この秘密は墓場まで持っていくわ
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トイレの中で 呆然とする
手元には 陽性反応が出た検査薬
それを見つめて しばらく固まった
別に驚きはせん むしろ自然なことやん
毎日のように そういうことシとったら普通こうなるやん
アホちゃうんやからわかるて
生理予定日はとうに過ぎとる
もしかして そう思って今に至るわけで…
病院へは改めて行くとして 侑にはなんて言おう
「それほんまに俺の子なん?」
最悪のパターンを考える もしそんなん言われたら
どないしようって思うよりも そんな侑を見たくない気持ちのほうが強いねん
こんな状況 侑やなくても疑うんとちゃうやろか
出会った時はホステスしとったし 再会したその日に寝るし 呼び出したら何時でも喜んで家に来るし 私からアレつけてて言うたこともない
軽い女やと思われとるやろう
こんな私でも 自ら傷つきにいきたくなんかない
別に被害者ぶるつもりないし こうなったらこうなったでええわって心のどっかで思っとった
迷惑かけへん 一人で産んで育てるし
やっと血の繋がった家族ができるかもしれんの まだ実感はないけど 嬉しい
しかも侑の子て 最強の遺伝子に当たったやんて 妙にプラス思考になる
誰にも言われへんのに それでも産まれてくる子は幸せやと思ってくれるやろうか
それはわからん
それからずっと 言う言わんでめちゃくちゃ迷っとった
伝えるだけ あかんやろうか
あとはこっちでするから 認知もしてくれんでもええわ 子どもはどう思うやろうか 父親がおらんと悲しむかもしれへん
でも自分と重ねた時に思う 親としての責任も取られへん父親はいらん
母親の愛情だけでも 子どもはきっと幸せになれるわ
私がそうやもん 大丈夫や
考え事をしながら 侑の家までふらっと来てしまった
家の前に 見たことない細身の綺麗な女の人が立っとる
もしかして元カノ?とか
「あんただれ?もしかして今、侑と遊んどる女?」
私は侑の何なんやろう この女の人の言う通り ただ遊んどる女が一番近いやろか
この人が外におるってことは 侑は今 留守なんかな
何も答えられんと突っ立ってたら
「侑の女は私や もう二度と侑に会わんといて」
そう言われて驚いたけど
私からは何も言い返す言葉がなかった せやから簡単に引き返した
彼女おらんて言うとったのに 何
ヨリ戻したん?
やっぱり 私が遊びか 傷つきたくないからそう思うようにしとったけど いざ現実突きつけられるときついもんがあるわ
修羅場ってこんな感じなんかな
私は言い返したりできへんかったけど あそこから言い争いになったりするんやろ
睨まれて 胸がざわっとした
あの女の人が今日あそこにおってくれてよかった
「私 何を言うつもりやったんやろ」
誰にも言わんと 墓場まで持っていったる
思いとどまることができてよかった
私と侑に未来はない
子どもがデキたこと 言う必要ないやん 何かちょっと期待した?アホとちゃう
この子は私が育てる 侑には言わへん 黙って産む その決意ができたわ
その日の夜遅く 侑から連絡があったけど 初めてそれに出んかった
これでよかったんやわ 私とは遊びやろ
元ホステスと付き合うとるてなったらイメージもたぶん良くないよなぁ?
