結婚生活はじめました。
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初夜ですから……?
結婚式も披露宴も、ちょっとしたハプニングはあったものの、無事終わった。
今夜は、式場ホテルのスイートルームに宿泊。
やっと二人きりで過ごせる――。
私とリヴァイさんは大きなソファーに座って、ほうっと息を吐いた。
「終わりましたね~」
「ああ。クソ忙しかったな、挨拶が」
「リヴァイさん、お友達と仕事仲間と……大人気だったからですよ。ひっきりなしに皆お酒注ぎにきて」
人望の厚さなんだろうな、と思う。
みーんな楽しそうに笑ってて、横で見てる私もすっごく楽しかった。
『テメェら……酒はいいから席についてメシを食え。俺の嫁が選んだフルコースだ。一口でも残したらどうなるか分かってるんだろうな』
披露宴でリヴァイさんが何度も言ってた言葉。
思い出してつい顔がニヤける。
俺の嫁、だって!
確かに嫁だけどっ。
「何ニヤニヤしてる」
「思い出し笑いです」
「ハンジの余興か」
「それじゃないけど……聞いたら笑えてきた!」
ざわざわしてる会場を、「私の歌を聴け―いっ!」と一瞬で黙らせ、熱唱した叔母さん。
さすが猛特訓したというだけあって、超上手だった! で、後ろのバックコーラスのエルヴィンさんとミケさん。低音ボイスに、会場の女子がウットリしてたなぁ……。
でも、なんで選曲が昭和の歌謡曲メドレーだったんだろう……? 衣装までそれらしく用意しちゃって。
「どこぞの総選挙アイドルの曲を歌って踊られるよりかはマシだ。エルヴィンとミケがやったらただの変態だぞ」
「なんかどっかの社員旅行の余興みたいだなぁ……。あ、」
(今度みんなで温泉旅行とかどうだろう?)
その時こそ、あの三人でアイドル余興を……。
なんて考えてたら、髪の毛をくいくいと引っ張られた。
横を見ると、ちょっとムッとしてるリヴァイさんが……。
「今度は思い出し笑いじゃなく、想像笑いか。随分と楽しそうだな」
(あれ?……もしかして拗ねてる…?)
「リヴァイさんと皆と温泉旅行に行く想像してました。楽しそうでしょ?」
「新婚旅行すっ飛ばしてか」
「新婚旅行、温泉にしましょうかっ!」
「いま言ってた旅行のついでとか言わねぇだろうな」
「……ぎ、逆ですよ。皆との旅行が“ついで”」
「新婚旅行に友人引き連れていく馬鹿がどこにいる……」
それはそれで楽しそう、とまでは言えなかった。
腕を引っ張られた私はリヴァイさんの膝の上に移動させられて、向かい合わせに座る形に。
リヴァイさんはフッと笑う。
「ウエディングドレスの時にさせとけば良かったな。ドレスの花嫁に跨られるのも悪くない」
「またそんなこと言って! 叔母さんに感化されないでくださいっ」
「別にされてねぇよ。男なら誰でも思う」
「……そうなの!?」
「もういいだろ。やっと二人きりだ、フェリーチェ」
リヴァイさんに促されて、私から唇を重ねた。
触れるだけのキス。いつもされてるみたいに唇を舐めて誘うと、深く覆われてキスが深くなる。
「ん……ッ…」
息が上がってくると同時に全身から力が抜けていくのが、リヴァイさんのキスだ。立っていたら、支えて貰わないと崩れ落ちてしまう………。
だから、さっきも……“も”?
