後日譚2
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ガーデンパーティーは、王族とお城の使用人も入り交じって、わいわいと賑やかだ。
なんだかすごい光景だな、と私とエイトのほうが気後れしているまである。
「エイト、霊導者の子孫レイラよ。いつぞやの結婚式以来であるな」
「クラビウス王……! そ、その、その節は大変ご迷惑をお掛けして……」
私とエイトが同時に青ざめながら笑顔を浮かべた。
とんでもないことをしでかした自覚は大いにある。
しかしクラビウス王はからりと笑って首を振った。
「いや、私も納得し、賛成した上でのことだ。まあチャゴスには、良いお灸を据えられたであろうよ。しかし、あの日、私の前に現れたお前が、よもや我が兄の忘れ形見であろうとは。そなたもただの旅人と思ったが、霊導者ヨシュアの子孫であったとはな」
何かを懐かしむようにクラビウス王が目を細め、エイトを見下ろす。
サザンビーク王家に入ることこそなかったけれど、クラビウス王は心の中でエイトのことを甥として認識しているようだった。
それがなんだか自分のことみたいに嬉しい。
「しかしこうして見れば見るほど、兄に似ている」
「……クラビウス王。貴方にとって、父は……」
エイトがそう問いかけて、口を閉ざす。
そんなエイトに小さく微笑み、クラビウス王は視線を遠くに向けた。
「……自慢の兄であったよ。兄が治めるサザンビークを、臣下として支えていくのが長年の夢だった。兄の消息は私もずっと心に引っかかっていたゆえな……。褒められた最期ではないかもしれんが、兄の行方が知れて良かった」
お兄さんであったエルトリオ王子の忘れ形見。
エイトが生きていることは、クラビウス王の中で、エルトリオ王子の血がこの世界に息づいていることの証なのかもしれない。
「……時間が出来たら、サザンビークに来るといい。そなた達のためなら、私も時間を作ろう。お前の知らぬ兄の……父のことを、教えてやりたいのでな」
小さく目を見開いて、それからエイトが深く頭を下げた。
その肩を叩いて去っていくクラビウス王は、どこか荷が降りた様な軽やかさを感じる。
そしてその背を見送るエイトの目には、うっすらと涙が張っていた。
「良かったね、エイト」
「……うん」
一筋だけ涙を流して、エイトが頷く。
そうして気を取り直したように微笑んだ先には──。
「お久しぶりです、お二人とも」
「パヴァン王!」
「エイトさんとは、半年ほど前にお会いしましたが、レイラさんとは月影のハープの件以来ですね。あの時はご迷惑をお掛けしました」
「い、いえいえ! あのハープのおかげで、私達の旅が進められたんですし!」
相変わらず人のいい顔をしている。
パヴァン王には、このままでいてほしいな。
「先程、クラビウス王とお話をさせていただいたのですが、やはり大国の王は私などよりもしっかりされていますね。勉強になることばかりでした」
「それでも、アスカンタはとても良い国だと僕は思います。キラさんはお元気ですか?」
「はい、城で元気にしています。……しかし、レイラさんが、あのヨシュア・ロアナスの子孫であったとは驚きました」
「私も後で知って、とても驚きました……」
「伝承こそ少ない方ですが、賢者のことを調べれば、自ずと知ることになる人物ですからね。教会関係者が異様に少ないのは、何か理由が……?」
「……教会側というか、聖堂騎士団相手に、色々とやらかしたもので……」
エイトが気まずそうに呟く。
そういえばサヴェッラ大聖堂での結婚式の時、なぜか聖堂騎士団が倒されてたもんね。
やりきった顔のヤンガスがいたし。
「あっははは! あなた方はどこか大物だと思っていましたが、そうでしたか! はあ、武勇伝を詳しくお聞きしたいところですが、私ばかりが独り占めするのも宜しくないですね。機会があれば、ぜひアスカンタへお越しください。大したもてなしはできませんが、皆さんの旅の話を聞いてみたいと思っているんです」
「はい、ぜひ!」
パヴァン王が楽しそうに頷いて、どこかへと去っていく。
そういえばゼシカ達がいないなぁ、と思っていると、向こうで竜神王様に捕まっていた。
その竜神王様と私の目が合う。
必然的にゼシカ達とも目が合って、私は小さく手を振った。
「挨拶は終わったか」
「待たせてしまいましたか?」
