42 続・サマートリップin北米
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北米旅行も折り返しの、五日目
「やって来ました!
カナダー!!」
「誰に向かって言ってんだ?」
「あそこで写真撮影に余念がない和真さんに向かって」
「……Oh,my……」
あわれ、和真さんの行動は政宗さんさえもドン引きするものだったらしい
ちなみに和真さんの隣で同じようにカメラを構える恩師の姿は、見なかったことにした
護衛だってんなら、もう少し忍んでくれないだろうか、あの二人
42 続・サマートリップin北米
アメリカからカナダへ北上する日、我々は車の中にいた
私が「地続きなら陸路で国境を越えてみたい」と言ってしまったせいだ
ちなみにアメリカからカナダへは、飛行機で向かうこともできる
今回は陸路なので、橋のたもとまでホテルが車を出してくれることになった
橋のたもとに出国ゲートがあり、そこから徒歩でカナダへ渡ることになっている
通行料を払ってゲートを通り、いざレインボーブリッジへ!
「おお〜!
すごい、ナイアガラの滝だー!」
橋の上から眺めるナイアガラの滝は絶景だ
政宗さんは見慣れたものかもしれないけど、私は目にするのさえ初めてなので感動しっぱなし
後ろを歩く和真さんが微笑ましそうに笑っていた
「宜しければお写真をお撮りしましょうか」
「お願いします!」
橋の真ん中に国境を示す看板があったので、そこで政宗さんと二人並んで、ナイアガラの滝をバックにパシャリ
二、三度のリテイクを重ねて、和真さんは満足気に頷いた
いい写真が取れたようで何よりだ
ゆったりと橋を渡り終えて、カナダの入国審査へ
検問所に通されて、政宗さんと二人で入国審査官の質問に答えていく
日本からアメリカに来た時ほどの厳しさじゃなくて拍子抜けしたけど、無事に通過
……通過した先に、これまた黒のリムジンが待ち構えていた
「ホテルに到着するまでの辛抱ですよ」
「今日のホテルはどこなんです?」
「トロントにあるホテルだ」
「……伊達の?」
「それ以外に何がある?」
片倉先生が当然のようにそう言ったので、私はもう何も言うまいと口を閉ざした
私と政宗さんを乗せた車は、首都のトロントへ向けて走り出した
アメリカと似たような、でもどこか違う景色が流れていく
「日本にいたら体験できないようなことがいっぱいですね」
「楽しいか?」
「めちゃくちゃ楽しいです!」
そらよかった、と政宗さんが微笑む
しかし平和な旅行になってくれて良かった
仲良しクインテットの四人は日本にいるし、パーティーに参加する予定だってないから、ファンクラブの人達に会うこともない
平和でなきゃおかしいくらいなんだけど
「でもこの旅行で何に一番驚いたかって、私の文法崩壊英語でも普通に通じたところですよ……」
「発音さえ聞き取れりゃ、あとは向こうが理解してくれる
俺達だって普段そうだろ」
「まあそりゃあ、カタコトの日本語でも言いたいことは理解できますしね……」
ちなみに政宗さんは現地人かと思うくらい、英語が堪能だった
分かってたけど、改めて「すごい人なんだなぁ」と尊敬ポイントが急上昇だ
「政宗さんはカナダに来たことは?」
「三度目だな」
「アメリカよりは少ないんだ」
「Yes.
最後に来たのも……何年前だ?」
あの政宗さんが分からないくらい、昔ってことなのか
それじゃあ街並みとか、記憶の中のものとはちょっと変わってるかもしれないな
「ホテルに着いたらどこ行きます?」
「そりゃあCN towerだろ」
「展望台!」
「ついでにEdge-walkでもするか?」
「え、楽しそう!」
「マジかよ」
「高いところは好きですよ」
「バカと煙はなんとやらだな」
「ちょっと!?」
なんてこと言うんだ、この人!
学年首席だった頭脳の持ち主に向かって!!
……政宗さんも学年首席だったけど!!
「もしかして政宗さん、高いところが苦手とか」
「馬鹿言え、俺に苦手なモンなんざねぇ」
「ふーん?」
ニヤニヤしながら政宗さんを見ると、政宗さんから鬱陶しそうに手で払われた
ちぇ、と口を尖らせて、視線を窓へと向ける
海外なんて、テレビの中だけの世界だった
まさかこうして実際に行くことになるなんて思いもしなかったなぁ
「政宗さんは修学旅行、スイスだったんですよね」
「そうだったな」
「スイスも行ったことあったんですか?」
「さすがに初めてだった」
「へー、意外
ヨーロッパは制覇してるもんだと思ってました」
「Ah……まあ、大抵の国には行ったことあるがな
北欧あたりはまだ行ったことないはずだ」
「この先、行く可能性は?」
「いずれは行くことになるだろうさ」
「おお……」
「お前もな」
「私もかぁ……」
北欧はめちゃくちゃ寒いって聞くんだよなぁ
……でも白夜は気になるな
あとオーロラも見てみたいし!
「仕方ないので一緒に行ってあげます」
「やっぱやめたは無しだぜ」
「どうせ有無を言わさず連れていくくせにー」
たりめえだろ、と政宗さんが呟く
私ひとりでは絶対に行かなさそうな場所だし、政宗さんに連れ出されるくらいがちょうどいいかもしれない
……北欧って、英語通じるよね?
