躑躅森 盧笙
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スーパーでフルーツの値段を見るとびっくりしてしまって手を引っ込めるけど、いざ食卓に出てくるとうれしくてびっくりする。
あかあかと熟したさくらんぼがガラスの器に盛られている。一部薄茶色くて柔らかそうだけど、許容範囲内だ。
「わー、さくらんぼ」
「おつとめ品やゆうても、まだイケるからな」
「だね。ツヤツヤしてる」
「フルーツあると、なんかええよな」
「いいね」
いつもはかなりしっかり家計管理をしているから、私が買わない限りなかなかお目にかかれない。フルーツのカテゴリは、盧笙的には食材と贅沢品の間にあるらしい。
けど別に厳しすぎる訳でもない。この前付き合ってから四年の記念日はかなりしっかりお祝いした。ケーキとか、プレゼントとか用意したり。締めるところは締めて、開けるところは開ける。何もおかしくない。金銭感覚の合致、ってカンジだ。
先生だけでも忙しいのに、中王区にくってかかってる。異常な政策で男を目の敵にしているのを黙って見ていられるような性格をしていない。男子生徒が苦しんでいるのを、女子生徒が差別に染まっていくのを、適当な理屈で押し込めることを善しとするような人ではない。
まあそういうところが好きでこうして長く一緒にいる訳なので、ラップバトルに時間を注ぎ込むことに何か文句がある訳じゃない。けど時々さびしさがよぎることがある。
だから、買ってみた。ぬいぐるみ。
さくらんぼ柄のロリータ服に、フリフリのヘッドドレス。盧笙が一緒着ることはなさそうな服ばかりをぬい服作家さんから仕入れた。ぬいぐるみの盧笙に着せた角隠し(和装の結婚式の女性側の着物)が似合いすぎて、撮影用のライトを仕入れてしまった。
うきうきした気持ちを隠しもせず一人角隠しをまとう盧笙と、だいぶ前に京都旅行した時に撮った竹林の写真を背景にしてみた。
良すぎる。お姫様みたいだ。悦に入ってパシャパシャと写真を撮っていた。
足音も何もしなかったから、盧笙が帰ってきていたことには気づけなかった。
「なーーーー!!!!!」
「わぁーーーー盧笙ッッッいつの間に」
「さっき「ただいまー」って言うたやん!!
なんやその……角隠し着た俺のぬいぐるみはーーーーッッッ!!」
「マイクないのにこの声がここまで大きいの……!」
「結婚するんか……俺以外のやつと……?!!??!俺の、ぬいぐるみと……??」
「落ち着けーーーっっお前のぬいぐるみだろうがーーー!!!」
いったん、落ち着こうということでリビングの椅子に向き合って座った。ラップバトルの大会?でもらった差し入れのドーナツとともに。
「どういうことなん?この状況」
「盧笙のぬいぐるみを着せ替えて遊んでました。以上」
「ぬいぐるみ構ってるヒマあるんに、なんで俺には構ってくれへんねん!!」
「お前がいつもいないからだろうがーーー!!」
「えーーっっ!!ごめんーー!!」
こういう時、すぐに素直な謝られると次の言葉が出てこない。
「ごめんなぁ、敦子。最近帰れても遅かったもんなあ」
「そうだよー!!さびしかった!!」
「そうやって、さびしいんをごまかさんと出せるんはえらいなぁ」
「そうやって先生モード入るなーー!」
盧笙ぬいの手を使ってパンチした。盧笙ぬいはかわいい。代わりにパンチさせられている時でも。
「あー!ごめんなぁ……なんかそう、やってもうた……」
盧笙はハッとした顔で皿を積んである戸棚の奥を漁った。
「敦子ちゃん。今度ちゃんと記念ディナー予約して体裁整えてやるんやけど、いま言いたいわ。結婚しようや。な、ちゃんと俺はここに帰ってくる。どんなに忙しくてもここに帰る約束がしたいんや」
「はにゃ……」
急展開すぎてまったく追いつけないけど、指輪がキラキラしてるのと、盧笙ぬいが私の手汗で湿ってきちゃってるのは確かだ。
「い、いいよ。しよう、結婚」
「やった……よかった……ありがとう……ぬいぐるみの俺もありがとうな……」
盧笙(人間)と盧笙(ぬいぐるみ)とが握手している。盧笙が指輪はめてくれたけど、サイズが合ってるか最後まで不安だったらしくて、はめてくれル手がびしょ濡れだった。(手汗で)
「これからもよろしくな、敦子ちゃん」
「うん、よろしく」
お互いいつのまにか床に正座していた。お互い頭を下げて、これからもよろしく、とか、仲良くしようねとか色々言っているのを、盧笙(ぬいぐるみ)が見ている。
「ちょっと俺のぬいぐるみ、あっちむいててな」
キスする前にぬいぐるみに話しかけて他所を見せるあたり、やっぱりこの人のこと好きでよかったなぁと再確認する。盧笙のこと好きでよかった。
「敦子ちゃんはさ、俺に女装してほしかったの……?」
「してくれるならしてほしいかな……?」
