39 襲来、風雲児連合
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時間は夕飯の用意をする頃合いになった
風雲児連合は今、政宗さんと成実を交えてゲームに夢中だ
夕飯、もう私が用意していいだろうか
まさか綱元先輩に用意させる訳にはいくまい、暗黒物質製造機なのに
「……げ、もうこんな時間じゃねぇか
元親と慶次、お前ら晩メシは?」
「ご相伴にあずかれるってんなら、その船に乗せてもらいてぇところだぜ?」
「うんうん!
成実が作るメシってのも気になるもんでさ!」
「凝ったモンは作らねぇぞ、人数多いし
ぼーん、お前も手伝えー」
「仕方ねぇな、久々に腕を奮ってやるか」
おお、従兄弟組の合作料理だ!
綱元先輩はお風呂を掃除しに行った
もう二人とも風雲児連合が泊まる前提で動いている
これが慣れか……恐ろしいな……
「なーに突っ立ってんだ、夕歌!
お前も手伝うんだからな!」
「えっ私も!?
キッチンがキャパオーバーしない!?」
「そんな狭いキッチンじゃねーから大丈夫だよ
つーか手伝わねぇと、メシが出来上がらねぇぞ」
「僭越ながらお手伝いさせていただきます」
別邸のキッチンは初めて入る
メニューは二人が冷蔵庫と相談して決めたようなので、言われた通りに調理を手伝うことにした
「噂には聞いてたけど、ほんとに成実って料理できるんだ……」
「できちゃうんだなぁ、これが
ま、梵の腕にゃ負けるけどよ」
慣れた手つきがじゃがいもを剥いていく
綺麗に可食部位を残していく技はお見事だ
私はピーラーで人参の皮を剥いていくことにした
キッチンもしっかり広いので、三人並んでも余裕で動けるのはありがたい
政宗さんは私の隣でお米を研いでいた
「何作ってるんだい?」
「カレー」
「大鍋で作ってますよ」
「大人数だとこうなるってこった」
お二人に文句を言わせる隙を与えず、政宗さんがそう言う
五合分を炊飯器にセットした政宗さんは、一瞬だけ「足りるよな……?」という顔をして蓋をした
私の予想だけど、たぶん足りない気がする
人参の皮を剥き終わってヘタとしっぽを切り落とし、縦半分に切って半切りにしていく
「ふーん、お前は半切り派なんだな」
「え、違った?」
「俺はいちょう切りすることが多いな
火の通りが早いから楽でよ」
「あー、たしかにそれはあるかも
残りはそうするよ」
「そのままで大丈夫だろ
別に時間がないわけじゃねぇし」
成実もじゃがいもを全部剥き終わって、こっちも同じく半月切りにしていく
政宗さんは隣で黙々と玉ねぎを切っていた
「独眼竜は合宿でも料理してたし、夕歌も一人暮らしだったから分かるんだけどさ
成実が料理してるってのは新鮮な感じするなぁ」
「だな
まァ、様ンなってるじゃねぇか」
「普段からやってるけどな
綱元は台所立ち入り禁止だし、新倉は夕歌の世話があるし
こじゅ兄も学院の剣道部があるしさ
俺しかメシ作れるヤツがいねぇんだよ」
「大学の剣道部の練習日は、和真さんが作ってるけどね」
「さすがに無理だろ、あれの後にメシ作れってのは」
政宗さんと私が同時に頷く
そもそもそんな元気があるなら、稽古の時に出し切れって話だ
そしてあの師範が、余力を残した状態を見逃すはずもない
「元親はいつも通り俺の部屋に泊まるとして、慶次はどうするよ?
