結婚生活はじめました。
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内緒にしたいこともある
その質問は突然降ってきた。
ハンジ叔母さんとランチをしている時だ。
でもまぁ、考えれば、結婚してからこの手の質問を叔母さんがしてこなかった方が、不思議といえば不思議なんだけど……。
されなくて安心してる内に、その事をすっかり失念していたから「うおっ!?」ってなったのもある。
「ねぇ、フェリーチェ」
「ん?」
「リヴァイってさぁ、夜激しいの?」
「はっ!?」
食事を終えて紅茶を飲んでいる時だったので、一瞬のどに引っかかって噴きそうになった。
多少冷めててよかったよ! 熱かったら、完全に火傷コースだもん!
「昼間っから何! その質問は!?」
「あ。夜飲んでる時とかの方が良かった?」
「そういう意味じゃなくて。っていうか、分かってて言ってるでしょ、ソレ」
「これでも遠慮して、随分聞くの我慢してたんだけどなぁ」
「ずっと我慢しててよ……」
「でもさぁ。私がしなくても、友達にされそうじゃん!」
「……」
「ああ〜! その顔! もうすでにされたね?」
……図星だ。
友達と飲みに行って、みんないい感じに出来上がってきた時。結婚式からそんなに日が経ってなかったせいもあったと思う。「あの誓いのキスじゃねぇ〜」とニヤニヤされたしね……。
「言う訳ないでしょ。そんなの」
「言わないって事は激しいんだねー。うんうん。分かる!」
「違うかもしれないじゃん!」
「淡白って事? それは意外過ぎな気がして、逆に嘘っぽい~……」
「……何その包囲網。答えがどうにもなんない」
言わなくても、勝手に答えが決められてんじゃん!
「なんで。ハッキリ言っちゃえば楽になるよ〜? 逆に自慢しちゃえば?」
「そんなの自慢する事じゃないでしょ」
「愛されてる証拠だよ? 叔母としては安心要素になる!」
「他にもあんでしょ、要素はいくらでも。叔母さんがただ知りたいだけでしょうよ」
コーヒーを啜った後、叔母さんは「フフフ」と肩を震わせ眼鏡を光らせた。
「バレたかぁ」
「やっぱり!」
「フェリーチェだけじゃなく、リヴァイもからかえる話だって思ってさ」
「……リヴァイさんが黙ってからかわれると思うの? 怒られるよ?」
「いや! リヴァイなら、そうなったらケロッと暴露してくるね!」
「叔母さん……」
それならなんで私に聞いたの。
いやいや。直接リヴァイさんに聞かれても困るけどさ。
「リヴァイの場合はさ。本当か冗談か分かりづらいんだよねぇ。ホラ、あの顔にあの口調だろ?」
「……あぁ〜……」
「その点、フェリーチェは気持ちがダダ漏れるところがあるから」
何も言い返さず、紅茶を飲んでから叔母さんを見た。
ニコニコ笑ってる。
(気持ちがダダ漏れ……。そういえば、リヴァイさんにも言われた事あるなぁ……)
「……」
――両頬をつまんで伸ばしてみた。
どうだ! これで分からないでしょ!
「……フェリーチェ。あんた本当に可愛いコだねぇ」
「……」
「“激しく愛されてます”って言ってるようにしか見えない!」
「…………」
ぶはっ! と吹き出されてしまった。
(なんでぇぇ!!)
「普通です! って言ったんだけど!」
「なら、はじめからそう言えば良かったじゃ〜ん。ああ! もう! 本当素直なコだよ、フェリーチェってば!」
「!!」
そう言われてみればそうだった!
「……叔母さんのバカ! 何でそういう変なコト聞いてくんの! あと、エルヴィンさんとミケさんに言ったら、怒るよ!?」
目に涙をためて笑う叔母さんに猛抗議。
「わぁかってるって!」という言葉と一緒にメニューが差し出された。
「デザートも奢ったげるから、機嫌直してよ。ね?」
「一番高いの食べてやる!」
ここのデザートは、凝っている上に美味しいと評判だ。
お持ち帰りのケーキも奢ってよ!
叔母さんに言ったら、「はいはい! 了解」と満足な返事が返ってきた。
――全く! まだ笑ってるよ! もう!
