荼炎
name change
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見ろよ、俺の名前。
燈矢っていうんだ。
妹は冬美、その下の弟は夏雄。
そこまではいい。炎を冠した名前は俺だけだったから。
焦凍。
こいつが生まれ、名前がつけられてから俺は手の先と足の先が冷たくなって、後頭部がシンシンと音を奪っていき、そして思考さえも奪っていった。
こいつは、俺と同じ””期待された子””だ。
あからさますぎて笑えるよな。
途中から見放されるより名付けの時点でハズレと印字された方がまだ諦めがついたかもしれない。
下手に親の期待を名に満たしてしまった。
だから俺は、親の期待を身に灯して焼け死んだ俺を弔うために荼毘という名前を与えた。
かわいそうな俺を荼毘に付し、その灰から再び生まれるために。親の期待に応えたいといじましく食い下がった俺に、自分の身体を大切にしろという一般論で説き伏せられると思っているお父さんに、何が俺の本当の望みなのかを教えてやるために。
さぁ、ダンスを始めよう。
どちらの身体が欠け落ちても、ステップを疎かにするなよ。
#novelmber お題:名付ける
燈矢っていうんだ。
妹は冬美、その下の弟は夏雄。
そこまではいい。炎を冠した名前は俺だけだったから。
焦凍。
こいつが生まれ、名前がつけられてから俺は手の先と足の先が冷たくなって、後頭部がシンシンと音を奪っていき、そして思考さえも奪っていった。
こいつは、俺と同じ””期待された子””だ。
あからさますぎて笑えるよな。
途中から見放されるより名付けの時点でハズレと印字された方がまだ諦めがついたかもしれない。
下手に親の期待を名に満たしてしまった。
だから俺は、親の期待を身に灯して焼け死んだ俺を弔うために荼毘という名前を与えた。
かわいそうな俺を荼毘に付し、その灰から再び生まれるために。親の期待に応えたいといじましく食い下がった俺に、自分の身体を大切にしろという一般論で説き伏せられると思っているお父さんに、何が俺の本当の望みなのかを教えてやるために。
さぁ、ダンスを始めよう。
どちらの身体が欠け落ちても、ステップを疎かにするなよ。
#novelmber お題:名付ける