39 襲来、風雲児連合
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みんなで何の変哲もない美味しいカレーを食べ終わった頃
ようやく和真さんが戻ってきた
「遅かったな」
「申し訳ございません
芳江会長と、輝宗様と義子の会話が弾んでしまいまして
そのままご夕食もとなりましたので、送迎役を務めておりました」
「やっぱり……」
「すげーメンツだな、何の話だったんだよ?」
「新倉家を伊達家の管轄下に移すんです
私は伊達家の人間ですからね
その私に仕える人間が藤野の配下にいるのは、変じゃないですか
私はそのままでもいいかと思ってたんですけど、藤野佳宏の件があったので、移そうかって話になって」
なんとも言えない空気がリビングに漂った
悪いのは百パーセント伯父だ
余計な手間をかけやがって、と言いたいけれど、相手は刑務所の中なので仕方ない
「美奈子社長にお仕えしておりました頃は、斎藤家との主従関係を結んでおりませんでしたので、新倉家は藤野家配下のままでした
それは美奈子社長と旦那様が、新倉家を斎藤家に近付けさせたくないとお思いであったからだったのですが」
「斎藤の家がただの一般家庭だったからか?」
「いえ、実は旦那様が、他の親族とは関わりを持とうとされておりませんでした
理由は明言されておりませんでしたが、察せられるところではありましたね
ご夫婦と弟君がお亡くなりになられてから、お嬢様が受けた仕打ちを考えれば、関わりを絶っていた理由は推測できます」
……なるほど、あの人達の性根は金に目が眩んだというより、元からあれだったって事だ
それを大金が更に歪めたってだけで、最初から救いようのない人達だった
「というわけで、先程無事、新倉家と伊達家の主従契約が締結されました
ですのでお嬢様――いえ、奥様、そして旦那様
これよりこの新倉和真、なお一層の覚悟をもって、お二人にお仕え致します
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます」
胸に右手を当て、和真さんが正式なお辞儀をする
私と政宗さんはそれに頷いて微笑んだ
「そういや気になったことあるんだけどさ
梵が伊達を継いで当主になったら、今の家はどうすんだ?
さすがに当主になったら本家に住まなきゃだろ」
「Ah……それもそうだな」
「お義父さんとお義母さんが住むって言ってましたよ」
「What's!?
んなこといつ言った!?」
「この間、本家で生け花のお稽古した時に
好きにリフォームしてくれって伝えてあるので、私達と入れ替わりでお二人が引っ越した後、バリアフリーのリフォームするみたいです」
「……それ、春日山に話はしたんだな?」
「もちろんです
だってあれ建てたの、ファンクラブですもん
すごく渋い顔しながら了承してくれました」
「目に浮かぶわ……」
とはいえ、政宗さんが当主になる時期はまだ決まってないし、当分は私達が住むはずだ
……と思っているけど、お義父さんのことだから、急に言い出す可能性もあるんだよねぇ
お義母さんが引き留めるかどうかにかかっているのは間違いない
「奥様、旦那様
ご自宅にお戻りでしたら、お送り致しますよ」
「そろそろ帰るか
明日はお互い、一日同行になってるからな……」
「ですね
じゃあ先輩方、お先に失礼します
成実……頑張れ!」
「気を付けて帰りなよ!
今度は一日遊ぼうな!」
「また釣りたての魚でも持ってってやらァ
じゃあな、兄さん、夕歌!」
「また週明けの稽古でな、夕歌
政宗様、おやすみなさいませ」
「程々に頑張るよ
またな、二人とも」
みんなに手を振って別邸を出る
外へ出て道を渡り、斜め向かいにある我が家へ
三十秒もかからないけど、和真さんはいつも私達が家に入るまで見送ってくれる
……奥様、か
和真さんが胸を張って、私を主人だと言えるよう、私ももっと頑張らなきゃ
「明日は朝ご飯どうします?」
「俺は先に食っていく
お前はのんびり食って行きな」
「あら、朝早いんですか」
「ちょっと遠方にな」
ふうん、と頷いてお風呂場へと入る
それから浴槽を洗って湯を張った
成実はああ言ってたけど、こんな調子だからなぁ
旅行は無理だ、ごめん成実……
この場合あれかな、登勢にも謝ったほうがいいかな
「旅行かぁ……
七月の北海道はラベンダーが綺麗だって聞いたことあるけど……
北海道はそもそも広すぎて、エリアを絞らないと回れないんだっけ……
でも、それはどこも同じか……」
浴室のドアを閉めて、リビングへ戻る
ひとまず、作れもしない予定の話はやめておこう
明日の朝は和真さんに来てもらうしかないかな
早めに来てもらって、政宗さんの分まで朝ごはんを作っておいてもらおう
別邸も人数が多いけど……まあ、成実と片倉先生で何とかなるだろう
頑張れ成実……!
今日はソファで雑魚寝が確定しているだろうけど……!