「ん、んん……っ!」
「……あ? なんだ」
胸元を叩いてストップをかける。
リヴァイさんは不満気に唇を離した。
「誓いのキス!……あれ、友達にいじられて大変だったんだから!」
「ああ……アレは俺も色々言われたが……。お前の身内はやっぱりハンジの増殖版だな。『でかした!』と絶賛されるとは思わなかったぞ。あと、オヤジ……泣いて『ありがとう!』って、あれはなんだ? 何の礼だ?」
「………」
(うちの身内って一体……)
「それに比べれば、他の奴らの反応は至極マトモに思えるんだが?」
「確かにそうだけど……」
「誓いのキスで腰抜かすのはお前ぐらいだろうしな」
「それですよ! あれはやり過ぎ!」
「あの程度、いつもと変わらねぇ」
「あの場面は日常じゃないです……」
「日常程度ってのは認めるのか」
くくく、と笑われた。
友達は口を揃えて、
『見てていいのか困ったしコッチが照れた〜! でも素敵だったよ、ドラマみたいで。フェリーチェがくったりしたのはウケたけど』
と言っていた。それを訴えると、リヴァイさんは「良かったな」とケロッとしてる。
「念願のドラマ初主演じゃねぇか」
そうじゃない。
「……一番恥ずかしかったのは、リヴァイさんの会社の子に囲まれた時ですよ」
「俺の……?」
「えっと、ほら、新人の子が三人いたでしょ? 男の子二人と、美人の女の子」
「……エレンとアルミン、ミカサだな」
「そう! その中の一番元気の良い子!」
「エレンか……」
「『キス、ヤバかったです! 誓いのキスってあんなにエロくていいんですね!』って超笑顔で言われちゃった……違うのに。これからの若者に変な情報を与えた絶対……!」
エレン君の笑顔の感想に、ミカサちゃんが「エレン、それは失礼」と、みぞおちに一発拳を入れてたのにも驚いたけど。――強くて美人。そういえば、雰囲気がリヴァイさんに似てる子だったな……。
「……エレンめ。今度一蹴り入れるか」
「発端はリヴァイさんですからね」
私の髪の毛を指にくるくる巻き付けながら遊んでいたリヴァイさんは、小さく笑う。
「――原点に返ってみただけだ」
「……なんですか? それ?」
「なんでもねぇよ」
後頭部と腰を同時に引き寄せられ、それ以上は何も喋れない様に唇を塞がれた。
喋れないどころか、何も考えられなくなる長く深いキス。
何度も角度を変えて舌を絡ませる。どちらのものか分からなくなるくらい、長い時間お互いの唾液を混ぜ合わせた。
「……リヴァイ……さ」
「ん?」
唇と唇を繋ぐ細い銀糸が、離れたリヴァイさんを必死に繋ぎ止めているみたいで恥ずかしい。リヴァイさんは私の顔を見てクッと笑った。そしてまたキスをする。
唇を一瞬離す間ですらお互いの吐息が重なって、その甘い心地に身を任せていると体は自然と火照っていく。
それは私だけじゃない。
さらに強く抱きしめられて分かった。
「っ……リヴァイさんあの」
「どうした?」
「あた……当たって」
「だろうな。分かるように押し付けてる」
「あっ……ちょっ……!! わっ……分かりましたから……待っ……ストップ!!」
「なんだ」
「まさかこのまま、とか言うんじゃ」
「どこだろうとヤる事は一緒だが?」
「……」
そんな「当然だろ」みたいな顔で……。
「……」
(え……ホントにこのまま……ここ?)
私は今一度お伺いを立てる事にした。
でも、言う前に顔に出たらしく、リヴァイさんはチラリと私を見た後に首を甘噛みしてくる。
「お前もその気になってるじゃねぇか」
「でも、これじゃいつもと一緒……」
「違うぞ。ホテルのスイートルームで初夜だ……」
「それだっ!」
「……あ?」
胸元でごそごそしてたリヴァイさんの頭を両手でガシッと挟んで、こちらを見る不満顔に笑う。いい事思いついた!
「ホテルからお祝いのシャンパン貰いましたよね? あれ、お風呂で飲みましょう! ホテルのスイートルームといえば、やっぱり夜景の見える大きなお風呂でお酒ですっ!」
「………またそれか。期待を裏切らねぇミーハー魂だな、フェリーチェよ」
「ね? いい考えだと思いません?」
お願い、とジッとリヴァイさんを見れば、リヴァイさんの眉間から皺が消えた。
リヴァイさん、私のこと甘やかし過ぎだと思いますよ?……と自分で思っておきながら、大事にされてる感が嬉しくてついつい「お願い」が癖になってしまう私。
それを知ってか知らずか、表情を緩めたリヴァイさんが「分かった」と呟く。
「お前の考えに乗ろう」
「やったー」
「だが後でだ。今はこのまま俺に乗れ」
「え」
「この状態でお預けは無ぇよな? 昨日の晩から耐えてる俺に、褒美の一つでもくれてやるとはお前は思わねぇのか?」
手にした私の髪に口付けると、リヴァイさんは微笑んだ。
「なぁ、フェリーチェ」
「うっ」
その微笑みに嫌とは言えない……。
「駄目か?」
甘い声で囁きながらゆっくり唇を近付けてくるのは、私を試しているんだと思う。拒まないの知ってるクセに……ずるいなぁ。
触れそうで触れない所で止められた唇。
自分から重ねて、リヴァイさんの首に腕を回した。
「……一回だけですよね?」
「そういう事を聞くな」
「だって」
「お前が必要以上に俺を煽らなければ良いだけだ」
「……」
(「煽る」の基準が分からないんですけど)
『お風呂で優雅にシャンパンと夜景』
理想にたどり着くまで、ちょっと時間がかかりそう…だ――。
結婚式も披露宴も、ちょっとしたハプニングはあったものの、無事終わった。
今夜は、式場ホテルのスイートルームに宿泊。
やっと二人きりで過ごせる――。
私とリヴァイさんは大きなソファーに座って、ほうっと息を吐いた。
「終わりましたね~」
「ああ。クソ忙しかったな、挨拶が」
「リヴァイさん、お友達と仕事仲間と……大人気だったからですよ。ひっきりなしに皆お酒注ぎにきて」
人望の厚さなんだろうな、と思う。
みーんな楽しそうに笑ってて、横で見てる私もすっごく楽しかった。
『テメェら……酒はいいから席についてメシを食え。俺の嫁が選んだフルコースだ。一口でも残したらどうなるか分かってるんだろうな』
披露宴でリヴァイさんが何度も言ってた言葉。
思い出してつい顔がニヤける。
俺の嫁、だって!
