49 リベンジオブ大学祭2
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お米五キロを抱えた親泰君を載せて、バンは長曾我部家へと向かっている
しかし政宗さんも親泰君も豪運だな
私なんてボックスティッシュだ
「成実は何が当たったんだろ」
「あいつもbox tissueだとよ」
「かすがさんは四等のクオカードが当たったって」
「成実よりはくじ運あると思ってたのに……」
「……や、お前はくじ運ないだろ」
「でも肝試しの順番決めで二回連続トップバッターを引いてるから、逆にくじ運があるのかも……?」
「そんなくじ運はいらない!」
ケラケラと笑う政宗さんに恨みがましい目を向けて、私は膝に抱えたボックスティッシュを抱き寄せた
本当におかしい、私のくじ運はどうなってるんだ
「夕歌さんはくじ運がないって言ってるけど、運そのものは良いほうだと思うな」
「というと?」
「高校時代からしか見てない俺が言うのもおかしいけど、学院で出会った人たちはみんな良い人だったろ?
夕歌さんは人に恵まれたんじゃないかって思うんだ」
親泰君の視線は政宗さんへ向かっている
たしかにそれはそうだ
高校からの人生では人に恵まれたと思う
政宗さんはもちろんだし、先輩たちや和真さん、それになにより仲良しクインテットも
「いいこと言うじゃねぇか」
「自分で自分のことをいい人だって言ってるみたいで恥ずかしいんですけどね
でも人生が決まる訳じゃないくじ運より、くじでは選べない周囲の人間が軒並み良い人だったほうが、俺としてすごいんじゃないかなって」
「あはは、そうだね
そう考えると、ボックスティッシュが当たる人生でも、そっちのほうが幸せな気がするや」
「そうそう
要は気の持ちようだよ
それにボックスティッシュってあって困るものじゃないだろ?
気が付いたら無くなってるものだし」
「それは言えてる」
強めに頷いた私の隣で、政宗さんが怪訝な顔をした
一人暮らし経験の差が出ましたね、ここで
そりゃ政宗さんが暮らしてる家でティッシュがないなんてアクシデント、片倉先生が起こすはずもない
私と暮らすようになってからも、なくなりそうな日用品は和真さんが買い揃えてくれてる
つまりティッシュがない、トイレットペーパーがない、あれがないこれがない、といった危機感と隣り合わせに生きてきたのは私だけということだ
親泰君は実家暮らしだけど、元親先輩が日常の細々したものに気を使ったりはしないのかも
滲み出てるもんね、主婦の貫禄が……
「親泰君も将来的には家業を手伝うの?」
「そりゃあ俺がいないと、兄さんの暴走を止める奴がいないからね
貞にぃだけで止められる人じゃないし」
「あの野郎が素直に陸で仕事をするとは思えねぇがな」
「どうせ兄は海にいますよ
年に何度か陸に上がってもらえればいいです
貞にぃと俺だけで会社は回るので」
「もはや元親先輩はただの名義貸しでは……?」
でもたしかに元親先輩が陸で生活してるのは似合わないな
今も週末はだいたい海にいるっぽいし
会社も今はご両親が経営陣になってるんだろうしね
「……そういえば元親先輩たちのご両親の話って聞かないな」
「あれ、そうだっけ、そうかもしれないな
って言っても、父親は一年のほとんどが海上生活だから、あんまり帰ってこないけど」
「遠洋漁業とかしてるの?」
「漁師ではないよ
うちは国際物流の会社だからね、父も一等航海士として船に乗ってるんだ」
「え!