「いや、この者たちを相手にしていたゆえ、そう待ってはいない。しかし人間とは面白いものだな。結婚のためにここまで大掛かりな宴を開くとは」
「……いや、これはあのトロデ王と姫様が張り切りすぎただけで、普通はここまでしないもんだぜ」
ククールのまともな訂正に全員が頷く。
間違いなく私とエイトの結婚式の規模ではない。
そりゃあロアナス家はトロデーン国に存在した貴族だけど、財は全て過去に失われたから、貴族位も返上している。
つまり私はただの近衛隊副隊長なのであって、霊導者として生きていくつもりは毛頭ないのだ。
「姉貴の晴れ姿は去年も見やしたが、兄貴もビシッと決まってて格好いいでがすよ! あの兄貴と姉貴の結婚式にアッシまで呼んでもらえて、感無量でがす」
「そりゃ呼ばないわけないじゃん! 一番長く一緒に旅してきたんだから!」
「たしか、死にかけたところをエイトとレイラに助けてもらったのよね?」
「捨てる神あれば拾う神ありってやつか。運が良かったな、ヤンガスは」
「その通りじゃな。旅は道連れ世は情けとは、よう言うたもんじゃわい」
「ウワびっくりした!!」
「おっさん、いつの間に!?」
ヤンガスが驚いて身を仰け反らせる。
このやり取り、まだ見られるんだ。
旅が終わってから見てなかったから、ちょっと感動した。
「……さて、私はもうしばらく堪能して、里へ帰るとしよう。エイト、レイラ。またいつでも里を訪れると良い。もちろん、私のいる天の祭壇まで登って来れば、その時は相手をしよう」
「次は勝ちます!」
「そうだね、またリベンジしに行こう」
「その意気や良し。いつでも待っているぞ」
錫杖をついて竜神王様が去っていく。
相変わらず威厳たっぷりだったな。
手を振って竜神王様を見送っていると、ぎょっとした顔が三人分、こちらに向けられていた。
「……兄貴たち、二人であの竜神王に挑んだんでがすかい?」
「あとちょっとで勝てたんだよ、惜しかったよねエイト」
「そうだね、レイラが勝手に突っ走っていくから負けたけどね」
「……正気なの?」
「お前らはバケモンか?」
「アレッなんかドン引きされてる?」
「普通はドン引きすると思うよ」
遠い目をしてエイトがそう言う。
でも二人で行こうって言い出したの、私の記憶が正しければエイトだったんだけどな。
……戦闘力バケモンはそっちでは?
なんだかすごい光景だな、と私とエイトのほうが気後れしているまである。
「エイト、霊導者の子孫レイラよ。いつぞやの結婚式以来であるな」
「クラビウス王……! そ、その、その節は大変ご迷惑をお掛けして……」
私とエイトが同時に青ざめながら笑顔を浮かべた。
とんでもないことをしでかした自覚は大いにある。
しかしクラビウス王はからりと笑って首を振った。
「いや、私も納得し、賛成した上でのことだ。まあチャゴスには、良いお灸を据えられたであろうよ。しかし、あの日、私の前に現れたお前が、よもや我が兄の忘れ形見であろうとは。そなたもただの旅人と思ったが、霊導者ヨシュアの子孫であったとはな」
何かを懐かしむようにクラビウス王が目を細め、エイトを見下ろす。
サザンビーク王家に入ることこそなかったけれど、クラビウス王は心の中でエイトのことを甥として認識しているようだった。
それがなんだか自分のことみたいに嬉しい。
「しかしこうして見れば見るほど、兄に似ている」
「……クラビウス王。貴方にとって、父は……」
エイトがそう問いかけて、口を閉ざす。
そんなエイトに小さく微笑み、クラビウス王は視線を遠くに向けた。
「……自慢の兄であったよ。兄が治めるサザンビークを、臣下として支えていくのが長年の夢だった。兄の消息は私もずっと心に引っかかっていたゆえな……。褒められた最期ではないかもしれんが、兄の行方が知れて良かった」
お兄さんであったエルトリオ王子の忘れ形見。
エイトが生きていることは、クラビウス王の中で、エルトリオ王子の血がこの世界に息づいていることの証なのかもしれない。
「……時間が出来たら、サザンビークに来るといい。そなた達のためなら、私も時間を作ろう。お前の知らぬ兄の……父のことを、教えてやりたいのでな」
小さく目を見開いて、それからエイトが深く頭を下げた。
その肩を叩いて去っていくクラビウス王は、どこか荷が降りた様な軽やかさを感じる。
そしてその背を見送るエイトの目には、うっすらと涙が張っていた。
「良かったね、エイト」
「……うん」
