20章
夢小説設定
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階段を降りた先でまたもや分かれ道に遭遇したけれど、地図があったので難なく正解の道を選んで進めた。
ちょっとした広い空間には、またもや剣士像と、床に一つだけぽつんと描かれた紋様と、毒の沼地と跳ね橋がある。
……どういうことだ?
「さっきの要領で、この剣士像をどうにかすりゃあいいんだろうが……」
「この紋様のところまで持ってくるとか?」
何となくの勘でそう言うと、全員が「それだ!」と叫んだ。
エイトが剣士像を引っ張って、床の紋様の上に持ってくる。
像が床の紋様を踏んだ瞬間、跳ね橋が降りて向こう側へと繋がった。
「さすが姉貴でげすなぁ」
「まあね! これでも近衛兵だからね!」
「トラップを全部踏むタイプのな」
ククールの一言がグサッと刺さる。
しくしくと泣く私の手を引っ張って、エイトがスタスタと橋を渡っていった。
ぐるっと通路を回って、さらに先へ。
途中で彷徨う魂やら亡霊剣士やらが出てきたが、多少の慣れもあるせいか、卒なく対処できるようになってきた。
辿り着いたフロアには、床一面に謎のタイルが敷き詰められ、剣士像が二体。
そしてここで行き止まりになっていた。
「宝箱はァ!?」
「これだけ深く潜ってきたけど、まさかここから宝箱に繋がってるなんて言わないわよね」
「……兄貴、壁に何か書いてあるでげすよ」
エイトが壁にある石碑へと近付く。
手を掴まれたままの私も同様に石碑へと近付いた。
「んーと……『天を仰げ! されば道は示されん!』。……天を仰げ〜?」
言われた通りに天井を見上げる。
そうして全員が「あ」と声を上げた。
天井の一角だけが、ぽかんと空いている。
ちょうどタイル一枚分くらいの大きさだ。
「剣士像が二体……。タイル一枚分の穴……」
「何か分かったの?」
「私の勘が正しければ……。エイト、手前の像を、左から二列目に持ってきて」
「……! 分かった」
エイトが部屋の手前側にいる像を、言われた通りの場所まで引っ張っていく。
それから、と私はヤンガスを見やった。
「ヤンガスは反対側の像を、右から二列目に動かして」
「右から二列目でげすか?」
ヤンガスが像を動かして、右から二列目へ。
上を見上げてから、私はひとつ頷いた。
「多分、これでいいと思う」
「何がなんだ?」
「ふふふ、天井を見たまえククール君! 石像二体と、タイル一枚分が開いている穴。多分これ、石像を動かして導線を交差させると、重なったところのタイルが飛べるんだよ! ほら、この縦の像と、横の像の向いてる方向、あのタイルで交わってるじゃない?」
「なるほど……! レイラ、さすがだよ!」
「いえいえ、それほどでも! じゃ、一番乗り!」
意気揚々とタイルに乗る。
瞬間、ものすごいスピードでタイルが上昇して、慣性で放り投げられた。
「おっと」
着地して脇に避けると、すぐにエイトが上がってきた。
そのあとからゼシカ、ククール、ヤンガスの順で上がってきて、全員が揃ったわけだけど。
「ここ、最初のフロアだ!」
「マジで繋がってたってわけかよ……」
左右に立つ大きな剣士像の足元には、それぞれ石碑が残されている。
左側の石碑には──。
『剣士像の謎を解きし、知恵ある者よ。次は汝の力を試す時。自信なき者は、背後の穴へと飛び込み、立ち去るがよい』
「……やーな予感するなぁ、これ」
力を試す時って書くくらいだから、あの宝箱の前に一波乱ありそうというか……。
反対側の石碑に回ると、こちらは文面が違っていた。
『ビーナスの涙を求めし者よ、よくぞここまで辿り着いた! さあ、最後の試練を受けるがよい』
不思議な光が私達を包んで、体力と魔力が回復していく。
私とエイトは同時に顔を見合わせ、それから階段の上を見上げた。
「嫌な予感がする」
「やっぱり?」
「ま、ここまで来ちまったからには、やるしかないだろ」
「そうね、手ぶらで帰るわけにはいかないわ!」
「アッシひとりで挑むわけじゃねぇ、兄貴や姉貴達が一緒なんでぇ。負けるはずねぇぜ……!」
全員で頷いて、階段を上る。
その先に置いてある豪華な宝箱を前に、エイトはごくりと唾を飲み込んだ。
「それじゃあ、宝箱を開けるよ?」
「いいともー!」
私の声で、エイトが宝箱を開ける。
その瞬間。
「ガァァァァ!!」
「うわぁぁっ!!」
「エイト!!」
突如として宝箱が変形して、エイトに襲いかかってきた。
すんでのところで避けたエイトが階段を踏み外して、転がり落ちてくる。
慌ててエイトに駆け寄って肩を支えた。
「大丈夫!?」
「うん、平気……。それよりも、こいつを倒さないと宝石は手に入らない!」
「それなら、さっさと倒してここから出るだけよ!」
「お姫様を助けてやらねえとな?」
「その通りでがす!」
エイトに薬草を使って、立ち上がらせる。
それから腰の剣を抜いて構えた。
エイトも背中の剣を抜いて既に戦闘態勢だ。
「よっし、それじゃあ行きますか!」
いざ、ビーナスの涙を求めて!