かっこいい!」
「ってこたぁ、元親もそうなるのか
まぁあの野郎にとっちゃ、海の上でできる仕事ってのが天職なんだろうが」
「なんでもいいですよ、会社が傾かなきゃ」
一言だけそう呟いた親泰君は、本当に同い年なのか疑問に思うほど、くたびれたサラリーマンの顔をしていた
本当に無理はしないでほしい
いざとなれば藤野 で雇うから……
あっでも友達と雇用関係になるのって嫌かな、嫌だよね
そのときは伊達に口添えしてあげよう
成実と一緒に働くのも楽しいと思う
もれなく綱元先輩がついてくるけど
……それはそれでちょっと地獄かもしれない
「香曾我部様、到着でございます」
「ありがとうございました
それじゃあ二人とも、また明日」
「うん、おつかれー!」
米を抱えた親泰君がタワーマンションに入っていく
すっごく広そうなタワマンだな
ここに兄弟二人暮らしか……
ご両親や親貞お兄さんが一緒に揃うと大賑わいで楽しいんだろうな
賑わい度なら伊達も負けてないし、なんなら伊達のほうが喧しいくらいだな……
「さて、dinnerは何にするか……」
「なんだかんだ魚が続いてますし、そろそろお肉でも食べます?」
「そうだな……hamburgでも作るか」
「挽き肉あったっけ……」
「買ってなかったか?」
「政宗さんがガパオライスに使いませんでした?」
「Oh……」
冷蔵庫にあるのは牛挽肉だけだ
豚挽肉も買ってこないとハンバーグはできないぞ
「合い挽き肉で宜しければ、買い足してございますよ」
「天才?」
「一周回って怖ぇぞお前」
和真さんが我が家の冷蔵庫の中身を把握していはいはずがなかった
それはそれとして、政宗さんの仄かな恐怖心も理解できる
なんで見計らったように合い挽き肉が買い足されてあるんだ?
「どっちが作ります?
私は当分、料理したくないですけど」
「奇遇だな、俺も当分はkitchenに入るのすらNo Thanksだ」
奇妙な沈黙が車内に広がった
私も政宗さんも作らないなら誰が作るんだ、という話である
「ええと……では僭越ながら、この新倉が」
我が家の方向へとハンドルを切りながら、和真さんがそう申し出てくれた
持つべきものはいい友人、いい夫、そしてよく出来た執事である
冬のボーナスは多めに支給するように、おばあちゃんに伝えておこう
献身には給与と賞与で報いるのが、よくできた雇用主というものだ
しかし政宗さんも親泰君も豪運だな
私なんてボックスティッシュだ
「成実は何が当たったんだろ」
「あいつもbox tissueだとよ」
「かすがさんは四等のクオカードが当たったって」
「成実よりはくじ運あると思ってたのに……」
「……や、お前はくじ運ないだろ」
「でも肝試しの順番決めで二回連続トップバッターを引いてるから、逆にくじ運があるのかも……?」
「そんなくじ運はいらない!」
ケラケラと笑う政宗さんに恨みがましい目を向けて、私は膝に抱えたボックスティッシュを抱き寄せた
本当におかしい、私のくじ運はどうなってるんだ
「夕歌さんはくじ運がないって言ってるけど、運そのものは良いほうだと思うな」
「というと?」
「高校時代からしか見てない俺が言うのもおかしいけど、学院で出会った人たちはみんな良い人だったろ?
夕歌さんは人に恵まれたんじゃないかって思うんだ」
親泰君の視線は政宗さんへ向かっている
たしかにそれはそうだ
高校からの人生では人に恵まれたと思う
政宗さんはもちろんだし、先輩たちや和真さん、それになにより仲良しクインテットも
「いいこと言うじゃねぇか」
「自分で自分のことをいい人だって言ってるみたいで恥ずかしいんですけどね
でも人生が決まる訳じゃないくじ運より、くじでは選べない周囲の人間が軒並み良い人だったほうが、俺としてすごいんじゃないかなって」
「あはは、そうだね
そう考えると、ボックスティッシュが当たる人生でも、そっちのほうが幸せな気がするや」
「そうそう
要は気の持ちようだよ
それにボックスティッシュってあって困るものじゃないだろ?
