11章
夢小説設定
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地下二階に降りると、そこは修道院らしく女神像のある礼拝所だった。
どれも埃を被っているし、ところどころ壁や天井が剥がれ落ちている。
脇にあるタンスにはボロボロになった修道士の服があったり、質素な服があったりして、ここに人が生活していた跡が生々しいくらい残っていた。
梯子を降りた先には本棚が並んでいて、いくつか錬金レシピもゲット。
その先にあった広い部屋から扉を開けて先へ進んだ、瞬間。
扉が勝手にバタン……と閉じた。
「ヒッ……!?」
ようやく慣れてきたかと思ったところに、不意打ちのように現れた心霊現象。
扉をエイトが開けようとしたけれど、押しても引いてもビクともしない。
背筋が凍りついて、私は頭がパンッと音を立てた気がした。
「姉貴! 姉貴しっかりするでがすよ!!」
「気を失っちゃダメよ!! 大丈夫、扉が勝手に閉まっただけでしょ!!」
「扉……勝手に閉まっ……」
「ゼシカの姉ちゃん、今のは追い討ちだったでがすよ……」
「レイラ、大丈夫。何も起きてない。ね?」
「起きたよ今。勝手に扉が」
「何も起きてない。いいね?」
「はい! 何も起きてません!」
エイトが頷いて、先へ進んでいく。
その通り、何も起きなかった。
別に何も起きなかった。
「エイトって時々、レイラ相手でも容赦ないのね……」
「甘やかすだけが仲間じゃないからね」
そうは言うけど、ちゃんと手は繋いでもらっている。
なんだかんだでエイトは優しいよなぁ。
私には過ぎた幼馴染みだよ、本当に。
どうやらこの通路は、地下二階から降りてきた先と繋がっていたみたいだった。
期せずして地下三階を一周してしまったわけだ。
地下四階へと降りると、目の前には。
「毒の沼地ー!?」
「これは流石に予想外だったな……」
「どうやって向こう側に渡ったもんでがすかね」
毒の沼地を前に二の足を踏んだ私達の隣で、ゼシカが何かに気付いたように右端へと動いた。
そうして倒れたタンスやベッドの上を器用に渡って行ったのだ。
頭良いな、天才かよゼシカ!
「この上を渡れば向こうに行けそうね。落ちないように気を付けて!」
「了解! レイラ、手を離すけど大丈夫?」
「大丈夫……!」
エイトの手が離れていく。
そうして先に渡っていったエイトを追うように、私とヤンガスも毒の沼地を渡り終えた。
すぐにエイトの手を握ってしまったのは許してほしい。
さっきからエイトがにこにこしているのが不思議だけど、嫌ではなさそうなので、このままにさせてもらおう。
「兄貴、嬉しそうでがすな……」
「レイラに頼ってもらえて嬉しいのよ。何も言わないでおきましょ」
背後のよく分からない会話を聴きながら、今度は階段を上っていく。
上り終えた先には、またもやミイラ男と――。
「メタルスライムだ!」
「狩るよヤンガス!!」
「承知でがす!!」
「メタルスライムなら大丈夫なのね……」
私とエイトとヤンガスがメタルスライムへ総攻撃を仕掛ける。
逃げなかったのが奴の運の尽きだ。
その後はミイラ男と、一緒に出てきたハエ男を倒していく。
ここに来るまでに何度か戦闘を繰り返したこともあって、流石に冷静に対処出来るようになった。
まだちょっと骸骨は怖いけど……。
「……今なら唱えられる気がする」
「何を?」
「ベホイミ」
「もう? 早いなぁ、僕はまだ無理そうだ」
ゼシカもイオを唱えられるようになったみたいだし、これからは戦闘もちょっとは楽になるかな。
しかしさすがメタルスライム、全然攻撃が通らなかった。
よく倒せたな……。
そうして大きな扉を開いた、瞬間。
私の手が勢いよく扉を閉める。
なんか……いた……!!
「ねえエイト」
「なに?」
「何もいなかったよね、今」
「いや、何かいたよ?」
「いやいや、何もいなかったよ」
「レイラ、現実を見るしかないわよ」
ゼシカの非情な一言で、私はエイトの背中にしがみつくしかなかった。
そんな私をものともせず、エイトの手が再び扉を開く。
その先にいたのは、紛れもなく。
嘆きの亡霊だった。
つまり正真正銘の幽霊である。
「◎△$♪×¥●&%#!?」
「なんて!?」
言葉にならない悲鳴が響き渡る。
ごめん流石にこれは無理!
ミイラ男とか骸骨とか腐った死体とかのレベルじゃない!
戦意喪失の一歩手前までいって、よろよろと後退りする。
けれどその瞬間――またもや、こめかみが微かな痛みを訴えた。
ピリッとした程度の、気にならない痛み。
けれど今回ばかりは無視できなかった。
なに、今の。
目の前にいる嘆きの亡霊と、何か関係があるのだろうか。
だったら、避けては通れない。
剣を抜いて、強く握り締める。
避けて……通りたかったなー!!