「ハンジに何か言われたか?」
夕御飯の後片付けをしていると、リヴァイさんにそう言われた。
「え? なんで?」
リヴァイさんが洗った食器を拭いてた手を止め、横顔に首を傾げる。
食器を洗い終わったリヴァイさんは、すでに流し台もコンロ周りも綺麗にしていて、ふきんを洗ってた。
――さすが。掃除の手際が常人じゃない。
「帰ってきてから、やたら意識してんだろ」
「え!?……そ、そうかな…」
「分かり易い奴だな」
私がボケッとしてる間に、残ってたお皿も拭かれてて食器棚に全部戻されてた。
あれ? 持ってたお皿まで無い!? いつの間に!?
「まあ、何を言われたか、大方想像はつくが」
「ついちゃうんですか!?」
「そりゃつくだろ」
頭を撫でられ、そのまま引き寄せられた。リヴァイさんの唇が、一瞬私の唇に触れる。
(!!)
あっと思い、つい身体を引いたのは、叔母さんの言葉を思い出したからだ。
と、すかさずリヴァイさんの腕が腰に回った。
「さっきも同じ反応をした」
「っ……だってね、」
「今度似た事を言われたら、こう返してやれ」
また唇が触れる。でも今度はすぐに離して貰えない。
口内に滑り込んできた舌は歯列をなぞり、舌先に触れてくるそれが「応えろ」と促してくる。素直に応じて絡ませると、呼吸の度にお互いから吐息が漏れた。力が抜ける――。
「休前日の夜は、くたばるまで寝かせてもらえねぇってな」
「え! それを!?」
「別に大嘘は吐いてない。大して変わらねぇだろうが」
「いやいやいや…! 嘘じゃなくても嘘でも言えないでしょ!」
「言っても言わなくても、お前の顔でバレるんだ。だったら少しくらい大袈裟に言ってやれ」
「叔母さんとの会話聞いてたみたいですね……まるで」
くっと喉で笑ったリヴァイさんは、「まあな」と呟いた。
「フェリーチェが、顔も身体もバカ正直だからだろ」
「なんだそれっ!」
えいっ! と、リヴァイさんのお腹に割と本気なパンチを繰り出すも、当然きくわけもなく。
今度はそこをさすって溜息。
「リヴァイさんの腹筋ってどうなってんの?」
「そんなに気になるなら後でいくらでも触らせてやるぞ。お前、いつも遠慮して俺のモノなかなか触らねぇしな」
「……腹筋……」
「………チッ」
「何故に舌打ち!?」
「先が長い――」
リヴァイさんは、私の肩に頭を乗せてボソッと呟いた。
「いつになったら喜んで咥えるようにな」
「ああ! そういえば、明日は第三土曜日ですねっ!! 新人研修の日!」
(またとんでもない事言い出した!)
話を無理矢理変える。
「……フェリーチェ」
「つ、月一の新人研修って何するんですか?」
「……開始時間はいつも遅い。朝はゆっくり出来る――」
「け、研修の内容を聞いてんです……ちょっとリヴァイさんっ! ここキッチン!」
「だな」
「だな、じゃない!」
太腿を撫でながらスカートの中に滑り込んできた掌と指先が際どいラインをスっとなぞった。首筋にはぬるく湿った吐息。それだけで声が出そうになる自分。
「んっ——」
期待してない、期待してないから! と頭の中で騒ぎながら大慌てでリヴァイさんの手を掴む。
すると「そうか」と珍しくリヴァイさんが引いた。あれ?
「なら、とっとと風呂に行くぞ」
ちょっと!? だから素直に引いたんですか!
「あの~リヴァイさん?」
腕を掴まれ廊下を行く間に声をかけると、ピタリと止まったリヴァイさんは振り向いて、眉根を寄せた。
「嫌なのか」
「ううん。そうじゃなくて。あのね……研修の内容、気になるなぁって」
実は、初めて聞いた時から気になってはいた。わざわざ休日出勤までしての新人研修って何? って。
「掃除だ」
「……え? 掃除?」
「新人研修の基本だろ」
「……」
大真面目な顔のリヴァイさんに、私はゆっくりと首を振る。
「聞いたことないです。そんな基本……」
清掃会社じゃないんだから。
(潔癖症の社長がいる会社に入った運命か――)
披露宴で会った三人の新人さん達に、コッソリ同情してしまう。
あの綺麗なオフィスを思い出して……苦笑いが出た私だった。
(休憩時間におやつの差し入れでもしてあげようかな?)
