42 続・サマートリップin北米
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昼食を挟んで午後
私はどこにいるかというと
「……たっか……」
「ビビってんのか?
高いところが好きだっつったのはお前だぜ」
ビュォオ、と風が吹き付ける中、私の腰には命綱
前には政宗さん、後ろには片倉先生
そしてここは地上三五六メートル
足元の幅はわずか一メートルしかない
「なんで三人は平気なんです……?」
「なんでって別に……なぁ、小十郎?」
「かつての貴方様の無茶に比べれば、ハーネスが着いている分、安全は保障されておりまするゆえ」
「Ah!?」
「奥様、大丈夫ですよ
仮にハーネスが切れてしまっても、この新倉が必ずお助け致します!」
「なんで余計に怖がらせるかなー!?」
高いところが好きだとか言った自分を殴りたい
これは流石に怖いって!
「ほら、さっさと歩け」
「ううう片倉先生の鬼……」
「あ?」
「鬼のように優しい恩師で良かったなー!!」
「誤魔化せてねぇぞ」
竦みそうになる足を動かして、一歩ずつ前へ歩く
撮影スポットでは身体を乗り出せるらしいけど、絶対に無理だ
「なんでこんなところに登ろうと思ったんだろうな……」
「フッ、馬鹿と煙はなんとやら、だな」
「この主従は揃いも揃って……!!」
かすがだったら絶対に私の手を握って歩調を合わせてくれるのに
なんでビビり散らかしてる私が政宗さん達に合わせなきゃいけないんだ……
「Hey,honey.
photo spotが見えてきたぜ」
「身体乗り出せとか言うんですよね!
無理ですからね!?」
「大丈夫ですよ、落ちたりなど致しませんから」
ううう、と片倉先生の後ろを歩く和真さんを威嚇する
そうこうするうちに撮影スポットに入って、政宗さんが腕を組んだまま上半身を外に投げ出した
「命知らず!!」
「オイ言い方もっとあんだろが!!」
「ハーネスを握っていれば大丈夫ですよ、奥様」
「せっかくここまで来たんだ、いい記念になるぜ」
「ううう……!」
政宗さんの隣にたどり着いて、地上を背に上半身を恐る恐る外へと投げ出す
後ろを見なければ……後ろを見なければ大丈夫だ……!!
スタッフさんの合図で写真が撮られて、ハーネスを頼りに身体を戻す
そのまま政宗さんはトロントの景色を眺めながら、散歩のように歩いていた
さすが世界的大富豪の御曹司、心臓の作りが違う……
ゴールにたどり着いて、屋内に戻ってハーネスが外された瞬間、膝が笑ってしまって私はへなへなと座り込んだ
「Are you OK?」
「ノー!!」
悪態をつくように叫んで、和真さんの手を握る
和真さんはニコニコして私の手を握り、こともあろうに私をお姫様抱っこしてきた
「そこまでは言ってないですけど!?」
「歩けないだろうと思いまして」
「……歩けませんけど!!」
だからってこれはさぁ!!
恥ずかしすぎるんだよなぁ!!
「写真が出来たようですよ」
「和真さんもう歩けますから降ろしてください!!」
「つーかなんでそこで新倉なんだよ
普通俺だろ」
「政宗さんが意地悪なことするからですー」
和真さんが私を降ろす
それから片倉先生が買ってきた写真を四人で覗き込んだ
「お前、顔が強ばってるぞ」
「あれで笑えってのが無理ですよ」
「勇ましく挑んだ割に、速攻でビビってやがったな」
「強ばったお顔の奥様も愛らしいですね」
和真さんには私の顔がどう見えているんだろう
絶対に愛らしいとか評される表情はしてないと思うんだ
「fan clubに売りつけたらいくらで売れるんだろうな」
「さ、サイテー!」
「jokeに決まってんだろ」
「とはいえファンクラブの売上は、運営資金を除いた全額が、奥様の口座に振り込まれていますから……」
「ナンデェ?」
それには答えず、和真さんは写真を数枚追加で買ってきた
曰く、おばあちゃんに渡す用と保存用と観賞用らしい
優秀な執事なのは間違いないんだけど、こう……もう少し緩んだネジを締めてほしいな、なんて……
……今更かもしれないけど
「さて、dinnerまでどうするか……」
「というか完全に四人での旅行になってません?」
「さすがにエッジウォークに同行するとなると、表に出てくるしかありませんでしたので……」
「ったく……斎藤、政宗様のお手を煩わせるんじゃねぇぜ」
「わ、分かってますー!」
微笑んで恭しく頭を下げ、また肩を竦めて、和真さんと片倉先生は人混みの中に紛れていった
ディナータイムまではもう少し時間がある
どうする、と政宗さんの目が問うてきた
「目的もなく街並みを歩いてみたいです」
「そんなんでいいのか?」
「そういうのがいいんですよ」
CNタワーを降りるエレベーターに並んで待つ間、政宗さんが私の手を握ってきた
あったかい気持ちになって、政宗さんの手を握り返す
そうして私達は地上へと降りていった
……成実は高いところ平気なんだっけ
登勢は平気そうなんだけどな
二人がカナダに行くときは、エッジウォークをおすすめしておこう
私はどこにいるかというと
「……たっか……」
「ビビってんのか?
