27 聖夜の二人
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
さて、再び部屋へ戻ってくると、お布団が二つ敷かれていた
テーブルは部屋の隅に片付けられ、座椅子も横に並んでいる
そして「どうぞ投げてください」と言わんばかりの枕の山
「……やります?」
「手加減は無しだぜ」
「やめます」
私もまだ命は惜しい
それに、そう……よく考えたらクリスマスの夜だ
クリスマスの夜に、男女が二人、目の前には布団、誰も来ない部屋
……ものすごいお膳立てをされている気がする
もしくはまな板の上に乗せられたような気持ちだ
「……ど、どう、します?」
「Ah?
どうって――」
「だ、だってクリスマス、ですし
そろそろ『そういうこと』とか、するのかなっていうか
……し、してもいいかなって、思わんでもないというか」
ボトッ
鈍い音がして振り返ると、政宗さんがこちらを凝視していた
手からはスマートフォンが落ちてしまっている
動揺が見て取れるな
「……もしかして、こういうことって女性から言うのははしたないんでしょうか」
「んなこたァねぇが……いいのか」
迷った末に小さく頷く
そうか、と呟くように応えた彼の感情は、声音からは分からなかった
ど、どうしよう、誘ってしまったけど、もし乗り気じゃなかったら……
いつかはそうなりたいって思いは政宗さんもずっと持っていただろうけど、今じゃないとか思ってたりして……!?
「あ、あの、政宗さん?」
「なんだ」
「嫌ならいいんですよ、そんな、無理してまでってわけでは……」
「俺が嫌だと思ってるように見えるか?」
ぽん、と軽い音を立てて畳にお出しされたのは、見て分かる通りのコンドームだ
わ、わあ、実物は始めてみるな……
「……なぜ二箱も?
もしかして絶――」
「Shut up.
それ以上言うと選択権は与えねぇぞ」
「なんの選択権です?」
「箱の数字見ろ、違うだろ」
「……そうですね」
「それが薄さだ」
「はぁ」
「一般的にだが、薄い方が感度はいい」
「……」
それを選ばせるの、ずるくない?
そんなのを聞かされて、私が……そんな手に乗るとでも……
「……こっちで」
「分かっちゃいたが薄い方選んだってことは、そういうこったな?」
「ノーコメントです」
「無言はYesととるぞ」
もう駄目じゃんこんなの
ふぅん、なんて余裕綽々な政宗さんが憎たらしい
さっきまで動揺してたくせに!
「……ていうか、持ってきてたんですね」
「お前がトラウマを克服した時から、いつこうなってもいいようにと思ってな」
「私が言い出さなかったらどうしたんですか?」
「別に何も起きやしねぇよ
いつも通り寝ていつも通り起きるだけだ」
政宗さんが立ち上がって、押し入れの襖を開けて更に布団を一枚下ろした
片方どけろと指示があったので、布団を一組だけ脇にずらすと、政宗さんが元あった場所に布団を持ってきて敷いていく
そうして私がずらした布団をその上に重ねた
「いくら高い布団とはいえ、bedよりはクッション性がねぇ
無理にやればお前の体を痛める羽目になる」
「はあ、なるほど……」
妙に感心してしまうと、部屋の電気がパッと消えた
部屋の隅にある行灯型の常夜灯が灯されて、室内はほのかな暖色の明かりが頼りなく照らすだけだ
布団までは微かな光しか届かない
「……本当にいいんだな?」
「最終確認ですか?」
「あとでやっぱりやめたはnothingだ
よく考えろ」
「……」
心臓の鼓動が早い
緊張しているのだと自分でも分かる
……でも、恐怖心はないし、むしろ期待さえ感じている
「……優しくしてくれますか?」
「当然だろ」
「じゃあ……お願い、します」
恥ずかしさと共に俯きながら応えると、少しだけ彼が呼吸を整えて、私の背に腕を回した
不思議……政宗さんは前世で経験豊富なくせに、緊張しているなんて
「政宗さん――」
「嫌だと思ったら、すぐに言え」
暗がりでも見えた黄金の瞳は、竜のように細い瞳孔が開いている
あ、食べられる
そう思った瞬間、唇が重なった
深くて、甘くて――遠慮のない口付けを受け止めながら、彼の力に抗うことなく仰向けになる
首筋を掠める指に擽ったさを覚えた瞬間、ハッと急にそれを思い出した
「ま、政宗さん!」
「Ah!?
テメッ、いい時になんだ!」
「あのっ!
私、あの……む、胸が、大きくないので……」
「ハァ!?」
「大事なことですよ!?
お、男の人は大きな胸が好きだと思うので、がっかりさせたら嫌だなと思って!」
「Shit!
知るか、そんなもん!
bust sizeなんざどうでもいい話だろ!」
「そッ――」
「足りなきゃ育てりゃいいだけの話だ
育たなくても何の問題もねぇがな
俺が抱きたいのはお前であって、乳のデケェ女じゃねぇ
You see?」
ストレートなセリフゆえに、今までで一番効いた
こんなやりとりが成実の耳に入ったりしたら「お前さぁ……」と呆れられてしまうのかもしれない
な、無いわけじゃないんだけど、その、政宗さんの手のひらには余裕で収まって、なおかつ隙間までありそうというか……
……いやもう、心の中の言い訳はやめよう
「……I see.」
身体の力を抜いて頷く
ふっと微笑んだ政宗さんが唇に軽いキスをした
「Good girl.」
頭を撫でた手が頬へ降りて、首筋をなぞる
キスを重ねながら、浴衣の帯が解かれていった
ああ、もう、なるようになれ、だ
女は度胸、腹を括れ!