確かに嫁だけどっ。
「何ニヤニヤしてる」
「思い出し笑いです」
「ハンジの余興か」
「それじゃないけど……聞いたら笑えてきた!」
ざわざわしてる会場を、「私の歌を聴け―いっ!」と一瞬で黙らせ、熱唱した叔母さん。
さすが猛特訓したというだけあって、超上手だった! で、後ろのバックコーラスのエルヴィンさんとミケさん。低音ボイスに、会場の女子がウットリしてたなぁ……。
でも、なんで選曲が昭和の歌謡曲メドレーだったんだろう……? 衣装までそれらしく用意しちゃって。
「どこぞの総選挙アイドルの曲を歌って踊られるよりかはマシだ。エルヴィンとミケがやったらただの変態だぞ」
「なんかどっかの社員旅行の余興みたいだなぁ……。あ、」
(今度みんなで温泉旅行とかどうだろう?)
その時こそ、あの三人でアイドル余興を……。
なんて考えてたら、髪の毛をくいくいと引っ張られた。
横を見ると、ちょっとムッとしてるリヴァイさんが……。
「今度は思い出し笑いじゃなく、想像笑いか。随分と楽しそうだな」
(あれ?……もしかして拗ねてる…?)
「リヴァイさんと皆と温泉旅行に行く想像してました。楽しそうでしょ?」
「新婚旅行すっ飛ばしてか」
「新婚旅行、温泉にしましょうかっ!」
「いま言ってた旅行のついでとか言わねぇだろうな」
「……ぎ、逆ですよ。皆との旅行が“ついで”」
「新婚旅行に友人引き連れていく馬鹿がどこにいる……」
それはそれで楽しそう、とまでは言えなかった。
腕を引っ張られた私はリヴァイさんの膝の上に移動させられて、向かい合わせに座る形に。
リヴァイさんはフッと笑う。
「ウエディングドレスの時にさせとけば良かったな。ドレスの花嫁に跨られるのも悪くない」
「またそんなこと言って! 叔母さんに感化されないでくださいっ」
「別にされてねぇよ。男なら誰でも思う」
「……そうなの!?」
「もういいだろ。やっと二人きりだ、フェリーチェ」
リヴァイさんに促されて、私から唇を重ねた。
触れるだけのキス。いつもされてるみたいに唇を舐めて誘うと、深く覆われてキスが深くなる。
「ん……ッ…」
息が上がってくると同時に全身から力が抜けていくのが、リヴァイさんのキスだ。立っていたら、支えて貰わないと崩れ落ちてしまう………。
だから、さっきも……“も”?
