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きゅん、ってしたあの日
その日、ケニーは小さな女の子を連れて帰ってきた。
肩に乗せていたその子を下ろすと、不審げに見つめるリヴァイにニヤリと笑う。
「フェリーチェだ。いいツラしてんだろ。年頃になったら美人になるぞ」
「……誘拐してきたのか?」
「馬鹿言ってんじゃねぇ。“頼まれた”んだ。あの店のオヤジ、俺がリヴァイを預かってんのを知って押し付けてきやがった。俺は忘れ形見一時預かり所じゃねぇってのによ」
言ってる割に、まんざらでもない様だ。
「犬猫を勝手に拾ってくるなと言ったのは、ケニーだぞ」
「フェリーチェは人間だろうが」
「世話は誰がする……」
大きな丸い目に見つめられて、リヴァイは顔を歪める。
犬猫の扱いは大体分かるが、子供の扱いは全く分からない。しかもこんな小さいの。一体何がしたいんだ、ケニーの奴。
「ガキはガキ同士仲良くやりゃいいだろ」
「……面倒臭そうな奴だ」
「面倒なガキ筆頭のお前が言うんじゃねぇよ。フェリーチェはよく言うコトを聞くぞ」
(だったらケニーが世話すりゃいい)
動かないでいるフェリーチェを見下ろした。
自分がどうしてここにいるのか理解出来てない様子のフェリーチェは、きょとんとこちらを見てる。離れもしなければ近付きもせず、二人の間には微妙な距離があった。
「………」
とりあえず、乾いたパンを差し出してみるが、それでも近付いてこない。しゃがんで目線を合わせもう一度。今度は近付いてくる。
小さな手がリヴァイに触れて、パンを受け取った。
「………」
かりかりとパンをかじっている姿をしばらく眺め、食べ終えたとこで水をやる。コップを空にしたフェリーチェの頭をなんとなく撫でると、ふわふわの感触が掌に……。
フェリーチェは、嬉しそうに笑った。
「…………」
「リヴァイ……」
「………悪くない」
ずっとフェリーチェの頭を撫で続けるリヴァイに、ケニーは呆れ顔を向けた。
「お前今、フェリーチェを犬猫扱いした上で言っただろ……」
✽✽✽
「フェリーチェは……何歳の時にここに来たんだ?」
「四歳だ」
「小っせぇ! 可愛かったんだろーなー……俺も見たかったぁ!」
「慣れてくると後ろを追いかけてくる様になって、それがまたよかったな……。よく連れ回したもんだ。フェリーチェと絡みたがるケニーまでくっついてきたのはウザかったが」
「俺もその時のフェリーチェと散歩したい! お菓子あげたい!」
「なぁ……。俺には、お前らがその頃のフェリーチェをペット感覚で語ってるようにしか聞こえねぇんだけど……違うよな?」
少々気になりながら二人を眺めつつ、ファーランも思う。
(俺も色々世話したかった……)
あくまで兄か父感覚でだ。
ファーランは自分に言い聞かせるように頷いた。
その日、ケニーは小さな女の子を連れて帰ってきた。
肩に乗せていたその子を下ろすと、不審げに見つめるリヴァイにニヤリと笑う。
「フェリーチェだ。いいツラしてんだろ。年頃になったら美人になるぞ」
「……誘拐してきたのか?」
「馬鹿言ってんじゃねぇ。“頼まれた”んだ。あの店のオヤジ、俺がリヴァイを預かってんのを知って押し付けてきやがった。俺は忘れ形見一時預かり所じゃねぇってのによ」
言ってる割に、まんざらでもない様だ。
「犬猫を勝手に拾ってくるなと言ったのは、ケニーだぞ」
「フェリーチェは人間だろうが」
「世話は誰がする……」
大きな丸い目に見つめられて、リヴァイは顔を歪める。
犬猫の扱いは大体分かるが、子供の扱いは全く分からない。しかもこんな小さいの。一体何がしたいんだ、ケニーの奴。
「ガキはガキ同士仲良くやりゃいいだろ」
「……面倒臭そうな奴だ」
「面倒なガキ筆頭のお前が言うんじゃねぇよ。フェリーチェはよく言うコトを聞くぞ」
(だったらケニーが世話すりゃいい)
動かないでいるフェリーチェを見下ろした。
自分がどうしてここにいるのか理解出来てない様子のフェリーチェは、きょとんとこちらを見てる。離れもしなければ近付きもせず、二人の間には微妙な距離があった。
「………」
とりあえず、乾いたパンを差し出してみるが、それでも近付いてこない。しゃがんで目線を合わせもう一度。今度は近付いてくる。
小さな手がリヴァイに触れて、パンを受け取った。
「………」
かりかりとパンをかじっている姿をしばらく眺め、食べ終えたとこで水をやる。コップを空にしたフェリーチェの頭をなんとなく撫でると、ふわふわの感触が掌に……。
フェリーチェは、嬉しそうに笑った。
「…………」
「リヴァイ……」
「………悪くない」
ずっとフェリーチェの頭を撫で続けるリヴァイに、ケニーは呆れ顔を向けた。
「お前今、フェリーチェを犬猫扱いした上で言っただろ……」
✽✽✽
「フェリーチェは……何歳の時にここに来たんだ?」
「四歳だ」
「小っせぇ! 可愛かったんだろーなー……俺も見たかったぁ!」
「慣れてくると後ろを追いかけてくる様になって、それがまたよかったな……。よく連れ回したもんだ。フェリーチェと絡みたがるケニーまでくっついてきたのはウザかったが」
「俺もその時のフェリーチェと散歩したい! お菓子あげたい!」
「なぁ……。俺には、お前らがその頃のフェリーチェをペット感覚で語ってるようにしか聞こえねぇんだけど……違うよな?」
少々気になりながら二人を眺めつつ、ファーランも思う。
(俺も色々世話したかった……)
あくまで兄か父感覚でだ。
ファーランは自分に言い聞かせるように頷いた。