楽な仕事やないのに偏見の目で見る人って腐るほどおるから
こんなネタは週刊誌の格好の的やろうし
そもそも身寄りもない寂しい女が あの宮侑と釣り合うわけない
身の程知らず あの時のこと思い出す
ほら やっぱり 侑が私とおる未来なんか見えへん
その次の日も また次の日も もう電話には出んかった
拒否なんかせぇへん そのうちかかってこんようになるやろ
病院に行ったら 赤ちゃんの心拍が確認できて ほっとする
この頃に悪阻が始まって同時に不安も押し寄せてくる
一人で育てていけるやろうか
仕事は お金は 大丈夫やろうか
この子に寂しい思いをさせへんやろうか
片親でも幸せにしてあげられるやろうか
スマホで色々調べる シングルマザーへの助成とか 子育て支援の多い地域のこと 引っ越しもええかも知れんと考える
今住んどるのは繁華街から程近い 古いアパート こんなとこ侑に見られたら嘘やろ⁉︎て笑われてしまいそう
それほど 私には欲がない
ここには働き始めてすぐに住み始めた 友達すら呼んだことない 仕事して帰ってきて お風呂入って寝れたら十分やってんもん
これからは子供のことを優先して セキュリティや環境の整った 住みやすいところがええなぁ
子どもは侑に似て元気で可愛かったら嬉しいわ
誰の子やなんて私にしかわからへん
今までで一番 そんな大きな秘密を抱えて生きていくことになる
これから子供を産み育てるのにお金が必要や
悪阻で体調は最悪やけど 無理して昼も夜も躍起になって働いた
侑が辞めろ言うた夜の仕事にも復職した
時間帯も環境も身体にはよくないねんけど
今 産前産後の分も必死こいて働いとかな 私には産休っちゅうもんがない
会社員と違て なんの保障もあらへんから
昼も夜も 嘔吐しながら働いた
せやけど もう私は 一人と違う
この子がおるから大丈夫 それが十分頑張れる理由になっとった
不安も尽きへんし 身体もきついけど
不思議と寂しくないし 何の後悔もしてへんの
家族ができるんがほんまに嬉しい
この子が無事に生まれてきてくれること 今はそれだけを願っとる
侑は変わりなく過ごしとるやろうか
怒って…はないか
遊び相手の私が一人 いなくなったくらい たぶん侑にとってはどうってことないやろう
せやけど この子には 自分は愛し合ってできた子やと思って生きてほしいなぁ
それが偽りやったとしてもええわ そう思いたいだけ
愛はあったて 思いたい
侑は夜以外でも 何度も連絡をくれた
悪阻がきつすぎてサロンの予約も断ってしまい 家でゲェゲェ吐いとる時 何度も電話が鳴った
声聞きたいなぁ 子どもデキへんかったら前みたいに恋人ごっこしとったやろうか?
何考えてんの アホとちゃう どのみちあかんようになっとった
侑には あの本命の女おるやん
しかしあの人 めっちゃ怒っとったなぁ
侑 彼女のことは大事にせなあかんわ
私と恋人ごっこする時はめちゃくちゃ甘くて 優しいのに なんで
今ちょっと体調悪いから 落ち着いたら会いたい
LINE上で そんな内容を打っては消して 打っては消してを繰り返す
我に返って 何を甘えとんねんて 自嘲する
会うてどうするん
侑には彼女がおる 話ややこしなるだけや
もう侑は私の一番やないねん
おかしなこと考えたらあかん
今 私の一番はこの子やねん
手元には 陽性反応が出た検査薬
それを見つめて しばらく固まった
別に驚きはせん むしろ自然なことやん
毎日のように そういうことシとったら普通こうなるやん
アホちゃうんやからわかるて
生理予定日はとうに過ぎとる
もしかして そう思って今に至るわけで…
病院へは改めて行くとして 侑にはなんて言おう
「それほんまに俺の子なん?」
最悪のパターンを考える もしそんなん言われたら
どないしようって思うよりも そんな侑を見たくない気持ちのほうが強いねん
こんな状況 侑やなくても疑うんとちゃうやろか
出会った時はホステスしとったし 再会したその日に寝るし 呼び出したら何時でも喜んで家に来るし 私からアレつけてて言うたこともない
軽い女やと思われとるやろう
こんな私でも 自ら傷つきにいきたくなんかない
別に被害者ぶるつもりないし こうなったらこうなったでええわって心のどっかで思っとった
迷惑かけへん 一人で産んで育てるし
やっと血の繋がった家族ができるかもしれんの まだ実感はないけど 嬉しい
しかも侑の子て 最強の遺伝子に当たったやんて 妙にプラス思考になる
誰にも言われへんのに それでも産まれてくる子は幸せやと思ってくれるやろうか
それはわからん
それからずっと 言う言わんでめちゃくちゃ迷っとった
伝えるだけ あかんやろうか
あとはこっちでするから 認知もしてくれんでもええわ 子どもはどう思うやろうか 父親がおらんと悲しむかもしれへん
でも自分と重ねた時に思う 親としての責任も取られへん父親はいらん
母親の愛情だけでも 子どもはきっと幸せになれるわ
私がそうやもん 大丈夫や
考え事をしながら 侑の家までふらっと来てしまった
家の前に 見たことない細身の綺麗な女の人が立っとる
もしかして元カノ?とか
「あんただれ?もしかして今、侑と遊んどる女?」
私は侑の何なんやろう この女の人の言う通り ただ遊んどる女が一番近いやろか
この人が外におるってことは 侑は今 留守なんかな
何も答えられんと突っ立ってたら
「侑の女は私や もう二度と侑に会わんといて」
そう言われて驚いたけど
私からは何も言い返す言葉がなかった せやから簡単に引き返した
彼女おらんて言うとったのに 何
ヨリ戻したん?
