だいすきの構成要素
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出会いは突然に
「ちょっと待って! そこのお嬢さん!」
声をかけられ、フェリーチェは足を止めた。お使いの帰り道だ。早くリヴァイの所に戻りたいのに。
「どう? 夢を与える仕事したくない!?」
「は?」
「ハンジ。いきなりそれじゃ彼女も困るぞ」
「いきなり本題だからいいんじゃん」
「あの、何の話ですか……ひぃっ!?」
元気のいい美人と長身の男二人。その内の一人の男に背後から匂いを嗅がれて、フェリーチェは飛び上がる。
「よさないかミケ。失礼だろう」
「売れる匂いがする」
「発言が更に失礼度を上げてるよミケ」
美人に軽快に笑われたその男は、無言で目を瞑る。変な人達……。「えっと…急いでるので」とフェリーチェが去ろうとすると、一番まともそうな男が慌てて引き止めてきて、一気に喋った。
「私達は今、都の歌劇団で活躍出来る子を探してるんだ。私には分かる。君にはその素質がある! どうだい? 私と契約をしないか?」
「……」
この人も変だった。
「あの……」
時々外から色んな人が降りてくるけど、上に来ないか?と誘う人なんて聞いた事無い。
それに。歌劇団? 歌って踊るってやつだよね?
「それはやったことあるからもういいです」
「経験者!?」
「なら尚更……!」
「だから売れる匂いがすると言っただろう」
あれ。面倒なこと言っちゃったらしい。
フェリーチェは、顔を引き攣らせどう逃げようかと考えた――。
✽
「都!? 上に行けるのかフェリーチェ、すげーな!」
「嫌! そしたらイザベルとファーランと離れちゃうかもじゃん!」
「おい。俺は」
「考えた事無いっ!!」
「……」
帰って来てからリヴァイにベッタリくっ付いて離れようとしないフェリーチェの事情を知り、ファーランは納得した。そして、首にしがみつくフェリーチェを抱き締め黙るリヴァイに言う。
「今のは言いかえると、お前と離れる事は有り得ないって事だぞ」
「……分かってた」
「嘘つけ。絶望顔してただろうが」
黙ったまま、リヴァイはフェリーチェの頭を撫でまくっている。……ホッとしたなコイツ。
「でもさ。ソイツ等また来んじゃねぇのか?」
「ま、諦めてはないだろう」
「チッ……その方法で稼ごうとする奴がケニーの他にいたとはな。あの時、後始末にどれだけ苦労したか……クソが」
「そんな事までしてたのか? リヴァイの話聞いてると、溜息しか出ねぇな」
一体、フェリーチェ巡ってどんな生活してきたんだか。
「歌うのは楽しかったけど、色んな所で待ちぶせされんのは怖い」
「あんな事二度とさせるか」
「は!? 待ち伏せ!?」
「フェリーチェが怖い思いすんのは許さねぇぞ! 今度三人がフェリーチェんトコ来たらブッ飛ばす!」
イザベルの闘志に頷きながら、ファーランはその三人組の特徴を聞いた。聞いておけば、単独でフェリーチェに近付いても分かる。
独りで歩かせない! と怒るリヴァイを、念の為だと言い聞かせ。フェリーチェの話に、三人は真剣に耳を傾けた。
「えっと。勢いが凄いメガネ美人と、匂いを嗅いでくる背の高い男の人と……将来頭がもっと寂しくなりそうな背の高い男の人だった」
「……」
「……」
「……」
女はともかく、男二人は一体――。
張り詰めていた空気がフッと緩む。
「それってつまり、もう半分ハゲてるって事か!?」
笑い出すイザベル。その横で、リヴァイだけは青ざめフェリーチェを更に強く抱き締めていた。
「俺以外の男がフェリーチェの匂いを嗅いだ……だと!!?」
「リヴァイ……苦しい……」
「ハイそこ。喰いつくとこおかしいよな、リヴァイ」
細目でリヴァイを指差しツッコミを入れる。
見つけた時にまず最初に殺られるのは、半分ハゲの男じゃない方だな…。
しばらくリヴァイが荒れそうだ……と、ファーランは頭を掻いた。
とばっちりはフェリーチェだ。
当分の間、寝不足が続くだろう。
やれやれ……“消毒”は何日かかるのやら、だ――。
「ちょっと待って! そこのお嬢さん!」
声をかけられ、フェリーチェは足を止めた。お使いの帰り道だ。早くリヴァイの所に戻りたいのに。
「どう? 夢を与える仕事したくない!?」
「は?」
「ハンジ。いきなりそれじゃ彼女も困るぞ」
「いきなり本題だからいいんじゃん」
「あの、何の話ですか……ひぃっ!?」
元気のいい美人と長身の男二人。その内の一人の男に背後から匂いを嗅がれて、フェリーチェは飛び上がる。
「よさないかミケ。失礼だろう」
「売れる匂いがする」
「発言が更に失礼度を上げてるよミケ」
美人に軽快に笑われたその男は、無言で目を瞑る。変な人達……。「えっと…急いでるので」とフェリーチェが去ろうとすると、一番まともそうな男が慌てて引き止めてきて、一気に喋った。
「私達は今、都の歌劇団で活躍出来る子を探してるんだ。私には分かる。君にはその素質がある! どうだい? 私と契約をしないか?」
「……」
この人も変だった。
「あの……」
時々外から色んな人が降りてくるけど、上に来ないか?と誘う人なんて聞いた事無い。
それに。歌劇団? 歌って踊るってやつだよね?
