41 サマートリップin北米
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……シャンデリアが眩しい
パーティー会場に政宗さんと向かった先で、私は現実逃避のためにそんなことを思った
あの伊達家が、当主夫妻ではなく、その跡継ぎ夫婦を出席させるとなれば、話題を集めてしまうのは仕方ない
とはいえ政宗さんが言っていたように、これはニューヨーク圏で活躍する日本人の集まりで、出席者もほぼ全員が日本人だ
「……こんなところにもいるんですね
私のファンクラブ会員」
「どこにでも湧いて出やがるな
諦めたほうが早いんじゃねぇのか」
こちらを熱の篭もった眼差しで見つめる招待客に微笑んでみれば、悲鳴を上げるわ倒れるわで、一角が大変なことになった
「ま、今日は俺達の顔を覚えてもらうのが目的だ
気負うことねぇさ」
「政宗さんは場馴れしてるから……」
場馴れとか、当分はできる気がしない
ウェルカムドリンクのグラスを貰って、一口飲む
シャンパンの炭酸が口の中で弾けた
「このドレス、いつの間に仕立ててたんですか?」
「お前に似合うだろうと思って、な
俺の見立て通りだったろ」
「政宗さんって本当にセンス良いですよね
そういうとこ、羨ましいです」
「なんだそりゃ」
私のドレスと色を合わせたネクタイ
政宗さんは青が好きなのか、青色ばかりを身につけるけど、少しずつ色を変えたり、ネクタイの模様を変えたりする
私に用意してくれるドレスだって、色を合わせて、ドレスの形や装飾を少しずつ変えていて……
……ずるくない?
「政宗さんは──あれ?」
彼への言葉を聞き終える前に、私の視界に見覚えのある背中が映った
政宗さんも私の視線の先を追って、「……Ah?」と驚いている
「あれ、元就先輩ですよね」
「見間違いじゃなけりゃあ、毛利だな」
「こういうところには来ないと思ってたのに……」
「Fum……なるほどな
豊臣から直々に呼ばれたとなりゃ、さすがに断る理由がなかったんだろうぜ」
「え、豊臣……?」
「毛利の隣に竹中の野郎がいやがる」
「えっ……あ、ほんとだ」
どちらも懐かしい顔だ……
お二人が卒業してからは、一度も顔を合わせていないからなぁ
「……行くか?」
「政宗さん、お二人のことは苦手では?」
「お前一人で行かせるわけにもいかねえだろ
……合わせなくていいなら、顔なんざ合わせたくなかったがな」
心底嫌そうな顔をして、政宗さんはシャンパンを飲み干した
近くにいたウェイターにグラスを返して、私をエスコートしたままそちらへと歩いていく
……そういうとこなんだよなぁ、政宗さんがずるいって思うの
「おや……君達は」
「よもや貴様らもここにおるとは……
どういう風の吹き回しだ?」
「ご無沙汰してます、竹中先輩、元就先輩」
「Long time no see.
元気にしてるようじゃねぇか」
竹中先輩が私を見て眼差しを緩める
元就先輩も、少しだけ雰囲気を緩めたような気がした
「少し見ないうちに、すっかり大人びた雰囲気になったね
政宗君とは元気にやってるかい?」
「お陰様で、振り回されてますよ」
「ふふっ……なるほど、充実しているなら何よりだよ」
「アンタは変わんねぇな、毛利
日本から出る気のなかったアンタが、なんだってこんなところにいやがる?」
「……我は竹中に呼び付けられただけのこと
明日の便で帰る手筈になっておる」
懐かしいな、この素っ気ない感じ……
元就先輩といえば、元親先輩と対立してた生徒会長様だった印象が強い
校門前でのやりとりが懐かしいや
「元親先輩ならお元気ですよ」
「彼奴のことは聞いておらぬが」
「気になっておいでかなと思って……」
「貴様は我と彼奴を何だと思っておるのだ」
「腐れ縁……?」
「どちらかと言うと因縁かな?」
ニコニコしたまま竹中先輩がそう言った
この人は絶対に元就先輩で遊んでる
すごいな、さすが竹中先輩だ
私には元就先輩の反応で遊べる勇気は無い
「君達はどうしてここに?」
「うちの親父に嵌められてな」
「十日間のお休みをもらう代わりに、これに出ろって言われたんです」
「遅ればせながらの新婚旅行というわけかい?