だって、リヴァイさんの事だもん。掃除じゃ……。
きっとどの研修よりもスパルタ指導だ――。
その質問は突然降ってきた。
ハンジ叔母さんとランチをしている時だ。
でもまぁ、考えれば、結婚してからこの手の質問を叔母さんがしてこなかった方が、不思議といえば不思議なんだけど……。
されなくて安心してる内に、その事をすっかり失念していたから「うおっ!?」ってなったのもある。
「ねぇ、フェリーチェ」
「ん?」
「リヴァイってさぁ、夜激しいの?」
「はっ!?」
食事を終えて紅茶を飲んでいる時だったので、一瞬のどに引っかかって噴きそうになった。
多少冷めててよかったよ! 熱かったら、完全に火傷コースだもん!
「昼間っから何! その質問は!?」
「あ。夜飲んでる時とかの方が良かった?」
「そういう意味じゃなくて。っていうか、分かってて言ってるでしょ、ソレ」
「これでも遠慮して、随分聞くの我慢してたんだけどなぁ」
「ずっと我慢しててよ……」
「でもさぁ。私がしなくても、友達にされそうじゃん!」
「……」
「ああ〜! その顔! もうすでにされたね?」
……図星だ。
友達と飲みに行って、みんないい感じに出来上がってきた時。結婚式からそんなに日が経ってなかったせいもあったと思う。「あの誓いのキスじゃねぇ〜」とニヤニヤされたしね……。
「言う訳ないでしょ。そんなの」
「言わないって事は激しいんだねー。うんうん。分かる!」
「違うかもしれないじゃん!」
「淡白って事? それは意外過ぎな気がして、逆に嘘っぽい~……」
「……何その包囲網。答えがどうにもなんない」
言わなくても、勝手に答えが決められてんじゃん!
「なんで。ハッキリ言っちゃえば楽になるよ〜? 逆に自慢しちゃえば?」
「そんなの自慢する事じゃないでしょ」
「愛されてる証拠だよ? 叔母としては安心要素になる!」
「他にもあんでしょ、要素はいくらでも。叔母さんがただ知りたいだけでしょうよ」
コーヒーを啜った後、叔母さんは「フフフ」と肩を震わせ眼鏡を光らせた。
「バレたかぁ」
「やっぱり!」
「フェリーチェだけじゃなく、リヴァイもからかえる話だって思ってさ」
「……リヴァイさんが黙ってからかわれると思うの? 怒られるよ?」
「いや! リヴァイなら、そうなったらケロッと暴露してくるね!」
「叔母さん……」
それならなんで私に聞いたの。
いやいや。直接リヴァイさんに聞かれても困るけどさ。
「リヴァイの場合はさ。本当か冗談か分かりづらいんだよねぇ。ホラ、あの顔にあの口調だろ?」
「……あぁ〜……」
「その点、フェリーチェは気持ちがダダ漏れるところがあるから」
何も言い返さず、紅茶を飲んでから叔母さんを見た。
ニコニコ笑ってる。
(気持ちがダダ漏れ……。そういえば、リヴァイさんにも言われた事あるなぁ……)
「……」
――両頬をつまんで伸ばしてみた。
どうだ! これで分からないでしょ!
「……フェリーチェ。あんた本当に可愛いコだねぇ」
「……」
「“激しく愛されてます”って言ってるようにしか見えない!」
「…………」
ぶはっ! と吹き出されてしまった。
(なんでぇぇ!!)
「普通です! って言ったんだけど!」
「なら、はじめからそう言えば良かったじゃ〜ん。ああ! もう! 本当素直なコだよ、フェリーチェってば!」
「!!」
そう言われてみればそうだった!
「……叔母さんのバカ! 何でそういう変なコト聞いてくんの! あと、エルヴィンさんとミケさんに言ったら、怒るよ!?」
目に涙をためて笑う叔母さんに猛抗議。
「わぁかってるって!」という言葉と一緒にメニューが差し出された。
「デザートも奢ったげるから、機嫌直してよ。ね?」
「一番高いの食べてやる!」
ここのデザートは、凝っている上に美味しいと評判だ。
お持ち帰りのケーキも奢ってよ!
叔母さんに言ったら、「はいはい! 了解」と満足な返事が返ってきた。
――全く! まだ笑ってるよ! もう!
