終章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「──う、ぅ……?」
ぼんやりと意識が覚醒していく。
あれ……私、何してたんだっけ……。
「レイラ!」
「エイト……?」
視界に映ったのはエイト。
その顔は傷と埃だらけで、「今まで戦ってました」と言わんばかりだ。
……なんで戦ってたんだっけ?
「良かった……目が覚めた」
「私……?」
「竜神王と戦ってたんだよ、覚えてるよね?」
「……あー、そうだった……」
そんで確か、私が竜神王様に一か八かで突っ込んで……。
やられたのか……。
全然記憶がないな……。
「まったく……。誰が相討ち覚悟で突っ込めなんて言ったっけ?」
「言われてません……」
「エイト、お前の妻は……少々、お転婆がすぎるな?」
「無鉄砲と言っていいんですよ」
「うっ」
エイトが本気で怒ってる……!
しかし私が百パーセント悪いので、黙って頭を下げた。
「誠に申し訳ございませんでした……」
「二度としないように」
「はい……」
エイトからお灸を据えられたところで、竜神王様を見上げる。
こちらはエイトとは真逆で、涼しい顔をしていた。
多少は衣服に乱れがあるけれど、大したダメージは食らってなさそうな……。
……いや私、かなり大型の呪文ぶち込んでたよね?
メラゾーマとかメラゾーマとかメラゾーマとか。
「竜神王様の体力は無限にあるんですか?」
「レイラがあそこで飛び出さなきゃ、あと少しで勝てたんだよ」
「アッはい」
重ね重ね頭を下げて謝罪をするしかない。
私の浅慮な行いで勝機を潰してしまい、大変申し訳ございませんでした……。
やれやれと首を振って、エイトの腕が私を抱き上げた。
見た目の細さからは分からないけれど、意外とエイトは鍛えている。
だから、私を抱き上げるのは大した労力ではないらしい。
「お相手、ありがとうございました」
「またいつでも挑みに来るがよい」
「次は勝ちます!」
「レイラは反省しようね?」
「はい……」
しょぼんと肩を落とした私に小さく笑って、エイトが竜神王様に目で何かを伝える。
頷いた竜神王様が錫杖で地面を叩くと、私たちの体は光に包まれて、どこかへと転移した。
──戻ってきたのは、長老たちがいる会議場。
いつの間にやら、世界はとっくに夜を迎えているらしい。
……それはいいとして。
「あの〜、エイト?」
「なに?」
「もう降ろしてもいいんじゃない?」
「お仕置きも兼ねてるから降ろしません」
「すっごい怒ってる……! ほんとごめんなさいっ、もう無茶はしないから降ろしてください!」
「嫌」
「そんなー!」
私を抱えたまま、エイトがグルーノさんのお家へ入っていく。
そのまま二階に上がって、そこでようやく私を降ろした。
ちなみにトーポは空気を読んでエイトのポケットから出ていった。
出来るネズミもとい祖父で助かる。
ついでにお怒りの孫のことも宥めてほしかった。
「……レイラは、自己犠牲心が強すぎるよ」
「え……」
「そういうところ……僕は怖い」
「エイト……?」
「いつか、本当に戻ってこなくなるんじゃないかって……。あの時みたいに、僕を置いていくんじゃないかって……」
「置いていかない! 絶対……絶対、そんなことしない」
「……絶対だよ」
エイトの腕が私を抱き締める。
その両腕は、情けないくらいに震えていた。
……馬鹿だった、私。
少し考えれば分かる事だったのに。
私を一度でも失ったことが、どれだけエイトの心に深い傷を負わせたか……。
「……エイト」
「今でも夢に見るんだ……。あの日の、あの時の光景が、ずっと。体が動かなくて、レイラを止めたいのに……何もできなくて……。あの日……僕は、レイラを──殺したんだ」
「そんなこと……!」
「ずっと自分が許せない。あんな選択をさせることしか出来なかった自分が……。殺したいほど憎いよ……弱かった自分が……」
「エイト……」
「もっと自分を大切にして……お願いだから。過保護だと思われてもいい、レイラを守れない現実を味わうのは……もう嫌だ」
「……うん。ごめん……ごめんね、ごめんなさい……。エイトが苦しんでるの、気付いてあげられなかった。ごめんねエイト……ごめん……」
背中に回された手に力が籠る。
私も、震える彼の背中に手を回した。
私はここにいる──そう伝わるように。
もうエイトの前からいなくなったりしない。
私はこれからもずっとエイトと一緒にいる。
何があっても。
たとえ再び世界の終わりが来たとしても。
月の光が優しく差し込む部屋で、エイトの瞳と交錯する。
そして……エイトの指が、輪郭を確かめるように頬を撫でた。
指先が唇に触れて──やってきたのは、荒いキス。
ベッドの上に縺れ合いながら押し倒されて、角度が変わるタイミングで呼吸を繰り返す。
エイト、と途切れ途切れに名前を呼んで、首に腕を回した。
「……レイラ……抱きたい……」
「ん……いいよ、エイト。……来て……」
エイトの顔が首筋に埋まる。
首、鎖骨……何度も強く吸われて、紅い華が咲いていく。
「私は……ここにいるよ……」
もう離れない。
ずっと一緒にいる。
愛しいあなたと、ずっと。
──その夜、私達は行為に溺れた。
それぞれの胸に抱え続けた悲しさを埋め合うように。
互いの存在を、互いの身体に刻み付けた──。
ぼんやりと意識が覚醒していく。
あれ……私、何してたんだっけ……。
「レイラ!」
「エイト……?」
視界に映ったのはエイト。
その顔は傷と埃だらけで、「今まで戦ってました」と言わんばかりだ。
……なんで戦ってたんだっけ?
