宮侑くんの都合のええ女やらせてもろてます
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AM4:00を過ぎた頃
やってしまったなぁ
そう心の中で呟く
隣で気持ちよさそうに眠る宮侑を見て 自分の姿を見て それを交互に2回ほど繰り返した
遡ること数時間前
宮くんから「今から会える?」って連絡がきた
「どこにおるん」って聞いたら この辺りでは有名な繁華街で飲んでるらしい
今から会える? = 迎えに来て なん
これが初めてとちゃうからわかってる
私は宮くんにとって都合のいいアシやった
私みたいな一般人にとって宮くんの存在は 例えるならミヤアツムっていうブランドなんよね
出会えただけで奇跡やから ”不相応” それはもう痛いほどわかってる
私が迎えにいくことを拒んだら 宮くんはたぶん次の子に連絡するだけやろう
でも私は身の丈に合うてなくても宮くんのことが好き
せやから会いたい気持ちには逆らわれへん
「わかった」
しゃーないな って乗り気じゃないふりをして 今夜もまんまと会いに行ってしまう
しかもうっすら化粧をして髪も整えて 完全オフモードやった身体をわざわざ起こして
だって会うんやったら少しでも可愛く見られたいやん
宮くんから連絡があるのは決まって深夜やった
もしかしたら他のええ子が連絡つかんから 次点で私なんかも知れん
いや 次点の次点かもしれん
そんなこんなで 誰が見ても「やめとき」って言うような
典型的な都合のええ女やらせてもろてます
それで今日は初めて部屋に上がってしもた
皆が憧れるであろう人気アスリート宮侑の部屋は 想像してたものとは少し違った
シンプルな部屋で 思ってた以上に広くて とにかく物が少ない
ようわからん高そうなオブジェみたいなんはあったわ
何よりも先に目に飛び込んできたんは 洗面台のところにあった高級スキンケアセット
普段私が使えへんようなお高いブランドのそれは おそらく本命女の私物やろう
それを隠しもせんと堂々と他の女連れ込む宮くんは やっぱり住む世界違うわって思う
まぁ私に見られたとしてもどうでもええんやろな
わかりやすい
子どもと違うんやから 部屋に上がったらそういう雰囲気なるって わかってた
だから今まで誘われても上がらんかったのに
いつもより機嫌の良さそうな宮くんに「上がっていきや」って あの笑顔で誘われたら断れるわけないやんか
尻尾振ってついてきてしまった
そしてその後はもう この状況で男女がやることといえば一つ
付き合う前にヤッたら 彼女になられへん
絶対かと言われたら絶対とは違うかも知れへんけど 私はそうやと思ってる
私は 宮くんが好きや
でも私は宮くんにとてもやないけど釣り合わへん
結果としてこれはこれでよかったんかもしれへん
まだ気持ちよさそうに眠る彼を横目に 衣服を拾い上げて身に纏っていく
もしまた宮くんに誘われたら同じことを繰り返すと思う
私はそれくらい宮くんに溺れてる
相性が良かったんか 宮くんが慣れてるんかは わからへんけど
この夜のせいでもっともっと宮くんのことが欲しくなってしまった
人間の欲求は 果てしない
その後
宮くんから「なんで黙って帰ったん」っていうLI⚫︎Eがきて「仕事あったからね。お邪魔しました」
そう送ったら もうLI●Eは返ってこんようになった
LI●Eが返ってこんのはいつものことやから 全く気にならん
期待なんかしたこともないし
その三日後
「今から会える?」っていつもみたいに連絡がきた
いつも大体二週間に一回 それやったらまだマシで 丸々一ヶ月以上連絡がない時もある
そう思うと 今回は間隔が早い
断る理由もないし 会いたいからまた迎えに行ってしまう
三日ぶりに会う宮くんは なんかめちゃくちゃ不機嫌で 車の中での会話はほとんど続かんかった
