そんな息苦しい毎日を送っていたデイダラであったが、ある日たまたま脳裏に思い浮かんだ下らない案を実行してみたところ、退屈に感じていた情事がとてつもなく楽しいものへと変化した。それどころか以前よりも興奮を覚え、女を見つけては手当たり次第に口説き落としていた。情事中はひたすら抱く事に集中し、終わるとひどい満足感へ浸り、翌日になるとあの心地よさを思い返しながら次の女を探す日々。性欲処理を優先する彼は、暁の任務を忘れて女の柔肌に唇を寄せては、口元に緩い笑みを浮かべて、また熱い一夜を過ごしていた。
欲に溺れるデイダラの様子を変に思ったサソリは、まず彼に最近は何をしているのだと正直に問いかけた。しかし、デイダラは表情を歪めて口を濁し、真実を話そうにもない。サソリの問いかけに何だっていいだろうと一方的に話をぶった切るとデイダラは背を向け、また女を求めて街へと繰り出して行ってしまった。揺れる背中へ依然視線を向けるサソリは、何かあると結論付けるとその重たい腰を上げ、任務を投げ出す程にハマっている『何か』を探ろうと、街へ急ぐデイダラの後を追いかけた。
余程『何か』はデイダラの気分を高揚させるらしい。急ぎ足で何処かに向かうデイダラの背中が楽しげに揺れているし、此方の尾行に未だ気付く素振りはない。背後へ気にかけないのは忍としていかがなものかと、頭を抱えるサソリの目に今度は若い女の姿が入る。肩に寄りかかる女と振り解きもしないデイダラ。これから何が行われるか察したサソリは馬鹿馬鹿しいと呆れ返った。自分はとうの昔に生身を捨てた時、そういったモノを一切必要としなくなった。だからか、女を見ても欲情するような事もない。ごく稀に傀儡として保存しておいたら、さぞかし美しいだろうと思わせる美人がいるくらいだ。しかしデイダラは生身であるし、年頃的に最も性欲を持て余しているのだろう。口を濁さなくても、素直に女と会って来ると言えばいいものを。ガキのくせしてプライドの高さだけは一流のつもりかと、内心悪態をつき踵を返そうとした時であった。騒がしくなった背後に慌てて視線を向ければ、そこにはサソリの想像を遥かに超える光景が広がっていた。
「やだっ、まっ、てぇ!」
「あ? 青子は此処が好きなんだろ? うんっ」
その日もいつもと変わらず街で見つけた女を言い値で買ったデイダラは、近くの宿屋へ彼女を連れていくと早々に押し倒し、身を包む洋服を豪快に剥ぎ取っていく。がっついた手つきに、青子は笑いながら逃げないよと返すも、デイダラは早く抱きてぇんだよと鼻息を荒くして答える。雄を滲ませるデイダラに少々怯んだ彼女は、小さく優しくしてねと呟く事しか出来なかった。
服を脱がし終えると柔肌に舌を這わせ、首筋や耳をねっとりと行き来する。絶妙な力加減で撫でられる微弱な感覚に、自然と身体が震える。この後訪れるだろう大きな快感を予想すると、期待がどんどんと膨らんでいくのだ。既に舌の動きだけで身体は目覚めようとしている、これは期待出来るだけの技量の持ち主であるに違いない。男も経験豊富な人と、そうでない人には技量に天地の差がある。わざわざ口にする事もないが、下手くそな部類に当たると気持ち良いどころか終始痛いだけで、不快感しか残らない。いくら金を払ってもらっているとはいえ、好き好んで痛さを受け入れるような趣向を自分は持ち合わせていない。だからこそ、舌の使い方で上手いと感じる男性に当たった時は、気持ち良くなれるのではないかと胸が躍る。折角身体を合わせるのだから、互いに快楽に溺れたいと思ってしまうのは至極当然ではないだろうか。
