Episode.3-7
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──夢でも見ているの?
そう言えたらどんなに良かったか
呆然とソレを見上げる私の内で、焼け落ちたはずの大紫は──羽を広げてしまった
「──死にゆく呻き、華のよう
開け根の国、根のやしろ……」
自身が放ったとは思えない程の、淀んだ声
その瞬間、棘岩が蕾のように先端を膨らませ──
一気にソレが開いた
花が開くように、ソレは広がり続け
そうして関ヶ原の足元から、無数の棘岩が天を衝くように現れた
兵たちがもれなく吹っ飛ばされるのが見えたけれど、構っているだけの余裕はない
真ん中にある棘岩の中央で瘴気が渦巻き──その中から、存在してはならないモノが、産声を上げた
おどろおどろしい咆哮が響き渡って、開いた岩の上に、そいつが──
「我ェ、覚醒 め再誕 れりィィ……!
合切を供し額を沈めぇぇい!」
足元から伸びてきた棘岩に乗り上げ、そのまま上へと上っていく
私たちのすぐ後ろの棘岩には、片倉様が乗っていた
片倉様もご無事だったみたいだ……
「無事か」
「は、い
なんとか……」
藤次郎様に掴まって、どうにか立ってはいるけれど……
……まさか本当に、魔王の因縁が、呪いとなって私に纏わりついていたなんて
「寿げぇぇい!
愚き欲のォォ、眷族ゥゥア!」
魔王の持つ銃が火を噴き、兵士たちが飛び散っていく
そして足元では魔の手が獲物を喰らい尽くして
……なに、これ、何が起きているの?
「第六天魔王……!」
「織田信長、なのか……!?」
「久々のお出ましじゃねぇか」
「幸村、慶次殿……ご無事で……!」
「綾葉殿!
いかがなされたのでござる!?」
「怪我してるのかい!?
今の綾葉じゃ、魔王の相手は無茶だ!」
怪我ではない
頬の傷程度ではこうなるはずもないのだ
恐らく……いえ、確実に……
「私は、今……魔王に、喚ばれています……」
「なんだって!?」
「蝮の呪縛が……大紫が、羽を広げました……
抗う、つもりですが……藤次郎様
もし私が、魔王に屈した、その時は──介錯を」
藤次郎様の瞳が一瞬だけ……恐怖に揺れた
けれどその視線はすぐに私から逸らされ、是非を答える代わりに、目を覚ましていた家康殿と石田三成へと向けられた
「誰の企みか知らねぇが、アンタらはこのsurprise partyのダシに使われたらしいな」
「すべてはこのためだったということか……」
押さえ続ける右腕の下で、焼いて消した蝶が胎動するかのように、脈を打っている
本能は今すぐにでもあの男に頭を垂れ、第六天魔王を崇めようとしてくる
それに耐えていられるのも、あとどのくらいなのか
介錯を藤次郎様にお任せしたとはいえ……これ以上、藤次郎様が身内を手に掛けるようなことは、させたくない
「者々よ!
世に宴し勤めを果たせぇぇぇい!!」
魔王の掲げた銃に熱量が溜まり、放たれる
それは我々の想像を超えた威力で全てを薙ぎ払った
「ぐぁッ……!」
「きゃ……っ」
私を庇うように抱き締めて、藤次郎様が棘岩に叩き付けられる
耳元で藤次郎様の呻く声が聞こえた
「たまげた力だね……」
「かつての比ではござらぬ……」
二年前、魔王と戦った私たちはなおさら、奴の異常さに気付いている
有り得ない……これは、人が持てる力ではない……!
「と、藤次郎様……」
「……呑まれるなよ……」
懸命に呼吸を整えながら、藤次郎様が呟く
石田三成との戦いで負った傷のせいで、藤次郎様は満身創痍……
なのにその左眼に宿る光だけは、鋭さを増している
「俺は……お前の介錯なんざ、御免だ……
テメェの手で、魔王の因縁を断ち切れ」
「……!」
「あの野郎はテメェら美稜の仇だ……
お前は、あの魔王の首を獲るために、戦ってきたんだろう
いいように使われて、それで終わるような、安いprideなのか……!」
「……いえ、いいえ
違います──美稜の魂は、死んでなどいません……!」
立ち上がらなければ……!