「良かった……目が覚めた」
「私……?」
「竜神王と戦ってたんだよ、覚えてるよね?」
「……あー、そうだった……」
そんで確か、私が竜神王様に一か八かで突っ込んで……。
やられたのか……。
全然記憶がないな……。
「まったく……。誰が相討ち覚悟で突っ込めなんて言ったっけ?」
「言われてません……」
「エイト、お前の妻は……少々、お転婆がすぎるな?」
「無鉄砲と言っていいんですよ」
「うっ」
エイトが本気で怒ってる……!
しかし私が百パーセント悪いので、黙って頭を下げた。
「誠に申し訳ございませんでした……」
「二度としないように」
「はい……」
エイトからお灸を据えられたところで、竜神王様を見上げる。
こちらはエイトとは真逆で、涼しい顔をしていた。
多少は衣服に乱れがあるけれど、大したダメージは食らってなさそうな……。
……いや私、かなり大型の呪文ぶち込んでたよね?
メラゾーマとかメラゾーマとかメラゾーマとか。
「竜神王様の体力は無限にあるんですか?」
「レイラがあそこで飛び出さなきゃ、あと少しで勝てたんだよ」
「アッはい」
重ね重ね頭を下げて謝罪をするしかない。
私の浅慮な行いで勝機を潰してしまい、大変申し訳ございませんでした……。
やれやれと首を振って、エイトの腕が私を抱き上げた。
見た目の細さからは分からないけれど、意外とエイトは鍛えている。
だから、私を抱き上げるのは大した労力ではないらしい。
「お相手、ありがとうございました」
「またいつでも挑みに来るがよい」
「次は勝ちます!」
「レイラは反省しようね?」
「はい……」
しょぼんと肩を落とした私に小さく笑って、エイトが竜神王様に目で何かを伝える。
頷いた竜神王様が錫杖で地面を叩くと、私たちの体は光に包まれて、どこかへと転移した。
──戻ってきたのは、長老たちがいる会議場。
いつの間にやら、世界はとっくに夜を迎えているらしい。
……それはいいとして。
「あの〜、エイト?」
「なに?」
「もう降ろしてもいいんじゃない?」
「お仕置きも兼ねてるから降ろしません」
「すっごい怒ってる……! ほんとごめんなさいっ、もう無茶はしないから降ろしてください!」
「嫌」
「そんなー!」
私を抱えたまま、エイトがグルーノさんのお家へ入っていく。
そのまま二階に上がって、そこでようやく私を降ろした。
ちなみにトーポは空気を読んでエイトのポケットから出ていった。
出来るネズミもとい祖父で助かる。
ついでにお怒りの孫のことも宥めてほしかった。
「……レイラは、自己犠牲心が強すぎるよ」
「え……」
「そういうところ……僕は怖い」
「エイト……?」
「いつか、本当に戻ってこなくなるんじゃないかって……。あの時みたいに、僕を置いていくんじゃないかって……」
「置いていかない! 絶対……絶対、そんなことしない」
「……絶対だよ」
エイトの腕が私を抱き締める。
その両腕は、情けないくらいに震えていた。
……馬鹿だった、私。
少し考えれば分かる事だったのに。
私を一度でも失ったことが、どれだけエイトの心に深い傷を負わせたか……。
「……エイト」
「今でも夢に見るんだ……。あの日の、あの時の光景が、ずっと。体が動かなくて、レイラを止めたいのに……何もできなくて……。あの日……僕は、レイラを──殺したんだ」
「そんなこと……!」
「ずっと自分が許せない。あんな選択をさせることしか出来なかった自分が……。殺したいほど憎いよ……弱かった自分が……」
「エイト……」
「もっと自分を大切にして……お願いだから。過保護だと思われてもいい、レイラを守れない現実を味わうのは……もう嫌だ」
「……うん。ごめん……ごめんね、ごめんなさい……。エイトが苦しんでるの、気付いてあげられなかった。ごめんねエイト……ごめん……」
背中に回された手に力が籠る。
私も、震える彼の背中に手を回した。
私はここにいる──そう伝わるように。
もうエイトの前からいなくなったりしない。
私はこれからもずっとエイトと一緒にいる。
何があっても。
たとえ再び世界の終わりが来たとしても。
月の光が優しく差し込む部屋で、エイトの瞳と交錯する。
そして……エイトの指が、輪郭を確かめるように頬を撫でた。
指先が唇に触れて──やってきたのは、荒いキス。
ベッドの上に縺れ合いながら押し倒されて、角度が変わるタイミングで呼吸を繰り返す。
エイト、と途切れ途切れに名前を呼んで、首に腕を回した。
「……レイラ……抱きたい……」
「ん……いいよ、エイト。……来て……」
エイトの顔が首筋に埋まる。
首、鎖骨……何度も強く吸われて、紅い華が咲いていく。
「私は……ここにいるよ……」
もう離れない。
ずっと一緒にいる。
愛しいあなたと、ずっと。
──その夜、私達は行為に溺れた。
それぞれの胸に抱え続けた悲しさを埋め合うように。
互いの存在を、互いの身体に刻み付けた──。