胸、腹、秘部を撫でるイヤらしい手つきに、身体中が嬉しい悲鳴をあげる。徐々に加熱していく感覚に酔いしれながら、応える為に身体を震わせながら捩れば新たな快楽を与えられる。デイダラの熱い吐息と激しい腰使い、青子の甘い喘ぎと収縮を繰り返す下腹部。二人の生み出す快楽が如何に熱く燃えるものか、部屋を覆おう熱気が全てを物語っていた。
「デイ、ダラっ」
「何だよ!」
「もっとぉ、もっとちょうだい、足りないのぉっ!」
何度も何度も中を抉るように擦られ、快楽を与えられ続けると体が限界だと軋み始めた。未だ汗を滴らせながら腰を打ちつけるデイダラへ、絶頂が欲しいのだと伝えればニヒルな笑みを浮かべて腰の動きを止めてしまった。疼く腰と秘部に顔を顰めながら強請れば、デイダラは手のひらを差し出してきた。
「何これ?」
「即効性の媚薬。もっと気持ち良くなりてぇんだろ?」
「……うん」
手のひらに乗る白い少し大きめの錠剤。顎で飲むように促すデイダラの視線に耐えられず口に入れれば、良く出来ましたと掠れた声と共に甘酸っぱい濃厚なキスが落とされた。それからデイダラにされるがまま堕とされた青子は、甲高い声を上げながら与えられる衝撃を一身に受けていた。即効性の媚薬を飲んだからか、先程と比べ物にならないくらい身体も脳みそも気持ちがいい。このまま天国へ行けるのではないかと勘違いしてしまいそうだ。
「も、もうイクッ!!」
「つっ!!」
一段と強い打ちつけと震える腰にデイダラがイッたのだと感じ、ぐったりと覆いかぶさる体に腕を回して余韻に浸る。やはり技量のある男に抱かれると気持ちが良い、それにデイダラは金払いも良いからまた抱かれたい。ガクガクと震える下半身と、朦朧とする視界でデイダラを追っていると秘部から男根を引きずり出して、身綺麗にしているところだった。
「もう、行くの……?」
「あぁ、オイラも色々あるからな」
「次はいつ会える?」
「またすぐにでも」
そう残したデイダラに、絶対だと返せば肯定が降って来る。良い客になりそうだと微笑みを浮かべていれば、コートを羽織ったデイダラが背を向けた。次はいつになるだろうと心を躍らせていると、疲れからか目蓋がゆっくりと閉じていく。支払いは彼が済ませてくれたから、少し休んでから帰ろうと意識を手放した。それと同時に体の中心部から熱量を感じた気がした。
「喝」
「悪趣味?」
「あぁ。あんな酷いやつは早々お目にかかれるもんじゃねぇぜ」
淡々と告げたサソリの言葉を不可思議そうに復唱すれば、強く頷きながら意見を述べる。サソリは暁で一二を争う残忍さを持ち合わせている。その彼が悪趣味と言いきるのだから、相当なものであるに間違いないだろう。しかし、『悪趣味』と一口に言われても一体どんなものか想像がつかない。唸り声をあげるゼツを横目で見た後、気になるか? と面白おかしそうに問いかけた。
「うん、気になる」
「オレも始めは我が目を疑った、幻術の類かとな。デイダラのヤツ、起爆粘土を抱いた女に仕込んで爆発させてやがった」
「後始末でしょ?」
「違ぇ、肉片にした女の残骸を見て興奮してたんだよ。しかも抱いてる時以上に興奮してやがる……とんでもねぇ悪趣味だろ?」
くつくつと背中を震わせて笑うサソリは、その時を思い出しているのか中々に衝撃的だったなと呟いている。加えてガキだと思っていたが、とんでもない大物になるかもなと評した。
「異様な光景だぜ? 真っ赤に染まった肉の塊相手に慰めて射精するんだからな」
「……」
「ああいうのを異常性癖っていうんだろうな。オレには分からねぇ感覚だが」
リーダーにはオレから進言しといてやる。それだけ言ってサソリはゼツに帰るように促す。全貌を聞いたゼツは心の内にもやもやを抱えながら、行きと同様にゆっくりと地面と同化し、その場から姿を消した。ゼツの居なくなった広い空間は、傀儡の軋む音だけが響いていた。