星の綺麗な夜だから《番外編》
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ほうっ……と感嘆の溜息で夜空を見上げた。
――そこには満点の星。
「すごいなぁ」
と、空を仰ぎながら思わず独り言が出る。
(え! 今、流れ星が……っ)
スッと流れた光を追った。――までは良かったんだけど、頭を倒し過ぎたみたい。バランスを崩しそのまま後ろに引っくり返る。
(良かったぁ。屋上の固い地面じゃなくて)
私を受け止めてくれたのは、庭のふかふかの芝生だった――。
「何ひとりで遊んでる」
「……あ。リヴァイさん」
仰向けになった視線の先にリヴァイさんがいた。
――いつからいたんだろう? 全然気付かなかった。
「遊んでないですよ。のんびり天体観測してました」
「それが遊んでるって言うんだろ。――ったく……こんな時間こんな所に一人でいるんじゃねぇよ。いつどんなヤツが来るか分からない。襲われてもしらねぇぞ」
「リヴァイさんが来ました。襲わないでくださいね」
「………」
――あれ? 沈黙長いな。
「ね! リヴァイさんも見ましょう? 星、綺麗ですよ! 楽しいですよ!」
「明日は、朝っぱらから訓練と掃除だ。お前も知ってるだろうが」
「え〜。たまには夜空を見上げるのもいいかなって思ったんですけど。でも、朝早いなら仕方ないですね……」
寝っ転がったまま言った。
よく考えれば、この体勢の方が空を見やすいんだったな。
「……リヴァイさん」
私の顔を覗くリヴァイさんに「おやすみなさい。また明日」と言わなきゃと思ったのに、どういう訳かその言葉が出てこない。
何でだろう?
笑おうとした顔も、頬が固くなって動かない。
「えっと……」
「……。長居はしねぇぞ。クソッ、真っすぐ部屋に戻るはずが、庭とお前の部屋経由でとんだ遠回りだ」
はぁっと溜息を吐きつつも、リヴァイさんは私の横に座る。
(あ。部屋まで送ってくれるんだ)
「じゃあ、早く切り上げなきゃなぁ」
嬉しいような、勿体無いような。
こういう時って、何て言えばいいんだろう。
――そう思いながら出た、呟き。
「それなりには……付き合ってやる」
「え?」
リヴァイさんは、私の呟きに呟きで返してくれた。
空を眺めるのを中断して隣を見る。と、リヴァイさんは私を見ていた。……なんで?
「見ないんですか? 星」
「付き合うとは言ったが、星を見て楽しむとは言ってない。今なら、むしろお前のツラ見てる方が面白そうだ」
「いえ、見てくださいよ星」
「どうしてだ?」
「どうしてって……なんか緊張するし」
リヴァイさんの視線は真っすぐだから、結構刺さってくるんですよね。
この距離だと余計に。
「ポカンと口開けて空見てる奴が、緊張なんかするのかよ」
「そうじゃなくてですね」
「なんだ」
「リヴァイさんに見られてると、緊張するし……恥ずかしいんです。なんか……」
分かんないんですけどっ!
私が言うと、リヴァイさんは「ほう……」と目を細めた。
「なら、存分に恥ずかしがれ。さらに面白いモンが見れそうだ」
「え……。いや、だから! 見てください星っ! 私はいいからっ」
もうっ! と起き上がって訴えると、リヴァイさんの手がスッと伸びてくる。
頭をくしゃっと撫でられ、そして、ぐっと額を押されて――。
またバランスを崩して引っくり返る私。
「………ちょっと、リヴァイさん」
「いいからお前は天体観測してろ」
どこか楽しげな声が隣から聞こえてきた。
はぁ、と今度は私が溜息を吐く番だ。
「長居する羽目になっても知りませんからね」
「まぁ……そうなったら、天体観測に付き合うしかねぇな」
「えっ本当ですか! じゃあ、存分に星空楽しみますっ」
「……勝手にしろ」
呆れ声のリヴァイさんが、ボソッと呟く。
視線を空から横に向けると、リヴァイさんはやっぱり私を見ていた。
だから、星見ましょうって言ってるのに!
「楽しいですよ? 星見るの…」
不意を突く様に、勢いよく人差し指を空に。
リヴァイさんは条件反射なんだと思う——私の指につられて、パッと上を見た。
「………」
「ね?」
「俺で遊ぶな」
眉間に皺。目を閉じて溜息。その顔は空に向いたままだ。
「一緒に見ましょうよ」
「…………少しだけだぞ」
ゆっくり目を開けたリヴァイさんは、チラリと私を見て「面倒臭ぇ奴だ…」と低く呟く。でも、なんだかんだ言いつつも付き合ってくれるみたいだ。
(良かった――)
「リヴァイさんは、口開けて空見ないんですか?」
「見るかアホ。お前と一緒にするな」
「私だって開けませんって!」
そんなやり取りにも、ちょっと嬉しい気持ちになる。
今度は自然と笑顔になれた――。
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