私がソレを拒む理由
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
高校三年生の春 初めての彼氏ができた
宮 治くん
バレー部の宮兄弟のことを 校内で知らない人はいない
バレーの実力はもちろんのこと 整った顔立ち
そのルックスの良さで女子からの人気は凄まじい
校外にもたくさんファンがおるらしくて それも頷けるくらい魅力的や
そんな治くんのモテ人生とは全く違うけど 私もそれなりにモテる
いや、簡単に落とせそうやと思われとるだけかもしれへんけど
今までに何度か告白されたことはある
でも付き合うたのは 昔に一人だけ
しかも短期間
恋バナはようする
友達の話をいつも聞いてあげる役や
ちょっとえっちな悩みも打ち明けられたりするけど
そこは経験のない私にはわからへんから ほんまに話を聞くだけ
羨ましいな 楽しそうやな
そんな気持ちを抱えながら 自分には無縁や思いながら聞いとった
キスは 中学の時にしたことがある
初めての彼氏
私は あれが最初で最後の恋やろなと思っとったのに…
二年の時同じクラスになった治くんに惚れてしまった
友達を交えて話す機会が多くて その落ち着いた雰囲気 と
無表情の中に時折見せる少年のような笑顔に私は自然と惹かれていた
その治くんから三年になってすぐ告白されて 二つ返事でOKしたものの
ほんまに私でええんかなって 不安なままお付き合いをして
もう1ヶ月が過ぎた
私には 治くんに言うてへん秘密がある
「今日 俺ん家くる? アイツおらんねん」
アイツ それはたぶん 双子の片割れ 侑くんのこと
治くんからの誘いに頭の中が真っ白になる
家っちゅうことは そういうことやろ
でも 治くんの家に行ってみたい
できることなら触れたい
誰にも見られへん空間で 二人きりの時間を過ごしたい
「うーん…」
ほんまはキスだってしたい できればその先も
初めては治くんがいい
1ヶ月付き合うて 私は勝手に色々考えてはモヤモヤしとったけど
治くんはほんまに優しい
私を見る目が変わった 連絡だって毎日くれる
初めて手を繋いだ日はほんまにドキドキした
家まで送ってくれた日
別れ際にキスをされそうになって 一瞬戸惑って治くんの身体を押した
「あかん?」首を傾げて聞いてくる治くんの まぁ可愛いこと
あかんことなんか 何もなくなってまうくらい可愛い
「ええ、よ」
ぎこちなく そう返事したら
壊れ物に触れるような優しいキスやった
こうして 人生で2回目のキスは いい思い出になった
この1ヶ月の間に起きた そんなことを思い出しとったら
治くんが部屋に戻ってきた
「適当にその辺座っとって。飲みもん持ってくるから」
色々考えつつも結局 私はまんまと治くんの家に来てしまった
男の子らしい 程よく散らかった部屋
当たり前やけど侑くんの存在も同じくらい濃く感じる
部屋の隅の方にちょこんと座る
「もっとこっち」
そう言われて ちょっとだけ治くんに近づく
「これ、やってみたかってん」そう言って 私の膝を枕にした治くん
「めっちゃ気持ちええ」
私の顔を見上げるような角度
下から見られるんめっちゃ嫌やん
治くんの目を隠そうとすると 簡単にその手を掴まれる
そして 普通に見上げてきて 今日あったこととか たわいのない話をするから
このアングル たぶんめっちゃぶさいやんって 逃げたくなるけど
まぁええわ 治くん気持ちよさそうやし
甘えられるん嫌やない
あぁ このゆるい時間結構好きかも
そんなことを思ってたら
身体を起こした治くんに 髪を撫でられ キスをされた
人生3回目のキスは 私の知っとるそれやなかった
執拗に舌を絡め取られて 息継ぎの仕方がわからへんようになった
これが 友達の言うとったディープキスっちゅうやつかぁ
頭の中ではそんなこと呑気に思う
されるがままになってたら さっきまでの可愛い治くんはもうおらへん
私のことをあっという間に組み敷いて 真剣な顔つき