家の前に着いたら「上がっていくやろ」って素っ気なく言われたけど 不機嫌そうな宮くんがちょっと怖かったし 部屋に行ったらヤることは一つやし
「今日は帰る。明日の朝早いねん」そう言って断った
「ええやろ ちょっとくらい」
そう言って宮くんは私の顎を掴んで強引にキスしてきた
ここで断れる女ってどれくらいおるんやろか
大体の子は遊ばれとるってわかっても 流されてまうんと違うやろか
宮くんの彼女はええなぁ
こんなこと考えんでもええし 宮くんにとっての特別でおれるんやろ
こんなかっこええ人に愛されたら自己肯定感も爆上がりやろな
ほんまに羨ましいわ
宮くんに触れられて キスされて たぶん今から抱かれるのに なんでこんなに虚しい満たされへん気持ちでおらなあかんのやろ
あほらし
そう思ったら 口から勝手に言葉出とった
「無理やて…帰るって言うてるやん」
そう言って身体を押し退けると
「おもんな」って言われた
おもんな って何
わかってたけどやっぱり おもろいとか おもんないとか結局宮くんにとって私ってその程度の存在
連絡一つで迎えに来るし ヤりたいときにヤらせてくれる 都合のいい女の1人やねん
わかってるしそんなん
それならそれで染まりきってもええんちゃうかとも思ったけど
やっぱり最後に泣くのは嫌やねん
私にそこまでの根性ない
拒んだことで 宮くんの不機嫌に拍車をかけた
けど 私は何も悪いことしてへんし
本命の女おるくせに 悪びれもなく他の女連れ込んでヤって
思い通りにいかんかったら不機嫌になって
こんな男のどこがええねん って
もし自分の友達がこんなヤバイ男に引っかかってたら絶対やめとけ言うし
顔がかっこええだけのクズやんか
続く沈黙の中
「もうええわ」って吐き捨てた宮くん
それでも嫌いになられへんのは 私もよっぽど変わってるんやと思う
あの日から三週間くらい経った
あれで宮くんとは終わったと思ってたのに
「今から会える?」
今までと何も変わらん連絡が来て
こいつあんなこと言うといて なんで普通に連絡してこれんねん
どんな神経してんねん 記憶失っとんか?
それとも もしかして他の女と間違えてるとか?
一人でめちゃくちゃツッコミを入れてから
「行かへん」って返すか 無視するか悩みに 悩んで
結局「行かへん、用事あるから」って 返事を送った
「俺より大事な用ってなに」
何…言うてんのこの人
私に宮くんより好きな人はおらんよ
でも宮くんは私のこと大切にしてくれへんやん
そんな人のこと どう大事に扱えと
あの日 部屋へ行かんかったら 身体の関係持たんかったら 今こんなことになってなかったかもしれへん
こうやって誘われたら何も考えてへんふりして また喜んで会いに行ってたかも
あの時はまだよかったな なんて
もう終わったことを今さら 色々思ってもしゃあないねんけど
「宮くんにはもう会わん」
それだけ返して また布団に潜る
セフレなんか嫌やわ 2番目の女も3番目の女も嫌
ベッドの端にあるスマホがずーっと鳴ってる
気まずいし出んかったら何回も何回もかけてくる
相手はもちろん宮侑
あまりのしつこさに観念して 通話ボタンを押した
「おい、なん無視しとんねん」
第一声はもちろん "不機嫌です" ってわかる声
この声だけであのイライラしとる顔を想像できるわ
なんであんたが怒ってんの って聞きたいけど 怖いから黙っておく
「あんまイライラさせんなや」
なんで私が怒られてるんやろ
こんなことでいちいち怒らんと 他の女に迎えにきてもらったらええやん
次の女にかけぇや なんで私なん
「今どこ」
「家」
「今から行くから、位置情報」
え こわ なんなん?
もしかして私殴られたりする? なんでそこまで私にかまうん
本命彼女が来てくれへんから?
2番目の女も3番目の女も連絡つかんとか?
私が暇やと思っとるから?
今すぐヤれる女を探しとるから?
