39 襲来、風雲児連合
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まぁまぁ、と慶次先輩が成実を宥める
お二人とも完全に居座る気でいるので、諦めた様子の綱元先輩が、お二人の前にお茶を出した
片倉先生は生憎、学院の剣道部が稽古中で不在なので、綱元先輩か成実がやるしかないのだ
ちなみに和真さんは今、伊達の本家に呼ばれたとかで、そっちにいる
「お前らがどっか遠出するってんなら、俺だって登勢を連れて旅行くらい行くんだよ
それがなんだって、二人とも後継者育成になるかねぇ?」
「私達のことは気にせず行けばいいのに」
「行けるわけねぇだろ、俺はお前らの護衛役だぞ」
……そういえばそうだった
主人の護衛をほっぽり出して、登勢と旅行になんか行くわけないか
「そういうわけだ
俺を憐れだと思うなら、お前らがまず旅行に行け!
じゃねぇと俺も登勢と旅行に行けねぇ!
分かったか!!」
「なんかごめんね……」
「そりゃ、俺達だって何かしらのvacationは欲しいところだがな
現実がそうもいかねぇってんなら、無理して詰め込んだところで、後々troubleになるだけだ」
政宗さんのもっともな一言に成実が押し黙る
そりゃそうだ、誰が好き好んで、どこにも出掛けられないゴールデンウィークを過ごしたと思うのか
出掛けたかったよ、あちこち!
「そういやあんたらは修学旅行、どこに行ったんだったか?」
「元親の代はスペインとイタリアだったんだよな?
修学旅行か、懐かしいなー!
な、綱元!」
「そうだな
スペイン広場で元親が置き引きに遭って、ついさっき買ったばかりの土産をスられたのは記憶に新しいぞ」
「おい綱、それは言わねぇ約束だろうが!」
「さあ?
そんな約束はした覚えがないな」
綱元節、今日もキレッキレだ
ぐぐ、と唸って、元親先輩が恨めしそうに綱元先輩を睨んだ
「俺と風来坊はSwissとFranceだったな」
「そうそう、『スイスゥ!?』ってみんな驚いてたもんな
楽しかったけどさ」
「修学旅行でスイスは、なかなかなチョイスだな
乗り継ぎか?」
「いいや、直行便がある」
「あるんだ……」
成実と二人で呆気に取られてしまった
あるんだ、日本からスイスに直行便
初めて知った
元親先輩の目が「お前らは?」と問うてくる
「俺達はドイツとオーストリアだったよな」
「そうだったね
……ていうか、行き先が毎年違うことを今初めて知ったよ、私は」
「知らなかったのか、お前」
「知らなかったんですよ、不思議なことに」
当時も政宗先輩とお付き合いしてたけど、行き先が違うのは、ちょうど私と政宗先輩の代が行き先が切り替わるタイミングだったのかなと思っていたのだ
まさか毎年違うとは思わなかった
さすが規格外のスーパー金持ち学校、やることなすこと頭がおかしい
「今年は片倉先生が引率だろ?
どこに行くか聞いてるのかい?」
「Ah,今年は確か……」
「こじゅ兄が引率なのかよ
よく引き受けたな、こじゅ兄……
だから『ヨーロッパには飽きたから、今年は南半球がいい』とか言ってたのか」
「ああ、思い出した
確かAustraliaとNew Zealandだ」
「どっちみち二ヶ国なのは変わらないんですね……」
「そりゃだって、大概の奴らはオーストラリアくらい何度も行ってるしな
見慣れたとこばっかだから、二ヶ国くらい回らねぇと一週間も持たねぇんだよ、日程が」
「私はドイツもオーストリアも人生で初めてだったってのに、このブルジョワ共」
そして今ではそのブルジョワ共に私までカウントされる始末だ
リメンバー、庶民感覚
「行きてぇのか、海外」
「まずは国内制覇からでお願いします」
自分の語学力に不安しかないのに、海外なんか行けるか
何かあっても政宗さんが会話できるからいいけどさ!
あまりにも他力本願ってのも、こう、悲しくなるからね!
「そうそう、海外と言えば!
俺さ、てっきり独眼竜は留学すると思ってたんだよ!
なんでしなかったんだい?」
「たしかに……」
あ、でも、留学するとしたら二年からなんだっけ
政宗先輩は留学の案内とか、もらわなかったのかな
「そういう状況じゃなかったんでな」
「だって行くとしたら梵が二年の時だろ?
一番、梵の周辺が危なかった時期じゃねぇか
行かせられるかよ、ぜってぇ殺されるぞ」
成実の言葉に背筋がゾッと冷えた
私が何も知らない庶民の小娘だったから、見えていなかっただけだ
あの頃の政宗先輩は、そんなに危険と隣り合わせだったんだ……
そりゃあ綱元先輩が必死こいて、私と政宗先輩を引き離しに来るよね!?
無関係の庶民を巻き込んだら、たまったもんじゃないしね!?