気が付いたら無くなってるものだし」
「それは言えてる」
強めに頷いた私の隣で、政宗さんが怪訝な顔をした
一人暮らし経験の差が出ましたね、ここで
そりゃ政宗さんが暮らしてる家でティッシュがないなんてアクシデント、片倉先生が起こすはずもない
私と暮らすようになってからも、なくなりそうな日用品は和真さんが買い揃えてくれてる
つまりティッシュがない、トイレットペーパーがない、あれがないこれがない、といった危機感と隣り合わせに生きてきたのは私だけということだ
親泰君は実家暮らしだけど、元親先輩が日常の細々したものに気を使ったりはしないのかも
滲み出てるもんね、主婦の貫禄が……
「親泰君も将来的には家業を手伝うの?」
「そりゃあ俺がいないと、兄さんの暴走を止める奴がいないからね
貞にぃだけで止められる人じゃないし」
「あの野郎が素直に陸で仕事をするとは思えねぇがな」
「どうせ兄は海にいますよ
年に何度か陸に上がってもらえればいいです
貞にぃと俺だけで会社は回るので」
「もはや元親先輩はただの名義貸しでは……?」
でもたしかに元親先輩が陸で生活してるのは似合わないな
今も週末はだいたい海にいるっぽいし
会社も今はご両親が経営陣になってるんだろうしね
「……そういえば元親先輩たちのご両親の話って聞かないな」
「あれ、そうだっけ、そうかもしれないな
って言っても、父親は一年のほとんどが海上生活だから、あんまり帰ってこないけど」
「遠洋漁業とかしてるの?」
「漁師ではないよ
うちは国際物流の会社だからね、父も一等航海士として船に乗ってるんだ」
「え!
かっこいい!」
「ってこたぁ、元親もそうなるのか
まぁあの野郎にとっちゃ、海の上でできる仕事ってのが天職なんだろうが」
「なんでもいいですよ、会社が傾かなきゃ」
一言だけそう呟いた親泰君は、本当に同い年なのか疑問に思うほど、くたびれたサラリーマンの顔をしていた
本当に無理はしないでほしい
いざとなれば
あっでも友達と雇用関係になるのって嫌かな、嫌だよね
そのときは伊達に口添えしてあげよう
成実と一緒に働くのも楽しいと思う
もれなく綱元先輩がついてくるけど
……それはそれでちょっと地獄かもしれない
「香曾我部様、到着でございます」
「ありがとうございました
それじゃあ二人とも、また明日」
「うん、おつかれー!」
米を抱えた親泰君がタワーマンションに入っていく
すっごく広そうなタワマンだな
ここに兄弟二人暮らしか……
ご両親や親貞お兄さんが一緒に揃うと大賑わいで楽しいんだろうな
賑わい度なら伊達も負けてないし、なんなら伊達のほうが喧しいくらいだな……
「さて、dinnerは何にするか……」
「なんだかんだ魚が続いてますし、そろそろお肉でも食べます?」
「そうだな……hamburgでも作るか」
「挽き肉あったっけ……」
「買ってなかったか?」
「政宗さんがガパオライスに使いませんでした?」
「Oh……」
冷蔵庫にあるのは牛挽肉だけだ
豚挽肉も買ってこないとハンバーグはできないぞ
「合い挽き肉で宜しければ、買い足してございますよ」
「天才?」
「一周回って怖ぇぞお前」
和真さんが我が家の冷蔵庫の中身を把握していはいはずがなかった
それはそれとして、政宗さんの仄かな恐怖心も理解できる
なんで見計らったように合い挽き肉が買い足されてあるんだ?
「どっちが作ります?
私は当分、料理したくないですけど」
「奇遇だな、俺も当分はkitchenに入るのすらNo Thanksだ」
奇妙な沈黙が車内に広がった
私も政宗さんも作らないなら誰が作るんだ、という話である
「ええと……では僭越ながら、この新倉が」
我が家の方向へとハンドルを切りながら、和真さんがそう申し出てくれた
持つべきものはいい友人、いい夫、そしてよく出来た執事である
冬のボーナスは多めに支給するように、おばあちゃんに伝えておこう
献身には給与と賞与で報いるのが、よくできた雇用主というものだ
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