09 いざパーティへ
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二週間の猛特訓を耐え抜き、いよいよ本番の日
どうか失敗しませんように!
片倉先生はともかく、綱元先輩を怒らせたくはない!
09 いざパーティへ
カーテンを閉めた窓から朝日が差し込んで、目が覚める
起き上がって、目一杯の背伸びをしたところで、隣から寝息が聞こえてくるのに気付いた
「へぇ、めっずらしい……」
夏用の薄い羽毛布団からはみ出た肩──素肌の時点で、上半身に何も着ていないのは確定した
政宗さんが何も着ないで寝るのは、今に始まったことじゃない
なんなら、初めてこの人を起こしに行った高一の夏だって、上半身は裸だったのだ
……よく鍛えられた、引き締まっている身体が、大変に目の毒ではあるんだけど
「……あ」
よく眠る彼の目の下にうっすらと出来た、隈
「最近、忙しそうだもんね……」
結局、政宗さんとダンスレッスンが出来たのは、初日を含めて三日だけ
将来はお義父さんの跡を継ぐというだけあって、最近は部活が終わると、お義父さんの仕事に同行することが多い
特に最近は忙しいのか、日付を跨いで帰ってくることがほとんどで……
「……今日は、日曜日だ」
大学もないし、部活もない日だ
このまま寝かせておいても大丈夫だろう
起こさないようにそっとベッドを抜け出して、リビングへと下りた
* * *
朝食がもうそろそろ出来上がりそうだというところで、政宗さんが下りてきた
「おはようございます
もうすぐ朝ご飯、出来ますよ」
「ん……そうか
Sorry,手伝えなかったな」
「政宗さんは毎日遅くまでお義父さんに同行していて、お疲れでしょうから
起こさなかった私を褒めてほしいもんです」
「っふは……確かにな、Thank you.
お陰で久しぶりにゆっくり起きられた」
「それは重畳
お顔洗ったらお皿を並べてください」
「All right.」
洗面所に消えた政宗さんを確認して、仕上げに取り掛かる
味噌汁の味を確認して、火を止めた
ご飯もあと三分で炊けるようだ
本当はパンでもいいんだけど、政宗さんはこう見えても和食派で……
何でも作れるから、てっきり洋食派だと思っていたけど、実はパンよりお米の方が好きなんだそうだ
「出来たか?」
「はい、後はお米が──」
ピーッと音が鳴って、ご飯が炊けた合図
「Nice timing.」
炊飯器を開けた政宗さんが、ご飯を混ぜる
テーブルに、ご飯とお味噌汁、漬物と焼き魚が並ぶ
これぞ和食の完全体と言わんばかりの朝ごはんだ
「いよいよ今日だが、調子はどうだ?」
「緊張しかないです」
「Relaxしろ、緊張したっていい事はねぇ
……ま、ちょいと残す分には、むしろありだがな」
「政宗さんは慣れてるから……」
「俺だって今日は緊張してるぜ?」
「え……政宗さんが?」
「お前のdressは、二年の時の後夜祭と、結婚式での二回だけ……
俺なりに今日は楽しみだったんだ、悪いか」
「……いいえ、悪くは無いんですが……」
そこまで楽しみにしてくれていたのか
それがどうして、緊張なんてものに?
「お前の綺麗な姿に見とれて、何かaccidentでも起きやしねぇかとな」
「絶対にないです」
「褒めてんだよ」
「ちょっと揶揄いが混じってました
どうせ馬子にも衣装ってやつですよ……」
私が着飾ったところで、恐らく私のちんちくりん具合はそこまで隠せないだろう
……むしろそれが強調されないことを祈るばかりである
「相変わらず、お前は変なところでnegativeだな」
「ポジティブ過ぎてもウザがられると思いますよ……
これでも、かなり改善された方です」
「……そうか」
静かに微笑んだ政宗さんが、綺麗な手つきで魚を解していく
上品だなぁ、と思いながら、私もお味噌汁を口にした
「そういえば、ドレスって……?」
「もう用意はしてある
朝飯食って片付けたら、最終checkも兼ねて本邸に行くぞ」
「分かりました」
「心配すんな、最初から最後までちゃんとescortしてやる」
「そこは心配してませんよ?
なんたって政宗さんですからね」
マナーに関してはしっかりしてるし、何より私生活でさえ私と離れたがらない人が、初めての社交の場である私をほっぽり出すのは考えられない
むしろ俺以外と踊るな、位のことは言うと思っていた
「政宗さんこそ、他の女の人にデレデレしないでくださいよ?」
「するか、そんなもん」
「……どうだか~?」
「おちょくってんのか?」
「滅相もない」
……思ったよりも即答で、聞いたこっちがちょっと照れたなんて、絶対に言わない
言ったところで、「たりめーだろ」って答えが返ってくるだろうけど
どうか失敗しませんように!