「ひかり 好きやで」
百点満点やねん 顔も 言葉も
断られへん
断られへんけど 私は治くんに言うてへんことがある
言わなあかんと思う でも言いたくない
たぶん私 今めっちゃ不安な顔しとると思うけど
治くんも余裕なさそうに見える
私の首筋に顔埋めて 捲れたスカートの中に入ってきた ちょっとひんやりした手
身体をびくつかせながら その手を押さえる
「あかんの」
この先に 進みたいのに
あかんの
「嫌なん?」
「嫌とちゃう」
「じゃあなんで」
「ごめん」
「なんで謝るん」
「ごめん」
「ごめんやわからへん。なんでそない嫌がんねん」
ちらっと治くんの顔を見る
いつもよりほんの少し不機嫌そうに見える
「ひかりのことめっちゃ好きやで」
嬉しい
わかってる わかってるんやけど
「まだあかん?」
それもちゃうねん 私は前から好きやったし
できることなら 繋がりたい
「俺があかん?」
それは絶対ちゃう
言葉に詰まって 涙が出てきてしまう
「泣かんでええ!まだあかんな!やめとこ」
さっきまでの無表情が嘘のように 慌てて私の乱れた服を直そうとする治くん
ちがうねん なんでこの人 こんなに優しいんやろ
めんどくさいって怒らへんねんな
無理やりも絶対せぇへん
私の服を直そうとする治くんの手
それを止めるように掴む私
「え?」
わけわからん そんな顔してる
「傷があるねん」
「傷?」
「そう めっちゃでっかい 火傷の跡」
「どこに?」
「腰 たぶん 引くと思うから」
「見てもええ?」
「あかん!嫌や」
初めての彼氏も 絶対大丈夫やからって言うてくれた
だから私も 身体をあげるて覚悟して 脱いだ
でもこれ見て「ごめん」って言われた
今でもあの時のこと忘れられへん
私だって 綺麗な つるっとした肌が良かった
水着を着たこともない
腰が見えるような短い服は避けとる それだけならまだええ
好きな人に 愛されてみたい
この傷と あのトラウマはそんな気持ちを私から奪った
そして今
あの時より少し成長した今の方が
この傷のことも自分のことも受け入れられへんで 怖い
「治くんのこと嫌なわけない!好きや。私は治くんがええねん。けど できへん。気持ち悪がられたくないし、今までやって…言われて…」
あん時みたいに ごめんって 言われたら立ち直れへん
離れていかれて 惨めな気持ちになりたないやん
「どうでもええわ」
治くんは 突然 私の腕を引っ張って シャツを捲り上げた
「えっ?」
中に着てたキャミソールも軽く引っ張られて
あっという間に上半身が露わになる
下着も見えとる
もちろん傷も見えとる
「ちょっ!治くん!?やめ…」
「これのこと?」
治くんの大きな手を広げても 収まりきらへん大きさの傷跡に改めて嫌になる
「もう ほんまに いや」
見られたくない 最低や
ポロポロ涙を溢す
昔 この傷があるん知ってる女の子に
「気持ち悪い」て 他の男子の前で晒すように言われてた
せやから 嫌やねん
私はこの傷のせいで ずっと嫌な思いしてきた
たぶんこれからも
「治くんのあほ」
やめていうてるやん なんで聞いてくれへんねん
醜い傷跡を撫でながら 抱きしめてくれる治くん
「アホはひかりや。どうでもええ言うとるねん。元カレかなんか知らんけど一緒にすんな」
私の顔は ぎゅーっと治くんの胸に押しつけられとるような状態
「やめてて…服に鼻水つくで ほんまもう知らん」
くぐもった声を出す
「おう つけとき」って笑ってる
なんなん治くん
肩を掴んで 私の顔を自分の身体から剥がすようにした治くんに「なんで泣いてんねん?これ、 痛いん?」って聞かれた
わかってるくせに
何度も 大きな手で私の傷跡を撫でる
「痛くない」
おかしいな 痛かったはずやねん
傷じゃなくて この傷のせいで壊れた心が
そんな痛みも トラウマももうない
「めっちゃ綺麗やで」
そう言って ニッと笑う治くん
私 半裸状態やん
忘れてたわけやないけど ふと我に返る
