41 サマートリップin北米
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ホテルのロビーに到着すると、支配人が直々に出迎えてくださった
英語でそれぞれ挨拶をして、エレベーターで部屋へ
最上階へは専用のカードキーを翳さないと、ボタンが押せないらしい
セキュリティがガチガチで愛想笑いしかできなかった
最上階に着いて、エレベーターを降りる
ふっかふかのカーペットを歩いて、奥にひとつ佇むドアにカードキーを当てた
開錠音がして、政宗さんがドアを開ける
「……うわ」
感嘆というよりはドン引きに近い声が出た
金持ちらしい金の使い方をしました、という感じの部屋だった
テレビなんか、何インチあるんだ?
窓際のガラステーブルには、ウェルカムドリンクが添えてある
支配人が部屋を出て行って改めて室内を探索しようとすると、ドアが開いて和真さんと──
「なんで片倉先生がここに!?」
「あぁ?
政宗様がおられるところに俺がいて当然だろうが」
なんと我らが恩師、片倉小十郎その人が現れた
さすがに予想外も予想外で、自分の目を疑ったけど、和真さんが「ご断念ください……」というふうに首を振ったので、これは現実だと否応なく突き付けられてしまった
「いや、あの、学院は!?」
「もうとっくに夏休みだ」
「剣道部の練習はァ!?」
「綱元の出張稽古中だ、問題ねぇ」
「綱元先輩、よく引き受けましたね」
「暇人を有効活用しただけだろ」
さすがに成実は回避できたっぽいので、心の中で拍手しておいた
どこに行ってるか知らないけど、登勢との旅行を心から楽しんでほしい
「知らなかったのか?」
「政宗さんは知ってたんですね」
「俺が小十郎を置いていくわけねぇだろ」
「最近あんまり一緒に居るところを見かけなかったから、てっきりこば……独り立ちしたのかと」
「camouflageできてねぇぞ」
うぐ、と言葉に詰まって視線を逸らす
片倉先生はそんな私など気にも留めず、政宗さんとこの後の打ち合わせを始めてしまった
なんだろう、別に片倉先生がいてもいいんだけど……
「どうして毎回、私の手前で情報がシャットアウトされるんですか……?」
「そのほうがsurpriseになって面白ぇだろ」
「面白がってるの、政宗さんだけでしょ!」
「あーあー、OK,OK.
ひとまずlunchにすんぞ
小十郎、予約取れてんだろ?」
「無論です
輝宗様の名でつけておけと、ご本人様が仰せでした」
「ほぉ、親父にしちゃあ気前がいいな」
政宗さんがニヤリと笑って呟く
お義父さんの金だからって、遠慮なく高いコースを選んだのが見え見えだ
まずはシャワーでも浴びようということになって、私は着替えを持たされてシャワールームへと通された
こちらです、と、通された先には、それはもうラグジュアリーな空間が広がっている
「ほんとに……?」
「もしやご不満でしたか?」
「気後れしているだけなのでお構いなく……」
政宗さんと結婚しなかったら、一生かかっても泊まれなかっただろうな、こんな部屋
……でもどうなんだろ、藤野もこういうホテルは持ってるだろうからなぁ
シャワーを浴びて備え付けのシャンプーを手に取る
……めっちゃいい香りする
これ絶対にいいやつだ
「……まあ、何事もなく十日間が過ごせるとは思ってなかったしな」
諦めよう
お義父さんも私達なら大丈夫だと思ってくれたんだろう
それにこの先もこういう生活が続いていくんだから、慣れるしかない
それが私の日常になっていくんだから
*********************
シャワーから上がって、私と入れ違いで政宗さんが入っていく
私は和真さんにされるがままだ
「そういえば片倉先生、成実はどうしてます?」
「成実の奴なら、亘理のご令嬢と北海道だ」
「海外に行くかと思いきや、国内にしたんだ、あの二人」
「ラベンダー畑が見てぇんだとよ」
「成実にしてはロマンチックだな……」
「亘理のご令嬢がだぞ」
「ですよね」
まあね、あの二人なら北海道だって満喫して帰ってくるだろうよ
北の方は寒いから、風邪だけ引かないように気をつけてほしい
「で、おめぇはなんでまたアメリカなんだ?」
「シンプルに行ったことがないからですよ」
「この先、飽きるくらい来ることになるぜ」
「それはそれ、これはこれです!」
ぺたぺたと和真さんが保湿クリームを顔に塗り込んでくる
顔は一旦終わったようで、次は髪にあれこれつけて、ドライヤーで乾かしていった
「……寝そう」
「時差ボケしやがって」
「上手く寝られなくて……」
丁寧に乾かされて、ヘアオイルをつける
それから一度手を拭いて、和真さんはメイクに取り掛かっていった
「……そんなまじまじと見ないでください、先生」
「ここからどう化けるか見物だな」
「こ、小馬鹿にして……!」
「動かないでくださいませ」
真剣な顔の和真さんが、これまた真剣な顔でそう言った
はい、と頷いて直立不動になる
目を閉じたり開けたり、上だけ見たり見なかったり
そうして数十分後、それはもう見事に化けた私がいた
「相変わらず化けるな……」
「すごいですよね、和真さん」
「そこは元がいいからだっつっとけ」
「あ、政宗さん」
背後から政宗さんの声が聞こえてきて振り返る
そこには上から下までバチバチに決まった爆イケが立っていた
「かっこいい……」
「顔赤いぞ」
「政宗さんがかっこいいのが悪いので……」
顔面国宝とは言い得て妙だ
言ってるの私だけかもしれないけど
英語でそれぞれ挨拶をして、エレベーターで部屋へ
最上階へは専用のカードキーを翳さないと、ボタンが押せないらしい
セキュリティがガチガチで愛想笑いしかできなかった
最上階に着いて、エレベーターを降りる
ふっかふかのカーペットを歩いて、奥にひとつ佇むドアにカードキーを当てた
開錠音がして、政宗さんがドアを開ける
「……うわ」
感嘆というよりはドン引きに近い声が出た
金持ちらしい金の使い方をしました、という感じの部屋だった
テレビなんか、何インチあるんだ?
