この秘密は墓場まで持っていくわ
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付き合おうとは言われてへん
せやけど 侑には毎晩呼び出される
そして 恋人同士がするような そういうことをする
でもたぶん 私は彼女やないねん
侑と再会した場所は 最悪やった
私が 週に3、4回 ヘルプで働きにいっとるクラブ
大阪では高級やと有名なこの店で 初めて働いたのはもう4年ほど前のこと
開業資金を貯める為やった お金が貯まったから夢やった店を構えた 小さなもんやけど 夢を叶えられたことが嬉しかった
その時に この夜の仕事は辞めるつもりでおったけど 別に辞める理由がなかったから今も続けとる
ノルマや罰金がない お客様もステータスが高い人が多くて品がある 昼に自分が経営しとるサロンのことも応援してくれて お客様を紹介してくれる優しい人もおる 年齢層も若すぎへん
ママとも気心しれた関係やから働きやすくて居心地がええ
そして何より 私は自営業やから収入が不安定や
お金はあったほうが もしもの時の為にも ええに決まっとる
元々派手な暮らしを好むタイプやないから 浪費せんとコツコツお金は貯めとる
お金はいくらあってもええ
私には家族がおらへん 母とは死別 父の行方はいつからかわからへん
新しい家族と幸せに暮らしとるみたいやっていうのは どこからか風の噂で聞いた
この辺りはあんまり考えへんようにしとる 会いたかったらどないしてでも私に会いにくるやろ それが答えやと思うねん
天涯孤独
いざと言う時 頼れる人がおらんのも こうやって働く理由や
あとは単純に 暇で寂しい時間は いらん
家で一人寂しく居るくらいやったら 忙しくしてもお金を稼いどる方がよっぽどええ
一見さんはお断りのこの店
侑がどうやってここを訪れたかというと 会社のお偉いさんに連れられて やって来たらしい
侑はただでさえ有名人やし 私が気づかへんわけがない 侑もすぐに私やと気づいた
侑とは 高校の時 少しの期間だけ付き合うとった
せやけど 恋人らしいことはほとんど何もせずに私から別れを告げた
私は 目立つのが好きやない
当時 交際を知る他の女子からのやっかみとかファンの子からの嫌がらせがきつくて 釣り合ってへんことを自覚させられた
身の丈にあった恋愛とちゃうなと思ったんを覚えとる
侑のことはほんまに好きやったから 身の程知らず 誰かにそう言われたのが 今もずっと心に残っとる
私は 侑にのめり込んでまう前に別れることを選んだ
綺麗事言うとるけど 逃げたねん
まぁでもその彼は 今や誰もが羨む人気のバレーボール選手になったわけで
結果 ほんまに雲の上の存在となった
あの時の判断は 我ながら正しかったんやと思う
せやけど あれから数年の時を経て こうやって会うてしもたら
侑はあの時より男らしなっとるし あの時より逞しくて あの時とは比べもんにならんくらい 色気がある
嫌っちゅうほど魅力を感じてまう
別に男なんかおらんでも 人生は楽しめるやろ そう思っとった そんな概念が覆されてしまうくらい
簡単に 侑にのめり込んでいくことになる
「お前 この後空いとる?」
店が終わってからっちゅうことやろか
「仕事終わってからやったら」
「ほなうち来てや 久しぶりやし 二人で飲み直さへん?」
宮侑に耳元でこんなこと言われたら 断れる女ってどれくらいおるんやろ
少なくとも 今の私には断る理由がないわ
一人でおる時間を 隙間を なるべく埋めたい
チョロいよなぁ
この日私は 誘われるままに 侑の家に来てしまった
思いのほか 綺麗に整頓された部屋に 女の人の存在を感じずにはいられんかった
「侑 今彼女おらんの?」
「おったらお前んこと家に連れ込めへんやろ」
目一杯の呆れた顔 嘘はなさそうやなぁ
「別れたん最近?」なんとなくそんな気がしたから聞いたら
「せやな」って
腰に回された侑の手 熱くて ちょっとくすぐったくて 一瞬で雰囲気に飲まれた
侑 手ぇ早いんやなぁ