「無理、もう寝とるし」
「一緒に寝たらええやんか」
ハァ? って声が出そうになった
「っちゅうかお前、用事言うたやん。なんで嘘つくん」
「それは…申し訳ないけど。でも宮くんとはもう会わんて決めたから」
ここまで言うたらめちゃくちゃキレられそうな気がする
怒られるん怖いし嫌やけど これで今度こそ宮くんとの関係が終わるやろう
「なんで避けんねん」
スマホの向こう側から 早よ位置情報送れ とかやいやいまだ言うとるし
「私は宮くんの "都合のええ女"にはなられへんよ」
「は?」
ついに言ってしまった
そしてたった一言やのに 宮くんの声に さらに怒りが含まれたのが伝わってきて
身体が震えた
「とにかくそういうことやから」
「俺そんなん言うた?」
「言われてへんけど、そうやんか。本命の彼女 大事にしてあげぇや」
「いや、ほんまに何の話?」
噛み合わない会話にイライラが募る
「こんな夜中に呼び出しても私やったら何も言わんし 何時やろうと喜んで会いに来るし、身体やって好きにできて…宮くんにとって都合のええ女以外の何者でもないやろ」
次から次へとネガティブなことばかり言ってしまったけど でもほんまのことやから
溜まってたもんが爆発してしまう
「もうやめたいねん」
「ひかり、嫌やったん?」
滅多に名前なんか呼べへんくせに こんな時に呼ばんといてよ
「嫌がる女 抱く趣味ないねんけどな。めんどいし」
そう言われてあの夜のことを思い出すと 一気に顔が熱くなった
合意の上やったやろ とでも言いたいんか
そんなんいちいち言われんでも自分でわかっとるよ
「好きなんやろ? 俺のこと」
腹立つけど その通りすぎて返す言葉もない
そんなわけないやろ 嘘でもそう言ってやろうかと思った時
「俺ヤリ逃げされたん初めてやねん」
突然何の話?と思ったけど 黙って宮くんの次の言葉を待つ
「朝起きたらおらんし 連絡してもそっけないし、1回ヤッたらもう次は無理やて拒否られて、終いには会いたないとか言われて」
そう言われてしまえば 身に覚えはないこともないけど
「かわいそうなんは俺のほうやと思っとるんやけど」
ちゃう?
自虐気味にそう言って ちょっと笑ってしまってるし
「で、今 ほんまにヤリ捨てされそうになっとるん。ええ度胸しとるなぁ自分」
「宮くん、私 そんなつもりとちゃうんやけど」
冗談?かもしれへんけど 詰められ方が怖いから 一応言い訳をしてみた
「遊ぶだけの女、家に上げたりせんわアホ」
それってもしかして
「私は宮くんにとって都合のええ女やない…ん?」
「当たり前や。だからあの後もすぐ連絡したやん」
「…宮くん 私のこと好きなん?」
その返事が返ってくることはなくて
「早よ位置情報送ってや」
何度も催促させられて苛立ってるはずの宮くん
その声はもう全然怒ってなくて なんなら機嫌が良さそうにも聞こえた
「こっから先は会うてから言うたるわ」
いつもとはちょっと違う
今日は私から迎えにいく必要がない
私はまんまと宮くんに位置情報を送ってしまうのだった
やってしまったなぁ
そう心の中で呟く
隣で気持ちよさそうに眠る宮侑を見て 自分の姿を見て それを交互に2回ほど繰り返した
遡ること数時間前
宮くんから「今から会える?」って連絡がきた
「どこにおるん」って聞いたら この辺りでは有名な繁華街で飲んでるらしい
今から会える? = 迎えに来て なん
これが初めてとちゃうからわかってる
私は宮くんにとって都合のいいアシやった
私みたいな一般人にとって宮くんの存在は 例えるならミヤアツムっていうブランドなんよね
出会えただけで奇跡やから ”不相応” それはもう痛いほどわかってる
私が迎えにいくことを拒んだら 宮くんはたぶん次の子に連絡するだけやろう
でも私は身の丈に合うてなくても宮くんのことが好き
せやから会いたい気持ちには逆らわれへん
「わかった」
しゃーないな って乗り気じゃないふりをして 今夜もまんまと会いに行ってしまう
しかもうっすら化粧をして髪も整えて 完全オフモードやった身体をわざわざ起こして
だって会うんやったら少しでも可愛く見られたいやん
宮くんから連絡があるのは決まって深夜やった
もしかしたら他のええ子が連絡つかんから 次点で私なんかも知れん
いや 次点の次点かもしれん
そんなこんなで 誰が見ても「やめとき」って言うような
典型的な都合のええ女やらせてもろてます
それで今日は初めて部屋に上がってしもた