片倉先生はともかく、綱元先輩を怒らせたくはない!
09 いざパーティへ
カーテンを閉めた窓から朝日が差し込んで、目が覚める
起き上がって、目一杯の背伸びをしたところで、隣から寝息が聞こえてくるのに気付いた
「へぇ、めっずらしい……」
夏用の薄い羽毛布団からはみ出た肩──素肌の時点で、上半身に何も着ていないのは確定した
政宗さんが何も着ないで寝るのは、今に始まったことじゃない
なんなら、初めてこの人を起こしに行った高一の夏だって、上半身は裸だったのだ
……よく鍛えられた、引き締まっている身体が、大変に目の毒ではあるんだけど
「……あ」
よく眠る彼の目の下にうっすらと出来た、隈
「最近、忙しそうだもんね……」
結局、政宗さんとダンスレッスンが出来たのは、初日を含めて三日だけ
将来はお義父さんの跡を継ぐというだけあって、最近は部活が終わると、お義父さんの仕事に同行することが多い
特に最近は忙しいのか、日付を跨いで帰ってくることがほとんどで……
「……今日は、日曜日だ」
大学もないし、部活もない日だ
このまま寝かせておいても大丈夫だろう
起こさないようにそっとベッドを抜け出して、リビングへと下りた
* * *
朝食がもうそろそろ出来上がりそうだというところで、政宗さんが下りてきた
「おはようございます
もうすぐ朝ご飯、出来ますよ」
「ん……そうか
Sorry,手伝えなかったな」
「政宗さんは毎日遅くまでお義父さんに同行していて、お疲れでしょうから
起こさなかった私を褒めてほしいもんです」
「っふは……確かにな、Thank you.
お陰で久しぶりにゆっくり起きられた」
「それは重畳
お顔洗ったらお皿を並べてください」
「All right.」
洗面所に消えた政宗さんを確認して、仕上げに取り掛かる
味噌汁の味を確認して、火を止めた
ご飯もあと三分で炊けるようだ
本当はパンでもいいんだけど、政宗さんはこう見えても和食派で……
何でも作れるから、てっきり洋食派だと思っていたけど、実はパンよりお米の方が好きなんだそうだ
「出来たか?」
「はい、後はお米が──」
ピーッと音が鳴って、ご飯が炊けた合図
「Nice timing.」
炊飯器を開けた政宗さんが、ご飯を混ぜる
テーブルに、ご飯とお味噌汁、漬物と焼き魚が並ぶ
これぞ和食の完全体と言わんばかりの朝ごはんだ
「いよいよ今日だが、調子はどうだ?」
「緊張しかないです」
「Relaxしろ、緊張したっていい事はねぇ
……ま、ちょいと残す分には、むしろありだがな」
「政宗さんは慣れてるから……」
「俺だって今日は緊張してるぜ?」
「え……政宗さんが?」
「お前のdressは、二年の時の後夜祭と、結婚式での二回だけ……
俺なりに今日は楽しみだったんだ、悪いか」
「……いいえ、悪くは無いんですが……」
そこまで楽しみにしてくれていたのか
それがどうして、緊張なんてものに?
「お前の綺麗な姿に見とれて、何かaccidentでも起きやしねぇかとな」
「絶対にないです」
「褒めてんだよ」
「ちょっと揶揄いが混じってました
どうせ馬子にも衣装ってやつですよ……」
私が着飾ったところで、恐らく私のちんちくりん具合はそこまで隠せないだろう
……むしろそれが強調されないことを祈るばかりである
「相変わらず、お前は変なところでnegativeだな」
「ポジティブ過ぎてもウザがられると思いますよ……
これでも、かなり改善された方です」
「……そうか」
静かに微笑んだ政宗さんが、綺麗な手つきで魚を解していく
上品だなぁ、と思いながら、私もお味噌汁を口にした
「そういえば、ドレスって……?」
「もう用意はしてある
朝飯食って片付けたら、最終checkも兼ねて本邸に行くぞ」
「分かりました」
「心配すんな、最初から最後までちゃんとescortしてやる」
「そこは心配してませんよ?
なんたって政宗さんですからね」
マナーに関してはしっかりしてるし、何より私生活でさえ私と離れたがらない人が、初めての社交の場である私をほっぽり出すのは考えられない
むしろ俺以外と踊るな、位のことは言うと思っていた
「政宗さんこそ、他の女の人にデレデレしないでくださいよ?」
「するか、そんなもん」
「……どうだか~?」
「おちょくってんのか?」
「滅相もない」
……思ったよりも即答で、聞いたこっちがちょっと照れたなんて、絶対に言わない
言ったところで、「たりめーだろ」って答えが返ってくるだろうけど
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