「もっと見せてや。ええやろ?」
そう言われたら
もう拒む理由はなくなってしまった
宮 治くん
バレー部の宮兄弟のことを 校内で知らない人はいない
バレーの実力はもちろんのこと 整った顔立ち
そのルックスの良さで女子からの人気は凄まじい
校外にもたくさんファンがおるらしくて それも頷けるくらい魅力的や
そんな治くんのモテ人生とは全く違うけど 私もそれなりにモテる
いや、簡単に落とせそうやと思われとるだけかもしれへんけど
今までに何度か告白されたことはある
でも付き合うたのは 昔に一人だけ
しかも短期間
恋バナはようする
友達の話をいつも聞いてあげる役や
ちょっとえっちな悩みも打ち明けられたりするけど
そこは経験のない私にはわからへんから ほんまに話を聞くだけ
羨ましいな 楽しそうやな
そんな気持ちを抱えながら 自分には無縁や思いながら聞いとった
キスは 中学の時にしたことがある
初めての彼氏
私は あれが最初で最後の恋やろなと思っとったのに…
二年の時同じクラスになった治くんに惚れてしまった
友達を交えて話す機会が多くて その落ち着いた雰囲気 と
無表情の中に時折見せる少年のような笑顔に私は自然と惹かれていた
その治くんから三年になってすぐ告白されて 二つ返事でOKしたものの
ほんまに私でええんかなって 不安なままお付き合いをして
もう1ヶ月が過ぎた
私には 治くんに言うてへん秘密がある
「今日 俺ん家くる? アイツおらんねん」
アイツ それはたぶん 双子の片割れ 侑くんのこと
治くんからの誘いに頭の中が真っ白になる
家っちゅうことは そういうことやろ
でも 治くんの家に行ってみたい
できることなら触れたい
誰にも見られへん空間で 二人きりの時間を過ごしたい
「うーん…」
ほんまはキスだってしたい できればその先も
初めては治くんがいい
1ヶ月付き合うて 私は勝手に色々考えてはモヤモヤしとったけど
治くんはほんまに優しい
私を見る目が変わった 連絡だって毎日くれる
初めて手を繋いだ日はほんまにドキドキした
家まで送ってくれた日
別れ際にキスをされそうになって 一瞬戸惑って治くんの身体を押した
「あかん?」首を傾げて聞いてくる治くんの まぁ可愛いこと
あかんことなんか 何もなくなってまうくらい可愛い
「ええ、よ」
ぎこちなく そう返事したら
壊れ物に触れるような優しいキスやった
こうして 人生で2回目のキスは いい思い出になった
この1ヶ月の間に起きた そんなことを思い出しとったら
治くんが部屋に戻ってきた
「適当にその辺座っとって。飲みもん持ってくるから」
色々考えつつも結局 私はまんまと治くんの家に来てしまった
男の子らしい 程よく散らかった部屋
当たり前やけど侑くんの存在も同じくらい濃く感じる
部屋の隅の方にちょこんと座る
「もっとこっち」
そう言われて ちょっとだけ治くんに近づく
「これ、やってみたかってん」そう言って 私の膝を枕にした治くん
「めっちゃ気持ちええ」
私の顔を見上げるような角度
下から見られるんめっちゃ嫌やん
治くんの目を隠そうとすると 簡単にその手を掴まれる
そして 普通に見上げてきて 今日あったこととか たわいのない話をするから
このアングル たぶんめっちゃぶさいやんって 逃げたくなるけど
まぁええわ 治くん気持ちよさそうやし
甘えられるん嫌やない
あぁ このゆるい時間結構好きかも
そんなことを思ってたら
身体を起こした治くんに 髪を撫でられ キスをされた
人生3回目のキスは 私の知っとるそれやなかった
執拗に舌を絡め取られて 息継ぎの仕方がわからへんようになった
これが 友達の言うとったディープキスっちゅうやつかぁ
頭の中ではそんなこと呑気に思う
されるがままになってたら さっきまでの可愛い治くんはもうおらへん
私のことをあっという間に組み敷いて 真剣な顔つき
「ひかり 好きやで」
百点満点やねん 顔も 言葉も
断られへん
