51 母校へ行こう
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
日本の名だたる富豪名家が通う金持ち学校は、展示や食事が規格外なら、ステージ公演も規格外だ
オーケストラ部の公演にプロの交響楽団を呼んでみたり、演劇部の公演に世界で活躍するミュージカル俳優を呼んでみたり
果てにはコーラス部が世界的なオペラ歌手と奇跡の共演だ
なんなら演劇部なんか、講堂に家を建てた
そして何故か二階部分が回転して、別の部屋が現れる仕掛けがついていた
スモークなどの特殊効果から、皿がひとりでに割れる仕掛けまで何でもござれだ
「……これ文化祭だよね?」
「文化祭だぞ」
「私の知ってる文化祭じゃない……」
「でもお前が一番知ってる文化祭だぞ」
「一回そこら辺にある公立校の文化祭を見てみない?」
「関係者以外立ち入り禁止だろ普通に」
「なんでそういう時だけ正しいこと言うの!?」
「俺はいつも正しいことを言ってると思うけどな!?」
いーや、この場においては私と親泰君のほうが正しい!
文化祭でやる範疇を軽々と超えていくんじゃないよ
だけど私が一年の時もウィーンから少年合唱団を呼んでいたんだった
色々ともう手遅れなんだ、この学校……
「昨日の前夜祭は誰を呼んでたんだっけ?」
「去年レコ大取ったグループだろ、あと紅白に出たバンドと、オリコン年間ランキング取ったアイドルグループと」
「怖い怖い怖い、何?
なんかのフェス?」
「いや、文化祭の前夜祭」
「諦めなよ夕歌さん、今日の講演会なんて、去年の日本アカデミー賞で主演男優賞を取った俳優さんだよ」
「え、なんて?
ごめん日本語でお願い」
「日本語でござる」
なんなら今から出てくるのは、笑点でお馴染みの落語家による生の落語だ
もう何も言うまい
かすがが講堂のチケットを全部手に入れていることにもツッコミを入れるのはやめた
だから午後から講堂で過ごそうとか言ってたんだな
親泰君と目が合って、彼は諦めたように儚く微笑んだ
*********************
ようやく講堂でのプログラムを終えて外に出ると、すっかり夕方だった
生徒会の企画だけ見られなかったのは残念だけど、時間的にもそろそろ閉場だ
帰ろっか、と声をかけて、来客用の玄関から外へ出た
久しぶりに学院に来たけど、なかなか楽しかったな
教室の感じとか、三年間ずっと目にしてきた廊下とか色々、どれも懐かしかった
お世話になった先生方もまだ残っておられたから、挨拶もできたし
その教師たちの約三分の二がファンクラブ会員だったことは記憶から消そうと思う
そんなこんなで、ドッと気疲れしつつも学院を後にした我々は、校門前で別れてそれぞれ帰ることにした
かすがはこの後、上杉先生とご用事があるそうで、早々に去っていったし、親泰君は夕飯の支度があるから、買い物をして帰るそうだ
そして幸村君はというと
「旦那、お待たせしましたよっと」
「佐助!」
「お二人さんも久しぶり
うちの旦那に付き合ってくれてありがとね」
「いえいえ、幸村君にも付き合ってもらいましたので!」
「お前も誰か誘って見に来りゃよかったのにな」
「ご冗談!
俺様がそんなマネするような奴に見える?」
「いや全然」
「そっちから言っておいて?」
「素直に答えてなんでキレられるんだよ!?」
今のは成実が悪い
せめてそこは嘘でも頷いておけばよかったのに、なんでバカ正直に否定するかなぁ
とまぁ、それはさておき、幸村君もここでお別れのようだ
どうせ週明けには会うんだけどね、みんな
「それじゃ俺様たちはこれで
右目の旦那によろしく」
「政宗さんには?」
「豆腐の角に頭ぶつけて死ねって伝えといて」
「佐助先輩が会いたくて震えてるって言っておきます!」
「首席卒業とは思えない読解力だけど大丈夫そ?」
「つーかお前と梵が会ったら、血で血を洗う闘いになりそうで嫌なんだけどよ」
「まっさかぁ!
天下の伊達財閥とやり合おうなんて馬鹿な真似、うちがするわけないでしょーが」
「やる気だったらいつでもお相手しますよ
成実が」
「俺かよ!?」
「わーそんなの勝てっこないや俺様ー」
「微塵も思ってねぇだろお前!!」
爆笑しながら去っていく佐助先輩と、ぶんぶんと手を振って同じように去っていった幸村君を見送る
弄ばれた成実はというと、疲労困憊という顔をして、それはそれは深いため息をついた
幸せが裸足で逃げていくようなため息だったな
「クソデカため息」
「誰のせいだと思ってんだよぉ……」
「面白くてつい」
「綱元のプリン食ったのお前だってバラすからな」
「やめて!!
それだけはほんとに!!」
「どーすっかなぁー」
「ねぇ成実、私たち親友じゃん?
そんな友達を売るようなことしないでよ、ね、ねっ?」
「その親友を先に売ったのはお前だぞオイコラ」
「い、いやぁ〜……」
「びっくりするほど目泳いでんじゃねぇかお前」
「え、何言ってんの?
目は」
「目は泳がねぇよ!
言葉の綾って知ってんだろ!!」
ギャーギャーとうるさい成実が、私の手を掴んでずんずんと歩いていく
そんな成実にまた笑って、私は引っ張られるままに学院を後にした
さよなら婆娑羅学院
次に来る時はファンクラブが無くなっていますように!!