一筋だけ涙を流して、エイトが頷く。
そうして気を取り直したように微笑んだ先には──。
「お久しぶりです、お二人とも」
「パヴァン王!」
「エイトさんとは、半年ほど前にお会いしましたが、レイラさんとは月影のハープの件以来ですね。あの時はご迷惑をお掛けしました」
「い、いえいえ! あのハープのおかげで、私達の旅が進められたんですし!」
相変わらず人のいい顔をしている。
パヴァン王には、このままでいてほしいな。
「先程、クラビウス王とお話をさせていただいたのですが、やはり大国の王は私などよりもしっかりされていますね。勉強になることばかりでした」
「それでも、アスカンタはとても良い国だと僕は思います。キラさんはお元気ですか?」
「はい、城で元気にしています。……しかし、レイラさんが、あのヨシュア・ロアナスの子孫であったとは驚きました」
「私も後で知って、とても驚きました……」
「伝承こそ少ない方ですが、賢者のことを調べれば、自ずと知ることになる人物ですからね。教会関係者が異様に少ないのは、何か理由が……?」
「……教会側というか、聖堂騎士団相手に、色々とやらかしたもので……」
エイトが気まずそうに呟く。
そういえばサヴェッラ大聖堂での結婚式の時、なぜか聖堂騎士団が倒されてたもんね。
やりきった顔のヤンガスがいたし。
「あっははは! あなた方はどこか大物だと思っていましたが、そうでしたか! はあ、武勇伝を詳しくお聞きしたいところですが、私ばかりが独り占めするのも宜しくないですね。機会があれば、ぜひアスカンタへお越しください。大したもてなしはできませんが、皆さんの旅の話を聞いてみたいと思っているんです」
「はい、ぜひ!」
パヴァン王が楽しそうに頷いて、どこかへと去っていく。
そういえばゼシカ達がいないなぁ、と思っていると、向こうで竜神王様に捕まっていた。
その竜神王様と私の目が合う。
必然的にゼシカ達とも目が合って、私は小さく手を振った。
「挨拶は終わったか」
「待たせてしまいましたか?」
「いや、この者たちを相手にしていたゆえ、そう待ってはいない。しかし人間とは面白いものだな。結婚のためにここまで大掛かりな宴を開くとは」
「……いや、これはあのトロデ王と姫様が張り切りすぎただけで、普通はここまでしないもんだぜ」
ククールのまともな訂正に全員が頷く。
間違いなく私とエイトの結婚式の規模ではない。
そりゃあロアナス家はトロデーン国に存在した貴族だけど、財は全て過去に失われたから、貴族位も返上している。
つまり私はただの近衛隊副隊長なのであって、霊導者として生きていくつもりは毛頭ないのだ。
「姉貴の晴れ姿は去年も見やしたが、兄貴もビシッと決まってて格好いいでがすよ! あの兄貴と姉貴の結婚式にアッシまで呼んでもらえて、感無量でがす」
「そりゃ呼ばないわけないじゃん! 一番長く一緒に旅してきたんだから!」
「たしか、死にかけたところをエイトとレイラに助けてもらったのよね?」
「捨てる神あれば拾う神ありってやつか。運が良かったな、ヤンガスは」
「その通りじゃな。旅は道連れ世は情けとは、よう言うたもんじゃわい」
「ウワびっくりした!!」
「おっさん、いつの間に!?」
ヤンガスが驚いて身を仰け反らせる。
このやり取り、まだ見られるんだ。
旅が終わってから見てなかったから、ちょっと感動した。
「……さて、私はもうしばらく堪能して、里へ帰るとしよう。エイト、レイラ。またいつでも里を訪れると良い。もちろん、私のいる天の祭壇まで登って来れば、その時は相手をしよう」
「次は勝ちます!」
「そうだね、またリベンジしに行こう」
「その意気や良し。いつでも待っているぞ」
錫杖をついて竜神王様が去っていく。
相変わらず威厳たっぷりだったな。
手を振って竜神王様を見送っていると、ぎょっとした顔が三人分、こちらに向けられていた。
「……兄貴たち、二人であの竜神王に挑んだんでがすかい?」
「あとちょっとで勝てたんだよ、惜しかったよねエイト」
「そうだね、レイラが勝手に突っ走っていくから負けたけどね」
「……正気なの?」
「お前らはバケモンか?」
「アレッなんかドン引きされてる?」
「普通はドン引きすると思うよ」
遠い目をしてエイトがそう言う。
でも二人で行こうって言い出したの、私の記憶が正しければエイトだったんだけどな。
……戦闘力バケモンはそっちでは?