「そうか……」
いらんところの覚悟決める速度も半端なく早い。
20250607
あかあかと熟したさくらんぼがガラスの器に盛られている。一部薄茶色くて柔らかそうだけど、許容範囲内だ。
「わー、さくらんぼ」
「おつとめ品やゆうても、まだイケるからな」
「だね。ツヤツヤしてる」
「フルーツあると、なんかええよな」
「いいね」
いつもはかなりしっかり家計管理をしているから、私が買わない限りなかなかお目にかかれない。フルーツのカテゴリは、盧笙的には食材と贅沢品の間にあるらしい。
けど別に厳しすぎる訳でもない。この前付き合ってから四年の記念日はかなりしっかりお祝いした。ケーキとか、プレゼントとか用意したり。締めるところは締めて、開けるところは開ける。何もおかしくない。金銭感覚の合致、ってカンジだ。
先生だけでも忙しいのに、中王区にくってかかってる。異常な政策で男を目の敵にしているのを黙って見ていられるような性格をしていない。男子生徒が苦しんでいるのを、女子生徒が差別に染まっていくのを、適当な理屈で押し込めることを善しとするような人ではない。
まあそういうところが好きでこうして長く一緒にいる訳なので、ラップバトルに時間を注ぎ込むことに何か文句がある訳じゃない。けど時々さびしさがよぎることがある。
だから、買ってみた。ぬいぐるみ。
さくらんぼ柄のロリータ服に、フリフリのヘッドドレス。盧笙が一緒着ることはなさそうな服ばかりをぬい服作家さんから仕入れた。ぬいぐるみの盧笙に着せた角隠し(和装の結婚式の女性側の着物)が似合いすぎて、撮影用のライトを仕入れてしまった。
うきうきした気持ちを隠しもせず一人角隠しをまとう盧笙と、だいぶ前に京都旅行した時に撮った竹林の写真を背景にしてみた。
良すぎる。お姫様みたいだ。悦に入ってパシャパシャと写真を撮っていた。
足音も何もしなかったから、盧笙が帰ってきていたことには気づけなかった。
「なーーーー!!!!!」
「わぁーーーー盧笙ッッッいつの間に」
「さっき「ただいまー」って言うたやん!!
なんやその……角隠し着た俺のぬいぐるみはーーーーッッッ!!」
「マイクないのにこの声がここまで大きいの……!」
「結婚するんか……俺以外のやつと……?!!??!俺の、ぬいぐるみと……??」
「落ち着けーーーっっお前のぬいぐるみだろうがーーー!!!」
いったん、落ち着こうということでリビングの椅子に向き合って座った。ラップバトルの大会?でもらった差し入れのドーナツとともに。
「どういうことなん?この状況」
「盧笙のぬいぐるみを着せ替えて遊んでました。以上」
「ぬいぐるみ構ってるヒマあるんに、なんで俺には構ってくれへんねん!!」
「お前がいつもいないからだろうがーーー!!」
「えーーっっ!!ごめんーー!!」
こういう時、すぐに素直な謝られると次の言葉が出てこない。
「ごめんなぁ、敦子。最近帰れても遅かったもんなあ」
「そうだよー!!さびしかった!!」
「そうやって、さびしいんをごまかさんと出せるんはえらいなぁ」
「そうやって先生モード入るなーー!」
盧笙ぬいの手を使ってパンチした。盧笙ぬいはかわいい。代わりにパンチさせられている時でも。
「あー!ごめんなぁ……なんかそう、やってもうた……」
盧笙はハッとした顔で皿を積んである戸棚の奥を漁った。
「敦子ちゃん。今度ちゃんと記念ディナー予約して体裁整えてやるんやけど、いま言いたいわ。結婚しようや。な、ちゃんと俺はここに帰ってくる。どんなに忙しくてもここに帰る約束がしたいんや」
「はにゃ……」
急展開すぎてまったく追いつけないけど、指輪がキラキラしてるのと、盧笙ぬいが私の手汗で湿ってきちゃってるのは確かだ。
「い、いいよ。しよう、結婚」
「やった……よかった……ありがとう……ぬいぐるみの俺もありがとうな……」
盧笙(人間)と盧笙(ぬいぐるみ)とが握手している。盧笙が指輪はめてくれたけど、サイズが合ってるか最後まで不安だったらしくて、はめてくれル手がびしょ濡れだった。(手汗で)
「これからもよろしくな、敦子ちゃん」
「うん、よろしく」
お互いいつのまにか床に正座していた。お互い頭を下げて、これからもよろしく、とか、仲良くしようねとか色々言っているのを、盧笙(ぬいぐるみ)が見ている。
「ちょっと俺のぬいぐるみ、あっちむいててな」
キスする前にぬいぐるみに話しかけて他所を見せるあたり、やっぱりこの人のこと好きでよかったなぁと再確認する。盧笙のこと好きでよかった。
「敦子ちゃんはさ、俺に女装してほしかったの……?」
「してくれるならしてほしいかな……?」
「そうか……」
いらんところの覚悟決める速度も半端なく早い。
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