「ハンジに何か言われたか?」
夕御飯の後片付けをしていると、リヴァイさんにそう言われた。
「え? なんで?」
リヴァイさんが洗った食器を拭いてた手を止め、横顔に首を傾げる。
食器を洗い終わったリヴァイさんは、すでに流し台もコンロ周りも綺麗にしていて、ふきんを洗ってた。
――さすが。掃除の手際が常人じゃない。
「帰ってきてから、やたら意識してんだろ」
「え!?……そ、そうかな…」
「分かり易い奴だな」
私がボケッとしてる間に、残ってたお皿も拭かれてて食器棚に全部戻されてた。
あれ? 持ってたお皿まで無い!? いつの間に!?
「まあ、何を言われたか、大方想像はつくが」
「ついちゃうんですか!?」
「そりゃつくだろ」
頭を撫でられ、そのまま引き寄せられた。リヴァイさんの唇が、一瞬私の唇に触れる。
(!!)
あっと思い、つい身体を引いたのは、叔母さんの言葉を思い出したからだ。
と、すかさずリヴァイさんの腕が腰に回った。
「さっきも同じ反応をした」
「っ……だってね、」
「今度似た事を言われたら、こう返してやれ」
また唇が触れる。でも今度はすぐに離して貰えない。
口内に滑り込んできた舌は歯列をなぞり、舌先に触れてくるそれが「応えろ」と促してくる。素直に応じて絡ませると、呼吸の度にお互いから吐息が漏れた。力が抜ける――。
「休前日の夜は、くたばるまで寝かせてもらえねぇってな」
「え! それを!?」
「別に大嘘は吐いてない。大して変わらねぇだろうが」
「いやいやいや…! 嘘じゃなくても嘘でも言えないでしょ!」
「言っても言わなくても、お前の顔でバレるんだ。だったら少しくらい大袈裟に言ってやれ」
「叔母さんとの会話聞いてたみたいですね……まるで」
くっと喉で笑ったリヴァイさんは、「まあな」と呟いた。
「フェリーチェが、顔も身体もバカ正直だからだろ」
「なんだそれっ!」
えいっ! と、リヴァイさんのお腹に割と本気なパンチを繰り出すも、当然きくわけもなく。
今度はそこをさすって溜息。
「リヴァイさんの腹筋ってどうなってんの?」
「そんなに気になるなら後でいくらでも触らせてやるぞ。お前、いつも遠慮して俺のモノなかなか触らねぇしな」
「……腹筋……」
「………チッ」
「何故に舌打ち!?」
「先が長い――」
リヴァイさんは、私の肩に頭を乗せてボソッと呟いた。
「いつになったら喜んで咥えるようにな」
「ああ! そういえば、明日は第三土曜日ですねっ!! 新人研修の日!」
(またとんでもない事言い出した!)
話を無理矢理変える。
「……フェリーチェ」
「つ、月一の新人研修って何するんですか?」
「……開始時間はいつも遅い。朝はゆっくり出来る――」
「け、研修の内容を聞いてんです……ちょっとリヴァイさんっ! ここキッチン!」
「だな」
「だな、じゃない!」
太腿を撫でながらスカートの中に滑り込んできた掌と指先が際どいラインをスっとなぞった。首筋にはぬるく湿った吐息。それだけで声が出そうになる自分。
「んっ——」
期待してない、期待してないから! と頭の中で騒ぎながら大慌てでリヴァイさんの手を掴む。
すると「そうか」と珍しくリヴァイさんが引いた。あれ?
「なら、とっとと風呂に行くぞ」
ちょっと!? だから素直に引いたんですか!
「あの~リヴァイさん?」
腕を掴まれ廊下を行く間に声をかけると、ピタリと止まったリヴァイさんは振り向いて、眉根を寄せた。
「嫌なのか」
「ううん。そうじゃなくて。あのね……研修の内容、気になるなぁって」
実は、初めて聞いた時から気になってはいた。わざわざ休日出勤までしての新人研修って何? って。
「掃除だ」
「……え? 掃除?」
「新人研修の基本だろ」
「……」
大真面目な顔のリヴァイさんに、私はゆっくりと首を振る。
「聞いたことないです。そんな基本……」
清掃会社じゃないんだから。
(潔癖症の社長がいる会社に入った運命か――)
披露宴で会った三人の新人さん達に、コッソリ同情してしまう。
あの綺麗なオフィスを思い出して……苦笑いが出た私だった。
(休憩時間におやつの差し入れでもしてあげようかな?)
だって、リヴァイさんの事だもん。掃除じゃ……。
きっとどの研修よりもスパルタ指導だ――。