空いてる部屋、梵の部屋か客間しかねぇぞ」
「客間はcleaningしてねぇからな……
俺の部屋しかねぇか」
「慶次の分際で政宗様の部屋に?」
政宗さんガチ勢の綱元先輩が聴き逃してくれなかった
肉を切りながら、成実が「あーあ」と呟いた
何なら政宗さんも野菜を炒めながら、「やっぱりな」という顔をしている
「慶次を政宗様のお部屋になど、入れられるはずないだろう
成実の部屋に客用の布団を敷いてやる
どっちが床で寝るか、今から相談しておけ」
「相変わらず俺の扱いが雑だな、綱元……」
「お前だけじゃなく、綱は竜の兄さんと右目の兄さん以外はだいたい雑だぜ」
「そうですよ
私だって割かし雑に扱われてますし」
「独眼竜の嫁さんなのにな」
「まだまだだからな」
そう言う綱元先輩の口元には、微笑みが浮かんでいる
今までのような腹の立つものではなく、私のことを見守るようなものだった
……もしかして、少しくらいは認めてもらえているのかも
「成実、肉」
「はいよ」
政宗さんが成実からお肉をもらって、フライパンにぶっ込む
その間に大鍋には水が張られ、コンロに火がかけられた
「ちゃんと炒めるんですね」
「お前はやらないのか?」
「面倒なので、最初っから鍋に入れちゃいます」
「分かる、面倒だよな
フライパンの片付けとかいう工程が増えるし
俺もやんねーもん」
成実がまな板や包丁を洗いながらそう言う
サッと火を通して、政宗さんは具材を鍋に投入した
カレールーの箱をちらりと見たけど、ちゃんと中辛だ
良かった、辛口とか入れられたら、私が食べられないところだった
「あとは俺と梵でやるから、夕歌は向こうで座ってていいぞ」
「あ、ほんと?
じゃあお願いします」
成実と政宗さんにあとは任せて、リビングのほうへと戻る
空いたグラスに、綱元先輩がお茶を注いでくれた
「ありがとうございます
綱元先輩に給仕してもらうの、新鮮ですね」
「新倉がいないなら、俺の仕事だからな
ありがたく思うといい」
上から目線でそう言いつつ、満更でもない様子だ
小さく笑って頷いておいた
和真さんもそろそろ戻ってくる頃だとは思うんだけどね
テレビは夕方のニュースを流し始めた
それを流し見していると、キッチンからカレーのいい匂いが漂ってきて
「ルー足りなくね?」
「No problem.
誤差だ」
「誤差かぁ……?」
という、従兄弟組のちょっと怪しい会話が聞こえてきた
……政宗さんが大丈夫って言ってるし、大丈夫だろう
大丈夫……だよね?
風雲児連合は今、政宗さんと成実を交えてゲームに夢中だ
夕飯、もう私が用意していいだろうか
まさか綱元先輩に用意させる訳にはいくまい、暗黒物質製造機なのに
「……げ、もうこんな時間じゃねぇか
元親と慶次、お前ら晩メシは?」
「ご相伴にあずかれるってんなら、その船に乗せてもらいてぇところだぜ?」
「うんうん!
成実が作るメシってのも気になるもんでさ!」
「凝ったモンは作らねぇぞ、人数多いし
ぼーん、お前も手伝えー」
「仕方ねぇな、久々に腕を奮ってやるか」
おお、従兄弟組の合作料理だ!
綱元先輩はお風呂を掃除しに行った
もう二人とも風雲児連合が泊まる前提で動いている
これが慣れか……恐ろしいな……
「なーに突っ立ってんだ、夕歌!
お前も手伝うんだからな!」
「えっ私も!?