「やって来ました!
カナダー!!」
「誰に向かって言ってんだ?」
「あそこで写真撮影に余念がない和真さんに向かって」
「……Oh,my……」
あわれ、和真さんの行動は政宗さんさえもドン引きするものだったらしい
ちなみに和真さんの隣で同じようにカメラを構える恩師の姿は、見なかったことにした
護衛だってんなら、もう少し忍んでくれないだろうか、あの二人
42 続・サマートリップin北米
アメリカからカナダへ北上する日、我々は車の中にいた
私が「地続きなら陸路で国境を越えてみたい」と言ってしまったせいだ
ちなみにアメリカからカナダへは、飛行機で向かうこともできる
今回は陸路なので、橋のたもとまでホテルが車を出してくれることになった
橋のたもとに出国ゲートがあり、そこから徒歩でカナダへ渡ることになっている
通行料を払ってゲートを通り、いざレインボーブリッジへ!
「おお〜!
すごい、ナイアガラの滝だー!」
橋の上から眺めるナイアガラの滝は絶景だ
政宗さんは見慣れたものかもしれないけど、私は目にするのさえ初めてなので感動しっぱなし
後ろを歩く和真さんが微笑ましそうに笑っていた
「宜しければお写真をお撮りしましょうか」
「お願いします!」
橋の真ん中に国境を示す看板があったので、そこで政宗さんと二人並んで、ナイアガラの滝をバックにパシャリ
二、三度のリテイクを重ねて、和真さんは満足気に頷いた
いい写真が取れたようで何よりだ
ゆったりと橋を渡り終えて、カナダの入国審査へ
検問所に通されて、政宗さんと二人で入国審査官の質問に答えていく
日本からアメリカに来た時ほどの厳しさじゃなくて拍子抜けしたけど、無事に通過
……通過した先に、これまた黒のリムジンが待ち構えていた
「ホテルに到着するまでの辛抱ですよ」
「今日のホテルはどこなんです?」
「トロントにあるホテルだ」
「……伊達の?」
「それ以外に何がある?」
片倉先生が当然のようにそう言ったので、私はもう何も言うまいと口を閉ざした
私と政宗さんを乗せた車は、首都のトロントへ向けて走り出した
アメリカと似たような、でもどこか違う景色が流れていく
「日本にいたら体験できないようなことがいっぱいですね」
「楽しいか?」
「めちゃくちゃ楽しいです!」
そらよかった、と政宗さんが微笑む
しかし平和な旅行になってくれて良かった
仲良しクインテットの四人は日本にいるし、パーティーに参加する予定だってないから、ファンクラブの人達に会うこともない
平和でなきゃおかしいくらいなんだけど
「でもこの旅行で何に一番驚いたかって、私の文法崩壊英語でも普通に通じたところですよ……」
「発音さえ聞き取れりゃ、あとは向こうが理解してくれる
俺達だって普段そうだろ」
「まあそりゃあ、カタコトの日本語でも言いたいことは理解できますしね……」
ちなみに政宗さんは現地人かと思うくらい、英語が堪能だった
分かってたけど、改めて「すごい人なんだなぁ」と尊敬ポイントが急上昇だ
「政宗さんはカナダに来たことは?」
「三度目だな」
「アメリカよりは少ないんだ」
「Yes.
最後に来たのも……何年前だ?」
あの政宗さんが分からないくらい、昔ってことなのか
それじゃあ街並みとか、記憶の中のものとはちょっと変わってるかもしれないな
「ホテルに着いたらどこ行きます?」
「そりゃあCN towerだろ」
「展望台!」
「ついでにEdge-walkでもするか?」
「え、楽しそう!」
「マジかよ」
「高いところは好きですよ」
「バカと煙はなんとやらだな」
「ちょっと!?」
なんてこと言うんだ、この人!
学年首席だった頭脳の持ち主に向かって!!
……政宗さんも学年首席だったけど!!
「もしかして政宗さん、高いところが苦手とか」
「馬鹿言え、俺に苦手なモンなんざねぇ」
「ふーん?」
ニヤニヤしながら政宗さんを見ると、政宗さんから鬱陶しそうに手で払われた
ちぇ、と口を尖らせて、視線を窓へと向ける
海外なんて、テレビの中だけの世界だった
まさかこうして実際に行くことになるなんて思いもしなかったなぁ
「政宗さんは修学旅行、スイスだったんですよね」
「そうだったな」
「スイスも行ったことあったんですか?」
「さすがに初めてだった」
「へー、意外
ヨーロッパは制覇してるもんだと思ってました」
「Ah……まあ、大抵の国には行ったことあるがな
北欧あたりはまだ行ったことないはずだ」
「この先、行く可能性は?」
「いずれは行くことになるだろうさ」
「おお……」
「お前もな」
「私もかぁ……」
北欧はめちゃくちゃ寒いって聞くんだよなぁ
……でも白夜は気になるな
あとオーロラも見てみたいし!
「仕方ないので一緒に行ってあげます」
「やっぱやめたは無しだぜ」
「どうせ有無を言わさず連れていくくせにー」
たりめえだろ、と政宗さんが呟く
私ひとりでは絶対に行かなさそうな場所だし、政宗さんに連れ出されるくらいがちょうどいいかもしれない
……北欧って、英語通じるよね?
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