脳内に「俺の部屋なのに俺がここで寝られないの、おかしくねぇ?」と正論を呟きながら、自室を出てソファで横になる成実が見えた
成実のヒエラルキーが一段上になる日は……たぶん、来ない
ようやく和真さんが戻ってきた
「遅かったな」
「申し訳ございません
芳江会長と、輝宗様と義子の会話が弾んでしまいまして
そのままご夕食もとなりましたので、送迎役を務めておりました」
「やっぱり……」
「すげーメンツだな、何の話だったんだよ?」
「新倉家を伊達家の管轄下に移すんです
私は伊達家の人間ですからね
その私に仕える人間が藤野の配下にいるのは、変じゃないですか
私はそのままでもいいかと思ってたんですけど、藤野佳宏の件があったので、移そうかって話になって」
なんとも言えない空気がリビングに漂った
悪いのは百パーセント伯父だ
余計な手間をかけやがって、と言いたいけれど、相手は刑務所の中なので仕方ない
「美奈子社長にお仕えしておりました頃は、斎藤家との主従関係を結んでおりませんでしたので、新倉家は藤野家配下のままでした
それは美奈子社長と旦那様が、新倉家を斎藤家に近付けさせたくないとお思いであったからだったのですが」
「斎藤の家がただの一般家庭だったからか?」
「いえ、実は旦那様が、他の親族とは関わりを持とうとされておりませんでした
理由は明言されておりませんでしたが、察せられるところではありましたね
ご夫婦と弟君がお亡くなりになられてから、お嬢様が受けた仕打ちを考えれば、関わりを絶っていた理由は推測できます」
……なるほど、あの人達の性根は金に目が眩んだというより、元からあれだったって事だ
それを大金が更に歪めたってだけで、最初から救いようのない人達だった
「というわけで、先程無事、新倉家と伊達家の主従契約が締結されました
ですのでお嬢様――いえ、奥様、そして旦那様
これよりこの新倉和真、なお一層の覚悟をもって、お二人にお仕え致します
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます」
胸に右手を当て、和真さんが正式なお辞儀をする
私と政宗さんはそれに頷いて微笑んだ
「そういや気になったことあるんだけどさ
梵が伊達を継いで当主になったら、今の家はどうすんだ?
さすがに当主になったら本家に住まなきゃだろ」
「Ah……それもそうだな」
「お義父さんとお義母さんが住むって言ってましたよ」
「What's!?
んなこといつ言った!?」
「この間、本家で生け花のお稽古した時に
好きにリフォームしてくれって伝えてあるので、私達と入れ替わりでお二人が引っ越した後、バリアフリーのリフォームするみたいです」
「……それ、春日山に話はしたんだな?」
「もちろんです
だってあれ建てたの、ファンクラブですもん
すごく渋い顔しながら了承してくれました」
「目に浮かぶわ……」
とはいえ、政宗さんが当主になる時期はまだ決まってないし、当分は私達が住むはずだ
……と思っているけど、お義父さんのことだから、急に言い出す可能性もあるんだよねぇ
お義母さんが引き留めるかどうかにかかっているのは間違いない
「奥様、旦那様
ご自宅にお戻りでしたら、お送り致しますよ」
「そろそろ帰るか
明日はお互い、一日同行になってるからな……」
「ですね
じゃあ先輩方、お先に失礼します
成実……頑張れ!」
「気を付けて帰りなよ!
今度は一日遊ぼうな!」
「また釣りたての魚でも持ってってやらァ
じゃあな、兄さん、夕歌!」
「また週明けの稽古でな、夕歌
政宗様、おやすみなさいませ」
「程々に頑張るよ
またな、二人とも」
みんなに手を振って別邸を出る
外へ出て道を渡り、斜め向かいにある我が家へ
三十秒もかからないけど、和真さんはいつも私達が家に入るまで見送ってくれる
……奥様、か
和真さんが胸を張って、私を主人だと言えるよう、私ももっと頑張らなきゃ
「明日は朝ご飯どうします?」
「俺は先に食っていく
お前はのんびり食って行きな」
「あら、朝早いんですか」
「ちょっと遠方にな」
ふうん、と頷いてお風呂場へと入る
それから浴槽を洗って湯を張った
成実はああ言ってたけど、こんな調子だからなぁ
旅行は無理だ、ごめん成実……
この場合あれかな、登勢にも謝ったほうがいいかな
「旅行かぁ……
七月の北海道はラベンダーが綺麗だって聞いたことあるけど……
北海道はそもそも広すぎて、エリアを絞らないと回れないんだっけ……
でも、それはどこも同じか……」
浴室のドアを閉めて、リビングへ戻る
ひとまず、作れもしない予定の話はやめておこう
明日の朝は和真さんに来てもらうしかないかな
早めに来てもらって、政宗さんの分まで朝ごはんを作っておいてもらおう
別邸も人数が多いけど……まあ、成実と片倉先生で何とかなるだろう
頑張れ成実……!
今日はソファで雑魚寝が確定しているだろうけど……!
脳内に「俺の部屋なのに俺がここで寝られないの、おかしくねぇ?」と正論を呟きながら、自室を出てソファで横になる成実が見えた
成実のヒエラルキーが一段上になる日は……たぶん、来ない
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