高いところが好きだっつったのはお前だぜ」
ビュォオ、と風が吹き付ける中、私の腰には命綱
前には政宗さん、後ろには片倉先生
そしてここは地上三五六メートル
足元の幅はわずか一メートルしかない
「なんで三人は平気なんです……?」
「なんでって別に……なぁ、小十郎?」
「かつての貴方様の無茶に比べれば、ハーネスが着いている分、安全は保障されておりまするゆえ」
「Ah!?」
「奥様、大丈夫ですよ
仮にハーネスが切れてしまっても、この新倉が必ずお助け致します!」
「なんで余計に怖がらせるかなー!?」
高いところが好きだとか言った自分を殴りたい
これは流石に怖いって!
「ほら、さっさと歩け」
「ううう片倉先生の鬼……」
「あ?」
「鬼のように優しい恩師で良かったなー!!」
「誤魔化せてねぇぞ」
竦みそうになる足を動かして、一歩ずつ前へ歩く
撮影スポットでは身体を乗り出せるらしいけど、絶対に無理だ
「なんでこんなところに登ろうと思ったんだろうな……」
「フッ、馬鹿と煙はなんとやら、だな」
「この主従は揃いも揃って……!!」
かすがだったら絶対に私の手を握って歩調を合わせてくれるのに
なんでビビり散らかしてる私が政宗さん達に合わせなきゃいけないんだ……
「Hey,honey.
photo spotが見えてきたぜ」
「身体乗り出せとか言うんですよね!
無理ですからね!?」
「大丈夫ですよ、落ちたりなど致しませんから」
ううう、と片倉先生の後ろを歩く和真さんを威嚇する
そうこうするうちに撮影スポットに入って、政宗さんが腕を組んだまま上半身を外に投げ出した
「命知らず!!」
「オイ言い方もっとあんだろが!!」
「ハーネスを握っていれば大丈夫ですよ、奥様」
「せっかくここまで来たんだ、いい記念になるぜ」
「ううう……!」
政宗さんの隣にたどり着いて、地上を背に上半身を恐る恐る外へと投げ出す
後ろを見なければ……後ろを見なければ大丈夫だ……!!
スタッフさんの合図で写真が撮られて、ハーネスを頼りに身体を戻す
そのまま政宗さんはトロントの景色を眺めながら、散歩のように歩いていた
さすが世界的大富豪の御曹司、心臓の作りが違う……
ゴールにたどり着いて、屋内に戻ってハーネスが外された瞬間、膝が笑ってしまって私はへなへなと座り込んだ
「Are you OK?」
「ノー!!」
悪態をつくように叫んで、和真さんの手を握る
和真さんはニコニコして私の手を握り、こともあろうに私をお姫様抱っこしてきた
「そこまでは言ってないですけど!?」
「歩けないだろうと思いまして」
「……歩けませんけど!!」
だからってこれはさぁ!!
恥ずかしすぎるんだよなぁ!!
「写真が出来たようですよ」
「和真さんもう歩けますから降ろしてください!!」
「つーかなんでそこで新倉なんだよ
普通俺だろ」
「政宗さんが意地悪なことするからですー」
和真さんが私を降ろす
それから片倉先生が買ってきた写真を四人で覗き込んだ
「お前、顔が強ばってるぞ」
「あれで笑えってのが無理ですよ」
「勇ましく挑んだ割に、速攻でビビってやがったな」
「強ばったお顔の奥様も愛らしいですね」
和真さんには私の顔がどう見えているんだろう
絶対に愛らしいとか評される表情はしてないと思うんだ
「fan clubに売りつけたらいくらで売れるんだろうな」
「さ、サイテー!」
「jokeに決まってんだろ」
「とはいえファンクラブの売上は、運営資金を除いた全額が、奥様の口座に振り込まれていますから……」
「ナンデェ?」
それには答えず、和真さんは写真を数枚追加で買ってきた
曰く、おばあちゃんに渡す用と保存用と観賞用らしい
優秀な執事なのは間違いないんだけど、こう……もう少し緩んだネジを締めてほしいな、なんて……
……今更かもしれないけど
「さて、dinnerまでどうするか……」
「というか完全に四人での旅行になってません?」
「さすがにエッジウォークに同行するとなると、表に出てくるしかありませんでしたので……」
「ったく……斎藤、政宗様のお手を煩わせるんじゃねぇぜ」
「わ、分かってますー!」
微笑んで恭しく頭を下げ、また肩を竦めて、和真さんと片倉先生は人混みの中に紛れていった
ディナータイムまではもう少し時間がある
どうする、と政宗さんの目が問うてきた
「目的もなく街並みを歩いてみたいです」
「そんなんでいいのか?」
「そういうのがいいんですよ」
CNタワーを降りるエレベーターに並んで待つ間、政宗さんが私の手を握ってきた
あったかい気持ちになって、政宗さんの手を握り返す
そうして私達は地上へと降りていった
……成実は高いところ平気なんだっけ
登勢は平気そうなんだけどな
二人がカナダに行くときは、エッジウォークをおすすめしておこう