キッチンがキャパオーバーしない!?」
「そんな狭いキッチンじゃねーから大丈夫だよ
つーか手伝わねぇと、メシが出来上がらねぇぞ」
「僭越ながらお手伝いさせていただきます」
別邸のキッチンは初めて入る
メニューは二人が冷蔵庫と相談して決めたようなので、言われた通りに調理を手伝うことにした
「噂には聞いてたけど、ほんとに成実って料理できるんだ……」
「できちゃうんだなぁ、これが
ま、梵の腕にゃ負けるけどよ」
慣れた手つきがじゃがいもを剥いていく
綺麗に可食部位を残していく技はお見事だ
私はピーラーで人参の皮を剥いていくことにした
キッチンもしっかり広いので、三人並んでも余裕で動けるのはありがたい
政宗さんは私の隣でお米を研いでいた
「何作ってるんだい?」
「カレー」
「大鍋で作ってますよ」
「大人数だとこうなるってこった」
お二人に文句を言わせる隙を与えず、政宗さんがそう言う
五合分を炊飯器にセットした政宗さんは、一瞬だけ「足りるよな……?」という顔をして蓋をした
私の予想だけど、たぶん足りない気がする
人参の皮を剥き終わってヘタとしっぽを切り落とし、縦半分に切って半切りにしていく
「ふーん、お前は半切り派なんだな」
「え、違った?」
「俺はいちょう切りすることが多いな
火の通りが早いから楽でよ」
「あー、たしかにそれはあるかも
残りはそうするよ」
「そのままで大丈夫だろ
別に時間がないわけじゃねぇし」
成実もじゃがいもを全部剥き終わって、こっちも同じく半月切りにしていく
政宗さんは隣で黙々と玉ねぎを切っていた
「独眼竜は合宿でも料理してたし、夕歌も一人暮らしだったから分かるんだけどさ
成実が料理してるってのは新鮮な感じするなぁ」
「だな
まァ、様ンなってるじゃねぇか」
「普段からやってるけどな
綱元は台所立ち入り禁止だし、新倉は夕歌の世話があるし
こじゅ兄も学院の剣道部があるしさ
俺しかメシ作れるヤツがいねぇんだよ」
「大学の剣道部の練習日は、和真さんが作ってるけどね」
「さすがに無理だろ、あれの後にメシ作れってのは」
政宗さんと私が同時に頷く
そもそもそんな元気があるなら、稽古の時に出し切れって話だ
そしてあの師範が、余力を残した状態を見逃すはずもない
「元親はいつも通り俺の部屋に泊まるとして、慶次はどうするよ?
空いてる部屋、梵の部屋か客間しかねぇぞ」
「客間はcleaningしてねぇからな……
俺の部屋しかねぇか」
「慶次の分際で政宗様の部屋に?」
政宗さんガチ勢の綱元先輩が聴き逃してくれなかった
肉を切りながら、成実が「あーあ」と呟いた
何なら政宗さんも野菜を炒めながら、「やっぱりな」という顔をしている
「慶次を政宗様のお部屋になど、入れられるはずないだろう
成実の部屋に客用の布団を敷いてやる
どっちが床で寝るか、今から相談しておけ」
「相変わらず俺の扱いが雑だな、綱元……」
「お前だけじゃなく、綱は竜の兄さんと右目の兄さん以外はだいたい雑だぜ」
「そうですよ
私だって割かし雑に扱われてますし」
「独眼竜の嫁さんなのにな」
「まだまだだからな」
そう言う綱元先輩の口元には、微笑みが浮かんでいる
今までのような腹の立つものではなく、私のことを見守るようなものだった
……もしかして、少しくらいは認めてもらえているのかも
「成実、肉」
「はいよ」
政宗さんが成実からお肉をもらって、フライパンにぶっ込む
その間に大鍋には水が張られ、コンロに火がかけられた
「ちゃんと炒めるんですね」
「お前はやらないのか?」
「面倒なので、最初っから鍋に入れちゃいます」
「分かる、面倒だよな
フライパンの片付けとかいう工程が増えるし
俺もやんねーもん」
成実がまな板や包丁を洗いながらそう言う
サッと火を通して、政宗さんは具材を鍋に投入した
カレールーの箱をちらりと見たけど、ちゃんと中辛だ
良かった、辛口とか入れられたら、私が食べられないところだった
「あとは俺と梵でやるから、夕歌は向こうで座ってていいぞ」
「あ、ほんと?
じゃあお願いします」
成実と政宗さんにあとは任せて、リビングのほうへと戻る
空いたグラスに、綱元先輩がお茶を注いでくれた
「ありがとうございます
綱元先輩に給仕してもらうの、新鮮ですね」
「新倉がいないなら、俺の仕事だからな
ありがたく思うといい」
上から目線でそう言いつつ、満更でもない様子だ
小さく笑って頷いておいた
和真さんもそろそろ戻ってくる頃だとは思うんだけどね
テレビは夕方のニュースを流し始めた
それを流し見していると、キッチンからカレーのいい匂いが漂ってきて
「ルー足りなくね?」
「No problem.
誤差だ」
「誤差かぁ……?」
という、従兄弟組のちょっと怪しい会話が聞こえてきた
……政宗さんが大丈夫って言ってるし、大丈夫だろう
大丈夫……だよね?