22章
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簡単な夕飯を頂いて、寝るか、というククールの声で、私たちはベッドに入った。
ベッド数が足りなかったという理由で、やはり私とゼシカが同じベッドで寝ることになってしまった。
申し訳ないけど、ちょっと役得だ。
「んー……」
暗闇の中で、そっと服の上から、ネックレスを触った。
夢の中でヨシュアがくれた、霊導者のネックレス。
これをつけて以来、身体の不調はなくなって、体調は万全。
……だけど、未だに信じられない。
私がヨシュア・ロアナスの子孫だなんて。
「……レイラ」
「ん、ゼシカ? どしたの」
「身体はもう、平気なの?」
「うん。もう大丈夫。心配かけてごめんね」
ううん、とゼシカは小さく首を振った。
そりゃああれだけ盛大に倒れたら、心配だってかけるよね……。
……エイトにも、ものすごく心配をかけてしまった。
「エイトもめちゃくちゃ怒ってたもんなぁ……」
「心配性だものね、彼」
「なぁんであんなに心配性になっちゃったんだか……」
「あなたが体を張りすぎるからよ」
ぐうの音も出なかった。
でも戦うことが私の仕事だったし、今は敵を倒さないと進めないわけだし。
怪我するな、なんて無茶苦茶だと思うんだ。
どうしたって怪我はつきものだもん、エイトだってそれは分かってるはずなのに。
「でも、私もエイトに同意だわ。もう少し自分の体を労わってあげて」
「……うん」
無茶をしているつもりはあんまりなかったけど、エイトに心配をかけたくない。
エイトだって、トロデーンが滅んでしまってから、私と同じ気持ちだろう。
取り戻さなきゃ、陛下と姫様を元のお姿に戻さなきゃって……。
なのに相棒の私が無茶ばかりしていたら、エイトの気も休まらない。
これからもきっと迷惑はかけていくだろうけど……安心して背中を任せてくれるようになったらいいな。
私達、幼馴染みなんだから……。
* * *
翌朝──。
夜明けと共に目が覚めて、ぐっと背伸びをする。
隣のゼシカはまだ眠っているから、起こさないようにそうっとベッドを出た。
山小屋を出て井戸へと足を向ける。
顔を洗おうと思って井戸に桶を投げ込むと、ポチャン……という音ではなく、ぽーんと柔らかいものに跳ね返る音がした。
「ええ……?」
どうやら枯れているわけではないようだけど、それにしたって、何が入っているんだ、この井戸。
桶を引っ張り上げて、中を覗き込む。
……仕方ない、入ってみるか。
「よっと」
桶を吊るしていた縄を伝って中に降りると、程なくして、足の裏にぽよん……とした何かの感触があった。
青い……大きな物体が、井戸の中に詰まっている……。
そしてなぜか、王冠が落ちている……。
「なにこれ……」
王冠を持ち上げてみると、地面とくっついているようで、なかなか離れない。
ふぬぬぬぬ、と頑張って持ち上げていると、どこからともなくか細い声が聞こえてきた。
「ぷるぷる……ぷるぷるぷる……っ。た、助けて! 誰でもいいから、その王冠をぼくから外してよう!」
「えぇ誰ェ!?」
慌てて王冠から手を離して、井戸の中を見渡す。
一体どこから聞こえたんだ!?
ここには私しかいないんだぞ!?
「ぼくはここだよ! 君の足の下に、ほら、顔が見えるだろ?」
「は? 足の下?」
言われて視線を足元に向けると、確かに井戸の壁あたりに、スライムの顔がある。
ってことはこれ、まさかキングスライム!?
なんでこんなところで埋まってんの!?
「井戸の上でぴょんぴょんしてたら、嵌って出られなくなっちゃったんだ。どうか助けてよう!」
「アホすぎる……」
「その王冠を力一杯引っ張って、ぼくを助けてちょうだいよう!」
「え、ええ〜!? し……仕方ないなぁ……」
「ありがとう! さぁ、その王冠を思いっきり、遠慮も容赦もなく引っ張って!」
キングスライムの言う通りに、スライムの王冠を持ち上げる。
……井戸に嵌ったキングスライムを助けるために王冠を引っ張り上げたことのある人間、世界中を探しても私だけな気がするな……。
スライムの王冠を渾身の力で引っ張り上げる。
スポン、と抜けた感触があった次の瞬間、視界が煙に包まれた。
「ウワッ!」
同時に足の下にあったスライムが消えて、ズテン! と背中から転げ落ちる。
思いっきり尻もちをついて悶絶していると、私の周りをぴょんぴょんとスライムが飛び跳ねているのが見えた。
助かったんか、良かったね……。
「ありがとう! お礼にその王冠はきみにあげるよっ! ぷるぷるっ」
「え? あ、ありがとう……」
何かに使えるかな、これ……?