……そうでもなさそうだね」
ぽかんとした私達へ、竹中先輩が愛想笑いで訂正を入れてきた
……新婚旅行、忘れてた
そういえばやってないな
「じゃあ新婚旅行ってことで」
「こんなhoneymoonがあってたまるか!」
「絶対そう言うと思ったんですよね」
新婚旅行やるとなったら、どこまでもこだわる人だもん
こんな成り行きで新婚旅行にするのは、絶対に反対するって知ってた
「僕らだけで独占するのはいけないかな
今夜の話題の中心は君達だ、色んな人間に顔を売り込んできたまえ」
「売り込みに来たわけじゃねえがな……」
「あはは……まあ、顔を覚えてもらうのが目的ではありますし」
お二人に手を振って、その場を離れようとする
竹中先輩に呼び止められて、何事かと首を傾げると、先輩は私へ向かって微笑んだまま言った
「君のファンクラブ、本当にどこにでもいるんだね
感心するよ」
「私も本当にどこにでもいてすごいなって思ってます」
いなかったためしがないもんね
男女問わず、本当にどこにでもいるもんね
本当に大親友はなんて集まりを作ってくれたんだろうな
パーティー会場に政宗さんと向かった先で、私は現実逃避のためにそんなことを思った
あの伊達家が、当主夫妻ではなく、その跡継ぎ夫婦を出席させるとなれば、話題を集めてしまうのは仕方ない
とはいえ政宗さんが言っていたように、これはニューヨーク圏で活躍する日本人の集まりで、出席者もほぼ全員が日本人だ
「……こんなところにもいるんですね
私のファンクラブ会員」
「どこにでも湧いて出やがるな
諦めたほうが早いんじゃねぇのか」
こちらを熱の篭もった眼差しで見つめる招待客に微笑んでみれば、悲鳴を上げるわ倒れるわで、一角が大変なことになった
「ま、今日は俺達の顔を覚えてもらうのが目的だ
気負うことねぇさ」
「政宗さんは場馴れしてるから……」
場馴れとか、当分はできる気がしない
ウェルカムドリンクのグラスを貰って、一口飲む
シャンパンの炭酸が口の中で弾けた
「このドレス、いつの間に仕立ててたんですか?」
「お前に似合うだろうと思って、な
俺の見立て通りだったろ」
「政宗さんって本当にセンス良いですよね
そういうとこ、羨ましいです」
「なんだそりゃ」
私のドレスと色を合わせたネクタイ
政宗さんは青が好きなのか、青色ばかりを身につけるけど、少しずつ色を変えたり、ネクタイの模様を変えたりする
私に用意してくれるドレスだって、色を合わせて、ドレスの形や装飾を少しずつ変えていて……
……ずるくない?
「政宗さんは──あれ?」
彼への言葉を聞き終える前に、私の視界に見覚えのある背中が映った
政宗さんも私の視線の先を追って、「……Ah?」と驚いている
「あれ、元就先輩ですよね」
「見間違いじゃなけりゃあ、毛利だな」
「こういうところには来ないと思ってたのに……」
「Fum……なるほどな
豊臣から直々に呼ばれたとなりゃ、さすがに断る理由がなかったんだろうぜ」
「え、豊臣……?」
「毛利の隣に竹中の野郎がいやがる」
「えっ……あ、ほんとだ」
どちらも懐かしい顔だ……
お二人が卒業してからは、一度も顔を合わせていないからなぁ
「……行くか?」
「政宗さん、お二人のことは苦手では?」
「お前一人で行かせるわけにもいかねえだろ
……合わせなくていいなら、顔なんざ合わせたくなかったがな」
心底嫌そうな顔をして、政宗さんはシャンパンを飲み干した
近くにいたウェイターにグラスを返して、私をエスコートしたままそちらへと歩いていく
……そういうとこなんだよなぁ、政宗さんがずるいって思うの
「おや……君達は」
「よもや貴様らもここにおるとは……
どういう風の吹き回しだ?」
「ご無沙汰してます、竹中先輩、元就先輩」
「Long time no see.
元気にしてるようじゃねぇか」
竹中先輩が私を見て眼差しを緩める
元就先輩も、少しだけ雰囲気を緩めたような気がした
「少し見ないうちに、すっかり大人びた雰囲気になったね
政宗君とは元気にやってるかい?」
「お陰様で、振り回されてますよ」
「ふふっ……なるほど、充実しているなら何よりだよ」
「アンタは変わんねぇな、毛利
日本から出る気のなかったアンタが、なんだってこんなところにいやがる?」
「……我は竹中に呼び付けられただけのこと
明日の便で帰る手筈になっておる」
懐かしいな、この素っ気ない感じ……
元就先輩といえば、元親先輩と対立してた生徒会長様だった印象が強い
校門前でのやりとりが懐かしいや
「元親先輩ならお元気ですよ」
「彼奴のことは聞いておらぬが」
「気になっておいでかなと思って……」
「貴様は我と彼奴を何だと思っておるのだ」
「腐れ縁……?」
「どちらかと言うと因縁かな?」
ニコニコしたまま竹中先輩がそう言った
この人は絶対に元就先輩で遊んでる
すごいな、さすが竹中先輩だ
私には元就先輩の反応で遊べる勇気は無い
「君達はどうしてここに?」
「うちの親父に嵌められてな」
「十日間のお休みをもらう代わりに、これに出ろって言われたんです」
「遅ればせながらの新婚旅行というわけかい?
……そうでもなさそうだね」
ぽかんとした私達へ、竹中先輩が愛想笑いで訂正を入れてきた
……新婚旅行、忘れてた
そういえばやってないな
「じゃあ新婚旅行ってことで」
「こんなhoneymoonがあってたまるか!」
「絶対そう言うと思ったんですよね」
新婚旅行やるとなったら、どこまでもこだわる人だもん
こんな成り行きで新婚旅行にするのは、絶対に反対するって知ってた
「僕らだけで独占するのはいけないかな
今夜の話題の中心は君達だ、色んな人間に顔を売り込んできたまえ」
「売り込みに来たわけじゃねえがな……」
「あはは……まあ、顔を覚えてもらうのが目的ではありますし」
お二人に手を振って、その場を離れようとする
竹中先輩に呼び止められて、何事かと首を傾げると、先輩は私へ向かって微笑んだまま言った
「君のファンクラブ、本当にどこにでもいるんだね
感心するよ」
「私も本当にどこにでもいてすごいなって思ってます」
いなかったためしがないもんね
男女問わず、本当にどこにでもいるもんね
本当に大親友はなんて集まりを作ってくれたんだろうな