24章
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翌朝、みんなでルイネロさんのご自宅を訪ねた。
昨夜は夜遅かったこともあってか、ククール達も町中を彷徨かずにさっさと寝てしまったようで。
「へぇ、ここがトラペッタか」
「アッシと兄貴と姉貴の思い出がたくさんつまった町でがすよ」
「……言うほど思い出はなくない?」
「良くも悪くも記憶に残る町になったのは確かだね」
エイトが苦笑いを浮かべながら、町の上層部へ続く階段を上っていく。
それにしても懐かしいな、ここを出てから一ヶ月も経ってないのに。
「ここってトロデーン城からも近いんじゃないかしら?」
「うん。一応はトロデーンの城下町って位置付けなんだけど……」
「お城からは遠いから、あんまり交流はなかったかな」
「自治都市みたいな位置づけだったもんね。でもそれなりに行き来はあったみたいだよ。ね、エイト」
「うん。行商人の往来は多かったんじゃないかな」
そんなものなのね、とゼシカが頷く。
私達も小間使い時代は、行商人とやり取りすることが多かった。
その日の料理に使う食材は、早朝に全て仕入れる必要があったのだ。
それに参加するようになると、早起きも苦ではなくなった。
そういうのは、近衛時代にも生かされてるなって思うところだ。
ルイネロさんのおうちは、教会近くの、井戸の横の家。
コンコンとドアをノックして屋内へ入ると、ルイネロさんは水晶玉の向こうで座ったまま、ゆっくりと視線を持ち上げた。
「ご無沙汰しています。お元気ですか」
「こんにちはー! あれからどんな感じですか?」
「洞窟に水晶玉を取りに行って以来でがすな。まあ、元気そうで安心したぜ」
「なんだおぬしら、また来たのか? 相変わらず旅を続けているようだな。……まあ、元気そうで何よりだ」
ルイネロさんはそう言って腕を組んだ。
こちらもお元気そうで何よりだ。
私たちの声を聞きつけてか、台所からユリマさんも顔を出した。
「お久し振りです、エイトさん! お仲間さんも随分と増えたようで……」
そう言うユリマさんの視線は、ゼシカに向いていた。
まぁ、そりゃそうか。
私とゼシカなら、ゼシカのほうを警戒するよね、ナイスバディだし。
一応私とヤンガスも、水晶玉事件の時から一緒にいたはずなんだけど、ユリマさんの眼中にはなかったようだ。
エイトはいつも通り、人の良さそうな笑顔で「ユリマさんも、お久しぶりです」なんて挨拶している。
「……ねぇヤンガス。エイトの好きなタイプって、ユリマさんみたいな人?」
「違うと思いやす」
「即答じゃん」
「さすがにそれは俺でも分かる。あの子じゃない」
「ククールまで……!?」
「俺はああいう純真なレディも好みだぜ。あの子に水晶玉を取ってきてくれなんて頼まれた日には、喜んで向かうさ」
「ククール……」
さすがククール、まったくブレない。
いっそ清々しささえ覚えたぞ、私は。
ゼシカなんてククールの妄言を相手にもしていない。
「あれから調子はどうですか? 占い師ルイネロとして」
「わしの方はすっかり占い師としての勘も戻って、近頃はよく当たると大評判なのじゃ。これもすべて水晶玉を取ってきてくれたおぬしらと……そして誰より、ユリマのおかげだな。そういうわけで、おぬしらには一応これでも感謝しておるのだ。礼と言ってはなんだが、また進むべき道に迷ったらここへ来い。我が占いでおぬしらを導いてやろうぞ」
「ほ、本当ですか!? ちなみにお代は……」
「恩人のおぬしらから金など取らんわい。そこまで守銭奴でもない」
よっしゃ! 言質いただきました!!
これはもう、この先どこでドルマゲスを見失っても、何とかなる気がするぞ!!