私は、美稜綾葉
第六天魔王・織田信長に引導を渡すため、戦うことを選んだ者だ……!
「やめ、ろ……」
私よりも先に立ち上がったのは、石田三成
ふらつく足で、それでも居合の構えをとっている
藤次郎様に負わされた傷で、立つことすら難しいだろうに……
「貴様の蛮行を断じて許可しない……!
これでは、秀吉様が統べようとした世が、滅んでしまう!
秀吉様の夢を……半兵衛様の希望を……
貴様などに、消させはしない!!」
石田三成が真正面から突っ込んだ、その眼前に、銃口は向けられていた
絶叫と共にその身体は炎に包まれて、爆発の中で踊らされる
巻き添えを避けるために避けた──この機会を、逃してはならない!
「卑しき猿と故無きその尾よ……
脆き魂となりて、悠久眺むる価値もなし!」
「ぐぉぁぁあああ!!」
石田三成が遥か後方の棘岩へと叩き付けられる
この化け物……どこまで人間を辞めたら気が済むのよ!
二丁銃を握る手が震える
視界の端に大紫がひらりと舞った
「力に溺れし野猿を崇めるなど、愚の極み!
……ぬぅ!?」
「ハァッ!!」
石田三成に気を取られた魔王の頭上から、藤次郎様が六爪を振り下ろす
片手の一刀で軽々と弾いた、その隙を片倉様が突いて、強烈なひと振りを繰り出した
「堕ちろ!!」
魔王へ向けて放った銃弾が、マントのひと薙ぎで全て防がれた
魔王の頭上から、今度は佐助の大手裏剣、そして炎が滾る幸村の二槍
大手裏剣を弾き、二槍を受け止めて押し返した魔王へ、家康殿の拳が地を走り、慶次殿の超刀から桜吹雪が押し寄せる
「無用共がァァァッ!!」
魔王の外套が翻った瞬間、お二人の攻撃も弾かれ、私たちは再び背後の棘岩へと吹っ飛ばされた
「う、ぁ……」
……強い
二年前とは比べ物にならない……
もはやあれは人にあらず
正真正銘の、第六天魔王──!
そう言えたらどんなに良かったか
呆然とソレを見上げる私の内で、焼け落ちたはずの大紫は──羽を広げてしまった
「──死にゆく呻き、華のよう
開け根の国、根のやしろ……」
自身が放ったとは思えない程の、淀んだ声
その瞬間、棘岩が蕾のように先端を膨らませ──
一気にソレが開いた
花が開くように、ソレは広がり続け
そうして関ヶ原の足元から、無数の棘岩が天を衝くように現れた
兵たちがもれなく吹っ飛ばされるのが見えたけれど、構っているだけの余裕はない
真ん中にある棘岩の中央で瘴気が渦巻き──その中から、存在してはならないモノが、産声を上げた
おどろおどろしい咆哮が響き渡って、開いた岩の上に、そいつが──
「我ェ、
合切を供し額を沈めぇぇい!」
足元から伸びてきた棘岩に乗り上げ、そのまま上へと上っていく
私たちのすぐ後ろの棘岩には、片倉様が乗っていた
片倉様もご無事だったみたいだ……
「無事か」
「は、い
なんとか……」
藤次郎様に掴まって、どうにか立ってはいるけれど……
……まさか本当に、魔王の因縁が、呪いとなって私に纏わりついていたなんて
「寿げぇぇい!
愚き欲のォォ、眷族ゥゥア!」
魔王の持つ銃が火を噴き、兵士たちが飛び散っていく
そして足元では魔の手が獲物を喰らい尽くして
……なに、これ、何が起きているの?
「第六天魔王……!」
「織田信長、なのか……!?」
「久々のお出ましじゃねぇか」
「幸村、慶次殿……ご無事で……!」
「綾葉殿!
いかがなされたのでござる!?」
「怪我してるのかい!?