皆が憧れるであろう人気アスリート宮侑の部屋は 想像してたものとは少し違った
シンプルな部屋で 思ってた以上に広くて とにかく物が少ない
ようわからん高そうなオブジェみたいなんはあったわ
何よりも先に目に飛び込んできたんは 洗面台のところにあった高級スキンケアセット
普段私が使えへんようなお高いブランドのそれは おそらく本命女の私物やろう
それを隠しもせんと堂々と他の女連れ込む宮くんは やっぱり住む世界違うわって思う
まぁ私に見られたとしてもどうでもええんやろな
わかりやすい
子どもと違うんやから 部屋に上がったらそういう雰囲気なるって わかってた
だから今まで誘われても上がらんかったのに
いつもより機嫌の良さそうな宮くんに「上がっていきや」って あの笑顔で誘われたら断れるわけないやんか
尻尾振ってついてきてしまった
そしてその後はもう この状況で男女がやることといえば一つ
付き合う前にヤッたら 彼女になられへん
絶対かと言われたら絶対とは違うかも知れへんけど 私はそうやと思ってる
私は 宮くんが好きや
でも私は宮くんにとてもやないけど釣り合わへん
結果としてこれはこれでよかったんかもしれへん
まだ気持ちよさそうに眠る彼を横目に 衣服を拾い上げて身に纏っていく
もしまた宮くんに誘われたら同じことを繰り返すと思う
私はそれくらい宮くんに溺れてる
相性が良かったんか 宮くんが慣れてるんかは わからへんけど
この夜のせいでもっともっと宮くんのことが欲しくなってしまった
人間の欲求は 果てしない
その後
宮くんから「なんで黙って帰ったん」っていうLI⚫︎Eがきて「仕事あったからね。お邪魔しました」
そう送ったら もうLI●Eは返ってこんようになった
LI●Eが返ってこんのはいつものことやから 全く気にならん
期待なんかしたこともないし
その三日後
「今から会える?」っていつもみたいに連絡がきた
いつも大体二週間に一回 それやったらまだマシで 丸々一ヶ月以上連絡がない時もある
そう思うと 今回は間隔が早い
断る理由もないし 会いたいからまた迎えに行ってしまう
三日ぶりに会う宮くんは なんかめちゃくちゃ不機嫌で 車の中での会話はほとんど続かんかった
家の前に着いたら「上がっていくやろ」って素っ気なく言われたけど 不機嫌そうな宮くんがちょっと怖かったし 部屋に行ったらヤることは一つやし
「今日は帰る。明日の朝早いねん」そう言って断った
「ええやろ ちょっとくらい」
そう言って宮くんは私の顎を掴んで強引にキスしてきた
ここで断れる女ってどれくらいおるんやろか
大体の子は遊ばれとるってわかっても 流されてまうんと違うやろか
宮くんの彼女はええなぁ
こんなこと考えんでもええし 宮くんにとっての特別でおれるんやろ
こんなかっこええ人に愛されたら自己肯定感も爆上がりやろな
ほんまに羨ましいわ
宮くんに触れられて キスされて たぶん今から抱かれるのに なんでこんなに虚しい満たされへん気持ちでおらなあかんのやろ
あほらし
そう思ったら 口から勝手に言葉出とった
「無理やて…帰るって言うてるやん」
そう言って身体を押し退けると
「おもんな」って言われた
おもんな って何
わかってたけどやっぱり おもろいとか おもんないとか結局宮くんにとって私ってその程度の存在
連絡一つで迎えに来るし ヤりたいときにヤらせてくれる 都合のいい女の1人やねん
わかってるしそんなん
それならそれで染まりきってもええんちゃうかとも思ったけど
やっぱり最後に泣くのは嫌やねん
私にそこまでの根性ない
拒んだことで 宮くんの不機嫌に拍車をかけた
けど 私は何も悪いことしてへんし
本命の女おるくせに 悪びれもなく他の女連れ込んでヤって
思い通りにいかんかったら不機嫌になって
こんな男のどこがええねん って
もし自分の友達がこんなヤバイ男に引っかかってたら絶対やめとけ言うし
顔がかっこええだけのクズやんか
続く沈黙の中
「もうええわ」って吐き捨てた宮くん
それでも嫌いになられへんのは 私もよっぽど変わってるんやと思う
あの日から三週間くらい経った
あれで宮くんとは終わったと思ってたのに
「今から会える?」
今までと何も変わらん連絡が来て
こいつあんなこと言うといて なんで普通に連絡してこれんねん
どんな神経してんねん 記憶失っとんか?
それとも もしかして他の女と間違えてるとか?