……まあね、普通に考えて、その日暮らしの旅人から取れるお代なんてたかが知れてるしね。
微々たる金額なら「要らん」ってなるよね。
「その様子では、さっそく道に迷っておるようじゃな」
「……はは、分かりますか」
「顔に出ておる。少なくとも、この町に来たついでに顔を見せに来たとかではないようだな。おおかた、何かわしに占ってほしいことがあるのだろう? やれやれ……」
「す、すみません! お忙しいところを!」
「まあ他ならぬおぬしらだからタダで占ってやるが、本来なら相応の代金をもらうところなのだぞ」
うっ、守銭奴じゃないって自分で言ったくせに……。
でも我々も出せる金額は数千ゴールドが限界だから、何も言うまい。
他のセレブな方々からちょっと多めに頂いておいてください……。
「ありがとうございます。実は……」
「ああ、何を占ってほしいかは言わんでいい。我が水晶にかかれば、全てはお見通しだからな」
そう言ってルイネロさんは水晶に手をかざした。
すごいな、すっかり高名な占い師としての貫禄が板についている。
「どれ、何が見えるかな? むむ、むむむむむ……! おおっ、見える、見えるぞ! これは……どこかの城じゃな。城と……若い王が見える。晴れやかな笑顔を浮かべた王じゃ。おぬしらの探すものはそこにある」
ルイネロさんがそう言って、水晶は光を収めた。
城と……若い王。
私たちの中で予想が確信に変わっていく。
「……ふう、まあ、ざっとこんなところだ。後は自分の頭で考え、行動することだな」
「はい! ありがとうございました!」
「なんじゃ、もう分かったのか。気を付けて行くんじゃぞ」
ルイネロさんとユリマさんにお別れして、おうちを出る。
ドアが閉まった瞬間、ゼシカが二の腕を摩っていた。
「どしたの、ゼシカ」
「……あの女の子から、尋常じゃない殺気をふっかけられたわ」
「ゆ、ユリマさんから?」
「ありゃ完全に敵を見る目だったな。エイトも罪作りだなぁ?」
「そんなこと言われても困るよ……」
「そ、そうだよ、エイトには姫様っていう初恋相手が!」
「え?」
「えっ?」
エイトに素で聞き返されて、思わず私も聞き返してしまった。
あれ? だってエイトの好きな人って、姫様じゃん。
これは長年の幼馴染みの勘がそう言ってるからなんだけど。
「ミーティア姫は守るべき対象で、別に恋とかではないけど」
「え!? そうなの!? じゃあ誰!?」
「な、なんで言わないといけないんだよ」
「気になるから!! ほらほら教えてよ、幼馴染みのよしみでさぁ!!」
「絶対言わない!」
「兄貴、姉貴。このやり取り、二回目でがすよ」
……そうだっけ、そうだったかもしれない。
どれもこれも秘密主義のエイトが悪いと思う。
そんなこんなで町の外に出て、馬車で待っていた陛下に行き先を告げた。
もちろん向かう先は、アスカンタだ。
「それじゃあ、アスカンタへ向かって! ──ルーラ!」
ふわりと体が浮いて、空を飛んでいく。
そうして降り立ったのは、少し懐かしいアスカンタの城下町への入口だった。
ここに、月影のハープがある。
なんとか貸してもらえますように!!
昨夜は夜遅かったこともあってか、ククール達も町中を彷徨かずにさっさと寝てしまったようで。
「へぇ、ここがトラペッタか」
「アッシと兄貴と姉貴の思い出がたくさんつまった町でがすよ」
「……言うほど思い出はなくない?」
「良くも悪くも記憶に残る町になったのは確かだね」
エイトが苦笑いを浮かべながら、町の上層部へ続く階段を上っていく。
それにしても懐かしいな、ここを出てから一ヶ月も経ってないのに。
「ここってトロデーン城からも近いんじゃないかしら?」
「うん。一応はトロデーンの城下町って位置付けなんだけど……」
「お城からは遠いから、あんまり交流はなかったかな」
「自治都市みたいな位置づけだったもんね。でもそれなりに行き来はあったみたいだよ。ね、エイト」
「うん。行商人の往来は多かったんじゃないかな」
そんなものなのね、とゼシカが頷く。
私達も小間使い時代は、行商人とやり取りすることが多かった。
その日の料理に使う食材は、早朝に全て仕入れる必要があったのだ。
それに参加するようになると、早起きも苦ではなくなった。
そういうのは、近衛時代にも生かされてるなって思うところだ。
ルイネロさんのおうちは、教会近くの、井戸の横の家。
コンコンとドアをノックして屋内へ入ると、ルイネロさんは水晶玉の向こうで座ったまま、ゆっくりと視線を持ち上げた。
「ご無沙汰しています。お元気ですか」
「こんにちはー! あれからどんな感じですか?」
「洞窟に水晶玉を取りに行って以来でがすな。まあ、元気そうで安心したぜ」
「なんだおぬしら、また来たのか? 相変わらず旅を続けているようだな。……まあ、元気そうで何よりだ」
ルイネロさんはそう言って腕を組んだ。
こちらもお元気そうで何よりだ。
私たちの声を聞きつけてか、台所からユリマさんも顔を出した。
「お久し振りです、エイトさん! お仲間さんも随分と増えたようで……」
そう言うユリマさんの視線は、ゼシカに向いていた。
まぁ、そりゃそうか。
私とゼシカなら、ゼシカのほうを警戒するよね、ナイスバディだし。
一応私とヤンガスも、水晶玉事件の時から一緒にいたはずなんだけど、ユリマさんの眼中にはなかったようだ。
エイトはいつも通り、人の良さそうな笑顔で「ユリマさんも、お久しぶりです」なんて挨拶している。
「……ねぇヤンガス。エイトの好きなタイプって、ユリマさんみたいな人?」
「違うと思いやす」
「即答じゃん」
「さすがにそれは俺でも分かる。あの子じゃない」
「ククールまで……!?」
「俺はああいう純真なレディも好みだぜ。あの子に水晶玉を取ってきてくれなんて頼まれた日には、喜んで向かうさ」
「ククール……」
さすがククール、まったくブレない。
いっそ清々しささえ覚えたぞ、私は。
ゼシカなんてククールの妄言を相手にもしていない。
「あれから調子はどうですか? 占い師ルイネロとして」
「わしの方はすっかり占い師としての勘も戻って、近頃はよく当たると大評判なのじゃ。これもすべて水晶玉を取ってきてくれたおぬしらと……そして誰より、ユリマのおかげだな。そういうわけで、おぬしらには一応これでも感謝しておるのだ。礼と言ってはなんだが、また進むべき道に迷ったらここへ来い。我が占いでおぬしらを導いてやろうぞ」
「ほ、本当ですか!? ちなみにお代は……」
「恩人のおぬしらから金など取らんわい。そこまで守銭奴でもない」
よっしゃ! 言質いただきました!!