なんやそんなこと思ったけど もう学生とちゃうんやし 家までついてきとるんやから当たり前やん
私 やり方忘れとるくらい久しぶりやねんけど
そんなこと思っとったらあっちゅう間にベッドに運ばれた
小さく震えとるんバレへんように シーツをぎゅっと強く握りしめた
何も逆らえへん
流されるようにそういうことをした
激しく求められて名前を囁かれると 今までは何も思ってなかったその行為で 初めて満たされた気持ちになった
誰かに求められるって心地ええもんやな
一度やなく 何度か そんな恋人ごっこみたいなことをして過ごす
別に 軽い女と思われてもええわ 再会の仕方も褒められたもんやないし
こない何回もするもんなん? わからんけど 気持ちええから ええか
深く考えるもんやないわ
たぶんもう明け方 侑のほうを見ると 薄ら開いた目
「なんであんなとこで働いとるん?金?」
侑らしい愚直な質問やなと思う
「そやなぁ…暇やから? あと 私自営やから もしもの時のために お金はいくらあってもええねん」
「自営てなにしとるん」
「サロン経営しとる 小さいけどな 細々やっとる」
「ほーん」
肩に当たる髪を 指でくるくるされて遊ばれとるん これ好きやな
こういう時間て幸せなもんなんやなぁ
「俺の片割れも 店構えて頑張っとるわ」
「治くん!」
「おん サムはおにぎり屋経営しとる」
「似合うわ!すごいなぁ」
「お前もすごいやんか サムのこと見とったからわかるけど そない簡単にできるもんとちゃうやろ」
確かに とにかく資金がいるからて 当時は寝る間も惜しんで働いた
技術の習得や学ぶことも多すぎて 気がおかしなりそうになった時期はある
侑が苦労をどこまでわかってくれとるかはしらんけど 今までやってきたことを認めて褒めてくれるのは素直に嬉しい
「今度 サムの店連れったるわ」
「楽しみにしてる」
私の髪で遊んどった指先 その手を後頭部に回したと思ったら ぐっと引き寄せられて 優しく触れるようなキス
こんなキス 知らんな
うまく言われへんけど 今まで私がしてきたもんとは違う
官能的で でも愛情深い
「っちゅーか昼も夜も…そないいっぱい働かなあかんの? あといくらいるん?」
「え?いくらとかないて」
「どれだけあったら満足できる?金いるなら俺が渡すから 夜の仕事辞め」
侑が何を言うとるかよくわからんかった
「俺の言うこと聞けるやろ?」
彼氏とちゃうのに そんなこと言うんや
「彼氏みたいなこと言うなぁ」
「あかん?」
あかんて何 言うこと聞いて夜の仕事辞めること?それとも彼氏やったらあかんのってこと?
一歩踏み込まれへん お酒の場で再会して その日に寝るような女が そんなこと聞かれへんやん
それに 私もたぶん この恋人ごっこが心地よかった
「夜は辞めるわ でもお金は いらん」
夜の仕事行かへん分 お金やなくて できれば毎晩一緒におってほしいわ
そんなことを思うけど 口にはせんよ
身の程知らず わかっとる
侑の手 骨張っとって男らしい せやのに きめ細やかで白くて 綺麗やなぁ
触れながらそんなことを思っとったら 私の小さな手は 一瞬で侑の大きな手に包まれた
何回目やろ わからん
また飽き足らず 繋がる
底なしの沼みたいで 怖いなぁ
この日から頻繁に呼び出されて 求められる日々が続く
侑の誘いを断ったことはない
別に気分やない日でも 侑の顔見たら愛しい気持ちになって自然と触れたくなるし まんまとそういう気分にさせられてしまう
単純 それ以外なくて笑ってまう
セックスを覚えたての学生てこんな感じ?わからんけど
そんなことが2ヶ月くらい続いた
侑は私のことどない思っとるんやろう
私はやっぱり好きや 一日のうちの数時間でも こうやって一緒におってくれるのは嬉しい
食事にも何度か誘ってくれたけど 侑の職業柄なんか いつも急やねん 夜の仕事に行かんようになってから 遅くまでサロンの予約を取っとることが多いから タイミングが合うたことない
理由はわからんけど 私には漠然とした不安があった
たぶん 侑とはずっと一緒にはおられへん
これはなんやろなぁ 勘? 予感?
