凪潔SS
「凪って……背中がエロいよな、」
振り返ると、ベッドに寝そべった潔が枕に半分顔を隠して俺の剥き出しの背中を見ていた。
窓辺のチョキにおはよーの挨拶をしていた指を首に当てる。起こしていた上半身をベッドに逆戻りさせようか迷っていると、もぞもぞ動いた潔が俺の腰にちゅうっと唇を押し付けた。
ドッ、と心臓が飛び跳ねた。このまま潔に覆い被さっても怒られない雰囲気だ。でも潔から触れてくるのをやめてほしくなくて、大人しくしてると、潔は目を細めていたずらっ子みたいに笑った。
潔はゆっくり体を起こしながら、俺の腰から背中に唇を押し当ててくる。ちゅっちゅって、甘くて可愛い音がする。
愛されるのって、きもちいー。
我慢できなくなって勢いよく潔を押しつぶす。
目を丸くした潔は、真っ青な宝石を隠して俺の唇に柔らかく触れた。
「……悪いコだね、潔。俺、今日朝早いって知っててやってるでしょ」
「うん。早く準備しろよ、凪」
くっ、と笑みを噛んだ潔が、バター色の肩を揺らして笑う。マジ悪魔。
仕返しに、鼻先を甘噛みする。
潔はケラケラ笑って俺の顔を掴んだ。
目が合う。青に吸い込まれる。
俺の心臓、どっかいっちゃったみたいだ。
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