この秘密は墓場まで持っていくわ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
銀から聞いた話やった
「侑 今の彼女と別れて 元カノとヨリ戻したらしいねん」
「元カノ?」
誰やねん 何人か知っとるけど あの人でなしとヨリ戻せるようなまともな別れ方したやつ 俺知らんで
「なんそれ 俺の知らん子?」
「いや知っとる 高校の時の」
記憶を手繰り寄せたら一人だけ ヒットした
「佐藤?」
「あたりや」
見た目はツムのドストライク 寡黙なあの子
同じ歳の子よりちょお大人びとるっちゅうか なんやしっかりしとって 目立つタイプやないのに 存在感がある不思議な子やった
なんで覚えとるかっちゅう理由はいくつかある
ツムから惚れた子やったから
あと 同じクラスやったから
たしか付き合っとった期間もそない無いはずやけどなぁ
別れる時 ツムとちゃう男に乗り換えたとか 女子の間で噂になっとって この子おとなしい顔してなかなかエグいなて衝撃を受けた
あれをずっと引きずっとったん?
「運命やとか純愛や言うて なんや惚気とったで」
銀の言葉に
「アホやな」て返す
どうせツムのことやから そない続かへんやろ
あぁでもわからへんな あん時のこと ちょっとずつ思い出していく
あの子 たぶん ほんまはええ子やねん
よぅ喋る女子が言うとったことを思い出す
あん時 ツムのファンになんや言われて嫌がらせされてもずっと耐えとったて
それツムによう言わんと 好きやったけど別れた そんな話を聞いた
そんなん知ったん別れた結構後やったし 俺にどないすることもできへんかったけど
皆が嫌がる役回りを いじめられとる子が押し付けられた時も率先して変わってあげたりとかあったなぁ
友達多いタイプでも 愛想のええタイプでもないから 誤解はされやすかったんやろ
ツムがあの子のこと しばらく引きずっとったんは知っとるけど その後も何人か彼女作っとったし もう何年前の話やねん まさかやわ
そない好きやったんやな 今度 揶揄ったろ おもろいやん
そんな話を聞いた数日後のことやった
銀に誘われて 知り合いの店に飯行くとこやった
繁華街を歩いとった時 銀が先にそれに気づいた
しっかりめに化粧しとるんか 見た目は少し変わっとったけど しっかり面影ある
ツムとより戻したっちゅう 佐藤と会うたんやけど
「なんでこんなとこでおっさんと歩いてんねん」
「いや なんでやろな」
「ツムと付き合うとるんとちゃうん」
「そう聞いとるけど」
銀が声を掛けて 少し話したけど すぐに去ってしまった佐藤
「なんや今から仕事や言うとったけど 水商売しとるん?」
「俺が知るわけないやろ 侑そんなん言うてへんかったけどなぁ」
まぁそうとも限らへんし これは黙っとこかっちゅうてその話は終わったんやけど
あん時もそうや ほんまのことははっきりとわからんけど 他の男に乗り換えたり
今も ツムと付き合うとるのに違う男と夜の道歩いて エグいやん
ホステスしとるとしたら意外すぎんねんけど
なんやミステリアスっちゅうか 引っかかりがある
その夜たまたま別件でツムから連絡があったからさりげなく言うてみる
「ツムの女 今日見かけたで」
「なんでお前知っとんねん」
「佐藤とちゃうん」
「どこで?」
「あの子とヨリ戻したんやて?」
「どこで見たんか聞いてんねんけど」
俺の質問に答えへんの いつものことのようでちょぉ違う たぶん なんや思うことあるんやろ
大体の場所を伝える その辺りでは有名な飲み屋街
別に驚いた様子もないけど 知らんわけでも無さそうや
それ以上なんも言わんかった 余計なことは言いたないし
「なんやしんどそうに見えたけど」
それだけは 感じたままに伝えた
それからしばらく経つけど 二人がどうなったかは知らん いちいち聞かんし そんな話もせん
銀から ツムが彼女と一緒に住む部屋を探しとるっちゅう話を聞いて うまくいっとることを知る
ツムが誰かと住もうとするん初めてやったし それ聞いてあいつマジやんて笑ってまう
ツムから連絡があって 初めて佐藤を連れて店に来た日
「こいつ生モンあかんねん」てツムが言うから「苦手なん?」て聞いたら
「ちゃう やめとるらしい」
生モン控えるてどういうことやねん これしか思いつかんわ
「ツムお前妊娠させたんとちゃうやろな」
半分冗談のつもりやってんけど
「そうやねん」って恥ずかしそうに笑う佐藤
そういえばちょっとふっくらしとる?