これはもう、この先どこでドルマゲスを見失っても、何とかなる気がするぞ!!
……まあね、普通に考えて、その日暮らしの旅人から取れるお代なんてたかが知れてるしね。
微々たる金額なら「要らん」ってなるよね。
「その様子では、さっそく道に迷っておるようじゃな」
「……はは、分かりますか」
「顔に出ておる。少なくとも、この町に来たついでに顔を見せに来たとかではないようだな。おおかた、何かわしに占ってほしいことがあるのだろう? やれやれ……」
「す、すみません! お忙しいところを!」
「まあ他ならぬおぬしらだからタダで占ってやるが、本来なら相応の代金をもらうところなのだぞ」
うっ、守銭奴じゃないって自分で言ったくせに……。
でも我々も出せる金額は数千ゴールドが限界だから、何も言うまい。
他のセレブな方々からちょっと多めに頂いておいてください……。
「ありがとうございます。実は……」
「ああ、何を占ってほしいかは言わんでいい。我が水晶にかかれば、全てはお見通しだからな」
そう言ってルイネロさんは水晶に手をかざした。
すごいな、すっかり高名な占い師としての貫禄が板についている。
「どれ、何が見えるかな? むむ、むむむむむ……! おおっ、見える、見えるぞ! これは……どこかの城じゃな。城と……若い王が見える。晴れやかな笑顔を浮かべた王じゃ。おぬしらの探すものはそこにある」
ルイネロさんがそう言って、水晶は光を収めた。
城と……若い王。
私たちの中で予想が確信に変わっていく。
「……ふう、まあ、ざっとこんなところだ。後は自分の頭で考え、行動することだな」
「はい! ありがとうございました!」
「なんじゃ、もう分かったのか。気を付けて行くんじゃぞ」
ルイネロさんとユリマさんにお別れして、おうちを出る。
ドアが閉まった瞬間、ゼシカが二の腕を摩っていた。
「どしたの、ゼシカ」
「……あの女の子から、尋常じゃない殺気をふっかけられたわ」
「ゆ、ユリマさんから?」
「ありゃ完全に敵を見る目だったな。エイトも罪作りだなぁ?」
「そんなこと言われても困るよ……」
「そ、そうだよ、エイトには姫様っていう初恋相手が!」
「え?」
「えっ?」
エイトに素で聞き返されて、思わず私も聞き返してしまった。
あれ? だってエイトの好きな人って、姫様じゃん。
これは長年の幼馴染みの勘がそう言ってるからなんだけど。
「ミーティア姫は守るべき対象で、別に恋とかではないけど」
「え!? そうなの!? じゃあ誰!?」
「な、なんで言わないといけないんだよ」
「気になるから!! ほらほら教えてよ、幼馴染みのよしみでさぁ!!」
「絶対言わない!」
「兄貴、姉貴。このやり取り、二回目でがすよ」
……そうだっけ、そうだったかもしれない。
どれもこれも秘密主義のエイトが悪いと思う。
そんなこんなで町の外に出て、馬車で待っていた陛下に行き先を告げた。
もちろん向かう先は、アスカンタだ。
「それじゃあ、アスカンタへ向かって! ──ルーラ!」
ふわりと体が浮いて、空を飛んでいく。
そうして降り立ったのは、少し懐かしいアスカンタの城下町への入口だった。
ここに、月影のハープがある。
なんとか貸してもらえますように!!
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