50 親も知らぬアレ
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三日後、なぜか私は歯医者にいた
何がどうしてこうなったのか思い出せないけど、歯医者にいた
小学生以来の歯医者ということもあり、入念に歯の様子を確認され、歯石取りまでしてもらった
そして告げられた
「親知らずが歯茎の中で横に生えてしまっているので、今後、隣の歯に悪影響を及ぼす可能性があります」
「親知らず」
なんてタイムリーな話題なんだ
しかも聞けば次回来た時にでも抜いたほうがいいまであるらしい
親泰君、待っててくれ
私ももうすぐ、そっち側に行くね──
表面上は冷静さを装いながら帰宅して、リビングへ入る
我ながら完璧に冷静な人間を演じられたと思う
「次回は一ヶ月後、左下の親知らずを抜歯となります
頑張りましょう!」
「嫌だぁぁぁぁぁ!!」
親泰君の恐怖心をようやく理解できた
抜歯が決まるってこんなに怖いんだな……
「何騒いでやがる
上まで聞こえてきたぜ」
「ま、政宗さん……うっうっ……」
「泣いてんじゃねぇか
何しやがったんだ新倉テメェ」
「親知らずの抜歯が決まりまして……」
「Oh……good luck.」
「むりですわたしがんばれない!!」
「全部平仮名になる程か」
政宗さんに泣きつくと、頭を撫でられながら、頭上から何事かを思案する声が聞こえた
というかナチュラルに頭撫でてくれてるな
かすがだけだと思ってたのに、政宗さんも私の頭を撫でる側になってしまったというのか……
「乗り越えたらとっておきのsweetsを作ってやる」
「政宗さんのスイーツをつらいことのご褒美にしたくないです!!
普段から食べられるものでいてください!!」
「お、おお……」
私の訴えがガチすぎて政宗さんが引いた
だけどこっちからしたら、生きるか死ぬかの一大事なんだ!
そんな大変なことのご褒美が政宗さんの手作りスイーツなんて嫌に決まってる!!
これから先、政宗さんの手作りスイーツを食べる度に、嫌なことを思い出すかもしれないってことじゃん!!
「じゃあどうするつもりだ?」
「全身麻酔でやってもらえたら……」
「親知らずの抜歯に全身麻酔はしませんね……」
「じゃあ誰か手刀を私に……」
「なんで気絶しにいこうとしてんだ、お前」
「怖くて意識を保ちたくないので……」
二人が怪訝な顔をした
親知らずの抜歯より怖い目に遭ったことあるのに?みたいな顔はやめるんだよ
抗えず巻き込まれるのと自ら飛び込むのとでは話が違うだろ!!
「そもそもお前、別に病院嫌いなわけでもねぇだろう
なんで歯医者にだけそこまで拒絶反応を示すんだ?」
「だって、見えないと怖くないですか?」
「Ah……なるほどな……」
政宗さんの目が「このお子ちゃま」と言っている気がする
考え過ぎじゃないと思う、私そういうのには敏感なんだ
酷くない?
仮にも自分の恋人に対して酷くない?
「どうにも怖けりゃ鎮静剤を打つしかねぇだろうな」
「親知らずの抜歯で!?」
「嫌なら大人しく耐えるこったな」
「やっぱり耐えるしかないのか……」
「なんで耐える以外のchoiceがあると思ったんだよ」
泣いた、もう泣くしかない
私も親泰君も可哀想だよほんとに
政宗さんは気落ちした私を置いてキッチンへ行ってしまった
とりあえず部屋に荷物を置いてこよう……
和真さんは別邸に帰って、家の中は二人きり
うっうっ、お父さんとお母さんも抜歯したことあるんだろうな
親知らずを抜く時の心構えを聞いておくんだった
部屋に入って、親泰君にLEINでメッセージを打つ
『私も親知らず抜くことになっちゃった』と送ると、すぐに既読がついて返信が来た
『ありがとう仲間になってくれて』
『大変不本意です』
『お互い頑張ろうね』
『やだむりがんばれない』
『ものすごい絶望を感じる』
これが絶望でなければ何なんだ
だいぶレベルの低い絶望だな
でも怖いもんは怖いじゃん!?
『ようこそこちら側へ』
『ふざけんな帰る』
『諦めろ夕歌、誰もがいずれ通る道だ』
『私はまだ通る予定なかった』
『予定って自分で決められるんだ』
『おふたりとも』
『かすがはともかく、成実は絶対楽しんでるって私と親泰君わかってるからな』
『人の不幸を笑う趣味は持ち合わせてねーはずなんだけどな!?』
『日頃の行いではないか?』
『俺もそう思った』
『俺に対する当たりの強さは何なの?
成実さんさすがに泣くからな』
『がんばってくだされ』
『クインテットでもヒエラルキー最底辺にいようとしなくても……』
『ふざけんな俺がなりたくてなってるみたいな言い方しやがって!!』
『それより幸村のラグがすごいのに誰も突っ込まないのはなんで?』
親泰君……あえてみんな触れないでいたことに触れるなんて……
早く送りたくて平仮名だし
こうなったら私と親泰君でかなり話を盛って幸村君に伝えてやる
抜歯の恐怖心を味わうといいよ!!
性格が悪い?