「ん、んん……っ!」
「……あ? なんだ」
胸元を叩いてストップをかける。
リヴァイさんは不満気に唇を離した。
「誓いのキス!……あれ、友達にいじられて大変だったんだから!」
「ああ……アレは俺も色々言われたが……。お前の身内はやっぱりハンジの増殖版だな。『でかした!』と絶賛されるとは思わなかったぞ。あと、オヤジ……泣いて『ありがとう!』って、あれはなんだ? 何の礼だ?」
「………」
(うちの身内って一体……)
「それに比べれば、他の奴らの反応は至極マトモに思えるんだが?」
「確かにそうだけど……」
「誓いのキスで腰抜かすのはお前ぐらいだろうしな」
「それですよ! あれはやり過ぎ!」
「あの程度、いつもと変わらねぇ」
「あの場面は日常じゃないです……」
「日常程度ってのは認めるのか」
くくく、と笑われた。
友達は口を揃えて、
『見てていいのか困ったしコッチが照れた〜! でも素敵だったよ、ドラマみたいで。フェリーチェがくったりしたのはウケたけど』
と言っていた。それを訴えると、リヴァイさんは「良かったな」とケロッとしてる。
「念願のドラマ初主演じゃねぇか」
そうじゃない。
「……一番恥ずかしかったのは、リヴァイさんの会社の子に囲まれた時ですよ」
「俺の……?」
「えっと、ほら、新人の子が三人いたでしょ? 男の子二人と、美人の女の子」
「……エレンとアルミン、ミカサだな」
「そう! その中の一番元気の良い子!」
「エレンか……」
「『キス、ヤバかったです! 誓いのキスってあんなにエロくていいんですね!』って超笑顔で言われちゃった……違うのに。これからの若者に変な情報を与えた絶対……!」
エレン君の笑顔の感想に、ミカサちゃんが「エレン、それは失礼」と、みぞおちに一発拳を入れてたのにも驚いたけど。――強くて美人。そういえば、雰囲気がリヴァイさんに似てる子だったな……。
「……エレンめ。今度一蹴り入れるか」
「発端はリヴァイさんですからね」
私の髪の毛を指にくるくる巻き付けながら遊んでいたリヴァイさんは、小さく笑う。
「――原点に返ってみただけだ」
「……なんですか? それ?」
「なんでもねぇよ」
後頭部と腰を同時に引き寄せられ、それ以上は何も喋れない様に唇を塞がれた。
喋れないどころか、何も考えられなくなる長く深いキス。
何度も角度を変えて舌を絡ませる。どちらのものか分からなくなるくらい、長い時間お互いの唾液を混ぜ合わせた。
「……リヴァイ……さ」
「ん?」
唇と唇を繋ぐ細い銀糸が、離れたリヴァイさんを必死に繋ぎ止めているみたいで恥ずかしい。リヴァイさんは私の顔を見てクッと笑った。そしてまたキスをする。
唇を一瞬離す間ですらお互いの吐息が重なって、その甘い心地に身を任せていると体は自然と火照っていく。
それは私だけじゃない。
さらに強く抱きしめられて分かった。
「っ……リヴァイさんあの」
「どうした?」
「あた……当たって」
「だろうな。分かるように押し付けてる」
「あっ……ちょっ……!! わっ……分かりましたから……待っ……ストップ!!」
「なんだ」
「まさかこのまま、とか言うんじゃ」
「どこだろうとヤる事は一緒だが?」
「……」
そんな「当然だろ」みたいな顔で……。
「……」
(え……ホントにこのまま……ここ?)
私は今一度お伺いを立てる事にした。
でも、言う前に顔に出たらしく、リヴァイさんはチラリと私を見た後に首を甘噛みしてくる。
「お前もその気になってるじゃねぇか」
「でも、これじゃいつもと一緒……」
「違うぞ。ホテルのスイートルームで初夜だ……」
「それだっ!」
「……あ?」
胸元でごそごそしてたリヴァイさんの頭を両手でガシッと挟んで、こちらを見る不満顔に笑う。いい事思いついた!
「ホテルからお祝いのシャンパン貰いましたよね? あれ、お風呂で飲みましょう! ホテルのスイートルームといえば、やっぱり夜景の見える大きなお風呂でお酒ですっ!」
「………またそれか。期待を裏切らねぇミーハー魂だな、フェリーチェよ」
「ね? いい考えだと思いません?」
お願い、とジッとリヴァイさんを見れば、リヴァイさんの眉間から皺が消えた。
リヴァイさん、私のこと甘やかし過ぎだと思いますよ?……と自分で思っておきながら、大事にされてる感が嬉しくてついつい「お願い」が癖になってしまう私。
それを知ってか知らずか、表情を緩めたリヴァイさんが「分かった」と呟く。
「お前の考えに乗ろう」
「やったー」
「だが後でだ。今はこのまま俺に乗れ」
「え」
「この状態でお預けは無ぇよな? 昨日の晩から耐えてる俺に、褒美の一つでもくれてやるとはお前は思わねぇのか?」
手にした私の髪に口付けると、リヴァイさんは微笑んだ。
「なぁ、フェリーチェ」
「うっ」
その微笑みに嫌とは言えない……。
「駄目か?」
甘い声で囁きながらゆっくり唇を近付けてくるのは、私を試しているんだと思う。拒まないの知ってるクセに……ずるいなぁ。
触れそうで触れない所で止められた唇。
自分から重ねて、リヴァイさんの首に腕を回した。
「……一回だけですよね?」
「そういう事を聞くな」
「だって」
「お前が必要以上に俺を煽らなければ良いだけだ」
「……」
(「煽る」の基準が分からないんですけど)
『お風呂で優雅にシャンパンと夜景』
理想にたどり着くまで、ちょっと時間がかかりそう…だ――。
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