勝負だ──トラップボックス!!
ちょっとした広い空間には、またもや剣士像と、床に一つだけぽつんと描かれた紋様と、毒の沼地と跳ね橋がある。
……どういうことだ?
「さっきの要領で、この剣士像をどうにかすりゃあいいんだろうが……」
「この紋様のところまで持ってくるとか?」
何となくの勘でそう言うと、全員が「それだ!」と叫んだ。
エイトが剣士像を引っ張って、床の紋様の上に持ってくる。
像が床の紋様を踏んだ瞬間、跳ね橋が降りて向こう側へと繋がった。
「さすが姉貴でげすなぁ」
「まあね! これでも近衛兵だからね!」
「トラップを全部踏むタイプのな」
ククールの一言がグサッと刺さる。
しくしくと泣く私の手を引っ張って、エイトがスタスタと橋を渡っていった。
ぐるっと通路を回って、さらに先へ。
途中で彷徨う魂やら亡霊剣士やらが出てきたが、多少の慣れもあるせいか、卒なく対処できるようになってきた。
辿り着いたフロアには、床一面に謎のタイルが敷き詰められ、剣士像が二体。
そしてここで行き止まりになっていた。
「宝箱はァ!?」
「これだけ深く潜ってきたけど、まさかここから宝箱に繋がってるなんて言わないわよね」
「……兄貴、壁に何か書いてあるでげすよ」
エイトが壁にある石碑へと近付く。
手を掴まれたままの私も同様に石碑へと近付いた。
「んーと……『天を仰げ! されば道は示されん!』。……天を仰げ〜?」
言われた通りに天井を見上げる。
そうして全員が「あ」と声を上げた。
天井の一角だけが、ぽかんと空いている。
ちょうどタイル一枚分くらいの大きさだ。
「剣士像が二体……。タイル一枚分の穴……」
「何か分かったの?」
「私の勘が正しければ……。エイト、手前の像を、左から二列目に持ってきて」
「……! 分かった」
エイトが部屋の手前側にいる像を、言われた通りの場所まで引っ張っていく。
それから、と私はヤンガスを見やった。
「ヤンガスは反対側の像を、右から二列目に動かして」
「右から二列目でげすか?」
ヤンガスが像を動かして、右から二列目へ。
上を見上げてから、私はひとつ頷いた。
「多分、これでいいと思う」
「何がなんだ?」
「ふふふ、天井を見たまえククール君! 石像二体と、タイル一枚分が開いている穴。多分これ、石像を動かして導線を交差させると、重なったところのタイルが飛べるんだよ! ほら、この縦の像と、横の像の向いてる方向、あのタイルで交わってるじゃない?」
「なるほど……! レイラ、さすがだよ!」
「いえいえ、それほどでも! じゃ、一番乗り!」
意気揚々とタイルに乗る。
瞬間、ものすごいスピードでタイルが上昇して、慣性で放り投げられた。
「おっと」
着地して脇に避けると、すぐにエイトが上がってきた。
そのあとからゼシカ、ククール、ヤンガスの順で上がってきて、全員が揃ったわけだけど。
「ここ、最初のフロアだ!」
「マジで繋がってたってわけかよ……」
左右に立つ大きな剣士像の足元には、それぞれ石碑が残されている。
左側の石碑には──。
『剣士像の謎を解きし、知恵ある者よ。次は汝の力を試す時。自信なき者は、背後の穴へと飛び込み、立ち去るがよい』
「……やーな予感するなぁ、これ」
力を試す時って書くくらいだから、あの宝箱の前に一波乱ありそうというか……。
反対側の石碑に回ると、こちらは文面が違っていた。
『ビーナスの涙を求めし者よ、よくぞここまで辿り着いた! さあ、最後の試練を受けるがよい』
不思議な光が私達を包んで、体力と魔力が回復していく。
私とエイトは同時に顔を見合わせ、それから階段の上を見上げた。
「嫌な予感がする」
「やっぱり?」
「ま、ここまで来ちまったからには、やるしかないだろ」
「そうね、手ぶらで帰るわけにはいかないわ!」
「アッシひとりで挑むわけじゃねぇ、兄貴や姉貴達が一緒なんでぇ。負けるはずねぇぜ……!」
全員で頷いて、階段を上る。
その先に置いてある豪華な宝箱を前に、エイトはごくりと唾を飲み込んだ。
「それじゃあ、宝箱を開けるよ?」
「いいともー!」
私の声で、エイトが宝箱を開ける。
その瞬間。
「ガァァァァ!!」
「うわぁぁっ!!」
「エイト!!」
突如として宝箱が変形して、エイトに襲いかかってきた。
すんでのところで避けたエイトが階段を踏み外して、転がり落ちてくる。
慌ててエイトに駆け寄って肩を支えた。
「大丈夫!?」
「うん、平気……。それよりも、こいつを倒さないと宝石は手に入らない!」
「それなら、さっさと倒してここから出るだけよ!」
「お姫様を助けてやらねえとな?」
「その通りでがす!」
エイトに薬草を使って、立ち上がらせる。
それから腰の剣を抜いて構えた。
エイトも背中の剣を抜いて既に戦闘態勢だ。
「よっし、それじゃあ行きますか!」
いざ、ビーナスの涙を求めて!
勝負だ──トラップボックス!!
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