侑に会えた時の嬉しさ 幸せ
一人でおる時の不安 不信感
私なんかがって 引け目を感じる
ずっと このループ
この恋に未来なんかあらへん
そんなことを思っとった矢先の出来事やった
せやけど 侑には毎晩呼び出される
そして 恋人同士がするような そういうことをする
でもたぶん 私は彼女やないねん
侑と再会した場所は 最悪やった
私が 週に3、4回 ヘルプで働きにいっとるクラブ
大阪では高級やと有名なこの店で 初めて働いたのはもう4年ほど前のこと
開業資金を貯める為やった お金が貯まったから夢やった店を構えた 小さなもんやけど 夢を叶えられたことが嬉しかった
その時に この夜の仕事は辞めるつもりでおったけど 別に辞める理由がなかったから今も続けとる
ノルマや罰金がない お客様もステータスが高い人が多くて品がある 昼に自分が経営しとるサロンのことも応援してくれて お客様を紹介してくれる優しい人もおる 年齢層も若すぎへん
ママとも気心しれた関係やから働きやすくて居心地がええ
そして何より 私は自営業やから収入が不安定や
お金はあったほうが もしもの時の為にも ええに決まっとる
元々派手な暮らしを好むタイプやないから 浪費せんとコツコツお金は貯めとる
お金はいくらあってもええ
私には家族がおらへん 母とは死別 父の行方はいつからかわからへん
新しい家族と幸せに暮らしとるみたいやっていうのは どこからか風の噂で聞いた
この辺りはあんまり考えへんようにしとる 会いたかったらどないしてでも私に会いにくるやろ それが答えやと思うねん
天涯孤独
いざと言う時 頼れる人がおらんのも こうやって働く理由や
あとは単純に 暇で寂しい時間は いらん
家で一人寂しく居るくらいやったら 忙しくしてもお金を稼いどる方がよっぽどええ
一見さんはお断りのこの店
侑がどうやってここを訪れたかというと 会社のお偉いさんに連れられて やって来たらしい
侑はただでさえ有名人やし 私が気づかへんわけがない 侑もすぐに私やと気づいた
侑とは 高校の時 少しの期間だけ付き合うとった
せやけど 恋人らしいことはほとんど何もせずに私から別れを告げた
私は 目立つのが好きやない
当時 交際を知る他の女子からのやっかみとかファンの子からの嫌がらせがきつくて 釣り合ってへんことを自覚させられた
身の丈にあった恋愛とちゃうなと思ったんを覚えとる
侑のことはほんまに好きやったから 身の程知らず 誰かにそう言われたのが 今もずっと心に残っとる
私は 侑にのめり込んでまう前に別れることを選んだ
綺麗事言うとるけど 逃げたねん
まぁでもその彼は 今や誰もが羨む人気のバレーボール選手になったわけで
結果 ほんまに雲の上の存在となった
あの時の判断は 我ながら正しかったんやと思う
せやけど あれから数年の時を経て こうやって会うてしもたら
侑はあの時より男らしなっとるし あの時より逞しくて あの時とは比べもんにならんくらい 色気がある
嫌っちゅうほど魅力を感じてまう
別に男なんかおらんでも 人生は楽しめるやろ そう思っとった そんな概念が覆されてしまうくらい
簡単に 侑にのめり込んでいくことになる
「お前 この後空いとる?」
店が終わってからっちゅうことやろか
「仕事終わってからやったら」
「ほなうち来てや 久しぶりやし 二人で飲み直さへん?」
宮侑に耳元でこんなこと言われたら 断れる女ってどれくらいおるんやろ
少なくとも 今の私には断る理由がないわ
一人でおる時間を 隙間を なるべく埋めたい
チョロいよなぁ
この日私は 誘われるままに 侑の家に来てしまった
思いのほか 綺麗に整頓された部屋に 女の人の存在を感じずにはいられんかった
「侑 今彼女おらんの?」
「おったらお前んこと家に連れ込めへんやろ」
目一杯の呆れた顔 嘘はなさそうやなぁ
「別れたん最近?」なんとなくそんな気がしたから聞いたら
「せやな」って
腰に回された侑の手 熱くて ちょっとくすぐったくて 一瞬で雰囲気に飲まれた
侑 手ぇ早いんやなぁ
なんやそんなこと思ったけど もう学生とちゃうんやし 家までついてきとるんやから当たり前やん
私 やり方忘れとるくらい久しぶりやねんけど
そんなこと思っとったらあっちゅう間にベッドに運ばれた