言い出しっぺは私なんだから!
テーブルは部屋の隅に片付けられ、座椅子も横に並んでいる
そして「どうぞ投げてください」と言わんばかりの枕の山
「……やります?」
「手加減は無しだぜ」
「やめます」
私もまだ命は惜しい
それに、そう……よく考えたらクリスマスの夜だ
クリスマスの夜に、男女が二人、目の前には布団、誰も来ない部屋
……ものすごいお膳立てをされている気がする
もしくはまな板の上に乗せられたような気持ちだ
「……ど、どう、します?」
「Ah?
どうって――」
「だ、だってクリスマス、ですし
そろそろ『そういうこと』とか、するのかなっていうか
……し、してもいいかなって、思わんでもないというか」
ボトッ
鈍い音がして振り返ると、政宗さんがこちらを凝視していた
手からはスマートフォンが落ちてしまっている
動揺が見て取れるな
「……もしかして、こういうことって女性から言うのははしたないんでしょうか」
「んなこたァねぇが……いいのか」
迷った末に小さく頷く
そうか、と呟くように応えた彼の感情は、声音からは分からなかった
ど、どうしよう、誘ってしまったけど、もし乗り気じゃなかったら……
いつかはそうなりたいって思いは政宗さんもずっと持っていただろうけど、今じゃないとか思ってたりして……!?
「あ、あの、政宗さん?」
「なんだ」
「嫌ならいいんですよ、そんな、無理してまでってわけでは……」
「俺が嫌だと思ってるように見えるか?」
ぽん、と軽い音を立てて畳にお出しされたのは、見て分かる通りのコンドームだ
わ、わあ、実物は始めてみるな……
「……なぜ二箱も?
もしかして絶――」
「Shut up.
それ以上言うと選択権は与えねぇぞ」
「なんの選択権です?」
「箱の数字見ろ、違うだろ」
「……そうですね」
「それが薄さだ」
「はぁ」
「一般的にだが、薄い方が感度はいい」
「……」
それを選ばせるの、ずるくない?
そんなのを聞かされて、私が……そんな手に乗るとでも……
「……こっちで」
「分かっちゃいたが薄い方選んだってことは、そういうこったな?」
「ノーコメントです」
「無言はYesととるぞ」
もう駄目じゃんこんなの
ふぅん、なんて余裕綽々な政宗さんが憎たらしい
さっきまで動揺してたくせに!
「……ていうか、持ってきてたんですね」
「お前がトラウマを克服した時から、いつこうなってもいいようにと思ってな」
「私が言い出さなかったらどうしたんですか?」
「別に何も起きやしねぇよ
いつも通り寝ていつも通り起きるだけだ」
政宗さんが立ち上がって、押し入れの襖を開けて更に布団を一枚下ろした
片方どけろと指示があったので、布団を一組だけ脇にずらすと、政宗さんが元あった場所に布団を持ってきて敷いていく
そうして私がずらした布団をその上に重ねた
「いくら高い布団とはいえ、bedよりはクッション性がねぇ
無理にやればお前の体を痛める羽目になる」
「はあ、なるほど……」
妙に感心してしまうと、部屋の電気がパッと消えた
部屋の隅にある行灯型の常夜灯が灯されて、室内はほのかな暖色の明かりが頼りなく照らすだけだ
布団までは微かな光しか届かない
「……本当にいいんだな?」
「最終確認ですか?」
「あとでやっぱりやめたはnothingだ
よく考えろ」
「……」
心臓の鼓動が早い
緊張しているのだと自分でも分かる
……でも、恐怖心はないし、むしろ期待さえ感じている
「……優しくしてくれますか?」
「当然だろ」
「じゃあ……お願い、します」
恥ずかしさと共に俯きながら応えると、少しだけ彼が呼吸を整えて、私の背に腕を回した
不思議……政宗さんは前世で経験豊富なくせに、緊張しているなんて
「政宗さん――」
「嫌だと思ったら、すぐに言え」
暗がりでも見えた黄金の瞳は、竜のように細い瞳孔が開いている
あ、食べられる
そう思った瞬間、唇が重なった
深くて、甘くて――遠慮のない口付けを受け止めながら、彼の力に抗うことなく仰向けになる
首筋を掠める指に擽ったさを覚えた瞬間、ハッと急にそれを思い出した
「ま、政宗さん!」
「Ah!?
テメッ、いい時になんだ!」
「あのっ!
私、あの……む、胸が、大きくないので……」
「ハァ!?」
「大事なことですよ!?
お、男の人は大きな胸が好きだと思うので、がっかりさせたら嫌だなと思って!」
「Shit!
知るか、そんなもん!
bust sizeなんざどうでもいい話だろ!」
「そッ――」
「足りなきゃ育てりゃいいだけの話だ
育たなくても何の問題もねぇがな
俺が抱きたいのはお前であって、乳のデケェ女じゃねぇ
You see?」
ストレートなセリフゆえに、今までで一番効いた
こんなやりとりが成実の耳に入ったりしたら「お前さぁ……」と呆れられてしまうのかもしれない
な、無いわけじゃないんだけど、その、政宗さんの手のひらには余裕で収まって、なおかつ隙間までありそうというか……
……いやもう、心の中の言い訳はやめよう
「……I see.」
身体の力を抜いて頷く
ふっと微笑んだ政宗さんが唇に軽いキスをした
「Good girl.」
頭を撫でた手が頬へ降りて、首筋をなぞる
キスを重ねながら、浴衣の帯が解かれていった
ああ、もう、なるようになれ、だ
女は度胸、腹を括れ!
言い出しっぺは私なんだから!
3/3ページ