Episode.3-4
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政宗様の背後へと私たち、そしてあの四人が近づいて行けば、武田軍も幸村の後ろへと戻ってくる
今回は慶次殿に助けられてしまった
あとで礼を言わなくては
「貴殿は……?」
「俺は前田慶次」
「キキッ!」
「こいつは夢吉」
慶次殿の胸元から、二年前にも見た子猿が顔を出した
夢吉も元気にしていたみたいで安心だ
「あんたが、独眼竜にいつもいい顔をさせてる、甲斐の真田幸村
そうだろ?」
「え……」
「どうだい?
いま天下に立ち込めているモヤモヤが綺麗に晴れるまで、ひとつこの勝負、俺に預けちゃくれないか?」
残りの伊達軍も私たちの後ろへと戻ってきた
政宗様もまさか、ここまでされて我を通すほどではない
慶次殿を見つめていた政宗様は、ややあって、ふ、と肩で笑った
「そうだったな
俺にとって、アンタは常にgoalだ
そいつを忘れるところだったぜ
礼を言っとくぜ、優男」
政宗様はそう言って六爪を納めた
幸村も既に槍を下ろし、戦いの意思はないと示している
「なんと歯切れ良く、清々しき御仁……
お預け致そう、前田殿!」
さて、これで一応、この場は収まったけれど
片倉様が馬を降りて、政宗様へと近付く
「政宗様」
片倉様が差し出したのは、私が預けていた、政宗様宛ての文
それを受け取った政宗様が、裏の差出人の名前を見て、隣にやってきた幸村へ尋ねた
「あんたの言っていた手紙か」
幸村が無言で頷く
あの手紙、たしかにあとでそっと匂いを嗅いだら、ちょっと鍋の匂いがしたのよね
怪しさがなお一層高まる手紙になってしまったのだけれど、政宗様にお渡しして良かったのかしら……
「読む必要は無さそうだ
関ヶ原へ行きゃあ、今何が起きてやがるのか、誰が何のためにやってやがるのか、全部わかるって寸法だろう」
ポイ、と放り投げられた手紙を、片倉様が取り落としそうになりながら、どうにか受け取った
……石田三成を倒すために出陣したけれど、やはり目的地は関ヶ原であるらしい
本当の差出人が誰であれ──この手紙を書いた人物は、関ヶ原で我々を待っているのだから
「ああ、たぶんな
家康も、今頃は西国を巡っている長曾我部元親も、駆け付けるはずだ」
「ド派手なpartyになりそうじゃねぇか
石田の野郎が首魁なら、そのど真ん中でカタをつけられるってわけだ」
「……筆頭!」
馬を降りた四人が、例の桐箱を手に、政宗様の前へと進み出た
文七郎の声に反応した政宗様が、そちらを見やる
「これ……」
孫兵衛の持った桐箱の蓋を、文七郎の手が開けた
そこに収められたものを見て、政宗様が「なんだ、こいつは?」と呟くように問うた
「筆頭に使ってもらおうって、伊達軍みんなで話し合いやした」
「筆頭、怒るかもしれませんけど……
片倉様に許しをもらって、急いで造ったんです」
「なかなか鍛冶屋のじっちゃんがお墨付きをくれなくて、遅くなっちまいやしたけど……」
「石田との戦いに、こいつを……!」
政宗様の厳しい眼差しは、桐箱の中身に注がれたまま
四人は怒られることも覚悟の上でやっていたようだけれど、私から言わせれば、こんなことで政宗様は怒ったりなさらない
このお方は、ご自身を思っての行動に、文句を言うような人じゃないもの
「凶王、石田三成……
それほどに強いのでござるか……!」
「「筆頭!!」」
私たちの背後にいた兵士たちも次々に馬を降り、政宗様へ声をかける
受け取ってください、と口々に伝えられてもなお手を伸ばさない政宗様へ、片倉様が静かに進み出た
「政宗様──
政宗様のお命は、奥州全員の命です!」
兵たちの熱い眼差しを一身に受ける政宗様が、未だ馬上の私へ移る
私もそこでようやく雛菊から降りて、その通りだと頷いた
「どうぞお受け取りくださいませ
彼らの、貴方様への思いです」
私たち伊達軍が見守る中、政宗様がゆっくりとこちらへ歩いてきて……
そうして桐箱に納められた『それ』を手に取った
九月の太陽に翳されたそれは、逆光になって模様までは見えないけれど──
「……Fum.