断られへんけど 私は治くんに言うてへんことがある
言わなあかんと思う でも言いたくない
たぶん私 今めっちゃ不安な顔しとると思うけど
治くんも余裕なさそうに見える
私の首筋に顔埋めて 捲れたスカートの中に入ってきた ちょっとひんやりした手
身体をびくつかせながら その手を押さえる
「あかんの」
この先に 進みたいのに
あかんの
「嫌なん?」
「嫌とちゃう」
「じゃあなんで」
「ごめん」
「なんで謝るん」
「ごめん」
「ごめんやわからへん。なんでそない嫌がんねん」
ちらっと治くんの顔を見る
いつもよりほんの少し不機嫌そうに見える
「ひかりのことめっちゃ好きやで」
嬉しい
わかってる わかってるんやけど
「まだあかん?」
それもちゃうねん 私は前から好きやったし
できることなら 繋がりたい
「俺があかん?」
それは絶対ちゃう
言葉に詰まって 涙が出てきてしまう
「泣かんでええ!まだあかんな!やめとこ」
さっきまでの無表情が嘘のように 慌てて私の乱れた服を直そうとする治くん
ちがうねん なんでこの人 こんなに優しいんやろ
めんどくさいって怒らへんねんな
無理やりも絶対せぇへん
私の服を直そうとする治くんの手
それを止めるように掴む私
「え?」
わけわからん そんな顔してる
「傷があるねん」
「傷?」
「そう めっちゃでっかい 火傷の跡」
「どこに?」
「腰 たぶん 引くと思うから」
「見てもええ?」
「あかん!嫌や」
初めての彼氏も 絶対大丈夫やからって言うてくれた
だから私も 身体をあげるて覚悟して 脱いだ
でもこれ見て「ごめん」って言われた
今でもあの時のこと忘れられへん
私だって 綺麗な つるっとした肌が良かった
水着を着たこともない
腰が見えるような短い服は避けとる それだけならまだええ
好きな人に 愛されてみたい
この傷と あのトラウマはそんな気持ちを私から奪った
そして今
あの時より少し成長した今の方が
この傷のことも自分のことも受け入れられへんで 怖い
「治くんのこと嫌なわけない!好きや。私は治くんがええねん。けど できへん。気持ち悪がられたくないし、今までやって…言われて…」
あん時みたいに ごめんって 言われたら立ち直れへん
離れていかれて 惨めな気持ちになりたないやん
「どうでもええわ」
治くんは 突然 私の腕を引っ張って シャツを捲り上げた
「えっ?」
中に着てたキャミソールも軽く引っ張られて
あっという間に上半身が露わになる
下着も見えとる
もちろん傷も見えとる
「ちょっ!治くん!?やめ…」
「これのこと?」
治くんの大きな手を広げても 収まりきらへん大きさの傷跡に改めて嫌になる
「もう ほんまに いや」
見られたくない 最低や
ポロポロ涙を溢す
昔 この傷があるん知ってる女の子に
「気持ち悪い」て 他の男子の前で晒すように言われてた
せやから 嫌やねん
私はこの傷のせいで ずっと嫌な思いしてきた
たぶんこれからも
「治くんのあほ」
やめていうてるやん なんで聞いてくれへんねん
醜い傷跡を撫でながら 抱きしめてくれる治くん
「アホはひかりや。どうでもええ言うとるねん。元カレかなんか知らんけど一緒にすんな」
私の顔は ぎゅーっと治くんの胸に押しつけられとるような状態
「やめてて…服に鼻水つくで ほんまもう知らん」
くぐもった声を出す
「おう つけとき」って笑ってる
なんなん治くん
肩を掴んで 私の顔を自分の身体から剥がすようにした治くんに「なんで泣いてんねん?これ、 痛いん?」って聞かれた
わかってるくせに
何度も 大きな手で私の傷跡を撫でる
「痛くない」
おかしいな 痛かったはずやねん
傷じゃなくて この傷のせいで壊れた心が
そんな痛みも トラウマももうない
「めっちゃ綺麗やで」
そう言って ニッと笑う治くん
私 半裸状態やん
忘れてたわけやないけど ふと我に返る
「もっと見せてや。ええやろ?」
そう言われたら
もう拒む理由はなくなってしまった
1/1ページ