ヤンガスとか、装備できそうじゃない……?
ようやく立ち上がれるようになって、おしりについた土を払う。
このスライムたちって、落っこちちゃったってことは、自力じゃ出られなくない?
そう思いながら、二人乗り……二匹乗り? しているスライムを見つめていると、スライムが私に話しかけてきた。
「知ってるかい? この崖の向こうに、すごーいものがあるんだよ!」
「すごいもの?」
「ふるーいふるーいお船なんだ! 合体したぼくたちよりも、ずーっとずーっとおっきいんだよ!」
「やっぱあれ船なんだ……」
教えてくれてありがとー、とスライムたちに手を振って、縄を伝って井戸から出る。
縄を伝う時に両手が塞がるので、スライムの王冠は自分が被ることにした。
だいぶブカブカだから、やっぱり私は装備できないな。
井戸から上がると、ちょうど山小屋を出てきたエイトと鉢合わせた。
王冠を被った私を見て、エイトがぎょっとした顔で駆け寄ってくる。
「なにそれ……?」
「なんか、井戸に嵌ったキングスライムを助けたらもらった……」
「どういうこと……?」
静かに首を振って、エイトの頭に王冠を被せる。
劇的に似合わないな。
あとエイトでもちょっとブカブカだ。
エイトでこれってことは、当然ククールもゼシカも装備は無理だろう。
「ヤンガスに被らせようっと」
「これ装備品なのかな」
「じゃない? 知らないけど。呪われてるわけじゃないし、大丈夫でしょ」
「僕ら、時々ヤンガスの扱いが雑になるよね……」
私は何も言わずに微笑んでおいた。
私のみならず、エイトもその自覚があったのはちょっと面白い。
でもこれはヤンガスに被ってもらおうと思う。
ベッド数が足りなかったという理由で、やはり私とゼシカが同じベッドで寝ることになってしまった。
申し訳ないけど、ちょっと役得だ。
「んー……」
暗闇の中で、そっと服の上から、ネックレスを触った。
夢の中でヨシュアがくれた、霊導者のネックレス。
これをつけて以来、身体の不調はなくなって、体調は万全。
……だけど、未だに信じられない。
私がヨシュア・ロアナスの子孫だなんて。
「……レイラ」
「ん、ゼシカ? どしたの」
「身体はもう、平気なの?」
「うん。もう大丈夫。心配かけてごめんね」
ううん、とゼシカは小さく首を振った。
そりゃああれだけ盛大に倒れたら、心配だってかけるよね……。
……エイトにも、ものすごく心配をかけてしまった。
「エイトもめちゃくちゃ怒ってたもんなぁ……」
「心配性だものね、彼」
「なぁんであんなに心配性になっちゃったんだか……」
「あなたが体を張りすぎるからよ」
ぐうの音も出なかった。
でも戦うことが私の仕事だったし、今は敵を倒さないと進めないわけだし。
怪我するな、なんて無茶苦茶だと思うんだ。
どうしたって怪我はつきものだもん、エイトだってそれは分かってるはずなのに。
「でも、私もエイトに同意だわ。もう少し自分の体を労わってあげて」
「……うん」
無茶をしているつもりはあんまりなかったけど、エイトに心配をかけたくない。
エイトだって、トロデーンが滅んでしまってから、私と同じ気持ちだろう。
取り戻さなきゃ、陛下と姫様を元のお姿に戻さなきゃって……。
なのに相棒の私が無茶ばかりしていたら、エイトの気も休まらない。
これからもきっと迷惑はかけていくだろうけど……安心して背中を任せてくれるようになったらいいな。
私達、幼馴染みなんだから……。
* * *
翌朝──。
夜明けと共に目が覚めて、ぐっと背伸びをする。
隣のゼシカはまだ眠っているから、起こさないようにそうっとベッドを出た。
山小屋を出て井戸へと足を向ける。
顔を洗おうと思って井戸に桶を投げ込むと、ポチャン……という音ではなく、ぽーんと柔らかいものに跳ね返る音がした。
「ええ……?」
どうやら枯れているわけではないようだけど、それにしたって、何が入っているんだ、この井戸。
桶を引っ張り上げて、中を覗き込む。
……仕方ない、入ってみるか。
「よっと」
桶を吊るしていた縄を伝って中に降りると、程なくして、足の裏にぽよん……とした何かの感触があった。
青い……大きな物体が、井戸の中に詰まっている……。
そしてなぜか、王冠が落ちている……。
「なにこれ……」
王冠を持ち上げてみると、地面とくっついているようで、なかなか離れない。
ふぬぬぬぬ、と頑張って持ち上げていると、どこからともなくか細い声が聞こえてきた。
「ぷるぷる……ぷるぷるぷる……っ。た、助けて! 誰でもいいから、その王冠をぼくから外してよう!」
「えぇ誰ェ!?」
慌てて王冠から手を離して、井戸の中を見渡す。
一体どこから聞こえたんだ!?