窓際のガラステーブルには、ウェルカムドリンクが添えてある
支配人が部屋を出て行って改めて室内を探索しようとすると、ドアが開いて和真さんと──
「なんで片倉先生がここに!?」
「あぁ?
政宗様がおられるところに俺がいて当然だろうが」
なんと我らが恩師、片倉小十郎その人が現れた
さすがに予想外も予想外で、自分の目を疑ったけど、和真さんが「ご断念ください……」というふうに首を振ったので、これは現実だと否応なく突き付けられてしまった
「いや、あの、学院は!?」
「もうとっくに夏休みだ」
「剣道部の練習はァ!?」
「綱元の出張稽古中だ、問題ねぇ」
「綱元先輩、よく引き受けましたね」
「暇人を有効活用しただけだろ」
さすがに成実は回避できたっぽいので、心の中で拍手しておいた
どこに行ってるか知らないけど、登勢との旅行を心から楽しんでほしい
「知らなかったのか?」
「政宗さんは知ってたんですね」
「俺が小十郎を置いていくわけねぇだろ」
「最近あんまり一緒に居るところを見かけなかったから、てっきりこば……独り立ちしたのかと」
「camouflageできてねぇぞ」
うぐ、と言葉に詰まって視線を逸らす
片倉先生はそんな私など気にも留めず、政宗さんとこの後の打ち合わせを始めてしまった
なんだろう、別に片倉先生がいてもいいんだけど……
「どうして毎回、私の手前で情報がシャットアウトされるんですか……?」
「そのほうがsurpriseになって面白ぇだろ」
「面白がってるの、政宗さんだけでしょ!」
「あーあー、OK,OK.
ひとまずlunchにすんぞ
小十郎、予約取れてんだろ?」
「無論です
輝宗様の名でつけておけと、ご本人様が仰せでした」
「ほぉ、親父にしちゃあ気前がいいな」
政宗さんがニヤリと笑って呟く
お義父さんの金だからって、遠慮なく高いコースを選んだのが見え見えだ
まずはシャワーでも浴びようということになって、私は着替えを持たされてシャワールームへと通された
こちらです、と、通された先には、それはもうラグジュアリーな空間が広がっている
「ほんとに……?」
「もしやご不満でしたか?」
「気後れしているだけなのでお構いなく……」
政宗さんと結婚しなかったら、一生かかっても泊まれなかっただろうな、こんな部屋
……でもどうなんだろ、藤野もこういうホテルは持ってるだろうからなぁ
シャワーを浴びて備え付けのシャンプーを手に取る
……めっちゃいい香りする
これ絶対にいいやつだ
「……まあ、何事もなく十日間が過ごせるとは思ってなかったしな」
諦めよう
お義父さんも私達なら大丈夫だと思ってくれたんだろう
それにこの先もこういう生活が続いていくんだから、慣れるしかない
それが私の日常になっていくんだから
*********************
シャワーから上がって、私と入れ違いで政宗さんが入っていく
私は和真さんにされるがままだ
「そういえば片倉先生、成実はどうしてます?」
「成実の奴なら、亘理のご令嬢と北海道だ」
「海外に行くかと思いきや、国内にしたんだ、あの二人」
「ラベンダー畑が見てぇんだとよ」
「成実にしてはロマンチックだな……」
「亘理のご令嬢がだぞ」
「ですよね」
まあね、あの二人なら北海道だって満喫して帰ってくるだろうよ
北の方は寒いから、風邪だけ引かないように気をつけてほしい
「で、おめぇはなんでまたアメリカなんだ?」
「シンプルに行ったことがないからですよ」
「この先、飽きるくらい来ることになるぜ」
「それはそれ、これはこれです!」
ぺたぺたと和真さんが保湿クリームを顔に塗り込んでくる
顔は一旦終わったようで、次は髪にあれこれつけて、ドライヤーで乾かしていった
「……寝そう」
「時差ボケしやがって」
「上手く寝られなくて……」
丁寧に乾かされて、ヘアオイルをつける
それから一度手を拭いて、和真さんはメイクに取り掛かっていった
「……そんなまじまじと見ないでください、先生」
「ここからどう化けるか見物だな」
「こ、小馬鹿にして……!」
「動かないでくださいませ」
真剣な顔の和真さんが、これまた真剣な顔でそう言った
はい、と頷いて直立不動になる
目を閉じたり開けたり、上だけ見たり見なかったり
そうして数十分後、それはもう見事に化けた私がいた
「相変わらず化けるな……」
「すごいですよね、和真さん」
「そこは元がいいからだっつっとけ」
「あ、政宗さん」
背後から政宗さんの声が聞こえてきて振り返る
そこには上から下までバチバチに決まった爆イケが立っていた
「かっこいい……」
「顔赤いぞ」
「政宗さんがかっこいいのが悪いので……」
顔面国宝とは言い得て妙だ
言ってるの私だけかもしれないけど