「大変だったぞ、厄介事に首を突っ込んでいくお前を危険から守るのは」
「その節は大変申し訳ございませんでした……」
畠山のやつは、完全に私が巻き込まれた形だけどな……
自分から首を突っ込んだことなんて、一度もないのに……
ないと思っているだけで、実はギリギリのところで綱元先輩が守ってくれていたのかな
この先輩、普段は大袈裟に自分を讃えさせるくせに、肝心な時には黙ってるから、推測でしかないけど
お二人とも完全に居座る気でいるので、諦めた様子の綱元先輩が、お二人の前にお茶を出した
片倉先生は生憎、学院の剣道部が稽古中で不在なので、綱元先輩か成実がやるしかないのだ
ちなみに和真さんは今、伊達の本家に呼ばれたとかで、そっちにいる
「お前らがどっか遠出するってんなら、俺だって登勢を連れて旅行くらい行くんだよ
それがなんだって、二人とも後継者育成になるかねぇ?」
「私達のことは気にせず行けばいいのに」
「行けるわけねぇだろ、俺はお前らの護衛役だぞ」
……そういえばそうだった
主人の護衛をほっぽり出して、登勢と旅行になんか行くわけないか
「そういうわけだ
俺を憐れだと思うなら、お前らがまず旅行に行け!
じゃねぇと俺も登勢と旅行に行けねぇ!
分かったか!!」
「なんかごめんね……」
「そりゃ、俺達だって何かしらのvacationは欲しいところだがな
現実がそうもいかねぇってんなら、無理して詰め込んだところで、後々troubleになるだけだ」
政宗さんのもっともな一言に成実が押し黙る
そりゃそうだ、誰が好き好んで、どこにも出掛けられないゴールデンウィークを過ごしたと思うのか
出掛けたかったよ、あちこち!
「そういやあんたらは修学旅行、どこに行ったんだったか?」
「元親の代はスペインとイタリアだったんだよな?
修学旅行か、懐かしいなー!
な、綱元!」
「そうだな
スペイン広場で元親が置き引きに遭って、ついさっき買ったばかりの土産をスられたのは記憶に新しいぞ」
「おい綱、それは言わねぇ約束だろうが!」
「さあ?
そんな約束はした覚えがないな」
綱元節、今日もキレッキレだ
ぐぐ、と唸って、元親先輩が恨めしそうに綱元先輩を睨んだ
「俺と風来坊はSwissとFranceだったな」
「そうそう、『スイスゥ!?』ってみんな驚いてたもんな
楽しかったけどさ」
「修学旅行でスイスは、なかなかなチョイスだな
乗り継ぎか?」
「いいや、直行便がある」
「あるんだ……」
成実と二人で呆気に取られてしまった
あるんだ、日本からスイスに直行便
初めて知った
元親先輩の目が「お前らは?」と問うてくる
「俺達はドイツとオーストリアだったよな」
「そうだったね
……ていうか、行き先が毎年違うことを今初めて知ったよ、私は」
「知らなかったのか、お前」
「知らなかったんですよ、不思議なことに」
当時も政宗先輩とお付き合いしてたけど、行き先が違うのは、ちょうど私と政宗先輩の代が行き先が切り替わるタイミングだったのかなと思っていたのだ
まさか毎年違うとは思わなかった
さすが規格外のスーパー金持ち学校、やることなすこと頭がおかしい
「今年は片倉先生が引率だろ?
どこに行くか聞いてるのかい?」
「Ah,今年は確か……」
「こじゅ兄が引率なのかよ
よく引き受けたな、こじゅ兄……
だから『ヨーロッパには飽きたから、今年は南半球がいい』とか言ってたのか」
「ああ、思い出した
確かAustraliaとNew Zealandだ」
「どっちみち二ヶ国なのは変わらないんですね……」
「そりゃだって、大概の奴らはオーストラリアくらい何度も行ってるしな
見慣れたとこばっかだから、二ヶ国くらい回らねぇと一週間も持たねぇんだよ、日程が」
「私はドイツもオーストリアも人生で初めてだったってのに、このブルジョワ共」
そして今ではそのブルジョワ共に私までカウントされる始末だ
リメンバー、庶民感覚
「行きてぇのか、海外」
「まずは国内制覇からでお願いします」
自分の語学力に不安しかないのに、海外なんか行けるか
何かあっても政宗さんが会話できるからいいけどさ!
あまりにも他力本願ってのも、こう、悲しくなるからね!
「そうそう、海外と言えば!
俺さ、てっきり独眼竜は留学すると思ってたんだよ!
なんでしなかったんだい?」
「たしかに……」
あ、でも、留学するとしたら二年からなんだっけ
政宗先輩は留学の案内とか、もらわなかったのかな
「そういう状況じゃなかったんでな」
「だって行くとしたら梵が二年の時だろ?
一番、梵の周辺が危なかった時期じゃねぇか
行かせられるかよ、ぜってぇ殺されるぞ」
成実の言葉に背筋がゾッと冷えた
私が何も知らない庶民の小娘だったから、見えていなかっただけだ
あの頃の政宗先輩は、そんなに危険と隣り合わせだったんだ……
そりゃあ綱元先輩が必死こいて、私と政宗先輩を引き離しに来るよね!?
無関係の庶民を巻き込んだら、たまったもんじゃないしね!?
「大変だったぞ、厄介事に首を突っ込んでいくお前を危険から守るのは」
「その節は大変申し訳ございませんでした……」
畠山のやつは、完全に私が巻き込まれた形だけどな……
自分から首を突っ込んだことなんて、一度もないのに……
ないと思っているだけで、実はギリギリのところで綱元先輩が守ってくれていたのかな
この先輩、普段は大袈裟に自分を讃えさせるくせに、肝心な時には黙ってるから、推測でしかないけど