あん時のしんどそうな顔と全然ちゃうわ 明るくて柔らかい笑顔
「嘘やろ」ツムのほう見たら「嘘らつくかい」て
「そらめでたいな」
子どもいつ産まれるんとか 入籍の日とか 色々聞いたけど 結婚式はせんて なんやツムが頑なに言うとった
後で理由聞いたら「ひかりには親も親戚もおらへんから披露宴は無しでええわ 寂しい気持ちにさせたないねん」って
「二人だけで 挙式しよ思っとる」
でも今妊娠しとるし 海外はちょっとなぁて
なんや悩んどる?ちゃんと考えとるようやって
あの人でなしが 誰かのことで
そんなこと思うようになったん すごいことやねんてほんまに
「嫁さん 喜ぶんとちゃう」
あの子のこと めちゃくちゃ好きやったんやろな
銀の言葉を思い出す
純愛なぁ あん時わろてもたけど まんざらでもないかもしれん
「ひかりの前で披露宴の話 せんとってや」
「わかっとる せやけど うちでパーティーすんのはええやろ お互いのツレだけ呼んだらええんとちゃうん」
派手な披露宴ができへんでも 盛大にお祝いさせてもらいます
「この日 一年で一番ええ日らしいねん 」
そう言うてカレンダーを指差す
「宮様 貸切予約ありがとうございます」
勝手にそこへ印つけて笑ったったら ツムも満足そうに顔を綻ばせた
「侑 今の彼女と別れて 元カノとヨリ戻したらしいねん」
「元カノ?」
誰やねん 何人か知っとるけど あの人でなしとヨリ戻せるようなまともな別れ方したやつ 俺知らんで
「なんそれ 俺の知らん子?」
「いや知っとる 高校の時の」
記憶を手繰り寄せたら一人だけ ヒットした
「佐藤?」
「あたりや」
見た目はツムのドストライク 寡黙なあの子
同じ歳の子よりちょお大人びとるっちゅうか なんやしっかりしとって 目立つタイプやないのに 存在感がある不思議な子やった
なんで覚えとるかっちゅう理由はいくつかある
ツムから惚れた子やったから
あと 同じクラスやったから
たしか付き合っとった期間もそない無いはずやけどなぁ
別れる時 ツムとちゃう男に乗り換えたとか 女子の間で噂になっとって この子おとなしい顔してなかなかエグいなて衝撃を受けた
あれをずっと引きずっとったん?