悪くねぇ」
「「……!!」」
背後の兵士たちが嬉しそうに破顔する
だから言ったじゃない、政宗様はこんなことでは怒らないって
「Coolなaccessoryだ
使わせてもらうぜ」
これで、石田三成の凶刃を防げるだろうか
いえ……これがあるからといって、油断はできない
石田三成との戦いは政宗様にお任せするしかないてしても、雑兵相手の戦いなら、私がお役に立てるはずだ
ホッとしたように笑う四人へ微笑んで、「良かったわね」と労うと
「綾葉」
それを手にしたまま、政宗様が私を呼んだ
「如何なさいましたか」
「お前は関わらなかったのか」
「……意匠について助言を求められはしましたが、それだけです
関わったとは申せません」
「こいつにお前の気持ちは含まれていないとでも?」
「無論、私の思いも他の者たちと同様です
政宗様のお命は我々の命も同然、それをお守りすることこそ使命と考えます
ですが──」
政宗様の瞳がスッと鋭く細められた
お守りすると心に決めたことも、そうする意思も嘘ではない
だとしても……だとしても、だ
「それを作ると決め、行動に移したのは、彼らです
故にこそ、それは兵たちからの気持ちであると存じます
私はただこの二丁の銃をもって、敵を排除するのみなれば」
「……そうか
テメェは本気で、諦めちまったんだな」
「今更でございましょう」
あの日、政宗様が発したお言葉を返す
今更どうして私が政宗様のお傍にいられようか
「今更、か……」無表情に呟いた政宗様が、私の手にそれを握らせた
いけない、これを私が持っては……!
「政宗様!」
「お前の手で付けろ」
「ご冗談を……
せめて片倉様にお願いされてくださいませ」
「Shut up.
今更お前が触れた程度で、俺がどうにかなるわけねぇだろうが」
私と政宗様の間で何度も交わされた、「今更」の言葉
……心のどこかでは知っている、政宗様のおっしゃる通りだと
私が政宗様のお傍にいただけでは、政宗様が死んだりはしないと
でも、生家も嫁ぎ先も、そして最後には夫さえ喪った私が……今更?
「……政宗様、お許しください」
手の中に押し付けられたそれを、政宗様へ押し付け返す
そうして私は足早に政宗様の前から離れた
血の気が引いて、呼吸が浅くなっている
……私が触れたことで、あの装備に嫌なものがつかなかったかしら
今回は慶次殿に助けられてしまった
あとで礼を言わなくては
「貴殿は……?」
「俺は前田慶次」
「キキッ!」
「こいつは夢吉」
慶次殿の胸元から、二年前にも見た子猿が顔を出した
夢吉も元気にしていたみたいで安心だ
「あんたが、独眼竜にいつもいい顔をさせてる、甲斐の真田幸村
そうだろ?」
「え……」
「どうだい?
いま天下に立ち込めているモヤモヤが綺麗に晴れるまで、ひとつこの勝負、俺に預けちゃくれないか?」
残りの伊達軍も私たちの後ろへと戻ってきた
政宗様もまさか、ここまでされて我を通すほどではない
慶次殿を見つめていた政宗様は、ややあって、ふ、と肩で笑った
「そうだったな
俺にとって、アンタは常にgoalだ
そいつを忘れるところだったぜ
礼を言っとくぜ、優男」
政宗様はそう言って六爪を納めた
幸村も既に槍を下ろし、戦いの意思はないと示している
「なんと歯切れ良く、清々しき御仁……
お預け致そう、前田殿!」
さて、これで一応、この場は収まったけれど
片倉様が馬を降りて、政宗様へと近付く
「政宗様」
片倉様が差し出したのは、私が預けていた、政宗様宛ての文
それを受け取った政宗様が、裏の差出人の名前を見て、隣にやってきた幸村へ尋ねた
「あんたの言っていた手紙か」
幸村が無言で頷く
あの手紙、たしかにあとでそっと匂いを嗅いだら、ちょっと鍋の匂いがしたのよね
怪しさがなお一層高まる手紙になってしまったのだけれど、政宗様にお渡しして良かったのかしら……
「読む必要は無さそうだ
関ヶ原へ行きゃあ、今何が起きてやがるのか、誰が何のためにやってやがるのか、全部わかるって寸法だろう」
ポイ、と放り投げられた手紙を、片倉様が取り落としそうになりながら、どうにか受け取った
……石田三成を倒すために出陣したけれど、やはり目的地は関ヶ原であるらしい
本当の差出人が誰であれ──この手紙を書いた人物は、関ヶ原で我々を待っているのだから
