凛冴
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柱に身長を刻んでいる間は、ずっと先に冴の身長がここを超えていった印があった。
いつしかそれが途絶え、俺がつけた傷だけになり、そしていつしか俺も傷をつけることは無くなった。
生活空間の中に、俺を勝手に査定して否の印を押して消えてった兄の存在を感じるのは、不快でしかなかった。
あんなに兄を尊敬していて、兄と世界で活躍したいと願った幼いときの俺と、こんなに憎くて、結局兄のために(兄を見返すために)サッカーをしている俺は自分で見ても行動と感情に整合性がない。
けれどサッカーに打ち込んでいる間は憎しみに呑まれることなく居られる。俺は、今の俺は兄からかけられたひどい言葉を打ち払うためにサッカーをしている。いつかこのメンタリティが払拭できた時、俺はプレイヤーとして一皮剥けるんだと信じて自分を追い込む。
冴が俺に決別を言い渡した時もこんなひどい天気だった。
▼
俺が提案した、俺たちで世界を狙う術を否定したのは凛の方だろ。
お前がストライカー、俺がミッドフィルダーでやっていけば俺たちはずっと一緒にサッカーができたのに。凛は先に俺が世界を見てきて、合理的に俺たちが世界を狙える術を提案したのに、凛、お前は。
自分のやり方にこだわって結果を得ることを優先させない。結果として俺たちが一緒に世界で活躍するという目的を果たせなくても、日本にいる平凡な奴らみたいに「過程が大事なんだ」とか「仲間を信じることが」とか言うんだろ。
そんな甘くて理想ばっかり見て今自分がいるところが見えてないカスみたいなプレイヤーになるくらいなら、お前はここでサッカーをやめて他のことを頑張った方がいい。エゴでも、傲慢な判断だとしても、いい。お前がつまらない人生を送るようになるより、ずっといい。
いつしかそれが途絶え、俺がつけた傷だけになり、そしていつしか俺も傷をつけることは無くなった。
生活空間の中に、俺を勝手に査定して否の印を押して消えてった兄の存在を感じるのは、不快でしかなかった。
あんなに兄を尊敬していて、兄と世界で活躍したいと願った幼いときの俺と、こんなに憎くて、結局兄のために(兄を見返すために)サッカーをしている俺は自分で見ても行動と感情に整合性がない。
けれどサッカーに打ち込んでいる間は憎しみに呑まれることなく居られる。俺は、今の俺は兄からかけられたひどい言葉を打ち払うためにサッカーをしている。いつかこのメンタリティが払拭できた時、俺はプレイヤーとして一皮剥けるんだと信じて自分を追い込む。
冴が俺に決別を言い渡した時もこんなひどい天気だった。
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俺が提案した、俺たちで世界を狙う術を否定したのは凛の方だろ。
お前がストライカー、俺がミッドフィルダーでやっていけば俺たちはずっと一緒にサッカーができたのに。凛は先に俺が世界を見てきて、合理的に俺たちが世界を狙える術を提案したのに、凛、お前は。
自分のやり方にこだわって結果を得ることを優先させない。結果として俺たちが一緒に世界で活躍するという目的を果たせなくても、日本にいる平凡な奴らみたいに「過程が大事なんだ」とか「仲間を信じることが」とか言うんだろ。
そんな甘くて理想ばっかり見て今自分がいるところが見えてないカスみたいなプレイヤーになるくらいなら、お前はここでサッカーをやめて他のことを頑張った方がいい。エゴでも、傲慢な判断だとしても、いい。お前がつまらない人生を送るようになるより、ずっといい。
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