la felicità
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『大人しく邪魔』
特に急ぎではなかったが「まぁ、早目に片付けておくか」と、部屋に仕事を持ち帰ったのは、俺にしては珍しい事だった。
ソファーで紅茶でも飲みながら資料をじっくりと読み、提出書類のまとめでも……というのも、たまには悪くない。そう考えたのだ。
――が、
(失敗した……)
資料をしばらく読み進めたところで思う。
隣に座る今日のフェリーチェは想定外だ。いつもなら静かに本を読んでいるのに、今日に限ってその手に本が無い。
集中の元が無ければ黙っている理由も無い訳で、フェリーチェはさっきからずっと一人で喋り続けていた……。
「――で、リヴァイさん……。それいつ終わりますか? リヴァイさんの仕事が順調に進むのは私も助かるんですが、今の私的には一緒にいるのに独り言状態ってのが少しふくざ」
「フェリーチェ。しばらくその口塞いで大人しくしてろ。資料内容が頭に入ってきやしねぇ」
「……ごめんなさい………邪魔です…よね……」
ぼそりと低い声。
資料から目を上げフェリーチェを見れば、しゅん…としてる横顔があった。淋しそうな瞳が膝を見つめている。
(…………)
――その顔には弱い……。
「邪魔だとは言ってない……。大人しくしてろと言ったんだ。これが終わったらかまってやるから、しばらく静かにしててくれ」
頭を引き寄せ額に口付ける。
「分かったな」と念を押すと、フェリーチェはこくりと頷いた。
「大人しくしてます。でも、なるべく早く終わらせてくださいね」
「あぁ……」
ほわん、と笑う顔に煽られ長いキスを。
唇を離した後、フェリーチェは頬を染めながら言った。
「……くっついてるのは、いいですか?」
「大人しくしてるならな」
もう一度念を押し、資料に目を戻す。
――が、
「…………」
片腕が一本使い物にならなくなった。これでは、資料は読めても作業は無理だ。
(おい。確かに良いとは言ったが……)
腕に引っ付くな。これじゃ何も出来ねぇだろうが。
……重く溜息。
注意するか…と再び横を見る。
と、やたら幸せそうな顔で大人しくしてるフェリーチェが――。
「フェリーチェ」
「はい。あれ?」
資料をテーブルに放る。
(クソッ……)
フェリーチェが、腕にくっついたまま俺の顔を覗き込んできた。
「いいんですか? 仕事……」
「そんな顔見ちまったら、無理に決まってる」
「ぉわっ!」
抱き締めて、そのままソファーに押し倒した。
どうせ急ぎの仕事じゃない。明日に回しても全く問題ない案件だ。
むしろ問題となるのは、明日までにコイツを離す事が出来るかどうか……という事だろう――。
《Illustrator:ロッカさん(X @rocka_by)》
特に急ぎではなかったが「まぁ、早目に片付けておくか」と、部屋に仕事を持ち帰ったのは、俺にしては珍しい事だった。
ソファーで紅茶でも飲みながら資料をじっくりと読み、提出書類のまとめでも……というのも、たまには悪くない。そう考えたのだ。
――が、
(失敗した……)
資料をしばらく読み進めたところで思う。
隣に座る今日のフェリーチェは想定外だ。いつもなら静かに本を読んでいるのに、今日に限ってその手に本が無い。
集中の元が無ければ黙っている理由も無い訳で、フェリーチェはさっきからずっと一人で喋り続けていた……。
「――で、リヴァイさん……。それいつ終わりますか? リヴァイさんの仕事が順調に進むのは私も助かるんですが、今の私的には一緒にいるのに独り言状態ってのが少しふくざ」
「フェリーチェ。しばらくその口塞いで大人しくしてろ。資料内容が頭に入ってきやしねぇ」
「……ごめんなさい………邪魔です…よね……」
ぼそりと低い声。
資料から目を上げフェリーチェを見れば、しゅん…としてる横顔があった。淋しそうな瞳が膝を見つめている。
(…………)
――その顔には弱い……。
「邪魔だとは言ってない……。大人しくしてろと言ったんだ。これが終わったらかまってやるから、しばらく静かにしててくれ」
頭を引き寄せ額に口付ける。
「分かったな」と念を押すと、フェリーチェはこくりと頷いた。
「大人しくしてます。でも、なるべく早く終わらせてくださいね」
「あぁ……」
ほわん、と笑う顔に煽られ長いキスを。
唇を離した後、フェリーチェは頬を染めながら言った。
「……くっついてるのは、いいですか?」
「大人しくしてるならな」
もう一度念を押し、資料に目を戻す。
――が、
「…………」
片腕が一本使い物にならなくなった。これでは、資料は読めても作業は無理だ。
(おい。確かに良いとは言ったが……)
腕に引っ付くな。これじゃ何も出来ねぇだろうが。
……重く溜息。
注意するか…と再び横を見る。
と、やたら幸せそうな顔で大人しくしてるフェリーチェが――。
「フェリーチェ」
「はい。あれ?」
資料をテーブルに放る。
(クソッ……)
フェリーチェが、腕にくっついたまま俺の顔を覗き込んできた。
「いいんですか? 仕事……」
「そんな顔見ちまったら、無理に決まってる」
「ぉわっ!」
抱き締めて、そのままソファーに押し倒した。
どうせ急ぎの仕事じゃない。明日に回しても全く問題ない案件だ。
むしろ問題となるのは、明日までにコイツを離す事が出来るかどうか……という事だろう――。
《Illustrator:ロッカさん(X @rocka_by)》
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