「運命やとか純愛や言うて なんや惚気とったで」
銀の言葉に
「アホやな」て返す
どうせツムのことやから そない続かへんやろ
あぁでもわからへんな あん時のこと ちょっとずつ思い出していく
あの子 たぶん ほんまはええ子やねん
よぅ喋る女子が言うとったことを思い出す
あん時 ツムのファンになんや言われて嫌がらせされてもずっと耐えとったて
それツムによう言わんと 好きやったけど別れた そんな話を聞いた
そんなん知ったん別れた結構後やったし 俺にどないすることもできへんかったけど
皆が嫌がる役回りを いじめられとる子が押し付けられた時も率先して変わってあげたりとかあったなぁ
友達多いタイプでも 愛想のええタイプでもないから 誤解はされやすかったんやろ
ツムがあの子のこと しばらく引きずっとったんは知っとるけど その後も何人か彼女作っとったし もう何年前の話やねん まさかやわ
そない好きやったんやな 今度 揶揄ったろ おもろいやん
そんな話を聞いた数日後のことやった
銀に誘われて 知り合いの店に飯行くとこやった
繁華街を歩いとった時 銀が先にそれに気づいた
しっかりめに化粧しとるんか 見た目は少し変わっとったけど しっかり面影ある
ツムとより戻したっちゅう 佐藤と会うたんやけど
「なんでこんなとこでおっさんと歩いてんねん」
「いや なんでやろな」
「ツムと付き合うとるんとちゃうん」
「そう聞いとるけど」
銀が声を掛けて 少し話したけど すぐに去ってしまった佐藤
「なんや今から仕事や言うとったけど 水商売しとるん?」
「俺が知るわけないやろ 侑そんなん言うてへんかったけどなぁ」
まぁそうとも限らへんし これは黙っとこかっちゅうてその話は終わったんやけど
あん時もそうや ほんまのことははっきりとわからんけど 他の男に乗り換えたり
今も ツムと付き合うとるのに違う男と夜の道歩いて エグいやん
ホステスしとるとしたら意外すぎんねんけど
なんやミステリアスっちゅうか 引っかかりがある
その夜たまたま別件でツムから連絡があったからさりげなく言うてみる
「ツムの女 今日見かけたで」
「なんでお前知っとんねん」
「佐藤とちゃうん」
「どこで?」
「あの子とヨリ戻したんやて?」
「どこで見たんか聞いてんねんけど」
俺の質問に答えへんの いつものことのようでちょぉ違う たぶん なんや思うことあるんやろ
大体の場所を伝える その辺りでは有名な飲み屋街
別に驚いた様子もないけど 知らんわけでも無さそうや
それ以上なんも言わんかった 余計なことは言いたないし
「なんやしんどそうに見えたけど」
それだけは 感じたままに伝えた
それからしばらく経つけど 二人がどうなったかは知らん いちいち聞かんし そんな話もせん
銀から ツムが彼女と一緒に住む部屋を探しとるっちゅう話を聞いて うまくいっとることを知る
ツムが誰かと住もうとするん初めてやったし それ聞いてあいつマジやんて笑ってまう
ツムから連絡があって 初めて佐藤を連れて店に来た日
「こいつ生モンあかんねん」てツムが言うから「苦手なん?」て聞いたら
「ちゃう やめとるらしい」
生モン控えるてどういうことやねん これしか思いつかんわ
「ツムお前妊娠させたんとちゃうやろな」
半分冗談のつもりやってんけど
「そうやねん」って恥ずかしそうに笑う佐藤
そういえばちょっとふっくらしとる?
あん時のしんどそうな顔と全然ちゃうわ 明るくて柔らかい笑顔
「嘘やろ」ツムのほう見たら「嘘らつくかい」て
「そらめでたいな」
子どもいつ産まれるんとか 入籍の日とか 色々聞いたけど 結婚式はせんて なんやツムが頑なに言うとった
後で理由聞いたら「ひかりには親も親戚もおらへんから披露宴は無しでええわ 寂しい気持ちにさせたないねん」って
「二人だけで 挙式しよ思っとる」
でも今妊娠しとるし 海外はちょっとなぁて
なんや悩んどる?ちゃんと考えとるようやって
あの人でなしが 誰かのことで
そんなこと思うようになったん すごいことやねんてほんまに
「嫁さん 喜ぶんとちゃう」
あの子のこと めちゃくちゃ好きやったんやろな
銀の言葉を思い出す
純愛なぁ あん時わろてもたけど まんざらでもないかもしれん
「ひかりの前で披露宴の話 せんとってや」
「わかっとる せやけど うちでパーティーすんのはええやろ お互いのツレだけ呼んだらええんとちゃうん」
派手な披露宴ができへんでも 盛大にお祝いさせてもらいます
「この日 一年で一番ええ日らしいねん 」
そう言うてカレンダーを指差す
「宮様 貸切予約ありがとうございます」
勝手にそこへ印つけて笑ったったら ツムも満足そうに顔を綻ばせた
5/5ページ