ここには私しかいないんだぞ!?
「ぼくはここだよ! 君の足の下に、ほら、顔が見えるだろ?」
「は? 足の下?」
言われて視線を足元に向けると、確かに井戸の壁あたりに、スライムの顔がある。
ってことはこれ、まさかキングスライム!?
なんでこんなところで埋まってんの!?
「井戸の上でぴょんぴょんしてたら、嵌って出られなくなっちゃったんだ。どうか助けてよう!」
「アホすぎる……」
「その王冠を力一杯引っ張って、ぼくを助けてちょうだいよう!」
「え、ええ〜!? し……仕方ないなぁ……」
「ありがとう! さぁ、その王冠を思いっきり、遠慮も容赦もなく引っ張って!」
キングスライムの言う通りに、スライムの王冠を持ち上げる。
……井戸に嵌ったキングスライムを助けるために王冠を引っ張り上げたことのある人間、世界中を探しても私だけな気がするな……。
スライムの王冠を渾身の力で引っ張り上げる。
スポン、と抜けた感触があった次の瞬間、視界が煙に包まれた。
「ウワッ!」
同時に足の下にあったスライムが消えて、ズテン! と背中から転げ落ちる。
思いっきり尻もちをついて悶絶していると、私の周りをぴょんぴょんとスライムが飛び跳ねているのが見えた。
助かったんか、良かったね……。
「ありがとう! お礼にその王冠はきみにあげるよっ! ぷるぷるっ」
「え? あ、ありがとう……」
何かに使えるかな、これ……?
ヤンガスとか、装備できそうじゃない……?
ようやく立ち上がれるようになって、おしりについた土を払う。
このスライムたちって、落っこちちゃったってことは、自力じゃ出られなくない?
そう思いながら、二人乗り……二匹乗り? しているスライムを見つめていると、スライムが私に話しかけてきた。
「知ってるかい? この崖の向こうに、すごーいものがあるんだよ!」
「すごいもの?」
「ふるーいふるーいお船なんだ! 合体したぼくたちよりも、ずーっとずーっとおっきいんだよ!」
「やっぱあれ船なんだ……」
教えてくれてありがとー、とスライムたちに手を振って、縄を伝って井戸から出る。
縄を伝う時に両手が塞がるので、スライムの王冠は自分が被ることにした。
だいぶブカブカだから、やっぱり私は装備できないな。
井戸から上がると、ちょうど山小屋を出てきたエイトと鉢合わせた。
王冠を被った私を見て、エイトがぎょっとした顔で駆け寄ってくる。
「なにそれ……?」
「なんか、井戸に嵌ったキングスライムを助けたらもらった……」
「どういうこと……?」
静かに首を振って、エイトの頭に王冠を被せる。
劇的に似合わないな。
あとエイトでもちょっとブカブカだ。
エイトでこれってことは、当然ククールもゼシカも装備は無理だろう。
「ヤンガスに被らせようっと」
「これ装備品なのかな」
「じゃない? 知らないけど。呪われてるわけじゃないし、大丈夫でしょ」
「僕ら、時々ヤンガスの扱いが雑になるよね……」
私は何も言わずに微笑んでおいた。
私のみならず、エイトもその自覚があったのはちょっと面白い。
でもこれはヤンガスに被ってもらおうと思う。