やっぱり 私が遊びか 傷つきたくないからそう思うようにしとったけど いざ現実突きつけられるときついもんがあるわ
修羅場ってこんな感じなんかな
私は言い返したりできへんかったけど あそこから言い争いになったりするんやろ
睨まれて 胸がざわっとした
あの女の人が今日あそこにおってくれてよかった
「私 何を言うつもりやったんやろ」
誰にも言わんと 墓場まで持っていったる
思いとどまることができてよかった
私と侑に未来はない
子どもがデキたこと 言う必要ないやん 何かちょっと期待した?アホとちゃう
この子は私が育てる 侑には言わへん 黙って産む その決意ができたわ
その日の夜遅く 侑から連絡があったけど 初めてそれに出んかった
これでよかったんやわ 私とは遊びやろ
元ホステスと付き合うとるてなったらイメージもたぶん良くないよなぁ?
楽な仕事やないのに偏見の目で見る人って腐るほどおるから
こんなネタは週刊誌の格好の的やろうし
そもそも身寄りもない寂しい女が あの宮侑と釣り合うわけない
身の程知らず あの時のこと思い出す
ほら やっぱり 侑が私とおる未来なんか見えへん
その次の日も また次の日も もう電話には出んかった
拒否なんかせぇへん そのうちかかってこんようになるやろ
病院に行ったら 赤ちゃんの心拍が確認できて ほっとする
この頃に悪阻が始まって同時に不安も押し寄せてくる
一人で育てていけるやろうか
仕事は お金は 大丈夫やろうか
この子に寂しい思いをさせへんやろうか
片親でも幸せにしてあげられるやろうか
スマホで色々調べる シングルマザーへの助成とか 子育て支援の多い地域のこと 引っ越しもええかも知れんと考える
今住んどるのは繁華街から程近い 古いアパート こんなとこ侑に見られたら嘘やろ⁉︎て笑われてしまいそう
それほど 私には欲がない
ここには働き始めてすぐに住み始めた 友達すら呼んだことない 仕事して帰ってきて お風呂入って寝れたら十分やってんもん
これからは子供のことを優先して セキュリティや環境の整った 住みやすいところがええなぁ
子どもは侑に似て元気で可愛かったら嬉しいわ
誰の子やなんて私にしかわからへん
今までで一番 そんな大きな秘密を抱えて生きていくことになる
これから子供を産み育てるのにお金が必要や
悪阻で体調は最悪やけど 無理して昼も夜も躍起になって働いた
侑が辞めろ言うた夜の仕事にも復職した
時間帯も環境も身体にはよくないねんけど
今 産前産後の分も必死こいて働いとかな 私には産休っちゅうもんがない
会社員と違て なんの保障もあらへんから
昼も夜も 嘔吐しながら働いた
せやけど もう私は 一人と違う
この子がおるから大丈夫 それが十分頑張れる理由になっとった
不安も尽きへんし 身体もきついけど
不思議と寂しくないし 何の後悔もしてへんの
家族ができるんがほんまに嬉しい
この子が無事に生まれてきてくれること 今はそれだけを願っとる
侑は変わりなく過ごしとるやろうか
怒って…はないか
遊び相手の私が一人 いなくなったくらい たぶん侑にとってはどうってことないやろう
せやけど この子には 自分は愛し合ってできた子やと思って生きてほしいなぁ
それが偽りやったとしてもええわ そう思いたいだけ
愛はあったて 思いたい
侑は夜以外でも 何度も連絡をくれた
悪阻がきつすぎてサロンの予約も断ってしまい 家でゲェゲェ吐いとる時 何度も電話が鳴った
声聞きたいなぁ 子どもデキへんかったら前みたいに恋人ごっこしとったやろうか?
何考えてんの アホとちゃう どのみちあかんようになっとった
侑には あの本命の女おるやん
しかしあの人 めっちゃ怒っとったなぁ
侑 彼女のことは大事にせなあかんわ
私と恋人ごっこする時はめちゃくちゃ甘くて 優しいのに なんで
今ちょっと体調悪いから 落ち着いたら会いたい
LINE上で そんな内容を打っては消して 打っては消してを繰り返す
我に返って 何を甘えとんねんて 自嘲する
会うてどうするん
侑には彼女がおる 話ややこしなるだけや
もう侑は私の一番やないねん
おかしなこと考えたらあかん
今 私の一番はこの子やねん