「それはやったことあるからもういいです」
「経験者!?」
「なら尚更……!」
「だから売れる匂いがすると言っただろう」
あれ。面倒なこと言っちゃったらしい。
フェリーチェは、顔を引き攣らせどう逃げようかと考えた――。
✽
「都!? 上に行けるのかフェリーチェ、すげーな!」
「嫌! そしたらイザベルとファーランと離れちゃうかもじゃん!」
「おい。俺は」
「考えた事無いっ!!」
「……」
帰って来てからリヴァイにベッタリくっ付いて離れようとしないフェリーチェの事情を知り、ファーランは納得した。そして、首にしがみつくフェリーチェを抱き締め黙るリヴァイに言う。
「今のは言いかえると、お前と離れる事は有り得ないって事だぞ」
「……分かってた」
「嘘つけ。絶望顔してただろうが」
黙ったまま、リヴァイはフェリーチェの頭を撫でまくっている。……ホッとしたなコイツ。
「でもさ。ソイツ等また来んじゃねぇのか?」
「ま、諦めてはないだろう」
「チッ……その方法で稼ごうとする奴がケニーの他にいたとはな。あの時、後始末にどれだけ苦労したか……クソが」
「そんな事までしてたのか? リヴァイの話聞いてると、溜息しか出ねぇな」
一体、フェリーチェ巡ってどんな生活してきたんだか。
「歌うのは楽しかったけど、色んな所で待ちぶせされんのは怖い」
「あんな事二度とさせるか」
「は!? 待ち伏せ!?」
「フェリーチェが怖い思いすんのは許さねぇぞ! 今度三人がフェリーチェんトコ来たらブッ飛ばす!」
イザベルの闘志に頷きながら、ファーランはその三人組の特徴を聞いた。聞いておけば、単独でフェリーチェに近付いても分かる。
独りで歩かせない! と怒るリヴァイを、念の為だと言い聞かせ。フェリーチェの話に、三人は真剣に耳を傾けた。
「えっと。勢いが凄いメガネ美人と、匂いを嗅いでくる背の高い男の人と……将来頭がもっと寂しくなりそうな背の高い男の人だった」
「……」
「……」
「……」
女はともかく、男二人は一体――。
張り詰めていた空気がフッと緩む。
「それってつまり、もう半分ハゲてるって事か!?」
笑い出すイザベル。その横で、リヴァイだけは青ざめフェリーチェを更に強く抱き締めていた。
「俺以外の男がフェリーチェの匂いを嗅いだ……だと!!?」
「リヴァイ……苦しい……」
「ハイそこ。喰いつくとこおかしいよな、リヴァイ」
細目でリヴァイを指差しツッコミを入れる。
見つけた時にまず最初に殺られるのは、半分ハゲの男じゃない方だな…。
しばらくリヴァイが荒れそうだ……と、ファーランは頭を掻いた。
とばっちりはフェリーチェだ。
当分の間、寝不足が続くだろう。
やれやれ……“消毒”は何日かかるのやら、だ――。