小さく震えとるんバレへんように シーツをぎゅっと強く握りしめた
何も逆らえへん
流されるようにそういうことをした
激しく求められて名前を囁かれると 今までは何も思ってなかったその行為で 初めて満たされた気持ちになった
誰かに求められるって心地ええもんやな
一度やなく 何度か そんな恋人ごっこみたいなことをして過ごす
別に 軽い女と思われてもええわ 再会の仕方も褒められたもんやないし
こない何回もするもんなん? わからんけど 気持ちええから ええか
深く考えるもんやないわ
たぶんもう明け方 侑のほうを見ると 薄ら開いた目
「なんであんなとこで働いとるん?金?」
侑らしい愚直な質問やなと思う
「そやなぁ…暇やから? あと 私自営やから もしもの時のために お金はいくらあってもええねん」
「自営てなにしとるん」
「サロン経営しとる 小さいけどな 細々やっとる」
「ほーん」
肩に当たる髪を 指でくるくるされて遊ばれとるん これ好きやな
こういう時間て幸せなもんなんやなぁ
「俺の片割れも 店構えて頑張っとるわ」
「治くん!」
「おん サムはおにぎり屋経営しとる」
「似合うわ!すごいなぁ」
「お前もすごいやんか サムのこと見とったからわかるけど そない簡単にできるもんとちゃうやろ」
確かに とにかく資金がいるからて 当時は寝る間も惜しんで働いた
技術の習得や学ぶことも多すぎて 気がおかしなりそうになった時期はある
侑が苦労をどこまでわかってくれとるかはしらんけど 今までやってきたことを認めて褒めてくれるのは素直に嬉しい
「今度 サムの店連れったるわ」
「楽しみにしてる」
私の髪で遊んどった指先 その手を後頭部に回したと思ったら ぐっと引き寄せられて 優しく触れるようなキス
こんなキス 知らんな
うまく言われへんけど 今まで私がしてきたもんとは違う
官能的で でも愛情深い
「っちゅーか昼も夜も…そないいっぱい働かなあかんの? あといくらいるん?」
「え?いくらとかないて」
「どれだけあったら満足できる?金いるなら俺が渡すから 夜の仕事辞め」
侑が何を言うとるかよくわからんかった
「俺の言うこと聞けるやろ?」
彼氏とちゃうのに そんなこと言うんや
「彼氏みたいなこと言うなぁ」
「あかん?」
あかんて何 言うこと聞いて夜の仕事辞めること?それとも彼氏やったらあかんのってこと?
一歩踏み込まれへん お酒の場で再会して その日に寝るような女が そんなこと聞かれへんやん
それに 私もたぶん この恋人ごっこが心地よかった
「夜は辞めるわ でもお金は いらん」
夜の仕事行かへん分 お金やなくて できれば毎晩一緒におってほしいわ
そんなことを思うけど 口にはせんよ
身の程知らず わかっとる
侑の手 骨張っとって男らしい せやのに きめ細やかで白くて 綺麗やなぁ
触れながらそんなことを思っとったら 私の小さな手は 一瞬で侑の大きな手に包まれた
何回目やろ わからん
また飽き足らず 繋がる
底なしの沼みたいで 怖いなぁ
この日から頻繁に呼び出されて 求められる日々が続く
侑の誘いを断ったことはない
別に気分やない日でも 侑の顔見たら愛しい気持ちになって自然と触れたくなるし まんまとそういう気分にさせられてしまう
単純 それ以外なくて笑ってまう
セックスを覚えたての学生てこんな感じ?わからんけど
そんなことが2ヶ月くらい続いた
侑は私のことどない思っとるんやろう
私はやっぱり好きや 一日のうちの数時間でも こうやって一緒におってくれるのは嬉しい
食事にも何度か誘ってくれたけど 侑の職業柄なんか いつも急やねん 夜の仕事に行かんようになってから 遅くまでサロンの予約を取っとることが多いから タイミングが合うたことない
理由はわからんけど 私には漠然とした不安があった
たぶん 侑とはずっと一緒にはおられへん
これはなんやろなぁ 勘? 予感?
侑に会えた時の嬉しさ 幸せ
一人でおる時の不安 不信感
私なんかがって 引け目を感じる
ずっと このループ
この恋に未来なんかあらへん
そんなことを思っとった矢先の出来事やった
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