──なおこの後、私を迎えに来た政宗さんが、私の手を握った成実を目敏く見つけ、理不尽に成実が晒されたことは、言うまでもない
オーケストラ部の公演にプロの交響楽団を呼んでみたり、演劇部の公演に世界で活躍するミュージカル俳優を呼んでみたり
果てにはコーラス部が世界的なオペラ歌手と奇跡の共演だ
なんなら演劇部なんか、講堂に家を建てた
そして何故か二階部分が回転して、別の部屋が現れる仕掛けがついていた
スモークなどの特殊効果から、皿がひとりでに割れる仕掛けまで何でもござれだ
「……これ文化祭だよね?」
「文化祭だぞ」
「私の知ってる文化祭じゃない……」
「でもお前が一番知ってる文化祭だぞ」
「一回そこら辺にある公立校の文化祭を見てみない?」
「関係者以外立ち入り禁止だろ普通に」
「なんでそういう時だけ正しいこと言うの!?」
「俺はいつも正しいことを言ってると思うけどな!?」
いーや、この場においては私と親泰君のほうが正しい!
文化祭でやる範疇を軽々と超えていくんじゃないよ
だけど私が一年の時もウィーンから少年合唱団を呼んでいたんだった
色々ともう手遅れなんだ、この学校……
「昨日の前夜祭は誰を呼んでたんだっけ?」
「去年レコ大取ったグループだろ、あと紅白に出たバンドと、オリコン年間ランキング取ったアイドルグループと」
「怖い怖い怖い、何?
なんかのフェス?」
「いや、文化祭の前夜祭」
「諦めなよ夕歌さん、今日の講演会なんて、去年の日本アカデミー賞で主演男優賞を取った俳優さんだよ」
「え、なんて?
ごめん日本語でお願い」
「日本語でござる」
なんなら今から出てくるのは、笑点でお馴染みの落語家による生の落語だ
もう何も言うまい
かすがが講堂のチケットを全部手に入れていることにもツッコミを入れるのはやめた
だから午後から講堂で過ごそうとか言ってたんだな
親泰君と目が合って、彼は諦めたように儚く微笑んだ
*********************
ようやく講堂でのプログラムを終えて外に出ると、すっかり夕方だった
生徒会の企画だけ見られなかったのは残念だけど、時間的にもそろそろ閉場だ
帰ろっか、と声をかけて、来客用の玄関から外へ出た
久しぶりに学院に来たけど、なかなか楽しかったな
教室の感じとか、三年間ずっと目にしてきた廊下とか色々、どれも懐かしかった
お世話になった先生方もまだ残っておられたから、挨拶もできたし
その教師たちの約三分の二がファンクラブ会員だったことは記憶から消そうと思う
そんなこんなで、ドッと気疲れしつつも学院を後にした我々は、校門前で別れてそれぞれ帰ることにした
かすがはこの後、上杉先生とご用事があるそうで、早々に去っていったし、親泰君は夕飯の支度があるから、買い物をして帰るそうだ
そして幸村君はというと
「旦那、お待たせしましたよっと」
「佐助!」
「お二人さんも久しぶり
うちの旦那に付き合ってくれてありがとね」
「いえいえ、幸村君にも付き合ってもらいましたので!」
「お前も誰か誘って見に来りゃよかったのにな」
「ご冗談!
俺様がそんなマネするような奴に見える?」
「いや全然」
「そっちから言っておいて?」
「素直に答えてなんでキレられるんだよ!?」
今のは成実が悪い
せめてそこは嘘でも頷いておけばよかったのに、なんでバカ正直に否定するかなぁ
とまぁ、それはさておき、幸村君もここでお別れのようだ
どうせ週明けには会うんだけどね、みんな
「それじゃ俺様たちはこれで
右目の旦那によろしく」
「政宗さんには?」
「豆腐の角に頭ぶつけて死ねって伝えといて」
「佐助先輩が会いたくて震えてるって言っておきます!」
「首席卒業とは思えない読解力だけど大丈夫そ?」
「つーかお前と梵が会ったら、血で血を洗う闘いになりそうで嫌なんだけどよ」
「まっさかぁ!
天下の伊達財閥とやり合おうなんて馬鹿な真似、うちがするわけないでしょーが」
「やる気だったらいつでもお相手しますよ
成実が」
「俺かよ!?」
「わーそんなの勝てっこないや俺様ー」
「微塵も思ってねぇだろお前!!」
爆笑しながら去っていく佐助先輩と、ぶんぶんと手を振って同じように去っていった幸村君を見送る
弄ばれた成実はというと、疲労困憊という顔をして、それはそれは深いため息をついた
幸せが裸足で逃げていくようなため息だったな
「クソデカため息」
「誰のせいだと思ってんだよぉ……」
「面白くてつい」
「綱元のプリン食ったのお前だってバラすからな」
「やめて!!
それだけはほんとに!!」
「どーすっかなぁー」
「ねぇ成実、私たち親友じゃん?
そんな友達を売るようなことしないでよ、ね、ねっ?」
「その親友を先に売ったのはお前だぞオイコラ」
「い、いやぁ〜……」
「びっくりするほど目泳いでんじゃねぇかお前」
「え、何言ってんの?
目は」
「目は泳がねぇよ!
言葉の綾って知ってんだろ!!」
ギャーギャーとうるさい成実が、私の手を掴んでずんずんと歩いていく
そんな成実にまた笑って、私は引っ張られるままに学院を後にした
さよなら婆娑羅学院
次に来る時はファンクラブが無くなっていますように!!
──なおこの後、私を迎えに来た政宗さんが、私の手を握った成実を目敏く見つけ、理不尽に成実が晒されたことは、言うまでもない
4/4ページ