「ああ、たぶんな
家康も、今頃は西国を巡っている長曾我部元親も、駆け付けるはずだ」
「ド派手なpartyになりそうじゃねぇか
石田の野郎が首魁なら、そのど真ん中でカタをつけられるってわけだ」
「……筆頭!」
馬を降りた四人が、例の桐箱を手に、政宗様の前へと進み出た
文七郎の声に反応した政宗様が、そちらを見やる
「これ……」
孫兵衛の持った桐箱の蓋を、文七郎の手が開けた
そこに収められたものを見て、政宗様が「なんだ、こいつは?」と呟くように問うた
「筆頭に使ってもらおうって、伊達軍みんなで話し合いやした」
「筆頭、怒るかもしれませんけど……
片倉様に許しをもらって、急いで造ったんです」
「なかなか鍛冶屋のじっちゃんがお墨付きをくれなくて、遅くなっちまいやしたけど……」
「石田との戦いに、こいつを……!」
政宗様の厳しい眼差しは、桐箱の中身に注がれたまま
四人は怒られることも覚悟の上でやっていたようだけれど、私から言わせれば、こんなことで政宗様は怒ったりなさらない
このお方は、ご自身を思っての行動に、文句を言うような人じゃないもの
「凶王、石田三成……
それほどに強いのでござるか……!」
「「筆頭!!」」
私たちの背後にいた兵士たちも次々に馬を降り、政宗様へ声をかける
受け取ってください、と口々に伝えられてもなお手を伸ばさない政宗様へ、片倉様が静かに進み出た
「政宗様──
政宗様のお命は、奥州全員の命です!」
兵たちの熱い眼差しを一身に受ける政宗様が、未だ馬上の私へ移る
私もそこでようやく雛菊から降りて、その通りだと頷いた
「どうぞお受け取りくださいませ
彼らの、貴方様への思いです」
私たち伊達軍が見守る中、政宗様がゆっくりとこちらへ歩いてきて……
そうして桐箱に納められた『それ』を手に取った
九月の太陽に翳されたそれは、逆光になって模様までは見えないけれど──
「……Fum.
悪くねぇ」
「「……!!」」
背後の兵士たちが嬉しそうに破顔する
だから言ったじゃない、政宗様はこんなことでは怒らないって
「Coolなaccessoryだ
使わせてもらうぜ」
これで、石田三成の凶刃を防げるだろうか
いえ……これがあるからといって、油断はできない
石田三成との戦いは政宗様にお任せするしかないてしても、雑兵相手の戦いなら、私がお役に立てるはずだ
ホッとしたように笑う四人へ微笑んで、「良かったわね」と労うと
「綾葉」
それを手にしたまま、政宗様が私を呼んだ
「如何なさいましたか」
「お前は関わらなかったのか」
「……意匠について助言を求められはしましたが、それだけです
関わったとは申せません」
「こいつにお前の気持ちは含まれていないとでも?」
「無論、私の思いも他の者たちと同様です
政宗様のお命は我々の命も同然、それをお守りすることこそ使命と考えます
ですが──」
政宗様の瞳がスッと鋭く細められた
お守りすると心に決めたことも、そうする意思も嘘ではない
だとしても……だとしても、だ
「それを作ると決め、行動に移したのは、彼らです
故にこそ、それは兵たちからの気持ちであると存じます
私はただこの二丁の銃をもって、敵を排除するのみなれば」
「……そうか
テメェは本気で、諦めちまったんだな」
「今更でございましょう」
あの日、政宗様が発したお言葉を返す
今更どうして私が政宗様のお傍にいられようか
「今更、か……」無表情に呟いた政宗様が、私の手にそれを握らせた
いけない、これを私が持っては……!
「政宗様!」
「お前の手で付けろ」
「ご冗談を……
せめて片倉様にお願いされてくださいませ」
「Shut up.
今更お前が触れた程度で、俺がどうにかなるわけねぇだろうが」
私と政宗様の間で何度も交わされた、「今更」の言葉
……心のどこかでは知っている、政宗様のおっしゃる通りだと
私が政宗様のお傍にいただけでは、政宗様が死んだりはしないと
でも、生家も嫁ぎ先も、そして最後には夫さえ喪った私が……今更?
「……政宗様、お許しください」
手の中に押し付けられたそれを、政宗様へ押し付け返す
そうして私は足早に政宗様の前から離れた
血の気が引いて、呼吸が浅くなっている
……私が触れたことで、あの装備に嫌なものがつかなかったかしら