どれも埃を被っているし、ところどころ壁や天井が剥がれ落ちている。
脇にあるタンスにはボロボロになった修道士の服があったり、質素な服があったりして、ここに人が生活していた跡が生々しいくらい残っていた。
梯子を降りた先には本棚が並んでいて、いくつか錬金レシピもゲット。
その先にあった広い部屋から扉を開けて先へ進んだ、瞬間。
扉が勝手にバタン……と閉じた。
「ヒッ……!?」
ようやく慣れてきたかと思ったところに、不意打ちのように現れた心霊現象。
扉をエイトが開けようとしたけれど、押しても引いてもビクともしない。
背筋が凍りついて、私は頭がパンッと音を立てた気がした。
「姉貴! 姉貴しっかりするでがすよ!!」
「気を失っちゃダメよ!! 大丈夫、扉が勝手に閉まっただけでしょ!!」
「扉……勝手に閉まっ……」
「ゼシカの姉ちゃん、今のは追い討ちだったでがすよ……」
「レイラ、大丈夫。何も起きてない。ね?」
「起きたよ今。勝手に扉が」
「何も起きてない。いいね?」
「はい! 何も起きてません!」
エイトが頷いて、先へ進んでいく。
その通り、何も起きなかった。
別に何も起きなかった。
「エイトって時々、レイラ相手でも容赦ないのね……」
「甘やかすだけが仲間じゃないからね」
そうは言うけど、ちゃんと手は繋いでもらっている。
なんだかんだでエイトは優しいよなぁ。
私には過ぎた幼馴染みだよ、本当に。
どうやらこの通路は、地下二階から降りてきた先と繋がっていたみたいだった。
期せずして地下三階を一周してしまったわけだ。
地下四階へと降りると、目の前には。
「毒の沼地ー!?」
「これは流石に予想外だったな……」
「どうやって向こう側に渡ったもんでがすかね」
毒の沼地を前に二の足を踏んだ私達の隣で、ゼシカが何かに気付いたように右端へと動いた。
そうして倒れたタンスやベッドの上を器用に渡って行ったのだ。
頭良いな、天才かよゼシカ!
「この上を渡れば向こうに行けそうね。落ちないように気を付けて!」
「了解! レイラ、手を離すけど大丈夫?」
「大丈夫……!」
エイトの手が離れていく。
そうして先に渡っていったエイトを追うように、私とヤンガスも毒の沼地を渡り終えた。
すぐにエイトの手を握ってしまったのは許してほしい。
さっきからエイトがにこにこしているのが不思議だけど、嫌ではなさそうなので、このままにさせてもらおう。
「兄貴、嬉しそうでがすな……」
「レイラに頼ってもらえて嬉しいのよ。何も言わないでおきましょ」
背後のよく分からない会話を聴きながら、今度は階段を上っていく。
上り終えた先には、またもやミイラ男と――。
「メタルスライムだ!」
「狩るよヤンガス!!」
「承知でがす!!」
「メタルスライムなら大丈夫なのね……」
私とエイトとヤンガスがメタルスライムへ総攻撃を仕掛ける。
逃げなかったのが奴の運の尽きだ。
その後はミイラ男と、一緒に出てきたハエ男を倒していく。
ここに来るまでに何度か戦闘を繰り返したこともあって、流石に冷静に対処出来るようになった。
まだちょっと骸骨は怖いけど……。
「……今なら唱えられる気がする」
「何を?」
「ベホイミ」
「もう? 早いなぁ、僕はまだ無理そうだ」
ゼシカもイオを唱えられるようになったみたいだし、これからは戦闘もちょっとは楽になるかな。
しかしさすがメタルスライム、全然攻撃が通らなかった。
よく倒せたな……。
そうして大きな扉を開いた、瞬間。
私の手が勢いよく扉を閉める。
なんか……いた……!!
「ねえエイト」
「なに?」
「何もいなかったよね、今」
「いや、何かいたよ?」
「いやいや、何もいなかったよ」
「レイラ、現実を見るしかないわよ」
ゼシカの非情な一言で、私はエイトの背中にしがみつくしかなかった。
そんな私をものともせず、エイトの手が再び扉を開く。
その先にいたのは、紛れもなく。
嘆きの亡霊だった。
つまり正真正銘の幽霊である。
「◎△$♪×¥●&%#!?」
「なんて!?」
言葉にならない悲鳴が響き渡る。
ごめん流石にこれは無理!
ミイラ男とか骸骨とか腐った死体とかのレベルじゃない!
戦意喪失の一歩手前までいって、よろよろと後退りする。
けれどその瞬間――またもや、こめかみが微かな痛みを訴えた。
ピリッとした程度の、気にならない痛み。
けれど今回ばかりは無視できなかった。
なに、今の。
目の前にいる嘆きの亡霊と、何か関係があるのだろうか。
だったら、避けては通れない。
剣を抜いて、強く握り締める。
避けて……通りたかったなー!!