今の綾葉じゃ、魔王の相手は無茶だ!」
怪我ではない
頬の傷程度ではこうなるはずもないのだ
恐らく……いえ、確実に……
「私は、今……魔王に、喚ばれています……」
「なんだって!?」
「蝮の呪縛が……大紫が、羽を広げました……
抗う、つもりですが……藤次郎様
もし私が、魔王に屈した、その時は──介錯を」
藤次郎様の瞳が一瞬だけ……恐怖に揺れた
けれどその視線はすぐに私から逸らされ、是非を答える代わりに、目を覚ましていた家康殿と石田三成へと向けられた
「誰の企みか知らねぇが、アンタらはこのsurprise partyのダシに使われたらしいな」
「すべてはこのためだったということか……」
押さえ続ける右腕の下で、焼いて消した蝶が胎動するかのように、脈を打っている
本能は今すぐにでもあの男に頭を垂れ、第六天魔王を崇めようとしてくる
それに耐えていられるのも、あとどのくらいなのか
介錯を藤次郎様にお任せしたとはいえ……これ以上、藤次郎様が身内を手に掛けるようなことは、させたくない
「者々よ!
世に宴し勤めを果たせぇぇぇい!!」
魔王の掲げた銃に熱量が溜まり、放たれる
それは我々の想像を超えた威力で全てを薙ぎ払った
「ぐぁッ……!」
「きゃ……っ」
私を庇うように抱き締めて、藤次郎様が棘岩に叩き付けられる
耳元で藤次郎様の呻く声が聞こえた
「たまげた力だね……」
「かつての比ではござらぬ……」
二年前、魔王と戦った私たちはなおさら、奴の異常さに気付いている
有り得ない……これは、人が持てる力ではない……!
「と、藤次郎様……」
「……呑まれるなよ……」
懸命に呼吸を整えながら、藤次郎様が呟く
石田三成との戦いで負った傷のせいで、藤次郎様は満身創痍……
なのにその左眼に宿る光だけは、鋭さを増している
「俺は……お前の介錯なんざ、御免だ……
テメェの手で、魔王の因縁を断ち切れ」
「……!」
「あの野郎はテメェら美稜の仇だ……
お前は、あの魔王の首を獲るために、戦ってきたんだろう
いいように使われて、それで終わるような、安いprideなのか……!」
「……いえ、いいえ
違います──美稜の魂は、死んでなどいません……!」
立ち上がらなければ……!
私は、美稜綾葉
第六天魔王・織田信長に引導を渡すため、戦うことを選んだ者だ……!
「やめ、ろ……」
私よりも先に立ち上がったのは、石田三成
ふらつく足で、それでも居合の構えをとっている
藤次郎様に負わされた傷で、立つことすら難しいだろうに……
「貴様の蛮行を断じて許可しない……!
これでは、秀吉様が統べようとした世が、滅んでしまう!
秀吉様の夢を……半兵衛様の希望を……
貴様などに、消させはしない!!」
石田三成が真正面から突っ込んだ、その眼前に、銃口は向けられていた
絶叫と共にその身体は炎に包まれて、爆発の中で踊らされる
巻き添えを避けるために避けた──この機会を、逃してはならない!
「卑しき猿と故無きその尾よ……
脆き魂となりて、悠久眺むる価値もなし!」
「ぐぉぁぁあああ!!」
石田三成が遥か後方の棘岩へと叩き付けられる
この化け物……どこまで人間を辞めたら気が済むのよ!
二丁銃を握る手が震える
視界の端に大紫がひらりと舞った
「力に溺れし野猿を崇めるなど、愚の極み!
……ぬぅ!?」
「ハァッ!!」
石田三成に気を取られた魔王の頭上から、藤次郎様が六爪を振り下ろす
片手の一刀で軽々と弾いた、その隙を片倉様が突いて、強烈なひと振りを繰り出した
「堕ちろ!!」
魔王へ向けて放った銃弾が、マントのひと薙ぎで全て防がれた
魔王の頭上から、今度は佐助の大手裏剣、そして炎が滾る幸村の二槍
大手裏剣を弾き、二槍を受け止めて押し返した魔王へ、家康殿の拳が地を走り、慶次殿の超刀から桜吹雪が押し寄せる
「無用共がァァァッ!!」
魔王の外套が翻った瞬間、お二人の攻撃も弾かれ、私たちは再び背後の棘岩へと吹っ飛ばされた
「う、ぁ……」
……強い
二年前とは比べ物にならない……
もはやあれは人にあらず
正真正銘の、第六天魔王──!
