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毛布代わり……?
「フェリーチェ!」
夜も更けてきた頃、外出から戻って来たリヴァイはイザベルの部屋に勢いよく現れた。
「あ! おかえり〜兄貴!」
「なんでフェリーチェがここにいる」
「兄貴達が帰るまでお喋りしてようって、パーティーしてたんだ!」
「………。そのパーティーの相手は半分眠っているようだが?」
イザベルのベッドでうつらうつらしているフェリーチェを指差し、リヴァイは不機嫌そうに言う。
そうなんだよ、とイザベルはニッと笑った。
「フェリーチェの寝顔って可愛いな。ねぇ兄貴、今日はこのままフェリーチェと一緒に寝」
「駄目だ」
「なんだよ即答!? いいじゃんたまには!」
「たまにもクソもあるか。駄目なもんは駄目だ。返せ」
「えぇ〜っ」
「ハイハイ、そこまで」
そんなやり取りの最中、ファーランは開け放たれたドアをノックして二人を止める。呆れ返った声はいつもと変わらなかった。この二人のやり取りがいつもと変わらないからだ。
「リヴァイ……。部屋から飛び出していったかと思ったら女の部屋に迷い無く飛び込むって……。一晩くらい許してやれよ。フェリーチェ、もう寝てるぞ」
「寝てるなら尚更ベッドに運ぶ必要がある」
「いや、運ばなくてもそこに寝かせとけばいい話だろ」
そう言った時には、リヴァイはフェリーチェを抱き上げていた。
あああ……! とイザベルの手がフェリーチェを虚しく追いかけるが、リヴァイの睨みに止めざるを得ない。しゅんとなるイザベルに、ファーランは気の毒そうな顔を向けた。
「…んん……リヴァ…イ?」
「戻るぞフェリーチェ。パーティーは終わりだ」
「? イザベルは……?」
「寝た」
「寝てねぇし!」
目を擦るフェリーチェはやっぱりほぼ寝ているので、リヴァイの言葉もイザベルの叫びも聞こえて無いみたいだ。
「おやすみぃ〜」と呟くと、リヴァイの首に腕を回し本格的に眠ってしまう。
それを見たリヴァイとイザベルの顔が、同時にほうっと和らいだのをファーランは見逃さなかった。フェリーチェが大好きというところは、二人の共通点だ。お互い一歩も引かない点でもあるが……。
「本っ当譲らないよな。――夜は特に」
自分の目の前を通り過ぎる瞬間、ファーランがリヴァイにそう言うと、リヴァイは足を止めてファーランを見上げた。
そして一言。
「これが無いと眠れない」
顔色一つ変えずに言い放ち、リヴァイはフェリーチェと部屋に戻っていく。
ファーランはそれにガックリと頭を下げた。
「“これ”って……自分の恋人だろうよ…」
「ファーラン〜! また兄貴にフェリーチェ持ってかれた~!」
「お前もか……。フェリーチェはモノじゃねぇぞ」
よしよし、とイザベルを慰めながら、ファーランは溜息をつく。
――アイツが夜、絶対にフェリーチェを離さないのはそういう事か。
「リヴァイは、安心毛布が無いとダメらしいな」
「へ? なにそれ? 安心毛布?」
「お気に入りの毛布が無いと、安心して寝られないっていうやつだ」
(子供かよ)
ファーランはフッと笑う。
「まぁ要は、リヴァイは純粋にフェリーチェが好きって事だな」
「俺だって純粋にフェリーチェがスキだからなっ! 負けてねぇぞ!」
「ハイハイ……分かってるって」
(ったく、しょうがねぇ奴らだなぁ……)
ファーランはそう思い、また笑うのだった。
「フェリーチェ!」
夜も更けてきた頃、外出から戻って来たリヴァイはイザベルの部屋に勢いよく現れた。
「あ! おかえり〜兄貴!」
「なんでフェリーチェがここにいる」
「兄貴達が帰るまでお喋りしてようって、パーティーしてたんだ!」
「………。そのパーティーの相手は半分眠っているようだが?」
イザベルのベッドでうつらうつらしているフェリーチェを指差し、リヴァイは不機嫌そうに言う。
そうなんだよ、とイザベルはニッと笑った。
「フェリーチェの寝顔って可愛いな。ねぇ兄貴、今日はこのままフェリーチェと一緒に寝」
「駄目だ」
「なんだよ即答!? いいじゃんたまには!」
「たまにもクソもあるか。駄目なもんは駄目だ。返せ」
「えぇ〜っ」
「ハイハイ、そこまで」
そんなやり取りの最中、ファーランは開け放たれたドアをノックして二人を止める。呆れ返った声はいつもと変わらなかった。この二人のやり取りがいつもと変わらないからだ。
「リヴァイ……。部屋から飛び出していったかと思ったら女の部屋に迷い無く飛び込むって……。一晩くらい許してやれよ。フェリーチェ、もう寝てるぞ」
「寝てるなら尚更ベッドに運ぶ必要がある」
「いや、運ばなくてもそこに寝かせとけばいい話だろ」
そう言った時には、リヴァイはフェリーチェを抱き上げていた。
あああ……! とイザベルの手がフェリーチェを虚しく追いかけるが、リヴァイの睨みに止めざるを得ない。しゅんとなるイザベルに、ファーランは気の毒そうな顔を向けた。
「…んん……リヴァ…イ?」
「戻るぞフェリーチェ。パーティーは終わりだ」
「? イザベルは……?」
「寝た」
「寝てねぇし!」
目を擦るフェリーチェはやっぱりほぼ寝ているので、リヴァイの言葉もイザベルの叫びも聞こえて無いみたいだ。
「おやすみぃ〜」と呟くと、リヴァイの首に腕を回し本格的に眠ってしまう。
それを見たリヴァイとイザベルの顔が、同時にほうっと和らいだのをファーランは見逃さなかった。フェリーチェが大好きというところは、二人の共通点だ。お互い一歩も引かない点でもあるが……。
「本っ当譲らないよな。――夜は特に」
自分の目の前を通り過ぎる瞬間、ファーランがリヴァイにそう言うと、リヴァイは足を止めてファーランを見上げた。
そして一言。
「これが無いと眠れない」
顔色一つ変えずに言い放ち、リヴァイはフェリーチェと部屋に戻っていく。
ファーランはそれにガックリと頭を下げた。
「“これ”って……自分の恋人だろうよ…」
「ファーラン〜! また兄貴にフェリーチェ持ってかれた~!」
「お前もか……。フェリーチェはモノじゃねぇぞ」
よしよし、とイザベルを慰めながら、ファーランは溜息をつく。
――アイツが夜、絶対にフェリーチェを離さないのはそういう事か。
「リヴァイは、安心毛布が無いとダメらしいな」
「へ? なにそれ? 安心毛布?」
「お気に入りの毛布が無いと、安心して寝られないっていうやつだ」
(子供かよ)
ファーランはフッと笑う。
「まぁ要は、リヴァイは純粋にフェリーチェが好きって事だな」
「俺だって純粋にフェリーチェがスキだからなっ! 負けてねぇぞ!」
「ハイハイ……分かってるって」
(ったく、しょうがねぇ奴らだなぁ……)
ファーランはそう思い、また笑うのだった。