それは仕方ない、誰だって自分の抱えた恐怖心が伝わらない相手にはこうなるんだ
幸村君にありがとうを伝えて、LEINのチャットを切り上げる
それからため息と共に部屋を出て、晩ご飯の用意を手伝うことにした
何がどうしてこうなったのか思い出せないけど、歯医者にいた
小学生以来の歯医者ということもあり、入念に歯の様子を確認され、歯石取りまでしてもらった
そして告げられた
「親知らずが歯茎の中で横に生えてしまっているので、今後、隣の歯に悪影響を及ぼす可能性があります」
「親知らず」
なんてタイムリーな話題なんだ
しかも聞けば次回来た時にでも抜いたほうがいいまであるらしい
親泰君、待っててくれ
私ももうすぐ、そっち側に行くね──
表面上は冷静さを装いながら帰宅して、リビングへ入る
我ながら完璧に冷静な人間を演じられたと思う
「次回は一ヶ月後、左下の親知らずを抜歯となります
頑張りましょう!」
「嫌だぁぁぁぁぁ!!」
親泰君の恐怖心をようやく理解できた
抜歯が決まるってこんなに怖いんだな……
「何騒いでやがる
上まで聞こえてきたぜ」
「ま、政宗さん……うっうっ……」
「泣いてんじゃねぇか
何しやがったんだ新倉テメェ」
「親知らずの抜歯が決まりまして……」
「Oh……good luck.」
「むりですわたしがんばれない!!」
「全部平仮名になる程か」
政宗さんに泣きつくと、頭を撫でられながら、頭上から何事かを思案する声が聞こえた
というかナチュラルに頭撫でてくれてるな
かすがだけだと思ってたのに、政宗さんも私の頭を撫でる側になってしまったというのか……
「乗り越えたらとっておきのsweetsを作ってやる」
「政宗さんのスイーツをつらいことのご褒美にしたくないです!!
普段から食べられるものでいてください!!」
「お、おお……」
私の訴えがガチすぎて政宗さんが引いた
だけどこっちからしたら、生きるか死ぬかの一大事なんだ!
そんな大変なことのご褒美が政宗さんの手作りスイーツなんて嫌に決まってる!!
これから先、政宗さんの手作りスイーツを食べる度に、嫌なことを思い出すかもしれないってことじゃん!!
「じゃあどうするつもりだ?」
「全身麻酔でやってもらえたら……」
「親知らずの抜歯に全身麻酔はしませんね……」
「じゃあ誰か手刀を私に……」
「なんで気絶しにいこうとしてんだ、お前」
「怖くて意識を保ちたくないので……」
二人が怪訝な顔をした
親知らずの抜歯より怖い目に遭ったことあるのに?みたいな顔はやめるんだよ
抗えず巻き込まれるのと自ら飛び込むのとでは話が違うだろ!!
「そもそもお前、別に病院嫌いなわけでもねぇだろう
なんで歯医者にだけそこまで拒絶反応を示すんだ?」
「だって、見えないと怖くないですか?」
「Ah……なるほどな……」
政宗さんの目が「このお子ちゃま」と言っている気がする
考え過ぎじゃないと思う、私そういうのには敏感なんだ
酷くない?
仮にも自分の恋人に対して酷くない?
「どうにも怖けりゃ鎮静剤を打つしかねぇだろうな」
「親知らずの抜歯で!?」
「嫌なら大人しく耐えるこったな」
「やっぱり耐えるしかないのか……」
「なんで耐える以外のchoiceがあると思ったんだよ」
泣いた、もう泣くしかない
私も親泰君も可哀想だよほんとに
政宗さんは気落ちした私を置いてキッチンへ行ってしまった
とりあえず部屋に荷物を置いてこよう……
和真さんは別邸に帰って、家の中は二人きり
うっうっ、お父さんとお母さんも抜歯したことあるんだろうな
親知らずを抜く時の心構えを聞いておくんだった
部屋に入って、親泰君にLEINでメッセージを打つ
『私も親知らず抜くことになっちゃった』と送ると、すぐに既読がついて返信が来た
『ありがとう仲間になってくれて』
『大変不本意です』
『お互い頑張ろうね』
『やだむりがんばれない』
『ものすごい絶望を感じる』
これが絶望でなければ何なんだ
だいぶレベルの低い絶望だな
でも怖いもんは怖いじゃん!?
『ようこそこちら側へ』
『ふざけんな帰る』
『諦めろ夕歌、誰もがいずれ通る道だ』
『私はまだ通る予定なかった』
『予定って自分で決められるんだ』
『おふたりとも』
『かすがはともかく、成実は絶対楽しんでるって私と親泰君わかってるからな』
『人の不幸を笑う趣味は持ち合わせてねーはずなんだけどな!?』
『日頃の行いではないか?』
『俺もそう思った』
『俺に対する当たりの強さは何なの?
成実さんさすがに泣くからな』
『がんばってくだされ』
『クインテットでもヒエラルキー最底辺にいようとしなくても……』
『ふざけんな俺がなりたくてなってるみたいな言い方しやがって!!』
『それより幸村のラグがすごいのに誰も突っ込まないのはなんで?』
親泰君……あえてみんな触れないでいたことに触れるなんて……
早く送りたくて平仮名だし
こうなったら私と親泰君でかなり話を盛って幸村君に伝えてやる
抜歯の恐怖心を味わうといいよ!!
性格が悪い?
それは仕方ない、誰だって自分の抱えた恐怖心が伝わらない相手にはこうなるんだ
幸村君にありがとうを伝えて、LEINのチャットを切り上げる
それからため息と共に部屋を出て、晩ご飯の用意を手伝うことにした