一人でめちゃくちゃツッコミを入れてから
「行かへん」って返すか 無視するか悩みに 悩んで
結局「行かへん、用事あるから」って 返事を送った
「俺より大事な用ってなに」
何…言うてんのこの人
私に宮くんより好きな人はおらんよ
でも宮くんは私のこと大切にしてくれへんやん
そんな人のこと どう大事に扱えと
あの日 部屋へ行かんかったら 身体の関係持たんかったら 今こんなことになってなかったかもしれへん
こうやって誘われたら何も考えてへんふりして また喜んで会いに行ってたかも
あの時はまだよかったな なんて
もう終わったことを今さら 色々思ってもしゃあないねんけど
「宮くんにはもう会わん」
それだけ返して また布団に潜る
セフレなんか嫌やわ 2番目の女も3番目の女も嫌
ベッドの端にあるスマホがずーっと鳴ってる
気まずいし出んかったら何回も何回もかけてくる
相手はもちろん宮侑
あまりのしつこさに観念して 通話ボタンを押した
「おい、なん無視しとんねん」
第一声はもちろん "不機嫌です" ってわかる声
この声だけであのイライラしとる顔を想像できるわ
なんであんたが怒ってんの って聞きたいけど 怖いから黙っておく
「あんまイライラさせんなや」
なんで私が怒られてるんやろ
こんなことでいちいち怒らんと 他の女に迎えにきてもらったらええやん
次の女にかけぇや なんで私なん
「今どこ」
「家」
「今から行くから、位置情報」
え こわ なんなん?
もしかして私殴られたりする? なんでそこまで私にかまうん
本命彼女が来てくれへんから?
2番目の女も3番目の女も連絡つかんとか?
私が暇やと思っとるから?
今すぐヤれる女を探しとるから?
「無理、もう寝とるし」
「一緒に寝たらええやんか」
ハァ? って声が出そうになった
「っちゅうかお前、用事言うたやん。なんで嘘つくん」
「それは…申し訳ないけど。でも宮くんとはもう会わんて決めたから」
ここまで言うたらめちゃくちゃキレられそうな気がする
怒られるん怖いし嫌やけど これで今度こそ宮くんとの関係が終わるやろう
「なんで避けんねん」
スマホの向こう側から 早よ位置情報送れ とかやいやいまだ言うとるし
「私は宮くんの "都合のええ女"にはなられへんよ」
「は?」
ついに言ってしまった
そしてたった一言やのに 宮くんの声に さらに怒りが含まれたのが伝わってきて
身体が震えた
「とにかくそういうことやから」
「俺そんなん言うた?」
「言われてへんけど、そうやんか。本命の彼女 大事にしてあげぇや」
「いや、ほんまに何の話?」
噛み合わない会話にイライラが募る
「こんな夜中に呼び出しても私やったら何も言わんし 何時やろうと喜んで会いに来るし、身体やって好きにできて…宮くんにとって都合のええ女以外の何者でもないやろ」
次から次へとネガティブなことばかり言ってしまったけど でもほんまのことやから
溜まってたもんが爆発してしまう
「もうやめたいねん」
「ひかり、嫌やったん?」
滅多に名前なんか呼べへんくせに こんな時に呼ばんといてよ
「嫌がる女 抱く趣味ないねんけどな。めんどいし」
そう言われてあの夜のことを思い出すと 一気に顔が熱くなった
合意の上やったやろ とでも言いたいんか
そんなんいちいち言われんでも自分でわかっとるよ
「好きなんやろ? 俺のこと」
腹立つけど その通りすぎて返す言葉もない
そんなわけないやろ 嘘でもそう言ってやろうかと思った時
「俺ヤリ逃げされたん初めてやねん」
突然何の話?と思ったけど 黙って宮くんの次の言葉を待つ
「朝起きたらおらんし 連絡してもそっけないし、1回ヤッたらもう次は無理やて拒否られて、終いには会いたないとか言われて」
そう言われてしまえば 身に覚えはないこともないけど
「かわいそうなんは俺のほうやと思っとるんやけど」
ちゃう?
自虐気味にそう言って ちょっと笑ってしまってるし
「で、今 ほんまにヤリ捨てされそうになっとるん。ええ度胸しとるなぁ自分」
「宮くん、私 そんなつもりとちゃうんやけど」
冗談?かもしれへんけど 詰められ方が怖いから 一応言い訳をしてみた
「遊ぶだけの女、家に上げたりせんわアホ」
それってもしかして
「私は宮くんにとって都合のええ女やない…ん?」
「当たり前や。だからあの後もすぐ連絡したやん」
「…宮くん 私のこと好きなん?」
その返事が返ってくることはなくて
「早よ位置情報送ってや」
何度も催促させられて苛立ってるはずの宮くん
その声はもう全然怒ってなくて なんなら機嫌が良さそうにも聞こえた
「こっから先は会うてから言うたるわ」
いつもとはちょっと違う
今日は私から迎えにいく必要がない
私はまんまと宮くんに位置情報を送ってしまうのだった
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